屋外で家電を使えると便利な場面があります。例えば、庭先でのパーティーやバーベキュー、愛車の車内掃除など、何か心当たりがある方もいるでしょう。また、DIYやアウトドアもブームですが、長いコードがあればと思う場面があったかもしれません。長いコードと言えば家庭用の延長コードを思い浮かべます。しかし、屋外環境で継ぎ足して使うには、安全上の問題が気がかりです。一方、コード類の中には家庭用の延長コードよりも、安全かつ長距離に使えるタイプがあります。それがコードリールです。以前は業務用として使われることが多かったコードで、一般的に家庭で使うものではありませんでした。ところが、今日は、家庭向けの便利なモデルも増えています。今回は痒い所に手が届く便利な道具、コードリールを掘り下げて解説します。是非とも選び方の参考にして下さい。
コードリール・電工ドラムの特徴
巻き取り式で簡単に長い距離を延長できる
コードリールは電工ドラムとも呼ばれる、巻き取り式の延長コードです。使わないときはコードを巻き取って、コンパクトに収納することができます。使うときは簡単で、プラグを引き出してコンセントに差し込むだけです。ドラムにあるコンセントパネルに通電すると、延長先に複数のコンセント差し込み口ができます。
普通の延長コードに比べると非常に丈夫で安全
家庭でよく使う延長コードに比べて、電工ドラムのコードは肉厚になっています。床や地面、アスファルトに擦れても、簡単には破損しないのが特徴です。漏電に対しても強く、安全性が高い機能を幾つも備えています。屋外でも使えるタイプがあり、便利なコードです。
コードリール・電工ドラムの種類
2心タイプ
家庭にある2極コンセントで使える
家庭にある2口コンセントに差し込めるタイプで、パネルにも2口コンセントを持っています。日本製の電化製品に2心タイプが多いのは、近くにある家電からも解るでしょう。2心タイプのコードリールは自宅でも使いやすく、趣味にも対応しやすい特徴を持っています。
一方で精密機器や一部の家電、例えば洗濯機や冷蔵庫などは、3心を採用していることも少なくありません。3心タイプの電化製品を繋ぐ場合は、変換用のコネクターが必要になります。パソコンのように変換コネクターが付くこともあれば、ない場合もあるでしょう。付属しない場合は用意が必要になります。
3心タイプ
アース線とコードを一体化した刃が3つのタイプ
主に業務用として選ばれるコードリールで、アース線とコードが一体化したタイプです。アース線は家電に付いている、緑色の細いコードです。日本製の家電は一般的に、給電用のコードとアース線が別々のデザインです。家のコンセントにもアース線専用の口を持つタイプがあり、そこからアースを取ることで漏電や落雷に備えています。
一方でアメリカや欧州は、アース線とコードが一体化した3心タイプを使っています。そのため、国外メーカーの電化製品を使っている場合は、3心タイプのコードリールを選ぶのも有効です。また、日本製の中にも3心コンセントの家電はあります。冷蔵庫などの大型家電や草刈り機、音楽用機材、パソコンの類なども典型例です。よく3心コードを使う場合は検討するといいでしょう。
4心タイプ
工場内やイベントなどで使う商用目的のタイプ
4つ刃用のコンセントに差し込むコードリールです。また、パネルにも4つ刃用のコンセントを持っており、非常に特殊なタイプと言っていいでしょう。主に工場で使ったり、大型のイベント用機材などを繋いだりします。ほとんどが200Vをリレーする機種で、商用目的に使われる種類です。仕事などで必要な場合のみに選ぶことになるので、性能や値段はプロ向けと言ってもいいでしょう。全体的に多機能で、ほとんどが安全性には細心の注意を払っています。
一般的に家庭用としては、ほとんど使う機会がありません。しかし、業務用としては多くの需要があります。そのため、メジャーメーカーでは広く扱われている種類です。家庭で使う場合は適しませんが、業務用として使うなら検討すべきタイプです。
コードリール・電工ドラムの選び方
使う場所に合わせて選ぶ
屋外用なら防雨や漏電防止の機能付きを
屋外で電工ドラムを使用する場合は、水にぬれる可能性があることを念頭に置くことが必要です。そのため、防水キャップや防水プラグがあるコードリールが便利でしょう。また、電気器具であるコードリール自体からの感電を防ぐため、ブレーカーなどの漏電防止機能も付いていると重宝します。アース(接地付き)だと、更に安全性が高まるでしょう。IP規格適合を確認することが大切と言え、IP55以上だと防水だけでなく防塵の効果もあります。
屋内用なら発熱や粉塵の対策を優先する
家庭で使うなら金属の床や水気が少ないことがほとんどなので、法令に触れる心配はほとんどなく、使うコードリールは100V用が一般的です。また、ブレーカーによる漏電遮断などもできます。もちろん、漏電防止の機能があるに越したことはありませんが、それよりも発熱や粉塵に対しての備えがあると便利です。防塵シャッターや防塵キャップ、温度センサー付きがおすすめでしょう。屋内向けに機能を限定すれば、価格も抑えられます。
使い方に合った電線を選ぶ
大型の道具や長い距離には太いコードを
今日では一般家庭でも、大きな電力が必要な道具を使うことがあります。ポリッシャーや草刈り機、インパクトレンチのような工具が良い例でしょう。これらを使う場合は、電圧降下が少ない2.0mm2のコードを選ぶのがおすすめです。また、コードの距離が長ければ、電圧降下も増えます。距離が長い電動ドラムを選ぶ場合も、太いコードにしておくのがおすすめです。電気がスムーズに流れて安定した電力が供給できるでしょう。
小型の道具や短い距離なら1.25mm2がおすすめ
0.75mm2や1.25mm2のタイプは、太いコードに比べて電圧降下が大きくなります。しかし、20m程度までの距離や家庭用には十分な太さです。上手く見繕ってやると太い電線より価格を抑えることができて、コストパフォーマンス面でお得になります。電圧降下の面から見ると、安定した1.25mm2を優先的に選ぶのがおすすめでしょう。また、0.75mm2のコードは主流と言えるものの、少しマイナーな太さです。各メーカーのラインナップから見ても、1.25mm2の方が選びやすいと言えます。
コードリール・電工ドラムのおすすめブランド・メーカー
ハヤタリミテッド
電動ドラムのトップメーカーで種類が豊富
国内のコードリールメーカーでは、ハヤタリミテッドがトップと言っても過言ではないでしょう。仕事用にも家庭用にも人気があり、特に防雨形のコードリールは秀逸です。また、コンパクトなタイプにも種類があり、収納面でもおすすめです。
日動工業
使う場所によって柔軟にタイプを選べる
ハヤタリミテッドと双璧を成す人気メーカーが日動工業です。現場作業用のコードリールはもちろん、価格帯を抑えた家庭向けモデルも充実しています。漏電遮断機能などが素晴らしく、使う場所に合わせた選び方ができるメーカーです。
三協リール
コンパクトで家庭向けとして便利な物が多い
三協リールはコンパクトなコードリールを得意としており、壁や床に取り付け可能なタイプが選べます。現場作業に重宝されることが多いものの、デザインが良く家庭用として併用できる性能です。ラインナップの中には、グッドデザイン賞を受賞したコードリールもあります。
ESCO(エスコ)
屋内外で使える高い性能が持ち味
工具類や現場用の備品、消耗品などを数多く扱う、大手のポータルサイトを運営しています。建築関係やビルメンテナンスなどのプロに向け、エスコが厳選した製品を提供しているのが特徴です。コードリールも多く扱っており、良質なラインナップから家庭向けのタイプを選べます。
おすすめ&人気のコードリール・電工ドラムランキング
屋内用でおすすめのコードリール・電工ドラム
ハヤタリミテッド-JS-101S (3,064円)
防塵シャッターと温度センサーが付いた正統派タイプ
コードの太さが2.0mm2で2心タイプ、100V用のコードリールです。コードの長さは10mで部屋などを跨いでも使えます。また、定格電力は15Aの125Vで、高圧洗浄機やトルクの高いインパクトレンチにも適用できるでしょう。
家庭用、屋内向けのコードリールとしてスタンダードなタイプで、温度センサーと防塵シャッターが付いています。温度センサーが作動すれば自動で電源がオフになり、屋内用としては安全と言えるでしょう。防塵シャッターは粉塵が出る作業にも使いやすいので、サンダーやカンナを繋ぐのにも便利です。
日動工業-電工ドラム 15A×20m DY-20(3,807円)
価格重視の方にはおすすめの機能を限定したタイプ
長さが20mある、中距離クラスのコードリールです。2心タイプで太さは1.25mm2、全延したときの定格電力は15Aです。家庭で使う場合は、一部屋で使うには長いコードリールと言えます。しかし
、ガレージのような屋根付きの、やや離れた場所に電源を引きたい際は便利でしょう。
全長20mですが1.25mm2の細いコードなので、4.2㎏まで重さが抑えられています。20mクラスとしては持ち運びしやすいコードリールです。また、価格も比較的安く、相対的に見ればリーズナブルと言えるでしょう。長めの距離が欲しい女性などにもおすすめのタイプです。
日動工業-電工ドラム 15A×15m DY-15(3,102円)
一般家庭用としても使いやすい長さ設定
定格電力が15Aの屋内用コードリールです。コードの太さが1.25mm2で2心タイプです。機能面を抑えたロープライスの機種で、幅25㎝の奥行18.5㎝、高さが31.6㎝とサイズも少し小ぶりです。
長さのラインナップは一般的に、10mの次点が20mになります。しかし、このコードリールは15mで、屋内の色々な場所に這わせやすい汎用的な長さです。また、3.7㎏と軽量で、部屋を跨いでも使えるうえ、ガレージなどに持って行くこともできます。距離を測ってみて20mでは長すぎる場合、本機を選ぶのもおすすめと言えます。
日動工業-スイッチリール SW104 (5,333円)
電圧降下しにくいスイッチ付きのコードリール
長さ10mで太さが2.0mm2のコードリールです。定格電力は15Aで2心タイプと、電圧降下に対して強いモデルに当たるでしょう。全体重量は2.4㎏で、携帯しやすいタイプと言えます。力のない方でも気軽に出したり、収納したりできます。
延長コードなどで見かけるスイッチ付きは、コードリールに少ないタイプです。コンセント差し込み口に、ランプ内蔵のスイッチが付いています。通電すると光り、スイッチを切るとランプも消える仕組みです。コードの抜き差しが必要ないので、複数の工具を差しっぱなしにする場合などは、便利な機能でしょう。
屋外用でおすすめのコードリール・電工ドラム
ハヤタリミテッド-サインタイガー レインボーリール100V型 (20,370円)
長さ20m以上が選べて屋内からの電源を取りやすい
IP55の性能を持った防雨型のコードリールです。コンセントパネルには防雨キャップと防泥カバーが付属しています。また、接地付きのタイプで、定格電力は15A、コードの太さは2.0mm2です。加えて、漏電遮断用のブレーカーも標準搭載になっています。
このコードリールは長さの違うモデルがあり、同機能で20mと30m、50mを選べます。使うシチュエーションによって柔軟に長さを選べ、屋内から電源を取ることができます。分解して掃除がしやすい構造になっており、価格と性能は共に秀逸と言えます。
ハヤタリミテッド-シンタイガーレインボーリール SA-30K (14,065円)
必要なら3心タイプも選べる
シンタイガーレインボーリールはハヤタリミテッドの人気シリーズで、2心タイプと3心タイプを選べるのが特徴です。そのため、業務用としても広く使われています。プラグ用のカバーと防雨キャップを装備した、定格電力が15Aのコードリールです。
SA-30Kは30mですが、50mモデルもあります。幅27.5㎝で奥行21.5㎝、高さが35.8㎝と少し大きめで、コードは2.0㎟の太さです。しかし、重量に関しては比較的軽く、6.5㎏に納まっています。そのため、ガーデニングなど、外で何かをする女性にもおすすめと言えるでしょう。
日動工業-防雨防塵型100Vドラム 2芯 (10,552円)
屋外用としてバランスが取れたモデル
バランスが取れた屋外用コードリールで、地絡保護専用型という日動工業特有のモデルです。接地と漏電遮断ブレーカーが付いています。また、コンセントには防塵キャップがあり、手動で復帰させる温度センサーを搭載しているのも特徴です。
太さは2.0mm2で、10mのコードリールです。幅が22.4㎝で奥行が14.5㎝、高さは36.7㎝になっています。そのため、ギリギリですが小型に分類される機種です。また、ドラムに樹脂を採用したこともあり、2.44㎏と軽くなっています。軽さに加えて安全性を求める場合は、非常におすすめでしょう。
エスコ-AC125V/15A/10m コードリール(防雨型) (5,892円)
コンパクトな2.5㎏で機能面も充実している
プロ向けの製品を取り揃えるエスコですが、このコードリールは性能に加えて価格から見ても、家庭用として選びやすくなっています。コンパクトにデザインされており、幅23㎝の奥行が16.7㎝、高さは28.5㎝です。重さも2.63㎏で軽く、本体の出し入れに苦労はないでしょう。
完全防雨型のタイプで、プラグ側とコンセント側の両方に防水キャップがあります。1.25mm2のコードですが長さは10mで、電圧降下の面も心配はありません。ポリッシャーを使った洗車や散水など、本体に水がかかる作業でも問題なく使えるでしょう。
小型でおすすめのコードリール・電工ドラム
ハヤタリミテッド-マックリール MS-5 (2,330円)
8.6㎝の薄型ですっきり収納できる
コードの長さが5m、重さが750gのコードリールで、かなりコンパクトな本体デザインが特徴です。サイズは幅が18.5㎝で、巻取り用ハンドルを含めた奥行は8.6㎝。高さも21.5㎝に抑えられています。手軽に出し入れできるコードリールですが、延長コードの代わりに常用で使うのもおすすめでしょう。
2心タイプであり、定格電力は15A。コードの太さは1.25mm2と性能は一般家庭向けです。また、オフィスや会議室などに持ち込んでも便利でしょう。プロジェクターを使ったプレゼンなど、仕事場でも重宝する存在になります。
ハヤタリミテッド-コンパクトリール NJ-101KE (4,286円)
200V用もあり小型の3心タイプが欲しい場合はおすすめ
10mコードで定格電力が15Aのコードリールです。小型にしては珍しい3心タイプで、本体サイズは幅が20.5㎝で奥行11.7㎝、高さが23.9㎝になっています。また、重さが2.02㎏と軽く、携帯するのに便利なタイプです。
2.0mm2のコードで電源パイロットランプと接地端子、接地アダプターが付属します。そのため、金属製の床や鉄筋が近くにある現場、DIYに金属板を使う方にもおすすめでしょう。特に携帯できる3心タイプが欲しい場合は、チェックするべき商品です。
ハヤタリミテッド-ウェルマッキー WM05UG (3,053円)
屋内DIY用にはおすすめの値段と安全性
ボックスタイプコードリールで、ワンタッチの自動巻取りができます。温度センサー付きの2心タイプで、1.25mm2のコードは長さ5mです。定格電力はしっかり15Aあり、屋内でDIYなどに用いるのが、おすすめの使い方でしょう。
コンパクトなデザインになっており、幅が16.2㎝で奥行7.1㎝、高さも16.2㎝に留まっています。また、重さは770gと、非常に軽いコードリールです。操作性が高い機能に加えて収納がしやすく、値段的にもお得でしょう。いざという時に備えて持っておくのも便利です。
ハヤタリミテッド-マッキュロ MQ-2-GE (831円)
長さ2mの極小サイズコードリール
極小サイズのコードリールで、幅11.5㎝の奥行は5㎝、高さが11㎝しかありません。解りやすい大きさで例えるなら、折り畳み用の財布や小銭入れに匹敵する大きさです。ポケットに入れて持ち運べる、非常に珍しいサイズのコードリールと言えます。
コードは短めで2mです。一方で太さは1.25mm2を採用しており、電圧降下の影響は心配ないでしょう。屋内で使えるのはもちろんですが、無駄がない長さと大きさです。ポータブル電源や発電機とも相性がいいでしょう。そのため、キャンプシーンやバーベキューなどにもおすすめです。
三協リール-TRIENS 100Vコードリール(15,463円)
屋内用に最適なデザインと安全性
コードリールは普通、ドラムにコンセント差し込み口があります。一方で三協リールのTRIENSは、コードの先に差し込み口があります。ドラムにコンセントパネルはありません。2心タイプのアースクリップ付きコンセントが3口付いています。
カバー内に温度センサーがあり、発熱対策がされています。また、開口部にプロテクターを装備し、耐久性を上げたデザインです。1.25mm2のコードを6m延ばすことができ、壁や天井に取り付けて使えます。グッドデザイン賞を獲得した優秀なデザインも、人気になっている理由の1つでしょう。屋内で据え置きしたい場合には、最適な性能と安全性です。
コードリール・電工ドラムの正しい使い方
発熱防止のために引き止めマークまで出して使う
コードリールを巻いたまま使うと、熱を持って溶解することがあります。火災や感電の危険があり、大変危険です。電線を引き出していくと引き止めマークがあるので、必ずマークが見えるまで引き出してから使用して下さい。
電気機器の消費電力より大きな定格電力の電工ドラムを使う
コードリールの定格電力はA(アンペア)で記載されています。繋ぐ家電、電動工具の説明書やカタログを見て、必要な使用電力を把握しておくといいでしょう。また、基本的に電線が太いほど、定格電力は大きくなります。心配なら太めのコードを選ぶのも有効です。一般的な100V用のコードリールでは、15Aが主流になっています。パネルに複数のコンセント差し込み口がある場合は、合計して15Aまでの電化製品を繋ぐことが可能です。
漏電対策は後からでもできる
漏電遮断ブレーカーがないコードリールを選んだ場合でも、後から漏電対策を施せます。少し費用はかさむものの、後付けできる漏電防止ブレーカーを用意するといいでしょう。一例としては、日動工業のポッキンブレーカーシリーズなどが有名です。
まとめ
使い方に合わせた性能のコードリール・電工ドラムがおすすめ
コードリールは目的に合わせて正しく使えば、非常に便利で安全な道具です。屋内でのDIYなら10m以下の温度センサー付き。洗車に使うなら、防雨型で遠くから電源が取れるタイプ。というように、使い方に合った性能を選ぶといいでしょう。