空間を彩るために欠かせない照明器具。照明のフォルム、色、大きさ、取り付ける場所によって、部屋の印象は大きく変わります。せっかくなら、有名デザイナーが手がけた照明を使いたいものですが、高価で手が伸ばせないという人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、デザイナーが手がけたデザインを非正規メーカーの手で蘇らせたリプロダクト製品。ジェネリック製品とも呼ばれています。デザインや使い勝手は本物と遜色ないものの、コストを抑えて製造することで、安価に購入できるのです。ここでは、照明のおすすめリプロダクト製品はもちろん、選び方についてもご紹介していきます。
リプロダクトの照明の特徴
正規品と遜色ないデザインながら安価で購入できる
照明は、空間のインテリアをコーディネートする上で欠かせない存在です。有名デザイナーの照明を購入したいけれど、正規品はなかなか手が出しにくい価格。であれば、正規品と遜色のないデザインながら、安価で購入できるリプロダクト品に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ソファやテーブルのように、座ったり物を置くなどの負荷をかけなくて済む照明は、リプロダクト品でも十分に長持ちします。実用性よりもデザイン性を重視し、部屋にデザイナーが手がけたデザインの照明を置きたいという人におすすめです。
良質なリプロダクト品は素材や細部の作りにもこだわる
リプロダクト品と一口にいっても、価格はピンからキリまでさまざま。価格が高いから、正規品に近い値段だからといって、品質の良いリプロダクトとは限りません。照明のリプロダクト品はデザインさえ忠実に再現していれば良いという安価なものも多くあります。
ですが、良質なリプロダクト品はデザインの忠実さだけでなく、シェードとアームの繋ぎ目や、触り心地など細部まで品質にこだわっているのが特徴です。しかしいずれも、実際に購入してからよく見てみないとわからないのが欠点。商品説明の写真だけではわかりづらいという場合は、品質保証が付いているリプロダクト品であれば、実際に購入して確認するのがおすすめです。
リプロダクトの照明の種類
サスペンションランプ(天井から吊るす照明)
部屋の中心、天井から吊るして使うサスペンションランプ。ペンダントライトとも呼ばれます。空間の照明の最も重要な部分で、インテリアコーディネートの要ともいえるでしょう。天井に直接取り付けるシーリングライトよりは光が届く範囲は狭いものの、シェードの形やアームの長さによって光の量を変えられるのが特徴です。部屋に元々付いているシーリングを使用して様々なサスペンションランプを取り付けることも可能。
サスペンションランプはゲストの目にも留まりやすい照明です。その分、安価で低品質のリプロダクト品であれば空間の印象も台無しに。特に玄関、リビング、ダイニングなど来客の多い空間に設置する場合は、なるべく良質なリプロダクト品を選ぶのがおすすめです。
テーブルランプ(机上に置いて使用する照明)
書斎などで大活躍するテーブルランプ。机上に置いて手元を明るくしてくれる役割を持ちます。勉強や仕事など状況に合わせて角度を変えられる実用性の高いものから、よりデザイン性を追求した飾っておくだけで様になるようなタイプまで幅広くあります。
テーブルランプのリプロダクト品も様々ですが、書斎など自分のスペースで使うものであれば、多少費用を抑えたリプロダクト品を購入するのもおすすめ。照明としての機能やデザインはもちろんそのままに、気軽にデザイナーの照明を楽しむことができます。
フロアランプ(床に置いて使う照明)
床に置いて使うフロアランプは、広々としたリビングや玄関ホールにぴったり。ただ、サスペンションランプのように部屋全体を明るくしてくれるものではなく、ソファの横に置いてピンポイントで手元を照らしたり、壁に光を当てて間接照明として使ったりする場合が多いのが特徴です。
照明としての機能性よりも、デザイン性を追求したアイテムが多いため、いかに空間全体のインテリアと調和のとれたアイテムを選ぶかが重要。既存の照明と組み合わせて購入する場合は、フロアランプの大きさや光量などを確認してから購入するのがおすすめです。
ウォールランプ(壁に取り付けて使う間接照明)
空間のアクセントとして壁に取り付けるウォールランプ。壁に当て光を反射させることで、柔らかな光となり、部屋全体に温かみのある印象を与えてくれます。近年では天井に直接取り付けるシーリングライトを採用せず、間接照明のみで部屋の明かりをまかなうというインテリアも増えてきています。
玄関や寝室などの壁にアクセントとして一つだけウォールランプを取り付ける場合や、いくつかのウォールランプを並べて空間全体を柔らかく明るくする場合など、使い方によって必要になる数も変わってきます。せっかくデザイナーのリプロダクト品を使うのであれば、目に留まるところにアクセントとして一つだけ取り入れるのがおすすめです。
リプロダクトの照明の選び方
製品保証やサポートがあるかどうか
購入時に品質保証の明記を確認
リプロダクト品の照明は、デザインを忠実に再現しただけというものも多く、良質品と粗悪品の違いを見極めにくいのが難点でもあります。デザイナーはもちろん、正規メーカーの許可がなくても販売ができてしまう分、購入する際には十分に注意が必要です。良質なリプロダクト品を購入するためには、必ず品質保証の明記があるかどうかを確認しましょう。不良品や壊れてしまった場合でも対応してもらえるため、最低1年間の品質保証があるものであれば安心です。
製造ラインは整っているか
国内または国外で作られているか、製造ラインは一貫しているかどうか、商品説明ページやショップページで確認するのがベター。照明はソファやテーブルといった家具とは異なり、繊細なデザインが特徴。シェードとアームとの接合部分といった細部の作りが粗いものはなるべく避けたいですよね。国内の工場で一貫して製造している場合はほとんど問題ありませんが、リプロダクト品の多くは中国で生産されています。中国でも、内陸部の工場か、沿岸部の工場かで品質が異なってくる場合も。一般的には沿岸部の工場の方が品質が良いとされているので、参考にしてみてください。
値段は他と比べて安すぎないかどうか
いくつかのリプロダクト品と比較してから決める
正規品よりも値段が安いのがリプロダクト品のメリットです。しかし、あまりにも金額が安すぎると、保証が整っていなかったり、製造管理が不十分だったりと粗悪品である可能性が懸念されます。特にペンダントライトのリプロダクト品は、粗悪品であればシェードの左右の高さが平行でないなど見た目にも大きな影響を与える場合が。といった正規品とリプロダクト品の価格差は、およそ3〜5倍。正規品と比較するのはもちろん、他のリプロダクト品と価格を比較し、倍以上の差が付いていてら品質が低い可能性があります。
口コミも要チェックを
リプロダクト品を購入する際には、口コミも要チェック。ショップの口コミはもちろん、SNSで発信されている購入者の生の声を確認しましょう。ショップの口コミではショップの対応や品質についてチェックできます。SNS上での口コミは品質について確認できるだけでなく、サイズ感や光の印象なども分かるため、実際の使用時のイメージが湧きます。
リプロダクトの照明の口コミ
リプロダクト品でも正規品と変わらずデザインを楽しめる
12月ラストはルイスポールセンPH5と言いたいところですが、お高いので我が家はリプロダクト品です!でもでもいい感じ!
価格は正規品の4分の1
2階の洗面台上部に取り付ける照明は、ルイスポールセンのAJランプのリプロダクト品 にしました。
御本家→8万円近く リプロダクト→2万以下
ネットで売り切れ続出だったのが運良く入荷待ちでゲットできそうです
安価なリプロダクト品なら子供がいる家庭でも安心
設置してすぐに次男が持ち上げて振り回そうとしていたので、リプロダクトで良かったと心から思いました。角度調節できるし明るさも問題なし。ライトの土台にスイッチが付いているので楽です◎
おしゃれなインテリアのアクセントとして活用
リビングの照明は180cmもあるインパクト大のスプーンライト!
と言っても、実はリプロダクト品。夜につけると優しい明かりが部屋を包んでくれる。とってもお気に入りです。
インテリアのアクセントにもなってお部屋がグッとオシャレになりました。
リプロダクトの照明でおすすめのブランド・メーカー
アルネ・ヤコブセン
シンプルで洗練されたフォルムのAJシリーズ
洗練されたモダンデザインを得意とするデンマーク出身のデザイナーであるアルネ・ヤコブセン。彼が手がけたAJシリーズは、円筒型のフォルムが特徴的なミニマルデザインのランプ。フロアランプ、テーブルランプ、ウォールランプなど幅広く展開されています。
アルヴァ・アアルト
ベルの形をした愛らしいフォルムのペンダントライト
柔らかな曲線を描くゴールデンベル。北欧らしい暖かなインテリアアイテムを手がけるアルヴァ・アアルトの手によってデザインされました。小さくて愛らしいフォルムは、ダイニングテーブルやキッチンカウンターのアクセントにぴったり。
セルジュ・ムーユ
昆虫のような繊細なアームを携えたハイセンスランプ
セルジュ・ムーユはフランスを代表するデザイナーの一人。彼が手がけた照明は、ナナフシのような繊細なアームを有しているのが特徴。独特な雰囲気を醸し出すハイセンスランプは、無機質なのに空間にしっくりと馴染んでくれます。有名なランパデールシリーズをはじめ、ウォールランプ、シーリングランプなど多様なランプがあります。
フランク・ロイド・ライト
有機的建築を得意とする巨匠の照明
近代建築の巨匠の一人であるアメリカの建築家フロイト・ロイド・ライト。彼の特徴はなんといっても自然の素材を使った有機的デザインにあります。人気のタリアセンシリーズは、木を組み合わせて仕上げたランプ。直接光を落とすのではなく、木板で電球を覆うことで柔らかな光を生み出します。
おすすめ&人気のリプロダクト照明ランキング
北欧デザインでおすすめのリプロダクト照明
Sandy Style-AJ フロアランプ(30,672円)
スタイリッシュなモダンデザインで部屋のアクセントに
アルネ・ヤコブセンが手がけたAJシリーズの、フロアランプタイプ。モダンテイストのシンプルな設計が特徴で、どんな空間にもしっくり馴染んでくれます。特徴は、円筒のシェード。下向きに作られたシェードが、手元をピンポイントで照らしてくれるミニマルデザインです。
ソファやベッドの横に据えて、読書や仕事時の手元を照らすように使うのにぴったり。シェード部分は可動式のため、壁に向けて反射させ間接照明のように使うこともできます。1年の品質保証付きで安心です。
DAIVA-ゴールデンベル(22,000円)
愛らしいフォルムで北欧スタイルの空間を演出
北欧を代表するデザイナーの一人であるアルヴァ・アアルトがデザインしたゴールデンベルは、その愛らしい丸みを帯びたフォルムが印象的。上品で華やか、それでいて落ち着いた印象を与える北欧デザインのリプロダクト照明です。
キッチンカウンターの上部に並べて飾ったり、小さなダイニングテーブルに吊るしたり。サイズは高さ20cm、幅17cmと、日常空間に自然に溶け込む控えめなサイズ。中国産ですが、家具職人が一つ一つ忠実に元のデザインを再現し仕上げているそう。
MYSTYLE-WA24テーブルランプ(17,450円)
温かみのあるデザインに無機質の素材が調和
半球型のシェードを持つWA24テーブルランプは、ウィルヘルム・ワゲンフェルドがカール・ヤコブ・ユッカーの共作で誕生した名品です。弧を描く温かみ感じるモチーフに、ガラスとステンレスという無機質の素材が融合。他にはないモダンデザインのテーブルランプになっています。
モノトーンのクラシカルな住まいや、シックな住まいにぴったり。サイズは高さ39cm、シェードの直径20cm。ベッドやソファサイドのテーブルに置いておくだけで華やかな空間を演出してくれます。こちらのWA24は、完全受注生産です。
GENCO-ヴェローナ ランプ (33,680円)
北欧ランプを代表する不朽の名作
角度の異なる7つのシェードが部屋を華やかに彩ってくれるヴェローナランプ。北欧のデザイナーであるスヴェン・ミデルボーが手がけたもので、1940年〜60年のミッドセンチュリー時代を飾る人気の高い名作です。
シェードのサイズは直径40cmとやや大きめ。一つダイニング上に吊るしておけば、北欧モダンテイストの空間が完成します。もちろん北欧家具との相性は抜群のため、北欧インテリア好きの人におすすめしたいアイテムです。こちらは1年間の保証付きで、完全受注生産。
ペンダントライトでおすすめのリプロダクト照明
JAPANBRIDGE-ファン シェル サスペンションランプ(20,520円)
きらめく貝のシェードがハイセンスな空間を作る
デンマーク出身のデザイナーであるヴェルナー・パントンが1964年にデザインしたシェルランプ。その名の通り、シェードに天然の貝を採用したきらびやかな照明です。幾つも重なったシェルから溢れる光が、柔らかく空間をライトアップ。シックで上品な空間にぴったりです。
ヴェルナー・パントンのデザインは、他では真似できない革新的なアイデアが満載。シェルランプもその代表的な一つで、ゆらめくシェルのシェードからこぼれ落ちる光が様々な影を作り出す、幻想的な空間が生まれます。こちらは東南アジアで採取される天然のカピス貝を使用。透明度が高いのが特徴です。
R&M Interior Store-Poul Henningsen PH 480/ホワイト(34,020円)
ポール・ヘニングセンの代表作PHシリーズ
ポール・ヘニングセンがコペンハーゲンのランエリーニュ・パヴィリオンのためにデザインしたというPH480。デザイン性の高さから多くのファンを持つPHシリーズの中でも、より華やかで存在感のあるペンダントライトです。
直径48cm、高さ45cmとサイズは大きめ。リビングや玄関に吊るし、住まいの主役になること間違いなし。家の主役にふさわしいとっておきのペンダントライトを探している人におすすめです。松ぼっくりを思わせるようなフォルムから溢れる光は、シェードに柔らかく反射して温かみを感じさせます。
DAIVA-バブルランプ(28,944円)
和の心感じるモダンスタイルの照明
和室や小上がりに吊るす和モダンテイストの照明をお探しという人におすすめしたいのが、ジョージ・ネルソンが手がけたバブルランプ。その名の通り、泡のような丸みを帯びたフォルムからぼんやりと明かりが透け、落ち着いた雰囲気に仕上げます。
こちらはバブルランプシリーズの中でも楕円形のシンプル設計。和を感じさせる明かりですが、シェードの支柱などにはステンレスを使用。和と洋が融合した類を見ないデザインです。高さは57cmとしっかりとした大きさです。
Sandy Style-スプリューゲンブロー(23,760円)
波打つアルミのシェードが高級感を放つ
高級感のあるスタイリッシュな照明をお探しなら、イタリアのカスティリオーニ兄弟がデザインしたスプリューゲンブローがいかが。アルミニウムを使った丸みを帯びたシェードが印象的なペンダントライトです。
あえてアルミニウムを波打たせることで、デザイン性を高めるだけでなく、ランプの放熱という機能性も備えています。もちろん天井のシーリングを隠す部分もシェードと同じデザイン。一体感のある仕上がりです。
リーズナブルでおすすめのリプロダクト照明
Sandy Style-フラワーポットランプ(10,692円)
お花を思わせる鮮やかなペンダントランプ
せっかくリプロダクト品を購入するのだから、なるべく価格を抑えたい。そんな人におすすめなのが、10,000円台で購入できるフラワーポットランプのリプロダクト品です。安価ながら、1年間の品質保証付きで安心です。
デザイナーはシェルランプを手がけたヴェルナー・パントン。2つの半球体を組み合わせた独特のフォルムと鮮やかなカラーが特徴で、子ども部屋のライトとしてもおすすめです。中国製ではあるものの、注文を受けてから素材やカラーに合わせて丁寧に制作を行うというのも安心できるポイントの一つです。
MYSTYLE-トロメオ テーブルランプ(13,625円)
スタイリッシュなデザインは書斎にぴったり
書斎によく似合うリプロダクトのテーブルランプが欲しいという人には、トロメオシリーズのテーブルランプがおすすめ。アームとシェードにアルミニウムを用い、無機質でスタイリッシュなデザインが特徴です。
デザイナーはイタリア出身のミケーレ・デ・ルッキ。現在も建築家として、デザイナーとして活躍する彼が手がけたトロメオシリーズは、実用性とデザイン性を兼ね備えた照明として人気を誇ります。トロメオのテーブルランプは、シェード部分だけでなくアームも可動式。勉強や仕事、読書時に、手元をしっかりと照らしてくれます。
WORLDLINE-ランパデール アン ルミエール(18,980円)
異彩を放つ昆虫のようなフォルム
フランス出身のデザイナーであるセルジュ・ムーユが手がけたランパデールシリーズは、ナナフシのような細く長いアームが特徴。空間によく馴染み、それでいて存在感があります。高さは160cmで、フロアランプとしてはかなり大きめ。しかし、アームの細さ、シェードのミニマルさにより、圧迫感はありません。
カラーはマットな質感のブラックで、モダンテイストだけでなく、インダストリアルデザインの空間とも相性抜群。シェードは広く、スポットライトとしてではなく、全体を柔らかく照らしてくれます。シェード部分は首振りが可能。
R&M Interior Store-アルコランプ(37,800円)
存在感抜群の大理石を使ったフロアランプ
イタリア出身のデザイナー、アッキーレ・カスティリオーニの代表作であるアルコランプ 。湾曲したアームと、大理石で作られたベースが印象的です。正規品は30万以上するアルコランプですが、リプロダクト品ならその5分の1以下の価格で購入できます。
こちらのリプロダクト品も、ベースに大理石を使用。オリジナルを忠実に再現しています。シェード部分のトップは穴が空いており、下部だけでなく、上部にもぼんやりと光が溢れる仕組み。その大きさとデザイン性の高さは、存在感抜群です。リビングのメインのランプとしても大活躍すること間違いなし。
まとめ
デザインや雰囲気でリプロダクト製品もしっかり楽しめる
いかがでしたか。好みや部屋の雰囲気に合わせた照明を取り入れることはインテリアをコーディネートする上で非常に大切です。正規品でなくとも、デザインの雰囲気はしっかり楽しめます。良質なリプロダクト品であるかどうかをしっかり確かめ、まずは手頃に取り入れられる小さなテーブルランプなどから挑戦してみてはいかがでしょうか。