持っている本を電子化する「自炊」はお気に入りの本をタブレットやスマホで読むために有効な手段です。「自炊」をする上で必要になるのがブックスキャナー。しかし、ブックスキャナーは色々なタイプが存在するため、事前知識がないと選びにくいという問題があります。そこで今回はブックスキャナーの概要から選び方、おすすめのメーカーや製品などを紹介します。ブックスキャナーのことを知って、自分に合った最適なブックスキャナーを選ぶ参考にしてくださいね。
ブックスキャナーの特徴
本を読み込むことに特化しているために画像の歪みが少ない
ブックスキャナーは本を読み込むために作られているため、画像の歪みを最小限に抑えて取り込むことが可能です。ハード面では本をスキャン面にフラットに配置する機構を採用。ソフト面では歪み補正機能を持ち合わせるなどの工夫が施されています。
本を裁断せずに読み込む非破壊自炊タイプが存在する
ブックスキャナーには破壊型と非破壊型が存在します。一昔前は本を裁断しないと読み込めない物がブックスキャナーの大半を締めていましたが、現在は裁断が不要な非破壊型がメジャーになってきています。読み込む本を大事に保存しておきたい方にはとてもおすすめできるタイプです。
ブックスキャナーの種類
本を平置きして読み込むフラットベット
フラットベットスキャナーはコピー機のようにガラス台ヘ読み取りたいページを平置きしてスキャンするタイプ。上にカバーパーツが覆いかぶさるので、スキャン時に本が固定されてずれにくいという特徴があります。外からの光も遮ることができる点もメリット。
フラットベットスキャナーはCCD方式とCIS方式の2種類が存在します。CCD方式はピントの合う範囲が広いため、きれいに読み取ることが可能。一方、CIS方式は本体が非常に薄く、消費電力もUSBケーブルで賄うことが可能なため、どこにでも持ち運ぶことできるという利点があります。
見開きの本を読み込むことができるオーバーヘッド
オーバーヘッドスキャナーはカメラを備えたアームが本体に付いており、アーム下にある本を読み取るタイプ。オーバーヘッドスキャナーは本を裁断することなく取り組むことができ、フラットベットスキャナーと異なりガラス面に触れることがないため、本が汚れたり傷む心配がありません。
サイズも非常にコンパクトであり、高さがおおよそ20センチ前後、横幅が30センチ以下のものが大半です。他のブックスキャナーと異なり、カメラのように一瞬で取り込むことができるため、待ち時間が発生しません。そのため、スピーディーに次々と本を取り込むことが可能です。
手持ちで必要な部分のみを読み取ることができるハンディ
ハンディースキャナーは手で持って使用することができる小型スキャナー。一般的なスキャナーは本を固定して自動で読み込みますが、ハンディスキャナーは手動で本を読み込むことになります。電源は内蔵バッテリーもしくは乾電池を使用するため、コンセントが必要なく持ち運びが容易なのがメリット。
大きさも持つことを考えて作られているため大半が30㎝以下。長くもなく短くもなくちょうど良いサイズです。解像度は300dpiのものが一般的。写真をスキャンするのならば心もとない数値ですが、本など紙媒体であれば十分な性能です。
ブックスキャナーの選び方
読み込んだ後の本の扱い方で選ぶ
本を破棄するならドキュメントスキャナー
ドキュメントスキャナーは読み取る本の裁断が必要。しかし、それを補って余りある読み取り速度の速さがウリです。一例として家庭用機である富士通「ScanSnap iX1500」は白黒印刷の両面を1分間で60枚取り込むことが可能です。取り込む本を破棄してもよいのなら速度が出るドキュメントスキャナーがオススメです。
本を残しておくならばスタンドスキャナー
取り込んだ本も現物を残しておきたいと考えるのなら非破壊型であるスタンドスキャナーがオススメです。本を平置きした上に読み取りレンズがくるようになっているため、一切本に触れずに取り込むことが可能。このタイプの多くは画像補正機能が搭載されており、歪みや見開きにした本の綴じ代部分に発生する影などを吸収してくれます。
搭載している機能で選ぶ
読み込んだデータをすぐに確認できるBluetooth搭載型
このタイプはパソコンやタブレット、スマホに読み込んだデータを転送して内容を確認することが可能。そのため、取り込んだイメージを逐一チェックしながら作業を行う事ができます。ほかにもGoogleドライブを始めとしたクラウドサービスに接続することで取り込んだデータをクラウド上へ簡単に保存することが可能です。
短時間で読み込める両面スキャン型
両面スキャンに対応しているこのタイプは大量のページを有している本の読み取りに向いています。多くは背面に用紙をセットする形式を採用しており、一度に50枚セットできる機種も。おおよその機種で白黒で1分間50枚取り込むことが可能なため、200ページの単行本を取り込むのに4分から5分あれば完了できる計算になります。
中にはスキャンする本のページを自動めくりできるタイプも
ブックスキャナーの中には本のページを自動でめくってスキャンしてくれる機種が存在します。このタイプは本を裁断することなく取り込むことが可能。本を固定台に設置して放置するだけで勝手に取り込んでくれるために手間がかかりません。多くは業務用に販売されているため、会社組織で本を大量に取り込む必要があるときなどに重宝するでしょう。
ブックスキャナーのおすすめブランド・メーカー
EPSON(エプソン)
プリンターやスキャナーの雄
EPSON(エプソン)は多くのプリンターやスキャナーを販売していることで有名なメーカー。低価格のエントリーモデルから高価格のハイエンドモデルまで幅広くそろえており、ユーザーのニーズに幅広く対応しています。
富士通
多くの人に愛されるスキャナーシリーズを多数展開
富士通はスタンドスキャナーである「FI-SV600」をはじめとした世界で愛される製品を販売していることで有名。「ScanSnap」シリーズは全世界で400万台出荷を達成しており、大ヒット製品になっています。
Canon(キャノン)
多くのスキャナーを販売している実績アリ
Canon(キャノン)は最先端技術を製品に盛り込むことで有名。そのため高いクオリティのスキャナーを多く販売しています。価格帯も2万円台から10万円台までとバリエーション豊か。用途にあった製品を選ぶことが可能です。
サンワサプライ
安価で優秀なスキャナーを用意
手で持つハンディスキャナーを多く販売しており、そのどれもが1万円前後と安価。ハンディスキャナーを試しに使ってみたい方にはちょうど良いメーカーでしょう。もちろんハンディスキャナー以外にもフラットベットスキャナー等のスキャナーを販売しています。
plustek(プラステック)
低価格でシンプルなスキャナーを多く扱う
台湾に本部を置くplustek(プラステック)はスキャナーを多く扱っているメーカー。そのどれもが機能的にシンプルであり、使いやすいものが取り揃えられています。また、シンプルな分価格は抑えられており、試しにブックスキャナーを使ってみたい方にピッタリです。
おすすめ&人気のブックスキャナーランキング
高速でおすすめのブックスキャナー
KING JIM(キングジム)- デスクショット (9,900円)
撮影ボタンを押すだけでスキャンできる
デスクに置いておける小型のスタンドスキャナー。取り込みはパソコンと接続して撮影ボタンを押すだけで完了。取り込みが完了すると自動で台形補正をかけてくれるため、歪みが気になりません。また、自動補正のあとに手動で補正することもできます。
取り込み画像の拡張子はPDF、JPG、PNGの3つに対応。PDFデータの場合は続けて撮影ボタンを押すことによって全てのスキャンデータを1つのデータにまとめることができます。小型で手軽に取り込めるスタンドスキャナーが必要な方にオススメ。
富士通-スキャナー ScanSnap SV600 (53,200円)
電源オンから3秒で読み取り可能
クイックスタート機能によって電源オンから3秒で読み取り準備が完了するため、すぐに本を取り込むことが可能。SV600の目玉機能の1つであるクイックメニューは画像を多用してあり、わかりやすい見た目。目的の項目をすぐに見つけることができます。
高被写界深度レンズ、ライン型CCDセンサー、高指向性LED光源を組み合わせて実現したVIテクノロジーを採用。たとえ原稿が離れた位置にあっても画質のムラを抑え、均一で読みやすい画像データを生成できます。原稿を読み込みたいときにすぐ使えるブックスキャナーが欲しい方にオススメ。
Canon(キャノン)-CanoScan LiDE400(キャノスキャン ライド220) (9,680円)
省電力設定で持ち運びもラクラク
USBバスパワーに対応しており、省電力設計。USBケーブルでパソコンと接続するだけですぐに原稿の取り込みを行えます。横幅が25cmとコンパクトなため、ノートパソコンとセットで持ち歩くのも苦ではありません。
スキャン用の光源として3色LEDを採用しているため電源投入後すぐに安定した光量が獲得可能。そのため、ウォームアップ不要ですぐに使用することができます。ほかにも読み取り前後の処理時間を短縮し、モータースピードを高速化することによって約8秒の高速スキャンを実現しました。外にブックスキャナーを持ち出すことがある方にオススメ。
富士通-ScanSnap iX500(スキャンスナップ) (54,922円)
WiFi接続でケーブル要らず
Wi-Fiを使用することによってUSBケーブルを使わずパソコンやスマホ、タブレットから接続可能。好きな位置からiX500にアクセスすることが可能です。ケーブル接続の手間がないため、スピーディかつストレスレスで使用することができます。
A4カラー両面原稿を毎分25枚、50面で読み取ることが可能。A4原稿を最高50枚までセットでき、読み取り途中でも原稿の継ぎ足しが容易です。そのため、大量の原稿を効率良く読み取って行くことが可能。本を一気に電子化したい方にオススメです。
Plustek(プラステック)-OpticBook 3800L(オプティックブック) (39,800円)
4本から影や歪みを取り除いてスキャン可能
ブックエッジデザイン機能を搭載することによって、読み取った本の背の影や歪みを自動で除去。本をよりクリアな状態で電子化できます。読み取り速度も7秒と高速。テンポよく電子化作業を行うことができます。
読取り面の縁が7mmと極細のため、本を裁断することなくスムーズに読み込めるように設計。本を押さえるスキャナーのフタには遊びが用意してあるため、厚い本でも問題なく読み取ることができます。電子化する本に影や歪みを入れたくない方にオススメ。
高速でおすすめのブックスキャナーの比較表
商品画像 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ブランド | KING JIM (キングジム) | 富士通 | Canon (キャノン) | 富士通 | Plustek (プラステック) |
商品名 | デスクショット | スキャナー ScanSnap SV600 | CanoScan LiDE400(キャノスキャン ライド220) | ScanSnap iX500(スキャンスナップ) | OpticBook 3800L(オプティックブック) |
価格 | 9,900円 | 53,200円 | 9,680円 | 54,922円 | 39,800円 |
特徴 | 撮影ボタンを押すだけでスキャンできる | 電源オンから3秒で読み取り可能 | 省電力設定で持ち運びもラクラク | WiFi接続でケーブル要らず | 4本から影や歪みを取り除いてスキャン可能 |
サイズ | 幅7.8×奥行6.5×高さ38.6cm | 幅21×奥行15.6×高さ38.3cm | 幅25×奥行36.7×高さ4.2cm | 幅16.1×奥行29.2×高さ15.2cm | 幅45.3×奥行28.6×高さ9.8cm |
解像度(dpi) | 160 | 1200 | 4800 | 600 | 1200 |
非破壊でおすすめのブックスキャナー
サンワサプライ-400-SCN025 (49,800円)
最大2400dpiの高解像度で取り込めることができる
A4サイズはもちろん、A3サイズまで読み取ることが可能なブックスキャナー。例えば見開きの雑誌の電子化もラクラクできます。カバーは工具を使わずに取り外すことができるため、厚い本も簡単に読み取り可能。
最大2400dpiの高解像度で読み取ることが可能なため、きれいに電子化したい本があるときに重宝します。15分間操作をしないと自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能を搭載しており、電源を切り忘れることがありません。高解像度で電子化したい大事な本がある方にオススメです。
CZUR-ET16 Plus (49,900円)
自動補正で手間がかからない
自動平坦化機能を搭載しているため、読み取り時に湾曲していてもまっすぐに補正してくれます。ほかにもページを抑えている指を除去してくれたり、傾きを補正してくれるなど気の利く機能が満載。全部自動で行ってくれるため、複雑な設定は不要です。
サイドライトを標準装備。サイドライトを使用すると光沢のあるページからグレアを排除することができるため、原稿をクリアに読み取ることができます。手間をかけないできれいに本を電子化したい方にオススメ。
EPSON(エプソン)-GT-S650 (9,800円)
ノイズレスと高速性を重視した4,800dpを実現
CISレンズを搭載することにより、本体の薄型化と省電力化を実現。解像度4,800dpiと精細な読み取り性能を持っているため、原本のままの姿で電子化することができます。モノクロスキャン時は画像と文字を分離し、2値化を適用。画像と文字を美しく読み取ることが可能です。
本体重量は1.5kg、横幅が約25cmで奥行きが約36cmとコンパクトで持ち運びも簡単。底面に搭載したスタンドを回転させることで立て置きもできます。機器を使用しないときにはスペースを取らずに置くことが可能。きれいに電子化でき、デスクのスペースを占有させたくない方にオススメ。
iOCHOW-S1 (19,877円)
壊れたエッジも自動補正
読み取った本の外周が壊れていた場合は自動補正をかけて補完してくれるため、古い本の読み取りにピッタリ。画像を読み取るカメラ周りには4つのLED補助光が装備。そのため、暗い室内でも問題無く本の電子化を行えます。
折りたたみ式のボディになっており、持ち運びもラクラク。足はしっかりしていて重量も備えてあるため、展開時にはしっかり立つことができます。特定の場所ではなく、様々な場所に持ち運んで本の読み取りが必要な方にオススメ。
PLUSTEK(プラステック)-OpticBook 4800(オプティックブック) (54,800円)
読取りスキャン面のエッジが極細の2mm
読み取りスキャン面のエッジを2mmに設計することにより、本の中央部分まで正確に読み取ることが可能。読み取り時はスキャン面に対して本を軽く押さえるだけで良いため、本を傷つける心配がないのが嬉しいですね。
Plustekの特許技術であるSEETM(シャドーエリミネーションエレメント)を採用。本の綴じ代に発生する影や局面の歪みを解消してきれいなデータを作成することができます。本を傷つけずにきれいな電子化データが欲しい方にオススメです。
非破壊でおすすめのブックスキャナーの比較表
商品画像 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ブランド | サンワ サプライ | CZUR | EPSON (エプソン) | iOCHOW | PLUSTEK (プラステック) |
商品名 | 400-SCN025 | ET16 Plus | GT-S650 | S1 | OpticBook 4800(オプティックブック) |
価格 | 49,800円 | 49,900円 | 9,800円 | 19,877円 | 54,800円 |
特徴 | 最大2400dpiの高解像度で取り込めることができる | 自動補正で手間がかからない | ノイズレスと高速性を重視した4,800dpを実現 | 壊れたエッジも自動補正 | 読取りスキャン面のエッジが極細の2mm |
サイズ | 幅57.6×奥行40.6×高さ7.2cm | 幅37.5×奥行23×高さ39cm | 幅24.9×奥行36.4×高さ3.9cm | 幅24×奥行8×高さ35cm | 幅49.1×奥行29.1×高さ10.2cm |
解像度(dpi) | 2400 | – ※1600万画素 | 4800 | – ※800万画素 | 1200 |
まとめ
本の歪みを補正してくれるブックスキャナーがおすすめ
電子化したデータは可能な限りきれいな状態に仕上げたいところです。おすすめのブックスキャナーは、それを簡単に実現することができる本の歪みを自動で補正してくれるブックスキャナー。機器側で補正をかけてくれるため、画像編集などをせずにきれいな電子化データを作ることができますよ。