ワインが好きになると、ワインを自宅で飲むためにストックしておきたくなりますね。ワインショップで買った少し高価なヴィンテージものや、自分が生まれた年のものなど、ワインを長い間熟成させたいときなどに、そのまま部屋で保管するには不安なとき、役に立ってくれるのがワインセラーです。一口にワインセラーと言ってもさまざまなタイプがあり、選び方は用途によっていろいろです。この記事ではワインセラーの種類やブランド、選び方について、詳しく説明します。
ワインセラーの特徴・役割
ワインを良い状態に保つ
ワインは繊細なお酒で、温度や光、湿度、さらには振動にも弱く、ワインセラーで適切に保管しないと品質が劣化してしまいます。ワインは赤白ともに13~15度、湿度は75%で横にして保存すると良いとされ、その環境を保ってくれるのがワインセラーの主な役割です。
サイズによって異なるワインの収納本数
ワインセラーにはさまざまな大きさのものがあります。小型の場合は6~12本程度保管できるものが多く、今ではワインとワインセラーをセットで購入できるものも多く流通しています。また購入したワインをすぐには飲まず長期で保管を検討されている方は、30本程度の収納が可能な中型タイプのワインセラーがおすすめ。幅55cm×奥行60cm×高さ90cm程度を目安にすると良いでしょう。収納量を大きくする場合は、底面積は同じで高さが変わると考えるとわかりやすいかもしれません。
ワインセラーの種類
ペルチェ冷却方式(作動音が静かで小型のものが多い)
コンプレッサーがついているタイプと違い、振動がないことや、音が静かなことで知られています。安定した温度で保管ができるため、ワインの保存に適したもので、家庭用の小型のワインセラーに多く使われています。リビングなどに置いて「見せる収納」としてワインを保存したい方におすすめです。
さまざまなメーカーがこの方式を採用していますが、コストコのワインセラーもこの方式を取り入れています。大きさも20本程度の小さなものから大きめのものまでいろいろ選べるので、保管する本数や設置場所の面積などで大きさを選ぶと良いでしょう。
コンプレッサー方式(扉の開閉による温度変化も気にならない)
通常の冷蔵庫と同じコンプレッサーを使った方式のワインセラーです。同じ方式なら普通の冷蔵庫でもいいのでは、と思うかもしれませんが、通常の冷蔵庫だとワインに適した湿度(65~80%)よりも低くなってしまうため、コルクが乾燥し、ワインが酸化してしまうからです。
コンプレッサー方式の良いところは、急激な温度変化に強いことです。日常的な扉の開け閉めなどにより、セラーの中の温度は急激に高く変化しますが、そうした温度上昇にもすばやく対応して冷やしてくれるなど、庫内の温度を安定させる能力が高いと言えます。
アンモニア熱吸収式(音が静かな上に劣化しにくい)
コンプレッサー式と同様に、気化熱を利用した方式です。冷媒にアンモニアを使用していることからこの名前が付きました。アンモニアをヒーターで循環させるため、音がとても静かなのが特徴です。また、とても長寿命なのも良いところです。
アンモニア熱吸収式のワインセラーは、冷却されるまでに時間がかかるため、電気代がかかるのがデメリットだと言えます。しかし、圧倒的に音が静かなタイプのため、寝室や書斎など、音が気になるスペースに設置したい方におすすめの冷却方式です。
ワインセラーの選び方
長期熟成させるかどうかで選ぶ
長期熟成させるならコンプレッサー方式
なんといってもワインを保存するときに考えたいのは長期熟成。どれくらいの間ワインを保管するかによって選びたい方式も変わってきます。コンプレッサー方式のワインセラーは冷却力が高く、夏の暑い時期でもしっかりと温度を保つことができるため、安心してワインを長期間保存することが出来ます。
デイリーに使うならペルチェ冷却方式
毎日の生活の中でデイリーなワインを保管するのなら、ペルチェ冷却方式のワインセラーがおすすめ。ワインセラーの価格も比較的安価(4万円程度から)で導入がしやすい上に、ランニングコストが安く、空調の整ったスペースであれば十分ワインを適温に保つことができます。
音の静かさで選ぶ
リビングに置くならペルチェ冷却方式
インテリアとしてリビングに置く場合、気になるのは音が大きいかどうか。あまり音がするとそちらに気が行ってしまいますし、意外と音は気になるものです。ペルチェ冷却方式は病院やホテルの冷蔵庫等と同じ方式でできており、比較的音が静かなことで知られています。
寝室に置くならアンモニア式
また、寝る前にちょっと飲みたい、という方の中には、寝室にワインセラーを置く人もいるでしょう。そうした方におすすめなのが、振動や音の少ないアンモニア式のワインセラー。ほとんど音がしないのでストレスになりません。温度も1日に1度程度の開閉であれば変化が大きくないので気にならないでしょう。
ワインセラーのおすすめブランド・メーカー
ルフィエール
家庭用のラインナップが豊富
家庭用のラインナップが豊富なことで知られている国内のメーカー。12本収納のタイプが1万円台というのも魅力的なところです。本数もいろいろ選べるので、設置面積によって柔軟にチョイスできるのが良いところ。価格が安いので、デイリーなものからヴィンテージのものまで保管できる本数を選びたいですね。
デバイスタイル
スリムタイプが人気のブランド
まるですき間家具のような小さなスペースにも設置できる小さなものがあることで人気のブランドです。7本入りのワインセラーは幅が15センチとかなりスリム。場所がないと思っている人にも導入できるのが魅力です。少数の選りすぐりをなんとしても保管しておきたい、という人にはいいかもしれません。
さくら製作所
長期熟成向きならこのメーカー
ワインの長期熟成に向く機能がフルスペックでついているのが、さくら製作所のファニエルシリーズ。高級家具のようなデザインや、本数に対する面積が少ないことも人気の理由です。また、日本酒やビールを冷やすことが可能なモデルもあり、サポートもしっかりしているのが良いところです。
フォルスター
プロも利用する機能の高さが人気
コンプレッサー方式のワインセラーの老舗メーカー。なんといってもプロユース、というのが人気の理由です。値段は高めですが、本数も少なめのものから大きなものまで選ぶことができ、温度設定の幅も広いモデルがあるので、白ワインと赤ワインをデイリーに飲むのにも適しています。サポートも安心の体制も万全です。
おすすめ&人気のワインセラーランキング
長期熟成でおすすめのワインセラー
ユーロカーブ(EUROCAVE) -ワインセラー プルミエシリーズ Premiere-S-T-STD(300,000円)
高級ワインを最高の状態で保管したい方に
ユーロカーブはフランスの老舗ワインセラーメーカー。このモデルはコンプレッサー方式ですが、振動も少なく、ワインセラー全体の断熱性が向上したものです。価格的にも従来のハイスペックモデルより機能が絞られている分、少し安くなっています。
サイズは一人暮らし用冷蔵庫と同じ程度の大きさなので、設置面積に余裕のある方向きではありますが、最高の状態でヴィンテージワインを保管したい方には秀逸なモデルと言えます。たくさんのワインをストックしたい方向けの少し大きめのワインセラーです。
デバイスタイル-CD-30W(39,900円)
低価格で熟成も可能なモデル
コンプレッサー方式のワインセラーながら、低価格なのが魅力的なデバイスタイルの30本入りワインセラー。コンパクトなボディでありながら、最大33本までと収納力も抜群なのと、6~18度までと幅広い温度設定に対応しているのが良いところです。加温タイプではないので、冬場の温度には注意が必要です。
インテリアにするにも見栄えの良いガラス扉には、温度変化に強いペアガラスを採用しており、保温効果が高いので安定した温度管理ができるようになっています。価格は4万円程度と、長期熟成だけでなく、デイリーに使うのにもうれしい価格帯です。
フォルスター-ホームセラー FJH-108GD(81,500円)
20年以上のロングセラーを誇るモデル
コンプレッサー方式のワインセラーの老舗メーカーの、20年以上のロングセラーを誇るスタイリッシュなワインセラーです。コンプレッサー方式なので長期熟成に向いています。収納本数は34本。ワインラベルが上に見えるような収納になっているのもおしゃれです。
国産メーカーならではのアフターケアやサポートの手厚さも魅力のひとつ。故障などにも柔軟に対応してくれるのがありがたいところです。上位機種のロングフレッシュにはかないませんが、手軽に導入できる価格帯と設置面積なのが魅力です。
さくら製作所-FURNIEL SAB-90G(54,438円)
ふたつの温度帯で赤白別々の熟成が可能
小型機種も候補の一つに上げているさくら製作所のワインセラーの、24本収納タイプです。単に本数が多いだけではなく、上部と下部でふたつの温度帯を設定することができるようになっています。ワインの種類によって別々にきめ細やかな温度帯で熟成が可能です。
また、他のワインセラーと違い、さくら製作所のワインセラーの良いところは、ブルゴーニュなどの太めのボトルの出し入れも楽で、ラベルに傷をつけてしまうことがないのが挙げられます。本格的な趣味としてワインを嗜む方向きの機種とも言えます。
オットスタイル-a05394_A(18,500円)
上下段別に温度設定を変えられる
ペルチェ冷却方式を採用しているので、振動が少ないワインセラーです。特徴はなんといっても、上下段で別々に温度設定が可能なので、赤ワインと白ワインで温度を変えて保存できることです。それぞれの飲用適温にしておけるので、取り出してすぐに飲むことが出来ます。
また、インテリアの面では、ペアハーフミラーを扉に使用しているのがおしゃれです。このペアハーフミラーはUVカットタイプなので、紫外線に弱いワインを室内に差し込む日差しから守ってくれ、保温性も高いのが良いところです。容量は最大で18本が収納可能です。
収納本数12本以下でおすすめのワインセラー
デバイスタイル-ワインセラー CD-7X(24,091円)
わずか15センチに7本収納
たった15センチのすき間に設置できる、すき間家具のような、ペルチェ冷却方式の小さなワインセラー。7本の収納が可能です。ソファやデスクの横に置くのにぴったりの大きさで、置いておいても邪魔になりません。温度設定も9~18度と幅が広いのが便利です。
価格も2万円台と手頃で導入しやすく、設置したいけれどスペースがない、という方におすすめです。デイリーなワインをちょっと保存しておいたり、週末に飲むちょっといいワインを短期間保管するのに良いと言えます。シルバーとブラックで統一されたデザインもおしゃれです。
ルフィエール-LW-S12(17,280円)
シンプルな作りだからデイリーワインに最適
シンプルな作りで、デイリーワインを普段から親しんでいる人に向いているワインセラーです。温度設定は4~22度とかなり幅が広く、白ワインを提供適温に冷やすのにも適しています。幅28センチと小さめなので、設置に迷っている方にはいい大きさと言えるでしょう。
また、シャンパンやロングボトルなどもしっかり収まります。ラックには緩やかなカーブが付いているので出し入れがしやすく、ワイン本体をしっかりと支えてくれます。インテリアライトもついており、暗い部屋でも庫内を確認しやすくなっています。
さくら製作所-SAB-50G-PB(40,912円)
小さな面積で12本が保管できる
横幅はわずか38センチと他社の12本タイプより小さいながらも、必要な機能がすべて揃った高スペックなモデルです。温度設定やライトの設定もタッチパネルで簡単にでき、ドアを開けなくても設定ができるので、中のワインに影響が出ないのも良いところです。
3層構造のフルフラットガラスを前面に使用しているので、インテリア性も高く、ガラスドアでありながら断熱性に優れているワインセラーなので、長期熟成に適しています。見た目も高級家具のような雰囲気で、インテリアにしっくりと馴染んでくれます。
さくら製作所-ファニエル長期熟成型ワインセラー SAB-50G-PB(40,912円)
日本酒やビールも冷やせる
ワイン愛好家向きのワインセラーで定評のあるさくら製作所のワインセラーですが、コンプレッサー方式で加温機能付きと、長期熟成にも向くのに、小型の電子レンジと同程度の設置面積というコンパクトな設計。最大で12本のワインが保存できます。
地震の際などに扉が開かないように鍵がついているのも安心です。普段飲むデイリーワインのストックから長期熟成までカバーできることを考えると、ライフスタイルやワインの趣味が変わっても長年使い続けられるタイプのワインセラーだと言えるでしょう。
ドメティック-スリムタワーワインセラー ST7(44,392円)
おしゃれでコンパクトなのにコンプレッサー方式
超、がつくコンパクト設計のワインセラー。デバイスタイルのワインセラーと同様、7本収納のタイプです。デスク横やソファ周りなどに置いても邪魔にならず、デザインもとてもおしゃれ。そのままシステムキッチンなどに組み込むことも可能なタイプです。
この大きさのワインセラーが少ないことと、この大きさでコンプレッサー方式というのは特筆すべき点でしょう。ワインセラーとして、コストパフォーマンスは決して悪くありませんし、なによりデザイン性を求める方におすすめしたいワインセラーです。
収納本数50本以上でおすすめのワインセラー
フォルスター-ロングフレッシュST-NV271G(321,813円)
プロも使用する長期熟成にも向くタイプ
フォルスターのロングセラー、ロングフレッシュは、長期熟成にも、デイリーにも使えるワインセラーは、最大で70本の収納が可能です。プロも使用する加湿循環方式で、冷蔵庫なのにまるで広いセラーのように湿度や温度が維持できるようになっています。
前面にUVカットペアガラスがはめられた扉から、ずらりと並ぶワインが見える様子はまるでレストランにあるセラーのよう。万が一停電したときでも、6時間で3度と、ゆるやかに温度が上がるようになっているので安心です。収納本数はだんだんと増えてしまうものなので、設置面積が同じなら大きめのものを選ぶのをおすすめします。
さくら製作所-低温冷蔵ワインセラーZERO CLASS Premium sb103(165,265円)
大容量なのに0度までの冷蔵が可能なセラー
さくら製作所のゼロクラスのプレミアムライン。2つのファンが冷気を庫内に送り、室内があたたまることなく全体を0度まで冷やすことが出来ます。ワインはもちろん、日本酒を冷やすのにも適したワインセラーです。ワインならば103本の収納が可能です。
高効率コンプレッサーを使用し、0度まで冷やす性能があるため、コンプレッサーが起動する回数が少ない分、振動や音が低減された省エネタイプでもあります。ワインセラーとしてはかなり速いスピードで温度が下がるのが特徴です。庫内の温度ムラも低減されています。
ファンヴィーノ-SW-75(150,120円)
小さめなのに70本入る大容量ワインセラー
70本という容量を考えると、一人暮らし用冷蔵庫と同じ程度の大きさと小さく、ガラス張りの見栄えの良いワインセラーです。加温は出来ないタイプなので、長期熟成には向きませんが、短期保存で普段からたくさん飲む方に向いているタイプです。
温度は1度刻みのシンプルなタッチパネルで設定が可能。スライド式の棚は取り外すこともでき、立ててワインを保存することもできるので、熟成したワインを開ける前に入れておくセラーとしても活躍しそうです。盗難防止のための鍵もついているので安心です。
スタイルクレア-SC76(199,800円)
大容量でも圧迫感のないスリムタイプ
大容量のワインセラーは、設置すると意外と大きくて圧迫感があり、インテリアを考える上で誤算だった、なんていうこともよく起きることです。ですが、スタイルクレアのスリムタイプは、新聞1ページ程度の大きさと比較的コンパクトになっています。
スリムタイプですが加温タイプのため、ワインの長期保存も可能。価格もこの容量にしたら手頃な範囲なので、ワインのストックをたくさん手元においておきたい人向けのワインセラーだと言えるでしょう。庫内ランプはブルーのLEDを搭載しており、室内が暗くなるとスタイリッシュな雰囲気です。
さくら製作所-ファニエル SAF-280G-BB(136,695円)
使いやすくシンプルな大容量ワインセラー
さくら製作所の大容量タイプのワインセラーです。収納本数は89本。設置面積が少ないのに本数が多く収まるのが良いところです。シンプルなタッチパネルで操作でき、使いやすくデザイン性が高いのも、このメーカーのワインセラーの特徴と言えます。
扉はフルフラット3層ガラスのもので、スモークガラスが採用されています。普通のガラスよりも高級感があるように見えますね。扉を映画のスクリーンに見立て、縦横の倍率もそれと同程度という凝りようです。電球色のLEDで庫内も見やすく出来ています。
まとめ
ワインセラーではさくら製作所 FURNIEL SAB-90Gがおすすめ
ほどよい収納本数と、フルスペックの機能という点で、長期熟成も可能なさくら製作所 FURNIEL SAB-90Gがおすすめです。価格も比較的手頃で導入しやすいと言えます。最初のワインセラーに選ぶものは小さいものをと考えがちですが、すぐにワインの本数は増えてしまうもの。ゆとりを持った大きさワインセラーがおすすめですよ。