手芸のなかでも子供からお年寄りまで幅広い年齢層に人気がある刺繍。すき間時間にできて場所も選ばないので、気軽に楽しめそうなのが魅力ですよね。しかし実際に刺繍を始めるとなると、何から手をつけたらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。針や糸はどんなものを用意すればいいのか、どんな縫い方をするのか、調べるだけでも大変そう。そんな方におすすめしたいのが、刺繍キットです。必要な材料や道具がセットになっているので、これ1つあればすぐにでも刺繍を始められるという優れもの。初心者向けだけでなく、中級者や上級者向けのものもありますよ。今回は刺繍キットの種類や選び方や人気商品について解説します。これから刺繍を始めてみようという方だけでなく、自分で材料を調達するのが面倒なベテランの方も、ぜひこの記事を参考にしてみて下さいね。
刺繍キットの特徴
材料を揃えなくても必要なものがセットになっている
完成品を作るのに必要な材料がすべて揃っており、購入したらすぐにでも刺繍を始められるのが刺繍キットの特徴です。通常は1つの作品を作るのに何種類もの刺繍糸を使用しますが、自分で調達するのは大変ですよね。その点、刺繍キットでしたらどんな大掛かりな作品でも全種類の糸がセットになっているので、材料を用意する手間が省けます。刺繍キットによっても内容が異なり、材料だけでなく、使用する道具や完成品を飾るフレームなどがセットになっているものも。バリエーションが豊富で、初心者から上級者までさまざまな需要に合わせた刺繍キットが販売されています。
初めて刺繍をする人でも手軽に始められる
刺繍キットのなかには初心者向けのものも多く販売されています。使用する糸の種類が少ないものや簡単なステッチのものでしたら、初めて刺繍にチャレンジする方でも安心して始められますね。初心者用に販売されている刺繍キットの中には、糸の通し方から丁寧に教えてくれる説明書付きのものもあります。これから刺繍をやりたい人には、ぜひ刺繍キットを購入して始めることをおすすめします。
刺繍キットの種類
クロスステッチ
簡単な技法で初心者におすすめ
4世紀にトルコで発祥したとされ、世界中で親しまれている刺繍の技法です。布地の縦と横の織り目のことを布目と言いますが、クロスステッチは格子状になっている布目に対して糸を交差させ、X(クロス)の形を作っていきます。刺し方が単純で覚えやすく、パターンを並べていくだけなので、刺繍の入門編としてぴったり。また、クロスステッチで使用する針は、ヨーロッパ刺繍で使用する針と違って針先が少し丸くなっています。そのため布地に刺しやすく、慣れていない人でもきれいに仕上がります。万が一指に針を刺しても怪我をしにくいので、子供向けの刺繍として最適でしょう。
他の刺繍の技法では完成時のイメージとなる図案を布に写してから刺繍をしますが、クロスステッチでは図案は写すことはしません。図案を参考に、格子状の布目を数えながら1マスずつXの形に塗りつぶしていきます。そのためクロスステッチに使用する布は、布目が数えやすい専用の布か、布目の粗いものを選ぶのが基本。ただし、抜きキャンバスという布目を数えるための専用の布地があれば話は別です。抜きキャンバスを布に重ねてからクロスステッチを刺していき、完成後に抜きキャンバスの糸を引き抜けば刺繍だけが残るという優れものです。抜きキャンバスを使用することにより、ハンカチから洋服、バッグなどの小物など、針が通るものならどんなアイテムにもクロスステッチが楽しめます。
刺し子
日本伝統の針仕事で子どもから大人まで楽しめる
刺し子は500年ほど前から日本に伝わる伝統的な技法で、布地を刺し縫いする刺繍のことです。当時は貴重品だった布を大切にするため、刺し子を繰り返しながら補強していたとされています。もともとが針仕事ですから、日本人にとっては馴染みが深く、裁縫を習う小学校高学年ぐらいからチャレンジできるのが魅力です。藍色の木綿地に白色の糸の刺し子が定番ですが、最近ではカラフルなものもありますので、幅広い年齢層の方が楽しめます。
刺し子の基本は、幾何学模様等のパターンを繰り返すこと。他の技法では、花や風景などの画像を刺繍で再現するものが多いのに対し、刺し子は同じ模様の伝統柄を布地いっぱいに広げて総柄に仕立てるものが中心です。観賞用の作品よりも、小物や衣類などに実用目的で刺繍することが多いです。お気に入りのアイテムを刺し子でアレンジし、世界に1つだけのオリジナルを作ってみてはいかがでしょうか。
ヨーロッパ刺繍
バリエーションが豊富で中級者にぴったり
多数の色糸とステッチを組み合わせ、多彩なデザインを生み出すヨーロッパ刺繍。日本では一般的に刺繍といえば、このヨーロッパ刺繍を指すことが多いです。ヨーロッパ刺繍のステッチの種類は大変豊富で、100種類にも及ぶと言われています。1つの作品を作るのにさまざまなステッチを使用するので、ある程度刺繍に慣れている中級者以降の方におすすめの技法です。
ヨーロッパ刺繍の特徴は、なんといっても自由度の高さでしょう。使用するステッチは、簡単なものから熟練の腕が必要なものまで多種多様。大まかなデザインのものから、1針1針が綿密に計算された芸術品まで、多彩な作品を作り出すことができます。アート色が強く見た目にも美しいので、可憐な草花の模様などを刺繍したい方はぜひヨーロッパ刺繍にチャレンジしてみて下さい。クロスステッチと違って図案を布に写し取ってから刺繍をするので、布の種類を選ばないのも魅力ですね。
リボン刺繍
難易度高めで立体感のあるデザインが魅力
リボン刺繍では、刺繍糸の代わりにリボンを使用します。主にバラなどの花模様を作るのに使われ、リボンを使うことによって立体感があって豪華な印象に仕上がるのが特徴です。ヨーロッパ刺繍と同じように針を動かすので、ステッチ自体はさほど難しくはありません。しかし、リボンの引き加減にコツがいるので、中級から上級者向けの技法といえます。
リボン刺繍は魅力は抜群の存在感と鮮やかさ。ふんわりとした質感で優雅な表現は、糸を使った刺繍では真似をすることができません。シルクやアクリル、オーガンジーなど、使用するリボンの素材によっても印象が変わるのが面白いですね。また、リボンは糸よりも幅が広いため、他の刺繍に比べて早く刺し埋めることができます。短時間で完成してかつ豪華に見える優秀な技法ですので、ヨーロッパ刺繍に慣れてきた方は習得しておくことをおすすめします。
ビーズ刺繍
ビーズやスパンコールを使用した上級者向けの刺繍
糸を使った刺繍に飽きてきた方や、やりごたえのある刺繍にチャレンジしてみたい方におすすめなのがビーズ刺繍です。キラキラしたビーズやスパンコールを縫い付けて、アイテムを華やかに仕立て上げます。ステッチはヨーロッパ刺繍と同じですが、糸と違い立体感を意識しながら刺す必要があるので、上級者向けの技法とされています。
ビーズを1粒ずつ縫いつけていく作業は、大変根気が必要です。使用する材料集めにも時間がかかり、糸に比べたら材料費もずっと割高になります。しかし、苦労した分だけ完成した時の達成感は別格。見た目のゴージャス感は他の刺繍とは一線を画しています。ビーズがつけられた部分を洗濯するのは難しいので、洋服よりも手持ちのバッグや小物などへの刺繍がおすすめです。
刺繍キットの選び方
作りたい作品に合わせて選ぶ
観賞用に楽しみたいなら額飾り
刺繍の経験がある人なら、一度は自分の作品を額(フレーム)に入れて飾ってみたいもの。でもいざチャレンジするとなると、額を用意してそれにあわせた寸法の図案を考え、刺繍糸を揃えたりと、なかなか大変そう。そんな時におすすめなのが、額飾り用の刺繍キットです。材料や図案だけでなく、額も同梱されているので、キットを購入するだけで額飾りが作れますよ。簡単なイラストから絵画のように繊細なタッチのものまでいろいろなキットがあるので、自分のレベルや好みに合わせて選んで下さい。
雑貨を作りたいなら小物キット
自分で使うアイテムに刺繍をして楽しみたい方には、小物の刺繍キットがぴったりです。刺繍をすることと、お手製の小物を日常で使用することの、2通りの楽しみ方を味わえます。ビギナーの方はハンカチやティッシュケースなどの小さな小物から。刺繍に慣れてきた方は、クッションカバーやテーブルクロス、お財布などにチャレンジしてみましょう。手作りの雑貨は愛着もひとしお、毎日の生活が楽しくなるはずです。
含まれている中身の内容で選ぶ
必要な道具を確認する
刺繍キットにはたくさんの種類のものがありますが、その内容もさまざまです。買う前にはキットのパッケージを、ネット通販の場合は商品の説明をよく読んで、セット内容を確認することが大切です。これから刺繍を始める方でしたら、刺繍針が同梱されているものを選んで下さい。どの針を使えばいいのか迷う心配がありません。中級者以上の刺繍に慣れていらっしゃる方でしたら針も一通り揃っていると思いますので、材料のみのキットを選べばよいですね。
初心者には図案がプリント済みのものがおすすめ
刺繍をするのに欠かせないのが絵柄のベースとなる図案。ヨーロッパ刺繍や刺し子では、チャコペーパーなどを使用して図案を布に写してから刺繍をします。刺繍キットの中にはこの図案があらかじめプリントされているものもありますので、準備時間を短縮したい方におすすめです。クロスステッチの場合、通常は図案を写さないで刺していきますが、キットの中にはクロスステッチでもプリント済みのものがありますよ。特に初心者の方は、図案がプリント済みのものを選べば安心ですね。
刺繍キットのおすすめブランド・メーカー
DMC
1746年創業フランスの手芸糸メーカー
刺繍をする人なら知らない人はいないと言っても過言ではない、フランスの老舗手芸糸メーカーです。毎日世界で80万本販売されるという刺繍糸は最高級の品質で、糸に迷ったらコレと言われるほど圧倒的に支持されています。刺繍キットは花や植物をモチーフとしたボタニカルなデザインのものがメイン。なかでも刺繍作家の樋口愉美子さんとコラボしたキットが人気を集めています。
オリムパス
日本で初めて綿刺繍糸の開発に成功
創業110年の歴史を持つ日本を代表する手芸素材の総合メーカーで、国内で初めて綿刺繍糸の開発に成功した会社でもあります。発色がよく鮮やかな糸には400種類以上のカラーバリエーションが魅力。販売されている刺繍キットは現時点で500種類を超え、初心者から上級者向けのものまで幅広いジャンルの品揃えは圧巻です。DMC社の刺繍キットと比較しても全体的に価格が低く、手軽に購入できるのも魅力の1つですね。
ルシアン
インナーウェアのワコールが展開する手芸用品ブランド
京都に本社を構えるワコールのグループ企業で、繊維を軸にインナーウェアや手芸用品を展開しています。刺繍にはCOSMO (コスモ)という人気ブランドがあり、上品な光沢とやわらかな質感の刺繍糸は462色と豊富。ルシアンの刺繍キットは観賞用の作品が主流で、専用のフレームがセットになっているものが多めですので、自分でフレームを購入するのが面倒な方に特におすすめします。
piece
人気の刺繍作家さんの作品をキットに
国内の刺繍作家さんがデザインした刺繍キットをたくさん取り扱っている、手芸用品の会社です。他のメーカーと比べて取り扱っている製品は少なめですが、その分pieceでしか買うことができない可愛らしいデザインのキットが揃っています。観賞用の額飾りは扱っておらず、がま口やバッグなどの小物用キットだけを取り扱っているのもpieceの特徴です。また、刺し子やリボン刺繍、ビーズ刺繍など、他のメーカーではなかなか探すことができないジャンルの刺繍キットを扱っているのもありがたいですね。小物作りをしたい方に断然おすすめのメーカーです。
おすすめ&人気の刺繍キットランキング
初心者におすすめの刺繍キット
ルシアン-初心者刺繍キット まんまるフレーム(590円)
小学生でもチャレンジできる簡単なステッチ
初心者や小学生におすすめの、クロスステッチを使用する刺繍キットです。材料だけでなく使用する針も一緒に入っており、さらに完成時のフレームも付いたビギナーに優しいセット。どちらかというと子供向けのデザインですので、小学生の夏休みの工作などに最適です。590円(税込)と、子供のお小遣いで手が届きそうな値段も魅力的ですね。
一般的な刺繍糸は6本の糸が一束になっており、そのうちの数本を引き抜いて使用します。しかしこの刺繍キットでは6本の糸をそのまままとめて使用するので、糸が太い分だけ子供でもステッチが簡単にできます。完成時のフレームの大きさも直径9cmと手のひらサイズで、初心者の方がチャレンジするのにちょうどよい大きさではないでしょうか。
ダルマ-刺し子リネンハンカチ(1,633円)
3タイプから好きな模様が選べる刺し子キット
これから刺し子を始める人なら一度は挑戦してみたい、手作りの刺し子ハンカチ。上質なフレンチリネン100%のハンカチに刺し子をするだけの、お手軽なキットはいかがでしょうか。ホワイト、ブルー、ネイビーの3色から選べ、さらに3つの図案の中から好きな模様を選んで刺し子ができます。刺し子専用の針も付属しており、他の刺繍用の針しか持っていないという方でも安心です。
こちらのキットには、クロバーチャコピーという図案を布に写す専用のペーパーが同梱されています。図案を写すとなると敷居が高く感じるかもしれませんが、薄手のハンカチでしたら比較的簡単です。水洗いをすれば線が消えるので、多少の失敗は怖くありません。いずれにしても、この先刺繍を上達するためには図案を自分で写す作業は必須になりますので、この刺し子キットは練習用にぴったりですね。
ルシアン-かんたん刺繍キット「ハッピーバースデー」 (1,749円)
練習ドリルで基本のステッチが学べるキット
ルシアンから発売されている「大人のししゅう時間」というシリーズもので、これから刺繍を始める方のために作られた練習用のキットです。刺繍布にはあらかじめ図案がプリントされているので、上からなぞるようにクロスステッチを刺していきます。材料と針、フレームまですべてセットになっており、さらに針は2種類のものから使いやすい方を選べる親切さ。カラーの解説書には作品の作り方だけでなく、刺繍をする時のコツや注意点なども書かれているのが嬉しい点です。
こちらの刺繍キットには、作品用の刺繍布以外に、ステッチの刺し方を練習できるステッチドリルが入っています。クロスステッチの針を刺し進める番号がプリントされているので、本番前にステッチの練習ができるすぐれものです。クロスステッチの刺し方に自信がない方は、こちらのキットで練習から始めるのもいいですね。
オリムパス -刺し子キット 一目刺しのコースター(1,536円)
1つのキットで5種類のコースターが作れます
カラフルな5枚のコースターが作れる刺し子キットです。5種類の図案は布にプリント済みですので、いろいろな図案を刺してみたい方にぴったり。5色の刺繍糸が入っているので、どの図案をどの色で刺繍しようか悩む楽しさもありますね。藍色がベースの刺し子も素敵ですが、白地にカラフルな糸で作る刺し子は一味違った魅力が感じられます。
この刺し子キットでは、一目刺しという技法を使います。一目刺しとは、縫い目を同じ方向へひたすら広げていく縫い方で、最初は縦方向のみ、それが終わったら今度は横方向に、最後に斜めに針を進めていきます。一見難しそうに思える模様も、実は同じ縫い方をチクチクと繰り返すだけですので意外と簡単なのです。出来上がったコースターは5枚ありますので、ご家族やお客様用に使えるのもまた楽しみですね。
中級者におすすめの刺繍キット
オリムパス-刺繍キット「ワイルドローズのテーブルセンター」(5,292円)
食卓を華やかにしてくれるテーブルセンターを手作りで
刺繍でもっとも人気があるモチーフの1つである、色鮮やかで可憐な花模様。ワイルドローズのいきいきとした花の陰影を優しい色彩に織り交ぜた、テーブルセンターの刺繍キットです。人気刺繍作家のオノエメグミさんのデザインは、上品でとても繊細。優しくてロマンティックな絵柄をクロスステッチで再現してみませんか?
出来上がりサイズが100cm×35cmと大きめですので、中級者以上に向けた刺繍キットとなります。クロスステッチは比較的簡単な技法ですが、色数も多く、図案を布に写さずに仕立てるので、ある程度刺繍に慣れてからチャレンジしてみて下さい。完成後、別売りのフレームを購入することによって、観賞用の作品としても楽しめます。
piece-Chicchiさんの動物刺繍キット がま口 (1,555円)
愛らしいモチーフのお手製がま口にチャレンジ
愛らしいデザインが人気の刺繍作家Chicchi(チッチ)さんのがま口キットです。小鳥とクローバーの可憐な絵柄は、可愛いもの好きの女子の心をくすぐります。そして、キュートなモチーフにぴったりの可愛らしいがま口。手の平にちょとんと乗るサイズの小ぶりのがま口は、持ちやすさも抜群です。手作りの小物で、毎日のお出かけが楽しくなりますね。
刺繍をする部分は、ヨーロッパ刺繍の基本的なステッチだけで出来上がるので、さほど難しくありません。しかしこちらの刺繍キットでは、がま口の組み立ても自分で行います。そのため、手芸用の道具を自分で準備する必要があります。刺繍針やはさみなどの基本的な道具のほか、図案を移すためのチャコペンやチャコペーパー。そして、がま口を作るための目打ちやラジオペンチ、手芸用ボンドなども必要です。これらの道具は、これから刺繍で小物作りをするのに欠かせない存在になるはずです。ある程度刺繍に慣れてきたら、道具も一通り揃えておきたいですね。
DMC-樋口 愉美子 刺繍キット オーバル枠(7,344円)
オーバル枠付きでそのまま飾れる刺繍キット
刺繍愛好家に絶大な人気がある、刺繍作家の樋口愉美子さんデザインの刺繍キット。4タイプの図柄は春夏秋冬に分かれており、好みのものを選ぶことができます。DMC社の製品で、光沢があってしっかりとした刺繍糸を使用するので、出来上がりも美しく仕上がります。図案がプリント済ですので、下準備なしで楽チンです。
完成時のイメージが上質な印象のこちらの商品は、ベルギー王室でも使用されているというLIBECO社製のリネン100%の生地を使用。さらに、刺繍枠として使用した後そのまま飾れるフレームは、オーバル(楕円)型で刺繍キットでは珍しいもの。こちらのフレームは、ブナ材を使用してブルガリアで特別に生産した特注品です。20cm×13.8cmとさほど大きくない作品の割にはお値段がやや張りますが、その分1つ1つの素材にこだわりを感じますね。
オリムパス-花刺しゅうの優しい小物ポーチ(2,154円)
世界で1つだけのハンドメイドポーチが作れる
エレガントなバラのモチーフが描かれたポーチが出来上がる刺繍キット。中級者になったらこんな小物作りを始めてみませんか?ポーチの寸法は12cm×18cmでマチの部分が5cmあり、ちょっとした化粧品などが余裕で入るサイズ。半仕立て済みですので、自分でファスナーを取り付ける必要がなく、刺繍だけに集中できます。
美しい色彩の絵柄に使用する刺繍はクロスステッチ。ポーチには図案を写さずに刺繍をします。立体的なポーチに直接刺繍をするので、平面への刺繍と比べて少しやりづらいかもしれません。ですが、小物の布目をカウントしながらクロスステッチができるようになればほぼ上級者と言えます。こちらの刺繍キットで小物へのクロスステッチに慣れておけば、日常で使用しているバッグなどのアイテムにも応用できるようになるでしょう。
ルシアン-八角形のピンクッション(846円)
2枚の布をつなぐだけで可愛いピンクッションが完成
可愛い八角形のピンクッションをクロスステッチで仕上げる刺繍キットです。出来上がりのサイズは8cm×8cmで、裁縫箱に入れるのに邪魔にならない大きさ。2枚の正方形の布にそれぞれ刺繍をした後、それらを縫い合わせてクッションの形を作ります。縫う時はミシンを使わずに手縫いでOK。クッションに詰める綿も同梱されています。
ピンクッションの6種類のデザインはどれも可愛らしくて魅力的。ステッチ自体は難しくもなく、ビギナーでもチャレンジできそうですが、製作時間の目安が約10時間と少し長いのが気になります。作品自体が小さく布目も細かいので、初心者には扱いが難しいかもしれません。クロスステッチに慣れてきて、小物を作ってみたい方におすすめしたいです。
上級者におすすめの刺繍キット
DMC-刺繍キット 葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(6,480円)
世界的名画がクロスステッチで楽しめる
教科書などで誰もが一度は見たことがあると思われる、葛飾北斎の有名な浮世絵「神奈川沖浪裏」をクロスステッチで再現。イギリスの大英博物館とDMC社のコラボで作られた、世界的名画シリーズの刺繍キットです。うねる波間の1つ1つをクロスステッチで埋めていく作業は大変ですが、完成した時の達成感はきっと素晴らしいはず。
こちらの作品は、サイズが36cm×26cmと刺繍作品としてはなかなかの大作です。布目が細かく、数えるだけでも骨が折れますので、クロスステッチ上級者におすすめします。フレームはついておりませんので、完成後はお好きなフレームを購入して飾って下さいね。
フレメ-クロスステッチ 刺繍キット「野の花」(14,990円)
上級者にふさわしい大作で完成時の喜びもひとしお
長方形の布地いっぱいにさまざまな野の花を敷き詰めた、デンマーク製の刺繍キットです。デザイナーのゲルダ・ベンツソンさんは、刺繍に特化したデンマークのテキスタイルアーティストで、シンプルだけど繊細な野生の花の描写に定評があります。海外産の刺繍キットには、国内メーカーのものにはない雰囲気のデザインが魅力ですね。
完成品のサイズは35cm×106cmと刺繍作品としてはかなりの大きさ。これだけの布地に刺繍をするわけですから、完成までには相当な時間がかかると思います。毎日コツコツと少しずつ進めるもよし、短期間で集中して一気に仕上げるもよし。自分のペースで楽しんで下さいね。
木馬-リボン刺繍キット「マリーゴールドの花束」 (842円)
自分の好きな生地にリボン刺繍をアレンジできる
レースやリボンを専門に扱うメーカー木馬(MOKUBA)のリボンを使用する刺繍キットです。糸を使った刺繍に飽きてきた方や、新しい技法を覚えたい方は、リボン刺繍を始めてみませんか?オーガンジーのふんわりとしたリボンでマリーゴールドの花束を再現します。リボンに合わせた刺繍針もセットになっており、新たに針を購入する必要はありません。
こちらの刺繍キットには、他の製品に入っているようなベースとなる布地が同梱されていません。自分の好きな布地を選んで刺繍するタイプになります。完成時の絵柄のサイズは約9cm×9cmと比較的小さめですので、布製のバッグやクッションカバーなどに使用するのがおすすめです。白地のような明るい色だけでなく、黒のような暗めの色にも意外とマッチしますよ。
DMC-刺繍キット 「花庭園」(4,244円)
いつかは挑戦してみたい超大作の絵画作品
刺繍愛好家ならいつかは絵画風の大作にチャレンジしてみたいもの。レンガ造りの洋館とその庭園の風景を、色鮮やかなクロスステッチで作り上げる刺繍キットです。細部の陰影にまでこだわった絵柄は使用する糸の種類も多く、微妙な色の違いを表現するためだけに何度も糸を替えることに。根気との戦いになりますが、徐々に作品が仕上がっていく過程が楽しめる作品でもあります。
こちらのキットは、布地のサイズが62cm×48cmなのに対し、実際に刺繍をする部分は50cm×34cmの大きさです。余白が気になるところですが、刺繍する範囲の枠があらかじめプリントされているので、チャコペンなどで線を引く必要がありません。リビングなどに飾るのにちょうどいい大きさで、DMCの刺繍糸を全面に使用している割には、価格がお手ごろなのもおすすめポイントです。
まとめ
目的とレベルに合わせた刺繍キットがおすすめ
刺繍キットを購入する上で大切なのは、どんな作品を作りたいのか、どんな刺繍をやりたいのかということ。そしてさらに、その製品は自分の刺繍レベルに合っているかどうかを判断する必要があります。せっかくキットを購入しても、難易度が高くて作れなかったとなるのは避けたいですよね。キット選びに失敗しないためにも、この記事を参考にしてみて下さい。今回は刺繍キットについて、人気のブランド名を挙げながら詳しく紹介しました。刺繍を趣味として心から楽しめるよう、自分にぴったりの刺繍キットを選んで下さいね。