ビジネスの場には様々なマナーがあり、身だしなみも大切になります。着ているものが高価でも、シワだらけでは台無しです。しかし、毎回クリーニングに出すのでは大変ですね。ズボンプレッサーがあれば、座っていてできやすいスラックスのシワも、自分で簡単に直してしまえます。シワだけでなく、曖昧になってきた折り目も、しっかりと付け直せますよ。ビジネスホテルで見かけたようなズボンプレッサーも、実は自宅用に買える価格で使い方もシンプル。ズボンのプレスは専門的な技術が必要と思っていた人は、この記事をチェックしてみてくださいね。
ズボンプレッサーとは?
ズボンのシワを伸ばして綺麗な折り目が付けられる電気機器
カジュアルなチノパンでも使用できますが、主にはスーツのスラックスに使用します。挟持板と呼ばれる二枚のパネルの間にズボンを挟むので、ホットプレートをイメージするとわかりやすいですね。アイロンよりも低温のため、湿った状態では使用できません。ズボンに接するプレス面はクッション性があって、熱と圧力の両方でシワを伸ばします。シワ伸ばしだけでなく、生地の折り目をつけ直すこともできますよ。ただし、セットする際に余分な折れた部分があると、はっきりと跡が付いてしまうので注意してください。
ズボンプレッサーの特徴
プレス中は放置しておけるので時間を有効に使える
ズボンのプレスはアイロンでもできますが、アイロンは自分でかけていかなければなりません。ズボンプレッサーは専用機器なので、ズボンを真っ直ぐにして挟み込むだけです。あとは自動でプレスが始まり、終了後は電源がオートオフ。20分程度で終わるまでの間、同時に炊事や洗濯など他のことをしておくことができます。
除菌や消臭など付加機能が搭載されているタイプが人気
外で履いていたズボンには汚れだけでなく、雑菌や臭いが付着しがちです。不快な上に品質の劣化にもつながる雑菌を、ズボンプレッサーなら滅菌することができます。加熱方式の滅菌なので、アイロンでも同じ効果がありそうですよね。しかし、アイロンが布地に当たっている時間がわずかなのに対して、ズボンプレッサーは20分前後熱し続けるので効果が違います。特に除菌を謳っているズボンプレッサーに関しては、正式な滅菌数測定を実施しています。
ズボンプレッサーの種類
縦型
使用頻度が高いなら自立タイプが出し入れ簡単
縦置きのズボンプレッサーの利点は、省スペースで使用できることです。標準的なサイズで、40cm四方くらいのスペースがあれば使えます。ワンルームで床にプレッサーを広げられない人でも、人一人立てる範囲が確保できれば大丈夫ですよ。キャスター付きのものであれば、普段は壁際に置いておいて、使うときには簡単に移動させられます。
ジャケットをかけておけるモデルがあるのも、縦置きの便利な点です。セットアップスーツで使用することが多いでしょうから、こうした点は実用的ですね。横型に比べて、ズボンをセットしたときにずれていないか心配なら、本体の前面がガラスパネルのタイプもあります。
横型
フラットな横置き型ならワイシャツやジャケットもプレスできる
横型はズボンを寝かせて置けるのでずれにくく、使い慣れていなくても綺麗に仕上げられます。また、挟持板同士の蝶番が一辺だけでプレス面が大きく開くため、上着をセットすることもできますよ。持ち手付きのものなら、持ち運びもしやすくて便利です。
横に置いて使うタイプは、使用する際のスペースが必要になります。ズボンより一回り大きい、100cm×60cm程度の床面があれば配置可能。シングルベッドを例にすると、枕と同じように置いたとき、横幅はベッドとほぼ同じで縦はベッドの1/3になります。厚みはほとんどなく、高さ7cm程度です。10cm未満なら、ベッドの下や押入れなどの隙間に収納しておけますね。
ズボンプレッサーの選び方
プレス時間と温度で選ぶ
時間のない朝に使うなら「15分」が選択できるものを
ズボンのプレスにかかる時間は、各社製品およそ15分〜30分となっています。近年のズボンプレッサーは電源オフまでオートなので、時間重視の人は15分で完了するものがおすすめです。室温の違いで数分の誤差はあるものの、30分のタイプに比べて半分の時間。夜のうちにプレスができなくても、身支度をしている間に仕上がっています。
70度以上の高温が出せるモデルなら時間短縮できて除菌消臭効果も
アイロンでは高温設定の方がシワを伸ばしやすいように、ズボンプレッサーも高温の方がより早くシワを伸ばせます。さらに、プレスする際の熱で除菌も可能。試験では菌を付着させた布の滅菌数を測定し、99%以上滅菌の結果が出ています。プレス面に消臭繊維を使っているモデルなら、やはり測定によって臭いが99%以上消えたという結果になっています。
デリケートな生地には低温でのシワ伸ばしがおすすめ
時間が短縮できて除菌効果もあるのなら、全機種が高温設定でもいいと思いますよね。それでも低温設定のものがあるのは、繊細な生地でできたズボンに対応するためです。化学繊維でも熱に弱いものを高温プレスしてしまうと、テカリが出てしまいます。高いスーツの生地にダメージを与えたくない人は、低温プレスできるモデルがおすすめですよ。
使いやすいタイプを選ぶ
ガラスパネルが採用されていると中が見えてズボンをセットしやすい
せっかくプレスしたのに、かえって濃いシワを作ってしまったり、二重線が出来てしまうことがあります。これはズボンをセットした際に、まっすぐ伸ばせていなかったことが原因です。まっすぐにしたつもりでも挟持板を閉じてしまえば、中でずれていてもわかりませんよね。どうしても不安だという人には、前面パネルにガラスを使っているモデルがあります。セットしてプレスしている間、ズボンの様子がよく見えますよ。
置き場所が限られるなら壁掛けできると省スペース
自立するズボンプレッサーは隅に寄せておけますが、横型は置いておく場所がないという人もいると思います。横型は厚みが10cm未満なので、押入れ内の隙間に入れたり、クローゼットの壁面に立てかけておけますよ。重さ6kg程度の製品で持ち手付きのものは、壁に耐荷重が8〜10kgの粘着式フックを付けて掛けておくこともできます。
ズボンプレッサーのおすすめブランド・メーカー
東芝
日本の家電メーカーとして歴史がある
東芝のズボンプレッサーは、除菌と消臭に力を入れています。一般財団法人日本食品分析センターに試験を依頼して、滅菌と消臭の測定数値を出しています。中でもHIP-T100は、ズボンプレッサーの最先端モデルと呼べるハイスペックが特徴。空気循環と消臭フィルターで、付属ハンガーのジャケットも消臭できます。
コルビー
英国紳士の身だしなみをベースにした製品
1960年代にズボンプレッサーを世に送り出したブランドで、すべてのズボンプレッサーの元祖です。3300シリーズは廉価版ですが、ジャケットハンガーと収納式のネクタイハンガーが付属。さらにコルビーの代名詞とも言える、ズボンをまっすぐセットしやすいストレッチャーバー・システムも備えています。
ツインバード
安価で使いやすい商品が多い
大手では型落ちと呼ばれるようなモデル、いわゆるジェネリック家電が中心のブランドです。ただし、ズボンプレッサーのようにほぼ技術が定着している製品に関しては、安くて高性能な商品になりお買い得ですよ。D719はガラスパネルを採用していて、プレスの状況が確認できます。
パナソニック
ハンディタイプのスチーマーに強い
かつてはシースループレート採用の、中が見えるズボンプレッサーを販売していました。他にもBaSaLaシリーズとしてズボンプレッサーがありましたが、現在はスチームアイロンとハンディスチーマーのみの展開となります。出がけに1〜2分でサッと簡易的にシワを伸ばしたい時は、吊るしたまま使える衣類スチーマーも便利ですよ。
おすすめ&人気のズボンプレッサーランキング
縦型でおすすめのズボンプレッサー
コルビー-3300JC (25,790円)
ズボンプレッサーを開発したメーカーの製品
ズボンプレッサーを生み出したコルビーの製品は、世界中のホテルで採用されています。その中で得たノウハウを詰め込んだ3300シリーズは、ユーザーのニーズに応える機能が満載ですよ。ジャケットをかけるハンガーや、カフスやタイピンを置く棚も付いています。特に、収納式のネクタイハンガーは他社製品にはなく、その日必要なセットアップ一式を準備しておけます。
プレスを繰り返すことで、スラックスの生地を傷めたくない人におすすめ。30分タイマーによって、60度前後でゆっくりと加熱していきます。カラーが3色あるので、部屋の隅に置いたままでも違和感なく調和する色が選べますよ。
コルビー-4400JTC (33,800円)
フロントボードを家具のようにおしゃれに
コルビーの4400は、15分と30分のタイマーを切り替えて使うことができます。時間がない朝は15分タイマーで素早く仕上げられます。ほとんどがフルオートの単一タイマーを選択する中、使うときの状況に合わせて切り替えられるのは便利ですね。
プレス面はクッションパッド入りで、厚みの違う生地でもフィットします。季節ごとの生地の違いがあっても、面倒な調節は一切必要ありませんよ。4400にしかないのが、フロントボードのトリムと呼ばれる枠装飾。機械的になりすぎず、温かみのある見映えが欲しい人におすすめです。
東芝-HIP-T36 (11,588円)
プレスしながら除菌ができる
東芝のT36はズボンプレッサーでありながら、同時に除菌ができてしまいます。プレス中の内部は、約75℃が15分間続きます。この熱に晒すことでズボンについた雑菌を除菌。他社でも同程度の温度を使用する製品はありますが、滅菌数の測定結果を出しているのは東芝だけです。
使い方がシンプルで、機械操作が不得手な人におすすめ。プレスシートをズボンの両脚の間に挟み、レバーを下げるだけでセット完了ですよ。あとはプレスが終わって電源が切れるまで、約15分をフルオートで制御してくれます。
東芝-HIP-T56 (14,450円)
ズボンの気になる臭いを消臭
T56は除菌だけでなく、消臭までできてしまうズボンプレッサーです。秘密はプレス面に織り込まれた消臭繊維。プレスすることで、ズボンに付いた不快な臭いを消臭繊維が吸収してくれます。消臭効果に関しては、99%以上という高い測定結果が公表されていますよ。
ストッパー付きのキャスターが付いているので、女性でも簡単に動かせます。重量は約10kgなので持てないことはないものの、車輪で移動させた方が楽ですよね。もちろん、ハンガーラックも付いているので、スーツの上下を揃えておくことができます。
ツインバード-SA-4625 (8,220円)
サイフや鍵などを置いておける上部ポケット付き
ツインバードのパンツプレスは、2段ロックでズボンがよれるのを回避。挟持板のロックが1段階のものは、シンプルながらズボンがよれていても分かりづらいですよね。2段式は仮押さえの状態が目に見えて、そこからもう1段ロックするので真っ直ぐセットできます。
壁際に立てておけるスリムな設計で、本体の厚みだけでなく支える脚も片方が短くなっています。ギリギリまで壁に寄せられるので、部屋が狭い人でも動きの邪魔になりません。自動的に電源が落ちるので、帰宅してセットしたら朝まで放置しておけますよ。
フロントボードが姿見になっている周年モデル
コルビーのズボンプレッサーが、日本で発売されて25周年となったのを記念したモデルです。前面にミラーが付いているので、ズボンを履いた姿を見ることができます。ミラーを見やすくするために、本体が斜めになっているのも特徴。15分と30分に加え、さらに丁寧に仕上げられる45分タイマーも付いています。
標準的なものとは違う、特別なモデルを持っておきたい人におすすめです。単なる記念モデルではなく、実用性も高くなっています。すべての操作は立ったままで可能。本体の上部にはデジタルディスプレイが装備されていて、カウントダウン方式で残り時間が目視できますよ。
東芝-HIP-T100 (14,820円)
付属のハンガーにかけたジャケットも消臭できる
ハンガーの上着を消臭する機能は、東芝のT100にしかありません。本体背面のファンを回して空気を循環させ、ジャケットの臭いを吸い込みます。さらに消臭フィルターを通して、クリーンな空気にしてから排出。ズボンプレスと同時にも使えますし、この消臭機能だけでも独立して使えます。消臭フィルターは約6ヶ月の使用期限があって、効果が薄れてきたら交換できますよ。
身だしなみは整えたいけれど、こまめにクリーニングに出せない人に最適。除菌と消臭機能が付いたズボンプレッサーなので、クリーニングの回数を減らせます。本体上部の小物入れの側には、コンセントの差し込み口があります。スマホなどの充電にも使えて便利ですね。
コルビー-3300JASC (27,000円)
ズボンを伸ばすための伝統的なシステムを搭載
自動プレスのズボンプレッサーでも、ズボンをセットする時は人力です。ここでよれてはますますシワを作るだけですよね。多くの縦型がプレスシートのみのところ、コルビーは独自のストレッチャーバー・システムを備えています。このシステムならズボンの裾を挟んで本体レバーを下げるだけで、ズボンを上方向に引き伸ばしてくれますよ。
3300シリーズは、もともと3パターンの色がラインナップされています。さらにこの限定カラーは、メタリック調のステンカラーを採用。木の温かみとは対極的な色合いです。金属的なインテリアで統一感を持たせている人は、ぜひ手に入れたい色ですね。
東芝-HIP-T35 (13,920円)
余熱を利用して折り目をさらにくっきりと
15分タイマーで除菌もできるズボンプレッサーです。セット方法もプレスシートを挟むオーソドックスなタイプで、初めてでも使いやすいですよ。電源のオートオフが付いているので、寝る前にセットしておけます。折り目をしっかりと付けたい時は、電源が切れた後も10分ほどそのままにしておきます。
独身や単身赴任でアイロンがけが億劫な人でも、T35ならボタンひとつでシワ伸ばしができます。出し入れの手間もなく、壁際に置いておくだけでそのまま使えますよ。ボディに余計な装飾がないので、どのような部屋にも馴染やすいです。
ツインバード-SA-D629 (14,904円)
大型ズボン対応のビックカメラグループのオリジナル商品
家電量販店の企画らしく、ユーザーのニーズに応える商品です。従来のツインバード製品に比べ、使い勝手はそのままに本体サイズを約5cm大きくしています。長めのズボンでも、一度に端までプレスすることができますね。
サイズ以外に、ボディカラーもオリジナルを採用。木目調のフロントボードは、木製家具の中に置いても違和感がありません。ツインバード製はビジネスホテルに置いてあることも多く、出張先で使ってみて良かった人にもおすすめです。
東芝-HIP-T55 (19,800円)
ズボンが乾いている状態ですぐに使える
アイロンがけはスチームや霧吹きで布を湿らせますよね。ズボンプレッサーは乾いたズボンのシワを伸ばしてくれます。むしろ濡れた状態で使用すると、不具合の原因になるので注意。1日履いていたズボンを脱いで、そのまますぐに使えます。T55は除菌と消臭ができるので、翌日はさっぱりとした履き心地になります。
ジャケットを着ることが多い人は、ハンガー付きがおすすめです。T55には、付属のハンガーを使うのに便利なキャスターも付いていますよ。ハンガーは背面側に付いているので、少し前に出した方が使いやすいです。キャスター付きならロックを外すだけで、片手でも移動させられます。
横型でおすすめのズボンプレッサー
東芝-HIP-L36 (8,716円)
現行品では唯一の横型モデル
横型のいいところは、ズボンを寝かせることで正確にセットできることです。使用中のスペースの優位こそ縦型に譲るものの、脚が必要なくすっきりとした本体は横型の強み。プレス面を全て露出できるので、ワイシャツのプレスもできます。
使わない時に収納しておきたいなら、本体の厚みが7.5cmしかない横型は最適です。ちょっとした隙間にしまえますし、持ち手が付いているので持ち運びも簡単。重量はおよそ6.2kgですから、女性でも片手で持ち上げることができますよ。
ガラスパネル採用でおすすめのズボンプレッサー
ツインバード-SA-D719 (19,870円)
セットした様子が見えるので失敗しない
ズボンプレッサーで一番注意したいのは、セット時にズボンがよれないことです。よれたままプレスすると、新たなシワができてしまいますね。ツインバードのD719は前面がガラス製のパネルで、中が見えます。以前はパナソニックにもシースループレートという、中が見えるプレッサーがあったものの生産終了。今のところツインバードのモデルが唯一、セット面が見えるプレッサーです。
正確なズボンのセットのために、各社はさまざまな工夫をしています。どうしても自分の目で見て確認したい人は、ガラスパネルのこの製品が最適です。セット時はもちろん、プレス中の様子も見られるので、シワが取れていくのがよくわかりますよ。
まとめ
ジャケットの消臭も同時にできる縦置きタイプがおすすめ
クリーニングに出さなくても、シワ伸ばしと折り目を付けられるのがズボンプレッサーの良さ。除菌と消臭ができれば、さらにクリーニングの回数を減らせます。ハンガーラックを標準装備しているものも多く、中にはそのまま上着の消臭ができるものもあります。今回は家庭で本格的なズボンプレスができる商品を取り上げました。ぜひ皆さんも毎日の身だしなみを整えるための一台を見つけてくださいね。