バイクを運転するなら、安全性を求めるに越したことはありません。走行テクニックのように経験やウデで決まる安全対策はさておき、すぐにでも実践できる安全対策があります。それはライダーが身に着ける装具を揃えることで、頭部を守るバイク用ヘルメットは、その中でも取り分け重要と言えるでしょう。とは言え、全てのバイク用ヘルメットを試着できる訳もなく、選び方に迷うライダーは少なくありません。自分に合ったヘルメットが解らない。検索しても検索しても、似たようなヘルメットや言葉ばかりが出てくる。なんて経験はないでしょうか。今回は、そんな問題を解決できるように、バイク用ヘルメットを掘り下げます。是非とも選び方の参考にして下さい。
バイク用ヘルメットの必要性
転倒や事故の際に頭部を衝撃から守る
バイクで事故や転倒を起こした場合、死亡率は車をはるかに上回る20%にもなります。死亡事故の約50%は頭部の損傷が原因です。また、命が助かっても障害が残る可能性は、ゼロとは言えません。このことからも解るように、バイクを走らせるうえで頭部を保護するのは、ライダーの命題とも言えます。そのために重要な役割を担うのが、バイク用ヘルメットなのです。
乗車用ヘルメットは内閣府令を基準にしている
日本の道路交通法では、乗車用ヘルメットを被って走行することが義務付けられています。乗車用ヘルメットとは、内閣府令(道路交通法施行規則第九条の五)で定められた基準をクリアしたバイク用ヘルメットです。日本で一般的に販売されているヘルメットなら、国内外を問わず殆どが基準をクリアできます。一方で一部に粗悪品があるのも事実です。きちんとした基準を満たしているか、確認してから選ぶのが肝要でしょう。適当に選ぶと、法律の面からも安全の面からも危険です。また、角のように過度な出っ張りがあると、性能面が安全でも装飾用ヘルメットになるので気を付けて下さい。
バイク用ヘルメットの種類
フルフェイス型
頭部全体を守るので極めて安全性が高い
バイク用ヘルメットの中で、最も高い安全性を誇るのがフルフェイス型です。頭部や顔面をすっぽりと覆うことができて、事故や転倒の際はダメージを大幅に軽減します。また、風圧やホコリ、飛び石などに強いのも特徴です。加えて走行時の風切り音や周囲の騒音などをカットして、静粛性でもドライビングを助けます。高速道路での走行や、サーキットを利用するようなスポーツ走行には、必須とも言える種類です。スポーツ系バイクやツアラーに乗るなら、押さえておきたいヘルメットでしょう。
一方でデメリットも少なからずあり、メガネを掛けて使えないタイプがあります。少し窮屈で呼吸がしにくく、オフロード走行とは相性が悪いタイプです。また、雨が降るとシールドが曇り、視界が悪くなることも。そのため、曇り止めスプレーやクリーナーなどでのメンテナンスが必要になります。メガネ拭きなどの小物を常備しておくと、突然の雨にも対応できるでしょう。
ジェット型
後頭部までを守れる開放感が高いヘルメット
ジェット型はフルフェイス型と違い、口や鼻の周りが覆われていません。フルフェイスよりもやや安全性には欠けはしますが、呼吸がしやすく開放感があり、メガネを掛けていても使えます。また、視界が広く脱着しやすいも特徴です。頭全体をカバーできるヘルメットでは最も軽量な種類で、疲労感も軽減できます。
ジェット型はストリート系とスポーツ系に分かれます。ストリート系はお洒落なタイプが多く、シールドなしか小さなシールドが付属したタイプです。一方、スポーツ系は本格的なシールドが付属しており、汎用性に長けています。シールド下から風を巻き込みやすく、フルフェイス型やシステム型より、高速走行に弱いのがデメリットでしょう。そのため、下道を使ったツーリングや、モード感を生かした街乗りにおすすめです。レトロやネオクラシック、アメリカンバイクにも、ジェット型の雰囲気はおすすめでしょう。
システム型
フルフェイス形と同等の安全性を有し形が変わる
システム型はフルフェイス型と同じように、頭部と顔面を守れるバイク用ヘルメットです。通常はフルフェイス型と同性能ですが、あごの部分にフリップがあります。そのギミックを上げればジェット型のように変形して、開放感を出せるのが特徴です。非常に高い安全性を有しつつ、機能性も実現した便利なヘルメットになります。
メガネを掛けたまま装着できるタイプが多く、幅広い身体条件に対応します。また、あらゆる走行に対して、汎用性が高いのもメリットです。物によってはオフローダーに変形するタイプもあります。街乗りやスポーツ走行に限らずアドベンチャーでも、思い通りに使えるのは魅力でしょう。一方で部品数が非常に多く、かさばるのがデメリットです。また、故障や不具合が起こる可能性も、他の種類より高くなっています。とは言え重さはそれほどでもなく、各メーカーの軽量化は光っています。
オフローダー型
未舗装道路の走行を想定した特殊タイプ
オフロードバイクは運動性が高く、それに合わせてライダーの体も動きます。そのため、オフローダー型のバイク用ヘルメットは、呼吸がしやすいように設計されています。また、頭部にはバイザーがあり、日よけや泥除けの効果が抜群です。安全性の面では顔と頭を守り、フルフェイス型、システム型と同等の性能があります。
一方で設計思想から風除けの能力が低く、高速走行には不向きです。また、水の侵入が考えられて、雨にも弱くなっています。フォルムが特徴的なので、バイクを選ぶのもマイナスかもしれません。やはりカワサキのKTMやヤマハのWR250に代表されるような、オフロードバイクとの組み合わせがいいでしょう。オンオフともに走れる、Vストロームのようなアドベンチャーバイクとも、取り合わせはおすすめです。
半帽型
安価だが規格適合品もある
半帽型はハーフヘルメットとも言いますが、非常に簡易的なタイプです。そのため、生産国の安全基準をクリアした規格品でも、かなり安い価格帯に設定されています。半帽型は125㏄クラス以下用として認識されがちです。しかし、実際の所は内閣府令に適合していれば違反にはなりません。
違法性こそないものの、かなり安全性が低い構造です。後頭部はがら空きで、顔面を保護する能力もありません。シールドがないことも多く、高速スピードの領域では飛び石や虫などで簡単にケガをします。今日では125㏄以下での使用も危険視されていて、安全性を求めるならば、選択肢から外すのがおすすめです。とは言え、アメリカンバイクや原付ユーザーからのニーズで、お洒落なタイプが多くあります。どうしても半帽型を選びたい場合は、少なくとも内閣府推奨の規格適合品を選んで下さい。
バイク用ヘルメットの選び方
規格適合品で選ぶ
公道で使うなら内閣府推奨規格のヘルメットがおすすめ
日本で流通販売している乗車用ヘルメットには、必ずPSCマークが付いています。PSCマークがないヘルメットは装飾用として売られており、使うかどうかは自己責任です。このマークに関しては、一定の安全基準を満たしたヘルメットに与えられる、販売許可という捉え方がいいでしょう。よって、内閣府推奨の規格であるSGマーク、それより厳しい基準のJISマークも、安全証明の観点から同時取得しているヘルメットが多いです。公道で使うなら、これらの規格品が理想的と言えます。
SGマークやJISマークはあくまで推奨になり、それらが付いていないバイク用ヘルメットでも、内閣府令さえ満たしていれば違法にはなりません。また、消費者保護により必要なPSCマークがなくても、内閣府令に準じていれば公道で使用は可能です。海外規格のみのヘルメットも安全性があり、こちらも乗車用として認められます。例えば海外から持ち帰ったヘルメットなどが、国内規格がない典型例に当たるでしょう。
複数の規格に合格していると信頼度が上がる
PSCマークとSGマークとなど、複数の規格に通っているバイク用ヘルメットは、安全性や合法性で選びやすくなります。他にもSNELL(スネル)や、ECE(ユーロ)がおすすめで、日本より厳しいテストに合格しなければ取得できません。DOTは日本でいうJISマークに当たり、こちらもおすすめです。これらの規格適合品は安全性に高い信頼がおけます。
頭に合ったサイズを選ぶ
頭のサイズを測定してからメーカーのサイズ表を見る
サイズごとの適応範囲は、主要メーカーでも微妙に違います。海外メーカーだと特に、大きさの違いが顕著です。サイズを選ぶときはまず、メジャーなどで頭の外周が一番広い部分を測ります。その後、メーカーごとのサイズ表と照らし合わせるのがマストです。少し大きなサイズを選び、微調整サービスや調整パットで最終調整するのがおすすめです。
サイズ表と差異があるなら専用タイプも視野に
使用者の頭部サイズが53㎝を切るようなら、レディース専用やキッズ専用も視野に選んだ方が安全です。専用タイプには、53㎝以下の小さなサイズがあります。可愛いデザインが多いのも魅力でしょう。一方で専用タイプは需要が少なく、力を入れているメーカーは一部です。そのため、店舗でもラインナップは限られています。好みに近いフォルムに出会える確率は低くなるでしょう。
バイク用ヘルメットのおすすめブランド・メーカー
SHOEI(ショーエイ)
世界的なシェアを誇り一流レーサーも使っている
国内でもトップクラスの人気を誇る、世界的なシェアを持ったメーカーです。一流レーサーやメディア関係者など、バイクの専門家もショーエイ製ヘルメットを愛用しています。全ての製品が仕向け地の安全規格に適合するよう設計されており、非常に高い安全性を持つのが特徴です。
BELL(ベル)
米国ブランドでレース界での評価が高い
現代のフルフェイス型ヘルメットはベルのSTARが原点です。伝統的なデザインスタイルと高い安全性が魅力で、SNELL規格に適合したヘルメットを揃えています。また、バイク界だけでなく、F1などのプロレーサーにヘルメットを提供していて、レース界での評価が高いメーカーです。
Arai(アライ)
流線型が美しく衝撃を逃がす構造を持つ
日本におけるバイク用ヘルメットの開拓者は、アライの創始者である新井廣武と言えます。古くから高い安全性を追求していて、王道であり革新的でもある技術力で、F1にもヘルメットを提供しているメーカーです。流線型のデザインが美しく、フォルムは衝撃を逃がす特徴を持っています。
HJC(エイチジェイシー)
世界1位のシェアを持ちレプリカモデルなどが豊富
エイチジェイシーは世界的なシェアを誇る、韓国のヘルメットメーカーです。価格帯と性能の折り合いが良く国内でも人気ですが、主に北米で多く使われています。レプリカモデルなどに人気があり、豊富なラインナップの中からレディース用やキッズ用を選べるメーカーです。
OGKカブト
考えられた設計が走りの効率さえ変える
OGKカブトは各種ヘルメットを卒なく扱っています。中でも有名なのは、フルフェイス型とシステム型のシリーズ製品でしょう。独自思想から生み出した、気流コントロールなどのシステムがヘルメットに搭載されており、ハイエンドにもなれば走りの効率すら左右します。
ヤマハ(YAMAHA)
伝統的なスタイルを守りつつ機能面は最新
ヤマハの純正オプションやヘルメットは、基本的にワイズギアが製造を担っています。高度なカスタムにも組み込むパーツを扱う、高い技術力も持ったヤマハの系列メーカーです。ヘルメットは伝統を重んじるヤマハらしく、普遍的なデザインが魅力でしょう。初心者からベテランまで安心して使える安全性と、最新の機能性を両立しています。
おすすめ&人気のバイク用ヘルメットランキング
街乗りでおすすめのバイク用ヘルメット
ベル-ライオットソリッド (37,800円)
いつまでもチープにならない伝統的なデザインが魅力
ハーレーやドラックスターのようなアメリカンファンにはお馴染みの、ベル製ジェットヘルメットです。ライオットシリーズだけあり、伝統的なスタイルを貫き通しています。いつまでも色あせないスマートなデザインは、レトロ好きにとって魅力的と言えるでしょう。
DOTとECEの規格に適合したヘルメットで、グラスファイバーを主素材にしています。ECEはもちろんですが、DOTも難関に部類される規格です。試験は頭部の安全性を非常に重視しています。そのため、安全面で信頼性は高いでしょう。街乗りなどの下道に適した性能と言えます。
エイチジェイシー-FG-70S ヴィンテージ (22,857円)
街に溶け込むデザインと安全性の高い素材が魅力
SGとJISの両マークに適合した、ジェット型のヘルメットです。シェル素材にはケブラー繊維とグラスファイバーを用いています。インナーバイザーを標準装備していますが、必要であればシールドを取り付け可能です。また、ゴーグルベルトのホルダーもあり、好みで使うといいでしょう。
ストリート系でシンプルな印象があり、街乗り用として定番的な性能を持ったジェット型です。内装が着脱式で洗えるため、清潔性にもメリットがあります。通勤や通学で毎日バイクに乗るなら、デザインと安全性、衛生面の3点からおすすめのヘルメットでしょう。
ネオライダース-FX8 (8,600円)
遠出などをしないなら便利に扱えるシステム型
FX8はSG規格を取得している、システム型のヘルメットです。豊富なサイズとカラーバリエーションが人気で、スポンジによるサイズ調整を自分で行えます。また、内装の取り外しが可能なヘルメットです。安全面に加えて衛生面でもライダーをサポートできます。
システム型は複雑な構造を持ち、高額な値段設定のヘルメットが少なくありません。一方、FX8はシンプルなタイプで、非常に安い価格帯になっています。インカムやイヤホンとの相性は今一つですが、安全性や脱着のしやすさは魅力です。街乗りでタンデムなどをせず、インカムを使わない方や、ソロツーリストには非常におすすめでしょう。また、ヘルメットは複数持っておくと便利です。サブ用ヘルメットとして、価格帯にメリットがあります。
sum-with-パイロットヘルメットG237 (6,291円)
国内規格に適合している数少ないパイロットタイプ
アメリカンをはじめ、レトロやネオクラシックのバイクは、国内でも高い人気を誇ります。それらと相性がいいパイロットも、長年に渡りライダーが憧れるスタイルの1つです。一方、推奨規格に適合したパイロット用ヘルメットは少なく、国内では余り流通していない現状があります。
G237は当然、PSCマークを取得しています。また、SGマークも取得しており、日本の公道でも安心して使えるパイロット用ヘルメットです。アメリカン、レトロはもちろん、ビッグバイクにも、オーソドックスなデザインがマッチしています。着脱式の内装は衛生的で通気性も最高クラスです。そのため、毎日バイクを使う方にもおすすめでしょう。
ツーリングでおすすめのバイク用ヘルメット
アライ-SZ-G (26,695円)
SNELL規格にも適合したジェット型最強クラスの安全性
ヘルメットの規格では最も厳格とされるとSNELLに加え、JISマークを取得したジェット型ヘルメットです。F1のノウハウをバイクにも用いており、PB-cLcを帽体に採用しています。PB-cLcはカーボンを帽体に巻き付けているため、高い剛性を持った安全性の高い構造です。
固定内装を採用しているのは、フィット感を重視してのことでしょう。この要素は非常に重要で、ドライビングに対しての集中力が変わります。フィットし過ぎると内部の快適性が心配です。しかし、エアダクトが開いており、通気に関しては問題ないでしょう。下道でのロングツーリングや、街乗りでも機能的に使えるヘルメットです。
アライ-PB-SNC2 Astral-X (43,504円)
ロングツーリングも視野に作られたハイエンドモデル
近年、スポーツタイプのヘルメットには、低重心構造を持つタイプが増えています。Astral-Xもその1つで、風の抵抗や衝撃を逃がすフォルムも、同時に実現しているのが魅力です。フルフェイス型は窮屈さがデメリットになります。しかし、ダクトや走行中の負圧効果を利用することで、内部通気を快適に保っています。また、口元にシャッターがあり、開閉させることで呼吸のコントロールが可能です。これら機能によってシールドが曇りにくいのも魅力でしょう。天候にもマルチに対応でき、半ばシステム型のようなフルフェイスです。
安全性ではグラスファイバーの強力版を素材にしており、JISマークの他にSNELL規格にも適合しています。高速領域でも信頼性は高いと言えるでしょう。総合すればロングツーリングに適した快適性能で、長時間バイクを走らせる方には非常におすすめです。
エイチジェイシー-DS-X1 グラビティ (17,850円)
3タイプにチェンジするマルチ仕様のヘルメット
JISマークとSGマークを取得した、オフローダー型とフルフェイス型を行き来できるヘルメットです。シールドとバイザーを脱着することによって、モトクロス、ツアラー、ストリートの3タイプに変化します。なお、独自の脱着システムを採用しており、変形に工具などは要りません。
オンオフを選ばない特徴はもちろん、全てを装着したツアラータイプだと天候にもマルチに対応します。また、メガネ、サングラスを装着できて、ライダーに対しても汎用性を保ったヘルメットです。峠や林道を使ったツーリングと相性が良く、アドベンチャーバイクを愛用する方にはおすすめでしょう。
スモールジョン-ジェットヘルメット (8,799円)
細身でスタイリッシュかつ性能面が良い
ストリート系ジェットでは高い人気を博している、スモールジョンのSGマーク適合ヘルメットです。その中でもハイエンドモデルに当たる帽体で、スモールジョンらしいお洒落なデザインと、高い安全性を同時に再現しています。
ヘルメットの中でも非常に軽量なタイプで、全体重量は1.15㎏になっています。フルフェイス型なら1.7㎏ほどが目安になり、長時間の運用では疲労に大きな差が生まれるでしょう。加えて女性や子供が選べる、専用タイプのカラーバリエーションも豊富です。そのため、リア側のタンデマー用にも選びやすく、下道を使ったタンデムツーリングなどに用いるのも便利でしょう。
高速道路でおすすめのバイク用ヘルメット
ショーエイ-NEOTEC II (61,839円)
非常に機能性が高く静粛性にも優れている
一見してカッチリしたフルフェイス型に見えますが、システム型になります。独自の技術によって確立したAIM+という構造になっていて、システム型の中でもスッキリしたフォルムです。ギミックが多くLサイズで平均重量が1.728㎏になっています。男女で言えば男性に向いたタイプでしょう。
安全面はというと、JISマークを取得しています。また、ガラス繊維と有機繊維の複合積層構造、AIM+という帽体です。剛性と弾性に優れた性能で安全性には優れています。気密性が高いシールドを装備しており、静粛性が高いのもメリットです。高速道路などでもドライビングに集中できるでしょう。また、専用のインカム、イヤホンなどを取り付けることができて、機能性は抜群です。仲間とのツーリングにもおすすめの性能でしょう。
OGKカブト-KAZAMI (24,895円)
効率的な走行を目指せる機能的な万能メット
KAZAMIは重いなんて言われますが、システム型として考えれば2.58㎏はそれほどでもありません。俗にいう厳ついデザインに当たり、フルカウルスポーツや、スパルタンなどと相性がいいヘルメットです。帽体2つのツーシェル構造や気流に強いスタビライザーも、やはり高速領域向けの性能と言えます。
SGマーク取得でジェット型に比べれば重くなりますが、システム型なのでオープンフェイスとしても使えます。使い慣れさえすれば、高速道路から街乗りまで幅広い用途が期待できるでしょう。カラーバリエーションが豊富で、際立った色のバイクを持つ方にもおすすめです。例えばカワサキグリーンやヤマハブルーなどが、色の例に挙げられます。
ヤマハ-YF-9 ZENITH (17,855円)
普遍的なデザインに加えて多機能さも光る
フルフェイス型のスタンダードとも言うべき、ヤマハの純正ヘルメットです。JISマークを取得しており、ポリカーボネート複合素材を帽体に採用しています。また、王道になりつつある低重心構造を採用しており、エアロダイナミクスを取り入れた、空気抵抗を減らす構造も高速向けです。
ワイズギア製らしく内装も機能的で、まずはメガネやサングラス用のスリットがあります。速乾性に優れた殺菌効果がある内装を採用しており、もちろん水洗いも可能です。普遍的なヤマハデザインを残しつつ、最新の機能性を持つのは魅力でしょう。かぶり心地には古くから定評があるメーカーです。スタンダードデザインということもあり、スポーツ系バイクに乗る女性ライダーにもおすすめと言えます。
ネオライダース-NR-7 (5,900円)
お手頃価格だがSG規格にも適合している
カラーバリエーションとお手頃な価格帯から、幅広い層に人気があるフルフェイス型のヘルメットです。安いと安全性を心配しますが、PSCマークがある乗車用ヘルメットとして流通しています。加えてSGマークも取得しており、エアロデザインも含めて高速道路でも使えるヘルメットです。
取り外せる内装は洗濯できるので、サブ用として持っておくと衛生面で安心です。サイズがピッタリなら、NR-7を複数持つのも有効でしょう。付属スポンジによる調整が簡単であり、セオリー通りやや大きめを選ぶのがおすすめです。また、タンデマーの安全面を考慮すれば、フルフェイス型は非常に有効と言えます。サイズ調整が簡単な点や価格帯を含めて、タンデム用にも用意しやすいタイプでしょう。
バイク用ヘルメットの買い替え時期
メーカーごとの耐用年数を1つの目安に
バイク用ヘルメットには耐用年数があって、メーカーが買い替え時期目安を定めています。基本的には3年に設定されていますが、メーカーによっては7年のタイプがあり、これも一般的です。バイク用ヘルメットを使用していると、内部パットが徐々にヘタってきます。また、パットを取り出して洗えるヘルメットでも、衛生状態は少なからず低下するでしょう。デイリーユースなだけに、安全性や清潔性を考慮して、対応年数は守るのが理想です。
事故や転倒などを起こした後は安全のために即時交換を
事故や転倒を起こした場合は、即時交換するのが肝要です。バイク用ヘルメットの外見にダメージが見えなくても、衝撃を吸収すると内部構造にかなりの負荷が掛かります。一部でもパットが割れていれば、能力が著しく低下するでしょう。例えフルフェイス型でも、不完全な状態で使うのは大変危険です。
まとめ
安全性が高く使用者に合うサイズのバイク用ヘルメットがおすすめ
バイク用ヘルメットは、まず安全性を第一に考えて選ぶのが理想です。そのために、使用者の頭部サイズをしっかりと測って下さい。次に用途やデザインを考慮して、種類を選ぶといいでしょう。レプリカに乗り高速を使うツーリングが趣味なら、安全性が高く風や塵、音に強いフルフェイス型。毎日の原付通勤用なら、脱着しやすくてお洒落なジェット型。というように、ライフスタイルやバイクの種類も考慮しながら決めるといいでしょう。