賃貸アパートなどに転居する際、転居先にビルトインコンロなどが設けられていない場合は自分でコンロを設置する必要があります。しかし、普段から外食中心の方や一人暮らしの方はコンロを使う機会も少なく、どんな種類のコンロを選べば良いのか迷ってしまう場合も多いと思います。そんな方におすすめなのが、電気コンロです。電気コンロなら、コンセントさえあれば導入が可能。また土鍋やアルミ鍋など、使える鍋やフライパンの種類も問いません。さらに価格が安いのも魅力です。今回は電気コンロの選び方やIHとの違い、おすすめのブランドや人気商品について詳しく解説します。転居先に最適なコンロが分からない方や、より効率よくコンロを使っていきたいと考えている方は、是非この記事を参考にしてみてくださいね。
電気コンロとIHの違い
磁力で発熱させるIHに対し電熱線を通して加熱するのが電気コンロ
電気コンロは、円状に巻かれているコイル状の電熱線に電気を通すことで加熱する仕組みの電気調理器です。同じ電気調理器であるIH調理器は、電気コンロと同様に電気で加熱する調理器ですが、加熱方式に違いがあります。IHはトッププレートの中に磁力を発生するコイルが巻かれており、通電により発生する磁力線が鍋底を通ることでうず電流が発生して発熱します。
電気コンロのメリット
加熱方式から炙りや網焼きなど様々な調理に活用できる
IH調理器は加熱方式の都合上、熱する鍋底と接している必要があります。一方で電気コンロは電熱線に電気を通し、ヒーターから発生する熱で加熱する方式です。そのため、炙りや網焼きなどヒーターから離れた調理法にも柔軟に対応できるのです。
IHに対応していない調理器具が使える
IH調理器を使用する場合は接する鍋に対してうず電流を起こす必要があるので、IH調理に対応する鍋しか使うことができません。一方で電気コンロの場合は使える鍋を選ばないので、土鍋などの陶器製やアルミ製の鍋なども使うことができます。
600Wで1時間温めても20円に収まるローコスト
料理をする際に、消費電力が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。電気コンロはカセットコンロやIH調理器と比較して消費電力を低く抑えられます。例えば600Wで1時間温め続けた場合のコストは20円以内。300Wの弱火で1時間温め続ければ、10円以内に抑えることができます。
ガスコンロに比べて火事のリスクが少ない
単身用のコンパクトマンションで使うコンロを考える場合、火事のリスクが気になる方もいらっしゃると思います。ガスを使わない電気コンロは、ガス漏れなどが原因となる火災のリスクは軽減されます。さらに火が直接出てくることがないのでガスコンロと比較しても引火等の可能性を低く抑えることができますよ。
電気コンロのデメリット
火力が調整しにくく予熱の扱いも難しい
電熱線を熱することで発熱する電気コンロ。ガスコンロ等と比較しても十分な火力を発生させるまでに時間がかかる上に、細かい温度まで調節するのが難しいのも難点と言えます。電気コンロの中には火力の切り換えがしやすいダイヤル式を採用しているものもあるので、温度調節をスムーズに行いたい方にはダイヤル式がおすすめです。さらに火力に関して言えば、使用後もしばらく残ってしまう予熱の影響で後片付けがしにくいというデメリットも気になるところ。電源を早めに切って調理の仕上げは予熱を使うようにすれば、発熱のエネルギーを無駄なく使うことができますよ。
掃除がしにくいので、お手入れが大変
電気コンロの電熱線は渦巻き状になっているため、毎日のお手入れがしにくいというデメリットがあります。お手入れを簡単に済ませたい方はこの後に紹介する、プレート型のタイプを選ぶようにしましょう。ガラスプレートの下に電熱線が収まっており、掃除はプレートを拭き取るだけで完了します。
電気コンロの種類
電熱線むき出し型
軽量・コンパクトでお値段もリーズナブル
電気コンロの定番ともいえるこのタイプは、他のタイプと比較して消費電力が低くリーズナブルな価格帯である点が大きな魅力といえます。さらにシンプルな構造なのでボディ自体が軽量かつコンパクトであるのも利用者にはうれしいポイントです。
渦巻状になっている耐熱性の陶器の溝にコイル状の電熱線が収めてあり、電気が流れて電熱線が熱せられることで発熱する仕組みです。機能は必要最低限に抑えられているので、普段はあまり料理をせず、温めや保温などでしかコンロを使わない外食中心の方や一人暮らしの方におすすめです。
シーズ型
温度調整がしやすく熱量が安定している
温度が調節しやすく、かつ熱量が安定しているのがこのシーズ型です。発熱体に電気を通すことで発生したエネルギーを熱に変換する、電気ストーブの原理に類似した構造となっています。電熱線を絶縁シートで巻いているので、感電したり漏電する危険が少ない点も特徴です。
このタイプのもう一つの特徴は、耐久性が高いということ。絶縁シートで電熱線を巻き、さらに金属のパイプでカバーしているので万が一鍋料理などで吹きこぼれても、水などで故障するリスクは少なくなります。安全に使えて、かつ丈夫なコンロを求める方には最適のタイプといえるでしょう。
プレート型
銅やアルミ製の鍋でも利用可能
単身世帯向けのワンルームなどでよく見かけるのがこのプレート型です。一見するとIH調理器のように見えますが、電熱線をガラスプレートなどの覆いをつけたタイプで電気コンロに属しています。そのため、鍋やアルミ製の鍋などIH調理器では使えないことがある鍋でも使えるのがメリットの一つです。
プレート型のもう一つの大きな魅力は、お手入れがスムーズにできること。プレート状の表面はフラットになっているので、油や水はねなどの汚れはふきんでさっと一拭きするだけで簡単に落とすことができます。毎日の家事の手間を少しでも省きたい方におすすめですよ。
電気コンロの選び方
使い方に合った消費電力で選ぶ
温めや保温用なら合計600Wの3段階切り替えタイプを
普段、どんな用途でコンロを使用するのかを考えて選ぶようにしましょう。電気コンロは外側300W・内側300W・合計600Wの3段階で切り替えができるタイプが一般的です。瞬間的に強い火力を必要とする調理時の利用は難しいですが、温めや保温目的の場合なら3段階の調整で十分に対応できます。使い慣れることにより、3段階で細かく温度を切り替えることで無駄な消費電力を抑えながら調理ができるようになります。ガスコンロやIH調理器よりも電力が抑えられる電気コンロのメリットをより活かせるように工夫しましょう。
本格的な調理用なら1000W以上のものがおすすめ
強い火力が求められる煮込み料理などの本格的な調理をしたい場合は、最低でも1000W以上の消費電力のものを選ぶのが良いでしょう。すぐに温まりやすいだけでなく、熱量などが用途に応じて細かく調節することができるのでスムーズに料理を楽しめますよ。高い消費電力かつハイスペックの商品になると、6段階で温度の切り替えができるものもあります。食材の種類に応じて最適な温度も変わってくるので、こまめに切り替えることで料理の完成度も高まっていくはずです。
コードや付属品を確認する
卓上利用なら1.5m以上の長めのコードがおすすめ
購入する際のポイントとして見落としがちなのが、コードの長さです。定位置で利用する際は短くても支障はありませんが、卓上で利用しようとすると、コンセントの長さが足りなくて使えないという場合も考えられます。延長コードを使うという手もありますが、シンプルに使いたいという場合は1.5〜1.8m以上の長さのものを選ぶのがおすすめですよ。
五徳付きだと調理器具が安定する
電気コンロは、五徳が付いているものが多いのも特徴です。五徳を高めに調整して網を乗せればより調理がしやすくなるほか、五徳を利用することで小さい調理器具でも安定した状態で使えます。また、五徳を効果的に併用することで、網焼きや鍋料理以外にも様々な調理に対応することができるようになりますよ。五徳の使い方を覚えて、より料理のレパートリーを広げてみてくださいね。
電気コンロのおすすめブランド・メーカー
イズミ
圧倒的なお手頃価格
イズミの電気コンロの大きな特徴は、リーズナブルな価格設定です。他のメーカーと比較しても安価で購入できますが、3段階の調整式や五徳付きなどのスタンダードな機能をしっかり備えています。できるだけ値段を抑えてコンロを手に入れたいという方にはオススメのブランドですよ。
三化工業株式会社
クッキングヒーターに特化した専門性
3本のヒーターエレメントの組み合わせによる効率的な加熱を実現したプレート型など、主に3種類のクッキングヒーター販売に特化したメーカー。お手入れのしやすさや安全性などのポイントで評価を受けていますが、中でも利用した方の約90%が満足したと回答する火力の強さに定評があります。
石崎電機製作所
90年以上の歴史をもつ老舗ブランド
真摯なものづくりと斬新な発想で、クオリティの高い家電を開発してきた1928年(昭和3年)創業の老舗メーカーです。様々なジャンルの家電の中でも、1978年(昭和53年)の発売から現在まで改良され続けている電機コンロ「SK-65S」は、メーカーの代名詞として知られています。
TOSHIBA(東芝)
国内大手ブランドの安心感
言わずと知れた日本を代表する総合家電メーカー。冷蔵庫やテレビなどの幅広いジャンルにおける長年に渡る家電開発で実績、ノウハウを培ってきました。そこでの知見を活かして開発された電機コンロ「HP-635」は、効率性と機能性に配慮したモデルとして人気を集めています。
おすすめ&人気の電気コンロランキング
掃除のしやすさでおすすめの電気コンロ
リクシル-SPH-231S(10,886円)
キッチンでも使いやすいコンパクトサイズの電気コンロ
毎日のお手入れがしやすいプレート型です。幅は320㎜、奥行きは324㎜とコンパクトサイズのキッチンでも使いやすいサイズで場所を取りません。消費電力は最大1500Wなので、高い火力を要する本格的な調理にも対応できます。
さらに、使いやすさもこのモデルの大きな特徴のひとつ。温度を調節するコントロールパネルが上面に配置されており、操作がしやすくなっています。家電などの複雑な操作が苦手な方でもスムーズに活用することができますよ。
ROOMMATE(ルームメート)-RM-77A(7,279円)
調理の効率を高める2WAY仕様を採用
油はねや水はねなどのガンコな汚れがさっと拭き取れる、ガラストップのプレート型のモデルです。高い火力で調理がしやすいタイプと、低い火力で保温がしやすいタイプの2種類のプレートを設けています。
ダイヤルを回すだけで、細かい温度調節が簡単にできるのも大きなポイントです。調理の後の片付けも含めて、毎日の調理をもっと快適に、効率的にしたいと考えている方にはとても使いやすいモデルになります。
石崎電機-SK-65S(3,132円)
調理の幅が広がる3段階切替え式の簡単温度調節
細かい温度の調節がしやすい3段階切り替え式で、保温はもちろん、じっくり時間をかけるとろ火での調理も簡単にできるモデル。落ちにくい水アカや油汚れもさっと拭き取れるステンレス製ボディを採用しています。
高さが85㎜の薄型で、奥行きが220㎜というキッチンやダイニングテーブルでも場所を取らないコンパクトサイズ。単身用のコンパクトマンションにお住まいの方でも、スマートで使いやすいモデルですよ。
火力でおすすめの電気コンロ
石崎電機製作所-シュアーSK-1200S(6,458円)
卓上でも使用しやすい軽量・長尺の電力コード
約1.8mで比較的長めとなる電力コードを設けているモデルになります。重さが約1.3kgととても軽量なのが特徴です。卓上で使用する場合でも移動がしやすく、簡単に使えるように配慮がなされています。
最大で1200Wにもなるハイパワーで、素早く加熱ができるのも大きなメリットとなります。高い火力を必要とする煮込み料理や鍋を使った料理、焼魚料理などを短時間で、一気に仕上げたい時にも便利ですよ。
三化工業-SPHB210B(19,460円)
調理初心者でも安心の安全設計
火傷のリスクを軽減してくれる火力調整のつまみに直接触れない設計、そして万が一の切り忘れを防止してくれるタイマーを採用。調理する人の快適・安全な利用、無駄な電力消費の抑制に配慮しているモデルです。
さらに消費電力が最大1500Wのハイパワーなので、強い火力が必要となる調理に幅広く活用できるのもこのモデルの大きな魅力です。毎日の調理のレパートリーをさらに広げていきたい方にもおすすめですよ。
エイシン電機-NE-50 DKV12051(22,053円)
様々な調理に対応できる6段階切り替え式の温度調節
6段階切り替え式で、きめ細かい温度調節に対応できるモデルです。じっくりと火を通して仕上げていく煮込み料理から保温、一気に加熱する炒め料理など数多くの調理をフレキシブルに楽しみたい方におすすめ。
さらに上部に設けているプレートは、簡単にお手入れができる丈夫なクッキングプレートを採用しています。毎日の調理はもちろん、調理が終わった後のお掃除までスピーディーに仕上げたい方にぴったりですよ。
三化工業-SPH-131AT(16,524円)
快適に操作できる上部配置のコントロールパネル
使う人にとって数値が見やすく、操作も簡単にできる上部配置のコントロールスイッチを採用。さらに操作後約45分に自動で電源が切れる切り忘れ防止タイマーも設けており、簡単・安全な利用を実現しています。
低火力の128Wから、1300Wの高い火力まで、6段階の切り替え式できめ細やかな温度の調節が可能です。スマートな温度調節で、毎日の調理の負担を軽減したい方には使いやすいモデルといえるでしょう。
電気代・コスパでおすすめの電気コンロ
イズミ-IEC-105-D(2,342円)
スタンダードな機能を備えたコスパの良い電気コンロ
電気コンロのスタンダードな機能である3段階切り替え式の温度調節を備えながら、2,300円代というリーズナブルな価格帯を実現しています。使い勝手の良い電気コンロを探している方にもおすすめのモデルです。
さらに、セットで付いている五徳を併用することで合計6通りの調理に対応できます。保温や温めだけではなく、焼きもちや焼魚などの網焼き料理や鍋料理などの様々な調理を、気軽に楽しむことができますよ。
東芝-HP-635-L(2,174円)
卓上での利用に嬉しいコンパクトサイズ
ダイニングテーブルや、キッチンのシンク上でも幅が289㎜で場所を取らないコンパクト設計のモデル。大きな土鍋を使った鍋料理や網焼き料理などを、卓上で囲んで楽しみたい場合などに使いやすいですよ。
毎日の調理の幅をぐんと広げてくれる五徳付き、3段階の温度切り替え式など、スタンダードなスペックを持ちながらリーズナブルな価格で購入が可能です。日々の調理を、もっと手軽に楽しむことができますね。
エイシン電機-NE-100K(26,082円)
省エネ効果を高める高い熱効率
平らな熱板を鍋底に密着させることによって、より高い熱効率が実現するように設計されたモデルです。消費電力を抑えながら調理ができるので、電気代を少しでも節約しながら調理がしたい方にはおすすめですよ。
さらに、操作がしやすいダイヤルによってとろ火から本格的な調理に対応できる高温まで、きめ細やかな温度の調節が可能に。これにより、保温や高火力による炒め物など幅広い調理をスムーズに行うことができますね。
エムエフジー-スーパーラジエントヒーター FG-800(138,000円)
素早く食材に火を通す遠赤外線調理
火を使わない七輪のような遠赤外線調理が特徴のモデル。素材の内部に素早く火を通せるので、電気代を抑えながら調理ができます。天ぷらや唐揚げは油の浸透を抑えられるので、毎日の食事をヘルシーに仕上げたい方にぴったりですよ。
さらに、低温で維持をしながら調理ができる発酵モードが搭載されている点もこのモデルの特徴のひとつです。普段は多くの手間が掛かってしまい、作るのが面倒な甘酒や麹などを手軽に作ることができますよ。
三化工業-SPH-232AT(38,829円)
最大3500Wのハイパワーによる調理が可能
高い火力を必要とする様々な調理に対応できる、最大3500Wのハイパワーが特徴のモデルとなります。2口を効果的に組み合わせて使うことで、どんな調理でも短時間でさっと仕上げることができますよ。
温度の調節が簡単にできるコントロールパネルを上部に配置することで、効率的な調理が実現します。無駄な電力消費を抑えながら、毎日の調理を快適に楽しみたい省エネ志向の方には使いやすいモデルですね。
まとめ
掃除&温度調整がしやすい電気コンロがおすすめ
電気コンロを購入する上でこだわりたいポイントは、掃除と温度調整のしやすさ。掃除と温度調整がしやすいということは、調理がしやすいということであり、毎日の楽しい調理・食事につながります。なかでも6段階など温度調整がきめ細かくできる製品なら、調理のバリエーションがぐんと広がりますよ。今回は電気コンロについて、人気・オススメのブランドや商品名を挙げながら紹介しました。ぜひ皆さんも一生ものの電気コンロを見つけてくださいね。