日本の食卓に欠かせないご飯。炊飯器を使って炊くのが一般的ですが、美味しく炊けているでしょうか。時間がかかってしまったり、炊飯器のお手入れが難しいなどといった悩みを持つ家庭も多いかもしれませんね。そんな方におすすめしたいのが、文化鍋です。ご飯が美味しく炊けるだけでなく、軽くてお手入れも簡単、煮込み料理にも使えるといったメリットが数多くありますよ。今回はそんな文化鍋について、選び方や人気商品を詳しく紹介します。ご飯の炊き上がりに満足していない方や、調理器具を見直したい方は是非この記事を参考にしてみて下さいね。
文化鍋とは?
昔からあるご飯を炊くための深鍋
文化鍋とは、高度経済成長期頃から家庭で一般的に使用されていた、ご飯を炊くための鍋です。文化鍋が普及する前は、かまどと釜を使ってご飯を炊いていたので、ご飯を炊くのは重労働。ガスコンロで使える、アルミ製の軽い文化鍋はとても重宝されました。両手鍋の一種で、蓋が鍋本体にすっぽりと収まり、鍋の縁が蓋よりも高くなっているのが特徴です。
文化鍋のメリット
縁が高いから吹きこぼれしにくい
文化鍋の特徴である蓋の位置より縁が高い形は、お米を炊く上で理にかなっています。鍋の縁に蓋をかぶせる形状だと、ご飯を炊いているときに吹きこぼれしやすいのです。その点文化鍋は鍋の内側に蓋があるので、吹きこぼれしにくいです。鍋の内部に圧力がかかってお米の芯まで熱が通りやすく、ふっくら炊き上げることができますよ。
厚みのあるアルミ鋳物だから軽くて割れにくく手入れも簡単
文化鍋は、アルミニウム合金を鋳造して作られる、いわゆるアルミ鋳物です。鉄などの他の金属と比較して軽いアルミニウムを使用しているため、とても軽くて扱いやすい鍋です。お手入れは台所用洗剤とナイロンなどの柔らかいスポンジで磨くだけで問題ありません。金属製のタワシなどで磨くと傷がついてしまうことがあるので注意が必要です。
熱が均一に広がるので炊きムラがない
文化鍋は、熱伝導性の高いアルミを使用しており、厚みがあります。鍋の厚みが薄いと保温力が低く、高温部分と低温部分にムラが生じやすくなってしまいます。一方で文化鍋は鍋全体に均一に熱が広がり、程よく肉厚なので保温力も高く、炊きムラが生じにくい構造になっているのです。まさにご飯を炊くのに適した鍋と言えるでしょう。
鍋の内部に圧力がかかるから煮物料理や煮込み料理にも使える
文化鍋はご飯を炊く以外にも、煮物料理などでも活躍してくれます。鍋の中の水分が蒸発しにくい構造になっているため、鍋の内部に圧力がかかるからです。これはウォーターシール効果と言って、鍋と蓋の隙間に蒸気による水の膜ができ、水分の蒸発を防ぐというものです。肉じゃがやカレーなど、野菜も柔らかく煮込むことができますよ。
文化鍋のデメリット
炊飯器のような保温機能がない
メリットが多くある文化鍋ですが、デメリットもあります。それは炊飯器のような保温効果がないという点です。食べる分だけ炊くときは時短で便利ですが、家族で食べる時間がバラバラな家庭などでは少し不便ですよね。保温性の優れたステンレスを取り入れている文化鍋を取り入れたり、炊いたごはんはすぐ保存用の容器に入れるようにしましょう。
文化鍋の選び方
1度に炊くご飯の量で選ぶ
少量で十分な一人暮らしなら16cmサイズがおすすめ
文化鍋の中で小さいサイズの16cmは、一人暮らしの方におすすめのサイズです。ご飯は2.5合炊ける大きさなので、一度の炊飯でも数日はもつ量です。また、煮物などの料理にも使えるので、調理器具と収納スペースも節約になり一石二鳥です。
20cmサイズなら最大5合まで炊ける
二人暮らしから四人暮らしのご家庭におすすめなのが20cm前後のサイズ。ご飯は5合まで炊くことができます。炊飯時間は15分程度と短く済むので、炊飯器の早炊き機能を使うよりも時短できる場合もあります。忙しいママさんにもおすすめです。
使いやすい材質で選ぶ
鍋の中が気になるなら蓋がガラス製のものが便利
文化鍋は基本的に全てアルミ素材のものが多いのですが、蓋だけガラス製になっているものもあります。煮物を作るとき、火の通り具合などを確認したいですよね。そんなときにおすすめなのがガラス製の蓋。わざわざ蓋を開けなくても中身を確認できるので便利ですよ。
テフロン加工やフッ素加工ならこびりつきにくい
昔ながらのスタイルを少し進化させた文化鍋は、テフロン加工やフッ素加工が施されていることがあります。焦げ付きにくいので、炒め物にも便利ですよ。煮込む前に食材を炒めるときなど、わざわざフライパンを出さなくて良いので洗い物も少なく済みます。
熱源の種類で選ぶ
ほとんどの文化鍋がガスコンロに対応
文化鍋は昭和時代から使われているため、どの商品もガスコンロに対応しています。ガスコンロを使用している家庭の場合は、文化鍋との相性が抜群。アルミの高い熱伝導性を活かすには、ガスコンロが最も適した熱源と言えるでしょう。
IH対応タイプならガスコンロがなくても使える
アルミ製の文化鍋はほとんどがIH非対応となっています。IHに対応できる文化鍋を選ぶなら、ステンレス製のものがおすすめです。ステンレス製の鍋であれば、IHだけでなくガスコンロでも使用できることが多いので、引っ越しなどで熱源が変わっても安心ですよ。
文化鍋のおすすめブランド・メーカー
トオヤマ亀印
サイズ展開が豊富な安心の日本製
昔ながらの文化鍋の良さを味わえるメーカーです。本体と蓋の合わせ目がしっかりと作られているので、密閉性に優れふっくら美味しいご飯を炊くことができます。ウォーターシール効果で煮物の調理にも適していますよ。
味わい鍋
確かな技術とシンプルな機能美が魅力のブランド
味わい鍋の文化鍋は、かまどで炊いたようなご飯を楽しめます。埼玉県川口市の老舗メーカーである、文化軽金属鋳造株式会社の職人の高い技術によって作られています。見た目も重厚感があり、まさに一生物の鍋という印象の気品高さが魅力ですよ 。
DX文化鍋
素材の良さを引き出す昔ながらの文化鍋
DX文化鍋は、北陸アルミニウム株式会社という富山県の会社が手がけている文化鍋ブランドです。やや厚めの底と重量のある蓋を採用した文化鍋は、鍋の内部に圧力を加えることができます。素材の旨味を引き出すので、ご飯を炊く以外の煮込み料理も美味しく調理できますよ。
T-Fal(ティファール)
世界的な調理器具メーカー
世界で初めてフッ素加工フライパンを世に送り出したブランドです。様々な調理聞具や衣類用のアイロンなど、生活に寄り添った数々の商品を生み出しています。ティファール のリザーブストックポットは、IH対応でお米の炊飯や煮物などに適しています。デザインもおしゃれで今時のキッチンにも馴染みますね。
おすすめ&人気の文化鍋ランキング
小型でおすすめの文化鍋
トオヤマ亀印-アルミ文化鍋16cm(3,135円)
栄養を逃さず美味しくご飯が炊ける
安心の日本製の文化鍋です。16cmと小さなサイズで、使わないときも場所を取りません。ご飯は2.5合炊けるので、必要な分をすぐ炊きたいときにぴったり。自炊することが少ない一人暮らしの方におすすめですよ。
蓋をした時の本体との合わさり方も絶妙。吹きこぼれず、蓋と本体の間に水の膜ができることで栄養を逃がしません。野菜を茹でたり、煮込み料理も美味しく作ることができるので、様々な料理に使いたいという方にもおすすめです。
味わい鍋-両手鍋22cm(13,169円)
歴史ある老舗メーカーの職人が手掛けた作品
鋳物づくりの長い歴史を持つ、埼玉県川口市。老舗の職人が、その技術を注ぎ込んで作成した製品がこの文化鍋です。重厚感のある佇まいと、シンプルな機能美が魅力的ですね。質にこだわりたい方におすすめです。
アルミ鋳物の特徴である高い熱伝導性を持っています。蓋が鍋の内部に入り込む構造ではありませんが、職人の高い技術により蓋と本体がぴったりと重なるという特徴があります。かまどで炊いたようなふっくらしたご飯が炊けますよ。
DX文化鍋-文化鍋18cm(4,455円)
ふっくら柔らかなご飯が炊ける文化鍋
最大3.5合のご飯が炊けます。素材は鍋本体も蓋もアルミ鋳物となっています。全体の熱伝導性が高いので、約15分の短時間でご飯を美味しく炊くことができますよ。時短で調理したい時にもおすすめです。
蓋は比較的重量のある作りになっています。程よく圧力を加える事ができるので、ご飯の芯まで柔らかく炊き上げます。また、持ち手の部分はゆるみやガタ付きが起こりにくいよう工夫されています。焦げ付きにくいので、煮物にもおすすめです。
東伸販売-アルミ文化鍋16cm(3,770円)
水量の目盛り付きでご飯が炊きやすい
16cmと小さなサイズの文化鍋です。2合程のご飯を美味しく炊くのに向いています。底が厚い構造になっており、焦げ付きや吹きこぼれを防いでくれます。水量の目盛りがついているので、文化鍋を使った炊飯に慣れていない方でも簡単に使用できますよ。
ご飯を炊く以外にも、煮物や蒸し物、炒め物にも使える便利な鍋です。和洋中問わず、鍋一つで様々な料理に挑戦できますよ。ホーローの鍋と比較すると軽量なのも嬉しいポイント。高齢の方でも扱いやすいので、プレゼントにも良いですね。
宮崎製作所-ライスポット炊飯鍋(17,678円)
ご飯本来の美味しさを引き出すための鍋
昔ながらの文化鍋の良さを受け継ぎつつ、ご飯をより美味しく炊き上げるために進化した鍋です。チタンとアルミ、そしてステンレスの3層構造になっています。チタンは加熱部分を素早く温め、金属イオンが溶け出しにくいという性質があるので、お米の風味を損なわずに炊飯できますよ。
ステンレスは保温力に優れているので、保温機能がない文化鍋のデメリットを補ってくれます。鍋全体の形は丸みを帯びているので、お米が対流しやすく美味しいご飯が炊けますよ。とにかく美味しいご飯が食べたいという本格志向の方におすすめの一品です。
IH対応でおすすめの文化鍋
T-Fal(ティファール)-リザーブ ストックポット(16,500円)
丈夫な作りとモダンなデザインが魅力
昔ながらの文化鍋とは少し印象が違い、モダンで高級感のあるデザインです。素材は熱伝導性の高いアルミと保温性の高いステンレスを使用しています。鍋の内部に均一に熱が広がり、保温性に優れているので、ご飯の炊飯や煮込み料理にぴったりですよ。
IHにもガスコンロにも対応しているので、幅広いキッチンで使えるのが嬉しいですね。引っ越しが多い家庭でも鍋を買い換える必要がないのでおすすめです。蓋はガラス製で透明なので、鍋の中が見えるのも嬉しいポイントです。
アンナ・ロッシ-アルミ両手鍋22cm(3,828円)
コロンとしたフォルムが可愛いアルミ鍋
鮮やかな色合いと丸みのある形が可愛らしいですよね。料理の見た目も美味しく映えるデザインです。流行のホーロー鍋の見た目に近いですが、アルミ製の鍋なので軽量で使いやすいですよ。
鍋の内部はフッ素加工が施されているので、具材を炒めてそのまま煮込めるので便利です。蓋はガラス製なので、火の通り具合を確認することもできますよ。IH対応でお手入れも簡単なので、プレゼントにもおすすめです。
ライフテック株式会社-スヌーピーアルミ両手鍋16cm(3,080円)
かわいいキャラクター鍋で楽しく料理できる
ガスコンロでもIHでも、どちらの熱源でも使える文化鍋です。色んな表情のスヌーピーが楽しい気分にさせてくれますよ。持ち手は木製になっているので、調理後も持ちやすく便利。食卓でそのまま使うのもおすすめです。
蓋には滑り止めがついており、安定感のある使い心地です。16cmと小さめの鍋で、ご飯は2.5合程の量が炊けます。アルミ製なので熱伝導性が高く、和洋中様々な料理に対応。スヌーピー好きの方や女性の一人暮らしなどにおすすめです。
dancyu(ダンチュウ)-木柄ザル付き鍋セット(11,000円)
ザルもセットで色々な料理に使える
ステンレス製のザル付き鍋です。丸みのある鍋なので、吹きこぼれにくい構造です。また、ご飯を炊くときは対流によって美味しく炊けますよ。ザルは荒目と細目の2種類が付属しており、使い分けできるので便利です。
ザルは野菜を茹でる時やダシを取るときに重宝します。麺類を茹でるときにも手早く調理できますよ。ステンレス製なので耐久性も高く、お手入れも簡単。様々な料理に使えるので、調理器具は最小限にしたい方におすすめです。
ニューグッドベンリー- 余熱調理鍋(7,293円)
内鍋と外鍋のセットで余熱調理ができる鍋
ガスコンロでもIH でも使える便利な鍋です。内鍋と外鍋の間に出来る空間が、保温状態の内鍋の熱を逃さないようにしてくれます。熱の冷め方が緩やかなので、長時間じんわりと食材に熱を通すことができますよ。
茹で過ぎたり煮過ぎたりすると、食材の旨味成分や栄養素が逃げてしまいます。余熱調理にすることで、旨味と栄養を閉じ込めることができますよ。ガスや電気を使う時間が減るので、光熱費も節約できます。忙しいママさんにもおすすめですよ。
お手入れのしやすさでおすすめの文化鍋
柳宗理-ステンレス・アルミ3層鍋(12,850円)
シンプルで美しいデザインが魅力
芯の部分にアルミを利用し、表面をステンレスで仕上げた3層構造の鍋です。アルミの熱伝導性により熱が均一に伝わり、耐食性に優れたステンレスにより焦げ付きにくく錆にも強いため、長期間使用したい方におすすめです。
シンプルな作りで無駄な装飾などがないので、お手入れも簡単です。食器用の洗剤とスポンジで、お皿を洗うのと同じ感覚で洗うことが出来ます。表面のマット加工も美しく、使えば使う程愛着が湧く文化鍋ですよ。デザインで選びたい方にもおすすめ。
ヨシカワ-IHフッ素加工煮炊鍋(9,640円)
ご飯がこびりつきにくいのでお手入れ簡単
アルミとステンレスの4層構造になっています。アルミの熱伝導性とステンレスの保温性の両方を兼ね備えているのがポイント。内側の表面にはフッ素加工がされているため、ご飯を炊いてもこびりつくことが少なく、手入れを楽にしてくれますよ。
IHでもガスコンロでも使用できる上、こびりつきが少ないので、屋外で利用するのにも便利です。キャンプなどで炊きたてのご飯を食べるのはとても美味しいですよね。後片付けも楽にできるので、キャンプやイベントなどで利用するのもおすすめです。
藤井金属工業-純国産アルミ鍋ESTABLE(3,780円)
驚きの軽さでお手入れしやすい文化鍋
22cmのアルミ製文化鍋です。この鍋の魅力的な点はとにかく軽いというところ。鍋の中でも比較的軽いと言われる文化鍋でも、1kg前後のものが多い中、この鍋は635gしかありません。地金板厚を敢えて薄くすることで軽量化を実現しています。
毎日使うものだからこそ、お手入れはしっかりしたいですよね。鍋が重いと手入れが大変で、使うこと自体億劫になってしまうこともあるのではないでしょうか。こちらの鍋は毎日でも扱いやすい軽さなので、高齢の方や女性の方におすすめです。
中尾アルミ製作所-文化鍋20cm(5,665円)
無垢のアルミだからゴシゴシ磨ける
20cmのアルミ製文化鍋です。最大で5合のご飯が炊けるので、ファミリーにもおすすめの商品。厚みのある昔ながらの文化鍋で、軽くて女性でも楽にお手入れできます。
表面はフッ素やテフロンなどの加工はされていません。加工のない無垢のアルミなので、食器用の洗剤とナイロンなどのスポンジでゴシゴシ磨いても問題ありません。いつでもすっきりと清潔を保てるのは嬉しいですよね。黒ずみが気になるときは、鍋の内側だけであればスチールタワシとクレンザーで磨いても問題ありません。
文化鍋の使い方
お米に合わせた水加減としっかり浸水させることが大切
たいていの文化鍋には目盛り線がついているので、その目盛りに合わせると上手く炊き上げることができますよ。ご飯の固さに好みがある場合は、目盛りを参考に水の量を調整するのがおすすめです。また、炊飯前にお米を水に浸しておくと美味しく炊けますよ。浸水時間は、夏なら最低でも30分以上、冬は1時間以上しっかり浸けて下さいね。
美味しく炊くには火加減と蒸らしがポイント
火にかけたら、最初は強火でグツグツと沸騰するまで煮立てます。沸騰後は弱火にして、そのまま約10分。火を止めた後は、蓋をしたまま15分程度蒸らすのがポイントです。慣れてしまえば簡単にできるようになりますよ。そしてご飯の美味しさに感動するでしょう。是非試してみて下さいね。
まとめ
ガスコンロでもIHでも使える文化鍋がおすすめ
文化鍋を購入する上でこだわりたい一番のポイントは、対応する熱源。IHなど、電気を使用した様々な熱源が多様化している現在、どのような環境でも使える文化鍋が長期的に使用できるということになります。昔ながらの良さを残しつつ、今の生活様式にも合うように工夫された文化鍋がおすすめですよ。今回は文化鍋について、人気商品を挙げながら紹介しました。皆さんも是非、長年使える文化鍋を見つけて下さいね。