スマートフォンやナビを使ってバイクに乗ることが増えた今日、比例して周辺機器の実用性も増しています。それらと連動する便利な機器は複数ありますが、実用性で言えばバイク用インカムが筆頭と言っても、差し支えないでしょう。シングルライダーだからインカムなんて要らない。あった方がいいと思うけど、取り付け方やスペックの説明が解らない。失敗したら高い買い物になりそう。なんて理由から、インカムの採用を尻込みしていませんか。それは非常に勿体ないことで、バイク用インカムは、どのライドスタイルにもメリットをもたらす、便利な電子機器です。今回は必要性や正体が少し解り難い、バイク用インカムを掘り下げます。丁寧に解説しますので、是非とも選び方の参考にして下さい。
バイク用インカムの特徴
双方向通話が可能でスムーズな会話ができる
近年のバイク用インカムは基本的にBluetoothを利用しており、双方向通話が可能になっています。例えばトランシーバーは、聞き取る側と喋る側に分かれてしか会話できません。一方、送信と受信を同時に行っているバイク用インカムなら、携帯電話のようにスムーズな会話ができます。走行中のコミュニケーションツールとして、非常に有用なアイテムです。
ペアリングすることで色々な携帯機器と連動する
コミュニケーションツールであるインカムは、ペアリングしたインカム同士で同時通話が可能です。メンバーやタンデマーとスムーズな会話ができて、状況確認や情報交換などを走行中に行えます。また、スマートフォンやナビとも連動。機種によっては通話や音楽と同時に、ナビ音声を聞くことも可能です。加えてインカムによっては、音楽シェアも可能になっています。
バイク用インカムの選び方
グループトークする人数で選ぶ
複数のドライバーと話すなら4人以上対応のハイエンドモデル
ハイエンドモデルは高額で、1人で複数個を所持するには費用が掛かります。一方で他社インカムともペアリングできる、ユニバーサル機能を持つインカムが殆どです。そのため、1つもっていればマスツーリングにも対応できます。ツーリングメンバーとペアリングすれば、4人以上での同時通話が長距離でも可能です。音楽や音声案内と会話を並行して行え、ミュージックシェアを行えるモデルも少なくありません。ツーリングメンバーが増えても減っても、人数に合わせた使い方ができます。
ドライバーが3人以下ならユニバーサルなミドルモデル
ミドルエンドモデルは、3人から6人程度と同時通話できるバイク用インカムです。ペアリング率はよく、ユニバーサル機能を持つインカムを選べます。そのため、一部を除いて他社とペアリングしやすいのが特徴です。
ツーリングにインカムを用いるなら、通話距離は長い方が絶対的に有利です。しかし、人数が少ないなら、隊列が間延びする可能性は低くなります。そのため、1.5㎞から2㎞に迫る、広範囲の飛距離を選ぶ必要性も減るでしょう。ミドルエンドモデルは、飛距離重視で会話中に音楽が聴けないタイプか、音響重視で飛距離が短いタイプかを選べます。自分の環境に合わせて上手く選べば、ハイエンドモデルを選ぶよりコストを抑えて、汎用的に使えます。
ソロかタンデマーとの会話には2人以下のローエンドモデル
ローエンドモデルは2人から4人までに、会話人数を絞ったタイプです。電波の飛距離が短く、ハイエンドやミドルエンドに比べると、機能は限定的になります。通話中に音楽や音声案内を聞くことができない、シングルライダー向けも少なくありません。また、通話のみに徹した、ローコストのバイク用インカムもあります。
しかしながら、最低限の機能は確保されています。ソロなら通話機能を気にする必要がなく、ペアリングも所持する機器に合わせられるでしょう。また、値段が安いため、1人で複数個を所持しやすいモデルです。2セットならハイエンドモデルより安価になることもあります。同メーカーにすればペアリングの心配がなく、タンデマー用を所持しやすいのもメリットでしょう。使いどころさえ間違わなければ、使用感やコストパフォーマンスは、バイク用インカムの中でも秀逸と言えます。
走り方に合わせた性能を選ぶ
ソロなら通話距離より音響を重視する
ソロの場合は通話に質を求めなくても、バイク用インカムを使えます。通話と音楽を同時に聞けなくても、走行に支障は出ないでしょう。そのため、インカム同士の連動より、ナビやスマートフォンとの連動を考えた方が得策です。スピーカーの音質がよく、音楽や音声案内を美しく聴ける方が、ライディングに使いやすくなります。ラジオが聞けるインカムなどは、淡々と走るロングツーリングの気分転換にもなるでしょう。音響系に特化したメーカーのインカムを選べば、価格帯を抑えて便利に使えます。マスツーリングにも参加する場合は、それらのメーカーからハイエンドモデルを選ぶのがおすすめです。
タンデムなら通話距離より共有性の高さが重要
タンデムなら体が密着するので、1㎞を切る通話距離でも、走行中の通話に支障はありません。通話距離よりも共有性があるバイク用インカムがおすすめです。例えば音楽を共有すれば走行中、ライダーとタンデマーの両方が楽しめます。音声案内の共有もタンデムには重要でしょう。タンデム走行はライダーとタンデマーの呼吸が大切です。ナビの音声案内を確認して会話できると、タンデマーはコーナー前で素早く準備できます。事故対策にもなり、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
マスツーリングには通話距離が1㎞以上のインカムを
マスツーリングに参加する場合、全員が同じインカムを使っているとは限りません。バイク用インカムは違うメーカー同士だと、最大範囲で使えないことが殆どです。また、トラックなどの大きな乗り物や障害物を挟むと、電波は著しく遮られます。通話距離は高速や広い道で最大値の50%から60%、都市部なら10%から20%を見越しておくといいでしょう。ツーリングなどに使うなら範囲が1㎞以上で、できる限り通話距離の長いインカムがおすすめです。
便利な機能で選ぶ
防水機能はバイク用に必須
殆どバイク用インカムには、防水機能があります。しかし、一部の外国製には付いていない、もしくは表記がないケースも少なくありません。インカムに防水機能があると、雨でも問題なく使えます。また、ヘルメットは気密性が高い装具です。そのため、汗や息で湿気が起こり得ます。その対策のためにも防水機能は必須と言っていいでしょう。IPX4以上に適合したインカムなら、十分な耐性を備えています。
メッシュ通話ができればグループトークがしやすい
自動経路制御の通称がメッシュです。この機能を持つインカム同士は、互いに対等な立場で電波を中継できます。複数のインカム間に、網目のようなネットワークを構築するのが特徴です。バケツリレー式にデータのやり取りを行えるので、Bluetooth通話より広範囲かつ多人数で会話ができます。マスツーリングのメンバー同士でインカムを揃えるなど、同機能を持ったインカムがあると非常に効果的です。
仲間に合わせて選ぶ
仲間がインカムを所持している場合は同じメーカーにする
マスツーリングのメンバーにインカム所持者がいれば、同じメーカーを選ぶのが無難でしょう。モデルが違っても、メーカーが同じならペアリングは簡単です。また、便利な機能を共通していることが多く、性能面でもマッチングします。通話距離を最大限生かせるなど、他社のインカムを選ぶよりも、多くのメリットを得られるでしょう。
先頭を走る場合は音楽併用機能が必須
ツーリングで先頭を走るときは、音声案内を聞きながら通話できると便利になります。また、後続への連絡や状況確認のために、充実した通話機能がおすすめです。通話中に音声案内が聞ける音楽併用機能は、道順を選び後続に気を配るべき、先頭のライダーにとって必須と言えます。また、通話距離も長いほど有利です。そのため、スペックが高いハイエンドモデルを選ぶといいでしょう。
バイク用インカムのおすすめブランド・メーカー
DAYTONA(デイトナ)
ペアリングや多人数での通話に便利なインカムが揃う
国内屈指のバイクパーツメーカーであるデイトナは、値段以上の能力を持つバイク用インカムを揃えています。秀逸なハイエンドモデルに、使う人を選ばないミドルエンドモデル。果てはローエンドモデルまで多くのメリットを持っています。
Cardo(カルド)
どんな乗り方でも質を損なわないサウンドが魅力
カルドはサウンドに強いメーカーで、著名な音響機器メーカー、JBLとパートナーシップを組んでいます。音響至上主義ではなく、カルド製のインカムは機能と性能、高音質の3拍子が特徴です。また、カルドは革新的なアイディアを、インカムに用いることでも知られています。
SENA(セナ)
専用タイプがあり特定のヘルメットと相性がいい
セナは日本製ヘルメットと相性がいいメーカーです。最大手であるSHOEIは、専用システムにセナのSRLを採用しています。また、ARAIとも互換性があり、専用インカムを展開。汎用インカムも国内で人気があります。
SYGN HOUSE(サインハウス)
音響がよく通話機能の組み合わせが豊富
日本のメーカーであるサインハウスは、日本人ライダーのためのインカムを展開しています。当然ですが説明書や音声案内は日本語があり、初心者でも手に取りやすいのが特徴です。ハンズフリープロファイル(ワイヤレス機能)を進化させたリンク機能が秀逸で、複数の通話機能から自分に合ったインカムを選べます。
Suaoki(スアオキ)
ワンランク上の機能をローコストで再現している
スアオキは世界35か国に製品を展開している、中国のグローバルメーカーです。日本では中国製イコール粗悪というイメージがあり、それら製品を敬遠することがあります。しかし、一部の新しい企業にはイメージを払拭する良さがあり、スアオキもその一社と言えるでしょう。ロープライスでありながら、ワンランク上の機能を実現しています。
おすすめ&人気のバイク用インカムランキング
ハイエンドモデルでおすすめのバイク用インカム
デイトナ-DT-01 インカム (25,490円)
他メーカーとも通話がしやすい多機能インカム
PC接続でシステムをアップロードでき、常に最新ファームで運営できるバイク用インカムです。低音重視のスピーカーを装備しており、音楽併用機能を搭載しています。携帯電話2台と同時接続できて、特にiPhoneとの互換性は秀逸です。Shiriでの検索が可能で、スポットや道路の情報を得るのに重宝するでしょう。また、防塵防水性があり、IP67なら悪天候でも安心です。
通信可能範囲は1㎞で、4人までのグループトークが可能です。また、他社インカムとの通話もできます。メッシュを搭載しており、ペアリングを一斉に行える機能は秀逸です。他社インカムをグループトークに交えることができ、マスツーリングなどで有効なタイプです。メインメーカーの多機能ハイエンドモデルであり、それを見越せば価格帯はリーズナブルと言えるでしょう。
カルド-PACKTALK BOLD (46,200円)
スピーカーにこだわった最高水準のインカム
パートナーシップを組んでいる、JBLのスピーカーを採用したインカムです。ボリュームの自動調整機能やスマホでの通話シェア、FMラジオなどの音響機能を搭載しています。もちろん音楽併用機能も内蔵しており、音に関しては充実したバイク用インカムです。
WEBを使ったファームのアップデートができて、最新の状態を維持できます。また、Bluetoothなら4人、メッシュでは最大15人のトークが可能です。最大1.6㎞の通話距離はTELECに適合しており、通信機器としても選びやすいのは大きなメリットでしょう。IP67取得で防塵防水性も抜かりありません。13時間の連続通話が可能で、ツーリング全般の他、タンデムでも使えます。
カルド-PACKTALK SLIM JBL (46,200円)
薄さとデザインはスポーツ系バイクにおすすめ
ポケットスリムは非常にハイレベルな性能で、カルボのフラグシップ的モデルと言っていいでしょう。パートナーであるJBLのスピーカーを搭載しています。魅力である機能と性能、音質に6.5㎜の薄さが加わった、4拍子を持つバイク用インカムです。
グループトーク性能はかなり秀逸で、Bluetooth接続なら4人、メッシュなら最大15人まで対応できます。ユニバーサル機能で他社インカムとの通信ができて、通話シェアも可能です。TELECを取得した最大1.2㎞の通信範囲も信頼性があります。空力設計のスリムなボディはスーパースポーツにも馴染みやすく、750㏄以上でマスツーリングに出かける方は、チェックするといいでしょう。なお、IP67で天候にも対応できます。
セナ-30K (42,900円)
Bluetooth通話の性能はインカムの中でも抜群
最大2㎞という、最長クラスの通信範囲を持ったバイク用インカムです。Bluetoothでのトークは最大で4人。ユニバーサル機能を使った、他社インカムとの通話も可能です。また、メッシュは16台まで自動制御できます。さらに30Kは、Bluetooth接続のブリッジ通話を可能にしたモデルです。そのため、シリーズでも圧倒的な通話性能を有しています。
国外製ということもあり、メッシュに関してはカルド製と並ぶか、道路状況により少し勝る程度でしょう。一方でセナはユーザー数が多く、ペアリングでは正に一歩先を行くインカムと言えます。ベテラン勢が揃うマスツーリングなど、グループシーンには非常におすすすめです。IPX規格ではないのが難点ですが、メーカーの見解ではIPX5相当になっています。しかしながら、生活防水程度に捉えておくのが妥当です。心配なら雨の日の使用は避けた方がいいでしょう。
サインハウス-B+com SB6X (37,580円)
抜群の音響機能を誇るペアリング率が高い次世代機
B+comは息の長いシリーズです。発売から9年経つ今でもアップデートを続けつつ、シェアを広げています。SB6Xは独自のグループトーク機能、B+LINKを搭載したバイク用インカムです。SB6X 同士が30秒ほど集まるだけで、ペアリング方法が完了します。知識やルールを知る必要はなく、電子機器に弱い方にも有用でしょう。メンバー同士でインカムを揃える場合は、候補の1つになり得ます。
B+LINKの通信はブリッジ経由で、仲間の近くに来ると自動で通話が回復します。この点も回復が遅いBluetooth接続より、非常に便利と言えるでしょう。もちろんユニバーサル機能も付いています。そのため、基本的には他社インカムとのペアリングが可能です。音楽併用機能も付属しており、IP67は天候変化に対応できます。
ハイエンドモデルでおすすめのバイク用インカム比較表
商品画像 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ブランド | デイトナ | カルド | カルド | セナ | サインハウス |
商品名 | DT-01 インカム | PACKTALK BOLD | PACKTALK SLIM JBL | 30K | B+com SB6X |
価格 | 25,490円 | 46,200円 | 46,200円 | 42,900円 | 37,580円 |
特徴 | 他メーカーとも通話がしやすい多機能インカム | スピーカーにこだわった最高水準のインカム | 薄さとデザインはスポーツ系バイクにおすすめ | Bluetooth通話の性能はインカムの中でも抜群 | 抜群の音響機能を誇るペアリング率が高い次世代機 |
サイズ | 本体寸法L10.5×W4.65×H1.94cm | 20.4×11.6×9cm | 25.4×20.32×8.89cm | メインモジュール:10.2×5.6×2.7cm | 梱包サイズ:23.6×12.2×7.2 cm |
電源 | 電源充電式リチウムイオンバッテリー 充電端子USB Type-C | マイクロUSB | ライディング中充電可能 | USB | USB Type-C |
ミドルエンドモデルでおすすめのバイク用インカム
デイトナ-DT-E1 (16,830円)
通話距離は少し短いが機能はハイエンドにも勝る
800mの通話距離を持つデイトナのインカムです。ハイエンドに比べると見劣りしますが、隊列が伸びない少人数では有効の範疇でしょう。グループトークは最大で4人。もちろん、他メーカーと会話できるユニバーサル機能を有しています。また、通話が自動回復するのも魅力です。
共有性の高さもあり、ミュージックシェアと音楽併用機能を搭載。IP67で機能面だけ見れば、ハイエンドにも勝るバイク用インカムです。また、ローエンドに迫る価格帯になっており、ハイエンドより少ない出費で2つ以上を所持できます。ソロ、タンデム、マスを選ばず、汎用性は最高峰です。手堅い一台として、初めてインカムを買う方にも非常におすすめでしょう。
セナ-20S EVO (37,840円)
ロングセラーを記録し続けるマルチタイプのインカム
スマートフォン接続を初めて可能にした機種がセナ20Sです。5年経った今でも外装やファームのアップデートを続けており、進化版に20S EVOが居ます。メッシュ機能はBluetooth接続オンリーですが、他機種となら4人、20S同士なら8人まで可能です。トークメンバーが同機種であればグループトーク機能は、ハイエンドモデルの30Kよりも優れています。
20S EVOは以前、セナのフラグシップだった機種です。そのため、通信範囲が最大で2㎞と、広範囲になっています。人気機種であり続けたため、ユーザーも少なくありません。ツーリングメンバーに20Sを使うライダーが居れば、このバイク用インカムを選ぶといいでしょう。
ミッドランド-BT X2 PRO S (26,535円)
どんなシーンにも物怖じしない抜群の汎用性を持つ
ミッドランドは日本のレーシングチームに採用されているメーカーで、鈴鹿の8耐などで活躍しています。また、全国的にチェーン展開するバイクショップが、プロショップに指名されています。そのため、取り付けなどや保証で手厚い保護を受けられるのが魅力です。
通信範囲が1.2㎞あり、グループトークはタンデム距離なら最大8人です。他社インカム2機、ミッドランド同士なら3機とペアリングして、同時に通話できます。音楽併用機能や自動のボリューム調整機能、FMラジオを搭載しており、機能はハイエンドに近しいでしょう。少人数のツーリングなら十分対応できて、汎用性に長けています。IPX6準拠で、突然の雨にも安心です。
ミドルエンドモデルでおすすめのバイク用インカム比較表
商品画像 | |||
---|---|---|---|
ブランド | デイトナ | セナ | ミッドランド |
商品名 | DT-E1 | 20S EVO | BT X2 PRO S |
価格 | 16,830円 | 37,840円 | 26,535円 |
特徴 | 通話距離は少し短いが機能はハイエンドにも勝る | ロングセラーを記録し続けるマルチタイプのインカム | どんなシーンにも物怖じしない抜群の汎用性を持つ |
サイズ | 全長9.6×幅4.35×2.65cm | メインモジュール:9.47×4.83×2.55cm | 梱包サイズ:28.6×19×8.3 cm |
電源 | 充電式リチウムイオンバッテリー | USB | リチウムポリマー 電池(付属) |
ローエンドモデルでおすすめのバイク用インカム
デイトナ-クールロボ イージートーク3 2個セット (25,995円)
タンデムに強いインカムで機能面はハイエンドに迫る
ペアリング済みのバイク用インカムセットで、すぐに通話できます。電波の飛距離が200mと狭く、密着した距離以外では使いにくい範囲です。一方で共有性は非常に高く、携帯電話を2台接続できます。また、ミュージックシェアが可能です。
通話というよりは音響に特化しており、ボイスミキサーや良質のスピーカーが付属しています。また、ファームのアップデートもPCから可能です。IP67相当の防水防塵性があり、通信範囲を除くポテンシャルは間違いなくミドルエンド以上です。また、メジャーメーカーの中では価格帯が低く、タンデム限定ならコストパフォーマンスは最高クラスでしょう。ペアリング済みなのも加えて、タンデム用としておすすめできます。
カルボ-FREECOM1+ インターコム デュオ (33,000円)
シングルライダーやタンデム走行に最適の性能
1人用として人気があったFREECOM1に、タンデム距離の通話機能を搭載したのがFREECOM1+です。ライダー間での会話は想定されておらず、シングルライダーやタンデム走行に適したバイク用インカムです。
機能面は音響に特化しており、40㎜のスピーカーを搭載。ノイズキャンセリングや、ミュージックシェア機能は秀逸です。また、16㎜と薄型の空力設計ボディになっています。FMラジオを搭載しており、大型クラスのバイクでシングル走行する場合も、選びやすいデザインでしょう。なお、IP67です。急に天候が変化しても安全に使えます。
サインハウス-B+COM Music (15,315円)
受信機能に特化した音響重視のインカム
通信機能が付いていない、受信特化のバイク用インカムです。加えて、取り付けにはマジックテープ式を採用しています。最近ではマイナーになりつつあるスペックですが、シングルライダーに限れば嬉しい存在と言えるでしょう。
レスポンスが良好な接続システムを採用しており、ナビやスマートフォンとの通信に徹しています。また、サインハウスの特徴である、サウンドの良さが前面に出ており、ステレオサウンドは高音質です。シンプルな性能だけに操作性にも優れており、操作は人差し指だけで行います。ソロ限定や音響重視なら、B+COM Musicは非常におすすめです。
スアオキ-T10 Bluetoothインターコム (8,980円)
ローエンドに一石を投じる丁寧なスペック
人気があったT9Sの後継機で、かなりリーズナブルな価格帯のバイク用インカムです。2台持ってもミドルエンドほどの出費で、タンデム用として選びやすくなっています。最大通話距離は1.2㎞あり、ライダー間の会話にも便利なインカムです。
ロープライスだと性能やデザインが心配されます。一方でスアオキのT10は、シンプルで解りやすいデザインです。通話距離もそうですが、他社も含めたペアリングによる3台同時接続は、ローエンドの領域をはるかに越えています。Bluetooth3.0でFMラジオ搭載。IPX6も備えています。ライダーに対して丁寧なスペックで、どの走りにも対応する汎用性の高さは魅力です。これからのローエンドモデルに一石を投じるでしょう。
ミッドランド-BTX2 (10,000円)
少人数ならツーリングにも使えコスパがいい
ジョグなどがなく、左右と真ん中のボタンで操作します。配置もジョグよりシンプルです。グローブを付けたままでも、慣れれば操作は簡単でしょう。音響にも注力しているバイク用インカムで、ウルトラスリムスピーカーを搭載しています。また、ハイエンドによくある、ボリューム自動調整機能も搭載です。
通話距離は800mでペアリングは最大3人。1対1なら最大4人まで会話できます。また、ユニバーサル機能を搭載しており、他社インカムとの通話も可能です。隊列が間延びすると厳しいですが、少人数ならツーリングにも使えるでしょう。IPX4相当で防滴性があり、スペックはミドルクラスに匹敵します。ソロやタンデムがメインで、少しツーリングを嗜む方などにおすすめです。
ローエンドモデルでおすすめのバイク用インカム比較表
商品画像 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ブランド | デイトナ | カルボ | サインハウス | スアオキ | ミッドランド |
商品名 | クールロボ イージートーク3 2個セット | FREECOM1+ インターコム デュオ | B+COM Music | T10 Bluetoothインターコム | BTX2 |
価格 | 25,995円 | 33,000円 | 15,315円 | 8,980円 | 10,000円 |
特徴 | タンデムに強いインカムで機能面はハイエンドに迫る | シングルライダーやタンデム走行に最適の性能 | 受信機能に特化した音響重視のインカム | ローエンドに一石を投じる丁寧なスペック | 少人数ならツーリングにも使えコスパがいい |
サイズ | L9.4×W4.3×H2.5cm | 4.7×7.4×1.6cm | 8.5×3.7×2.8cm | 8.5×4.2×2.3cm | 梱包サイズ:28.6×19×8.3cm |
電源 | バッテリー内蔵タイプ(USB充電) | USB充電 | USB充電 | MicroUSB充電端子 | リチウムポリマー 電池(付属) |
バイク用インカムの取り付け方
インカム本体の取り付けは比較的簡単
殆どのインカムは近年、クリップ式を採用しています。本体かベースの裏側にある、挟み込み用のクリップを使った方法です。ヘルメットの内装と外装には隙間があり、そこにフックを入れて挟み込みます。また、面ファスナー(マジックテープ)や強力な両面テープで、帽体にベースを張り付けるタイプが一部にあります。あまり隙間がないヘルメットに対し、有効な取り付け方法です。どちらの方法も非常に簡単で、インカム本体は労なく帽体に取り付けできます。
配線のしやすさはヘルメット次第
スピーカーやマイクの配線は、ヘリメット側が鍵を握ります。エンドモデルやフラグシップクラスのヘルメットは、インカムに対応した内装が殆どです。それ以外のヘルメットでも、インカムに対応した内装なら、配線まで簡単に行えます。一方でインカムに対応していない場合は、パット類や耳の部分に加工が必要かもしれません。そのため、インカム購入の前に、使用しているヘルメットの説明書などを確認しておくといいでしょう。自分で取り付けできない場合は内装に手を加えず、ショップなどに相談するのがおすすめです。
まとめ
ライドスタイルに合ったバイク用インカムがおすすめ
自分のライドスタイルに合わせると、バイク用インカムを効果的に使えます。シングルライダーなら、通信範囲が狭い音響特化のローエンドモデル。マスツーリング時に頼られるベテランなら、通話距離が長く多機能なハイエンドモデル。というように、走り方やトークする人数に合わせて、クラスを選ぶのがおすすめです。