DIYで木材を使うときに表面が凸凹していると使いにくいですよね。カンナを使えば表面をきれいにできますが、素人には扱うのが大変です。そこでおすすめなのが電動カンナです。電動カンナを使えば、手動で削るときに比べて楽に表面を削れますよ。力が必要なため男性が担当する機会がほとんどでしたが、電動カンナを使えば力の弱い女性でも大丈夫。作業中にコードを気にしなくていい充電式や、長時間の作業に適している有線タイプもおすすめです。今回はそんな電動カンナの選び方や人気商品について解説していきます。ワンランク上のDIYを目指しているかは是非参考にしてくださいね。
電動カンナとは?
木材の表面を薄く削れる電動工具
カンナといえば、木材の表面を薄く削れる工具として知られていますね。凸凹やねじりが目立つ木材も、カンナを使うことで滑らかで美しく仕上がります。そんなカンナを電動化したものが電動カンナです。木材にあてるだけでどんどん削ってくれるので、時間がかからず効率的。手動でのカンナは扱いが難しく、まともに使いこなすまでには多くの年月がかかりますが、電動カンナなら自動で微調整してくれるのでとっても簡単です。
電動カンナの選び方
切削幅から選ぶ
切削幅とは一度に木材を削ることができる幅の数値です。電動カンナ毎に切削幅は異なります。メジャーなタイプは82mmで最もよく見かけます。一回り広い92mmは、DIYでよく使う2×材(ツーバイ材)を一度に削れますよ。さらに広いものは110mmが用意されており、大きな木材を一度に削りたいときにおすすめです。
手頃な価格で購入しやすい82mmタイプ
手軽に使える電動カンナを探している方は、切削幅が小さめの82mmタイプがおすすめです。価格が1万円以下というリーズナブルなところがうれしいですね。大きめの木材に対しては1回で削ることはできず、2回に分けて削っていきます。はじめのうちは段差が出てしまうことがありますが、慣れてくればうまく使えるようになりますよ。
使いやすさ重視なら110mmタイプがおすすめ
110mmタイプは広い木材を一度に削れるため、段差がでてしまうといったことがありません。82mmより使いやすいので、初心者の方は110mmを選ぶといいでしょう。ただし値段は82mmと比べて高く、1万円を超えるのが普通です。できるだけ安く買いたい方は82mmを選び、使いやすさ重視なら110mmを選ぶのをおすすめします。
刃の交換方式で選ぶ
現在の主流は替刃式
電動カンナに使われている刃は、「替刃式」と「研磨式」の2種類があります。現在販売されている電動カンナは替刃式が一般的です。切れ味が悪くなってきたと感じたら、刃を交換することで再び切れ味が戻ってきますよ。なおマイナーなメーカーでは、替刃が手に入らないといった事態になるおそれがあります。マキタやリョービなどのメジャーなメーカーなら替刃はすぐ手に入るので、できるだけ大手の商品を選ぶのがおすすめです。
自分で研ぐなら研磨式を選ぶ方法も
研磨式は名前の通り、自分で刃を研いで切れ味を戻すタイプです。刃を購入せずに繰り返し使い続けられますが、素人が工具の刃を研ぐのは簡単な作業ではありません。刃物ですので扱いに慣れていないとケガをしてしまうことも。基本的には替刃式の電動カンナを選ぶようにし、電動工具の扱いに長けている方は研磨式が適しています。
動力で選ぶ
コードが邪魔にならない充電式
充電式の電動カンナは、コードレスで取り回しがしやすいという特徴があります。コンセントが必要ないので、場所を選ばず使用できるのが強みですね。充電式なのでバッテリー残量が少なくなるとパワーが落ちてしまいますが、手早く作業を済ませられるのであれば問題ありません。充電式は販売数が少ないですが、選ぶ際はできるだけバッテリーが長持ちするタイプを選ぶようにしましょう。
長時間使用する場合は電源コード式がおすすめ
電源コード式はコンセントがある場所で使用するタイプです。作業しながら移動する際は延長コードが必要になることも。しかしバッテリー残量を気にすることなく、常に一定のパワーが出せるため長時間の作業も安定して続けられます。また販売数が圧倒的に多く、価格も充電式に比べてリーズナブルなので、たくさんの商品の中から選べる楽しみがあります。充電式と電源コード式については、自分の作業環境に合わせて選択していきましょう。
便利な機能付きで選ぶ
集塵機装着可能なタイプなら掃除が楽
電動カンナを使用すると、大量の木屑が排出されてあっという間に周囲に散らばります。手動でカンナを使う人は驚かれることも多いでしょう。後から掃除するのは大変なうえ、木屑は着火しやすい性質があるため、安全性の観点からも放置しておくのは好ましくありません。そこでおすすめなのが集塵機を取り付けられる電動カンナです。削ったそばから木屑を吸い取ってくれるので、作業環境をクリーンな状態に保てますよ。
ブレーキ機能付きなら安全性が高い
電動カンナは刃のついたドラムが高速回転しながら木材を削るため、取り扱いには注意する必要があります。普通に使用していれば恐れることはありませんが、より安全性に配慮するならブレーキ機能付きを選ぶといいでしょう。これはトリガを離すと自動的にブレーキが掛かって刃の回転が止まる機能です。はじめて電動カンナを使う方も安心して作業に集中できますよ。
電動カンナのおすすめブランド・メーカー
リョービ
世界的なダイカストトップメーカー
リョービは広島県府中市に本社を置くダイカスト製品・建築用品メーカーです。ダイカストとは金型鋳造法のひとつで、高い寸法精度の鋳物を短時間に大量生産できるのが強みです。電動工具の取り扱いが豊富で、探し求めていた商品もリョービなら見つかることでしょう。
マキタ
電動工具の世界的企業
マキタは愛知県安城市に本拠を置く総合電動工具の製造販売メーカーです。電動工具の国内最大手であり、日本国内シェアは約60%を占めています。また世界の電動工具市場シェア2位を誇るグローバルメーカーでもあります。顧客に密着したアフターサービスに力を入れており、世界中どこでも3日で修理する「修理3日体制」を掲げています。
HiKOKI(旧日立工機)
ブランド名を一新しコードレス工具の販売加速へ
工機ホールディングスは東京都港区に本社を置く電動工具メーカーです。2018年10月1日に新ブランド「HiKOKI(ハイコーキ)」を発表し、コードレス工具を中心に成長を加速させる方針を打ち出しました。ACでコードをつないだ環境と、コードレスで駆動する環境とで同じパフォーマンスが発揮できる電動工具を研究しています。
BOSCH(ボッシュ)
赤いロゴが特徴のドイツ発祥メーカー
発明家ロバート・ボッシュによって創立された、ドイツを本拠とする電動工具のメーカーです。東京都渋谷区に日本法人が置かれています。ボッシュの電動工具には赤いロゴがあるのが特徴です。DIY用からプロフェッショナル御用達まで、リーズナブルで幅広い電動工具を取り扱っています。
おすすめ&人気の電動カンナランキング
充電式でおすすめの電動カンナ
マキタ-14.4V充電式カンナ KP140DZ (18,813円)
ソフトグリップで押しやすい
ブルーの色合いが特徴的なマキタの充電式カンナです。ソフトグリップで押しやすく、長時間の作業でも疲れにくいですよ。切削の深さは1.6mmとなっているので、木材を浅めに削りたい場合に向いています。
充電完了の合図は「メロディー」または「ブザー」でお知らせする仕様です。現場で充電器が複数あっても、どのバッテリーが充電完了したのかが一目瞭然ですね。メロディーはバッテリーを差し直す度に異なるという細かい部分にもこだわっています。
マキタ-18V充電式カンナ KP180DZ (20,260円)
よりパワフルな切削を実現
「KP140DZ」と同じタイプの電動カンナですが、こちらの「KP180DZ」は18Vのリチウムイオンバッテリー搭載で、AC機に匹敵する切削力を持っています。最大切削深さは2mmと、より深く削るために特化しているのも特徴です。プロの方が使用しても問題ない高性能モデルなため、本格的に電動カンナを扱いたい方におすすめです。
ダストバッグや集塵機にも接続可能。切削している最中に出る大量の木屑もどんどん吸い込んでくれるので、現場を汚さずクリーンな状態を維持します。またフット付きなので、本体を木材の上に置くときに刃が当たって傷つける心配がありません。電動カンナを置く場所がない場合にもぴったりですね。
HiKOKI-82mm コードレスかんな (19,051円)
ブレーキ付きで高い安全性
グリーンのボディが特徴的なHiKOKIの充電式電動カンナです。切削の深さが2mmなので、1mmの電動カンナよりも深めに削り切ることができますよ。握りやすいソフトグリップの下にはトリガが備え付けられており、トリガから手を離すと自動的にブレーキが掛かる仕組みになっています。電動カンナの扱いに不安がある方にもおすすめです。
コードレスタイプはバッテリー残量が気になりがちです。こちらは電池残量表示機能付なので、バッテリー残量に気を取られることなく作業に集中できますよ。また別売りのガイドをセットすることで、簡単に段差が作れます。仕上がりに差をつけたい人にも最適です。
BOSCH-充電式 コードレスカンナ Planer (27,860円)
切削の深さを変更できる
ドイツ発祥の電動工具メーカー、BOSCHの電動式電動カンナです。赤い文字でデザインされたBOSCHが目を引きますね。本体重量はわずか1.5kgしかないので、力の弱い女性も軽々扱えますよ。コードレスで取り回しがしやすく、快適に作業が進みます。
この電動カンナの最大の特徴は切削の深さが可変可能であること。黒レバーを使用すると深さ1mm、赤レバーでは最大2mmまで設定できます。新たに別の電動カンナを購入する必要がなくなるのはうれしいですね。またBoschクリーナーと連動可能なので、掃除機と繋げて木屑をどんどん吸い込んでくれます。
電源コード式でおすすめの電動カンナ
リョービ-電動カンナ ML-83S(10,454円)
扱いやすいので入門機として最適
大手電動工具メーカーであるリョービの電動カンナです。最大切削深さは1mmと浅めですが、0.1mmきざみで深さ調節できるため木材に合わせて切削できますね。シンプルなデザインでブレーキ機能付きのため、はじめて電動カンナを使う方におすすめです。
刃は両面使用ができる替刃式です。切れ味が悪くなったときは交換することになりますが、リョービは大手メーカーなのですぐ手に入ります。お近くのホームセンターでも必ず売っているので心配ありませんよ。
日立工機-電動カンナ P35(21,157円)
切削幅120mmなので広い木材も一発で切削可能
こちらの電動カンナは切削幅が120mmもあるのが特徴です。これだけ幅が広いとさまざまな木材でも一度で切削できますね。とくにホームセンターで手に入る2×4材を使う機会が多い方におすすめです。切削深さは2mmまで対応しているので、プロ用としても問題なく使用できます。
そしてコードの長さはなんと5mもあります。2.5mでも十分な長さですが、5mのこちらはさらに広い範囲で取り回し可能。5mあれば使用可能な作業場が一気に増えますね。スパナやドライバーなどの付属品も揃っていて便利です。
マキタ-電気カンナ M194(16,529円)
中央のV溝で面取り作業が簡単
こちらのマキタの電動カンナは、ソフトレザーの持ち手で使いやすいデザインとなっています。フロントベースにはV溝があり、木材の面取り作業が簡単に行なえます。刃の接触による傷つきを防止するためのフット付きなのもうれしいですね。
切削幅は82mm、そして最大切削深さが2.5mmとなっています。リーズナブルな価格でここまで深く切削できる電動カンナは珍しいですよ。平面切削や面取り、木製品の寸法修正に幅広く活躍してくれます。
日立工機-研磨式 電動カンナ(16,833円)
メンテナンスで長く使える研磨式
こちらの電動カンナは研磨式の刃を採用しています。替刃式と違って自分で研ぐ必要がありますが、経験者であれば替えの刃を取り寄せる必要がなくなるのでコスト削減になりますね。しっかりメンテナンスをしておけば長く使えるのもメリットです。
切削深さは最大2.6mm、600Wのハイパワーモデルとなっており、大量の木材を切削してもパワー不足を感じることがありません。作業中にコードが邪魔になると感じたら、切替フックを利用してコードの向きを変更できますよ。
マキタ-電気カンナ 1805NSP(39,636円)
切削幅155mmなので広い木材も一度に加工可能
こちらのマキタの電動カンナは、価格が高めで本体重量7.9kgと初心者向けではありませんが、切削幅が155mmもあります。155mmというのは、多くの製品で設定されている82mmの2倍近い範囲を削れることになります。幅が広い2×6材や3×6材も一度に削れるので効率が上がりますよ。
最大切削深さも3mmまで調節可能。2mmまでが多い他の製品と比べてより深く加工できますね。消費電力1140Wなのでパワーも圧倒的。大量の木材を扱う方、業務で使用するようなプロ用の電動カンナを求めている方におすすめです。
マキタ-曲面カンナ 電気ブレーキ付(27,699円)
最大切削深さ4mmでどんな凸凹した表面も滑らかに
この電動カンナの特徴は、最大切削深さが4mmまで対応している点です。4mmというのは本格的な業務用以外の電動カンナではなかなか見当たりません。重量は5.5kgと軽くはありませんが、どんな凸凹した表面でも滑らかにしてしまう機能性の高さが魅力です。
最大切削幅も110mmとかなり広めの仕様となっています。今まで2回に分けて削っていた方も、一度で削れるようになるので段差ができる心配がなくなりますよ。電気ブレーキ付きで快適に使い続けられます。
低価格でおすすめの電動カンナ
高儀-EARTH MAN 替刃式電気かんな (5,180円)
はじめから集塵袋付きで木屑が飛散しない
高儀から販売されているブランド「EARTH MAN」シリーズの電動カンナです。5,000円代というリーズナブルな価格ですが700Wのハイパワータイプなのが魅力的。初心者からプロまで幅広い層におすすめです。
替刃式の刃は、向きを入れかえれば2回使える両刃タイプでお得です。そして最初から集塵袋が付いているので、削ったそばから出てくる木屑を集めてくれます。木屑の排出口は左右切り替え可能で使い方に合わせられるのもメリットです。
パオック-電気カンナ EP-82A (9,504円)
平行ガイド付きで段差が簡単に作れる
パオックという会社が販売している電動カンナです。マキタやリョービなどの大手と比べると知名度は低いですが、高性能モデルを低価格で販売していますよ。交換用の替刃も売られているので、見慣れないメーカーだからといって心配する必要はありません。
本体重量は3kgとやや重いものの、最大切削深さ2mmの強みを活かしたパワフルな切削が可能です。付属品として集塵袋と平行ガイドがセットになっています。とくに平行ガイドは相じゃくり(段差)加工に便利なので、ワンランク上のDIYを目指す方におすすめです。
ROEAM-多機能電気かんな (6,020円)
頑丈なアルミ製シャーシで耐久性が高い
ROEAMという会社が販売しているリーズナブルな電動カンナです。装置を包んで覆い隠すハウジングは耐腐食性に優れ、アルミ製シャーシは耐久性が高いという特徴があります。グリップ部分はプラスチック製で、持ちやすく錆びにくいのがうれしいですね。
切削の深さはフロント部分の調整ボタンを回すことで、0.5mm、1mmといった選択が可能。そして自動ロック式スイッチ搭載で、手間がかからず安全性にも配慮されています。コストパフォーマンスがよく、家庭でDIYをされる方にぴったりの電動カンナです。
リリーフ(RELIFE)-電気カンナ 研磨式 (5,814円)
しっかり握れる特殊樹脂グリップ
紫のボディが目を引くリリーフという会社の電動カンナです。こちらは研磨式となっているので、自分で刃を研磨できる中級者向けです。1万円以下で本体が手に入り、替刃を用意する必要がないのがメリットです。
グリップは特殊樹脂を採用しており、握りやすいように設計されています。長時間の切削作業でも疲れにくいですよ。深さは0~2mmまで調整可能なため、粗面の平滑化や相ジャクリ加工など用途に応じて加工できますね。安全ロック機能付きで安全対策も万全です。
電動カンナの使い方
順目方向に削っていくときれいに削れる
電動カンナはアイロンのように片手ではなく、両手を使って作業していきます。片方の手はハンドルへ、もう片方の手は切削深さ調整ダイヤルに添えて削っていきます。ここで注意したいのが木目。どんな木材にも木目がありますが、電動カンナの刃の回転方向が木目に沿うように動かすと滑らかに仕上がりますよ。逆に削ってしまうと木目を起こしてしまい、見た目も悪くなってしまいます。
削り始めは深く調節し徐々に浅めに切り替えるのがおすすめ
電動カンナ毎に最大切削深さが定められており、手元の調整ダイヤルを回すことで深さを決めることが可能です。深さは大体0~3mmまでとなっていますが、最初の荒削りの段階では1mm前後を目安に削っていくといいでしょう。そして仕上げになるにしたがって浅くしていきます。0.4mmくらいであればかなり滑らかな仕上がりが期待できます。さらにきれいにしたい場合は、ギリギリの0.1mmに設定してもかまいません。自分の技術レベルに合わせて決めていきましょう。
まとめ
扱いやすい替刃式の電動カンナがおすすめ
電動カンナを購入する上で注目したいのが替刃式であること。現在は替刃式がメジャーで研磨式は少ないですが、万が一間違って選んでしまうとメンテナンスが大変です。そして替刃式の場合、すぐに刃が取り寄せられるかどうかも重要です。マキタやリョービといった大手のメーカーなら、お近くのホームセンターでも簡単に替刃が手に入るのでおすすめです。切れ味が悪くなったときにすぐに交換できるのが便利ですね。今回は電動カンナについて、人気のブランド名を挙げながら詳しく紹介しました。ぜひ皆さんも扱いやすい電動カンナを見つけてくださいね。