寒い季節、食べたくなるのはカラダの芯から温まる鍋料理ですよね。土鍋は一般的な鍋料理からお米を炊くこともできる万能調理器具です。しかし、形状や大きさ、素材によってもさまざまな特徴があり、どれを選べばよいか迷ってしまいます。今回は土鍋の特徴や種類、選び方に人気商品など詳しく解説していきます。これから土鍋を買おうと思っている方や、新しい土鍋が欲しい方は是非この記事を参考にしてくださいね。
IH対応土鍋の特徴・仕組み
底が平らで磁石が付く
「IH 対応土鍋」はクッキングヒーターになべ底が接していないと熱が伝わらないため、底が平らになっているのが1つの特徴です。自宅にある土鍋がIH 対応のものかを判断できない場合は、なべ底に磁石をくっつけてみるとクッキングヒーターで使えるか確認ができるでしょう。磁石でくっつく場合はIH対応している土鍋です。
金属プレートを取り付けるタイプも
ガスコンロ用の土鍋であってもIHクッキングヒーターで使用できる場合があります。土鍋の中に金属プレートを入れることによってIHからの熱をプレートが受け取り、土鍋の中に入っている食材に熱を通す方法です。付属で付いているタイプの土鍋もありますが、現在使用している土鍋がIH に対応していなくても、プレートを購入することによってクッキングヒーターで鍋を楽しむことも可能になります。
IH対応土鍋の種類
伊賀焼
耐久性と蓄熱性にすぐれている
伊賀焼は鎌倉時代からある伝統的な焼物です。伊賀焼の土鍋は生物や植物の遺骸を多く含んでいる土を使用します。その土を高温で焼くと遺骸があった場所に細かい空洞ができ、熱を蓄えやすい土鍋になるのです。耐熱性も高く、遠赤外線効果も高いとされています。
伊賀焼の土鍋なら熱から下ろしたとしてもなかなか冷めにくく、弱火で煮込んでいるくらいの温度をしばらく保つことができます。蓄熱性の高い土鍋は食材の芯までしっかりと熱を通してくれるので、素材そのものの旨味を出してくれるでしょう。
萬古焼
土鍋の国内シェア率がNo1
萬古焼の土鍋は国内シェア率が80%で、現在日本で一番使われている土鍋の種類です。萬古焼きはペタライトという鉱物が入っている陶土を原材料としており、空焚きや直火で使用しても高い耐久性があるので割れにくい土鍋として人気です。
焼きや炒め物、蒸し料理などのさまざまなレシピにも対応しているので扱いやすい土鍋です。しかし、土が原材料の土鍋は吸水性があるのでお手入れには注意が必要です。使用したあとに土鍋を洗い終わったら、十分に乾燥させることが大切です。カビや臭いの発生を防げます。
セラミック製
おしゃれなデザインが豊富
セラミック製の土鍋はデザインが可愛いものや、スタイリッシュな商品が多いです。洋風土鍋などもあるので、さまざまな料理に合うお好みのデザインの土鍋が見つかるでしょう。また一般的な土鍋よりセラミック製は軽いのものが多く、汚れがつきにくいのでお手入れもしやすいのが特徴です。
セラミック製の鍋は耐熱温度が400度あり、熱伝導と蓄熱性にも優れています。そのため食材の温度も長時間冷めにくいので、ガス代や電気代の省エネ効果もあります。しかし、セラミック製の土鍋は衝撃に弱く、割れやすい傾向があるので取り出したりする際には取り合扱いに注意しましょう。
IH対応土鍋の選び方
作りたい料理に合わせて形状を選ぶ
汁気が多い鍋全般のレシピなら浅型タイプ
一般的な鍋料理全般で使うなら、口径が広く浅型のタイプのものを選ぶとよいでしょう。何人かで鍋を食べていても、取り分けやすくパッと見ただけでどこに食材が入っているかも確認できます。また、ロールキャベツなど他の料理にも使えるのでオールマイティに活躍するでしょう。ただし、浅型タイプは吹きこぼれしやすいので火加減には注意が必要です。
おいしいご飯を作りたいならご飯釜タイプ
おいしいお米を炊きたいと考えている方はご飯釜タイプがおすすめです。浅型や深型の土鍋でもお米を炊くことはできますが、ご飯用に作られた土鍋は深型より高さがあり、吹きこぼれにくい工夫がされている商品も多いです。また炊く量によってサイズが違ってくるので、使用頻度の高い方はご飯専用のものを選ぶことをおすすめします。
鍋を囲む人数に適したサイズで選ぶ
1人用や2人用には3~6号がおすすめ
1人から2人用として使用するなら3~6号サイズがおすすめです。場所も取りませんし1人用ならレンジで使用できる土鍋もあり、非常にコンパクトで使いやすいです。ただし、大人が鍋を楽しむ場合だと一人用でも3号は小さいかもしれません。おかず用の料理に使用するには便利ですが、鍋料理の場合は1人でも4号以上ある土鍋を選びましょう。
3人以上なら7~10号がおすすめ
3人以上で鍋を素用する場合は7号サイズ以上のものがおすすめです。大型のものは場所をとってしまいますが、大人数で楽しむのならできるだけ大きいサイズの方がよいでしょう。土鍋のサイズが人数に合っていないと食材を追加する回数が多くなってしまいます。また、大きめの土鍋を収納する場合には、土鍋の中に取り皿なども入れることができるので、鍋で使う調理器具をまとめられるメリットもありますよ。
IH対応土鍋のおすすめブランド・メーカー
内山製陶所
明治中期からの老舗陶器メーカー
内山製陶所は明治中期から萬古焼の製造と販売を続けている、老舗の陶器メーカーです。素材の調合も試作も自社で行っており、独自の形成技術をもっています。土鍋だけではなく、タジン鍋やご飯鍋と鍋の種類も非常に豊富です。
ニトリ
手にとりやすい価格の代表ブランド
吹きこぼれにくい土鍋や洋風土鍋など、さまざまなメニューに対応できる鍋が魅力的です。さらに消費者にとって優しい価格で販売しているので、手に取りやすい商品がたくさんあります。見た目もシンプルなものが多く使いやすいデザインが多いです。
和平フレイズ株式会社
ユニークな鍋が魅力のメーカー
新潟県に本社を置く、キッチン用品の企画や販売をしているメーカーです。シンプルなものから、見た目が華やかな鍋まであるのでデザインで鍋を選ぶこともできるでしょう。IH対応はもちろん、電子レンジ対応の土鍋があるのも魅力的です。
ハリオ(HARIO)
種類豊富な調理器具ブランド
東京都に本社を置く、日本で唯一工場を持っている耐熱ガラスメーカーです。商品の種類が幅広く、コーヒーなどのお茶製品からキッチン用品、ペット用品なども手掛けています。シンプルで洗礼されたデザインの商品が多いので、まとまりのあるキッチンにしたい方にはおすすめです。
おすすめ&人気のIH対応土鍋ランキング
1人~2人用でおすすめのIH対応土鍋
KINTO(キントー)-KAKOMI IH土鍋 1.2L ブラック(8,250円)
お手入れが簡単で1年中使える土鍋
高耐熱のセラミック素材で作られているので、耐熱温度差が500度という非常にタフな土鍋です。そのため、鍋に水分が染み込む吸水率が非常に低いので、カビや匂いの心配が通常の土鍋よりも少なく安心して使用することができます。
一般的な鍋料理だけではなく、蒸し料理やご飯を炊いたり、さまざまなメニューに対応ができます。また、鍋は手洗いのみですが、蓋やすのこは電子レンジ、食器洗浄機と乾燥機の使用もできるのでお手入れ方法も簡単です。
内山製陶所-五十鈴窯 IH対応 土鍋 6号(1,890円)
老舗メーカーの昔ながらの土鍋
萬古焼の老舗メーカー内山製陶所の土鍋です。IHに対応していますが、もちろん直火のガスコンロでも使用が可能です。IHクッキングヒーターで料理を作る場合は、鍋の中にステンレス板を敷いて調理するタイプになります。
一般的な鍋料理以外に、なべやきうどんの器としてもちょうどよい大きさです。お手頃な価格ですが、高い安全性のJISマーク付きの土鍋なので品質は保証されています。歴史あるメーカーの土鍋なので安心して使用ができますね。
TAMAKI(タマキ)-サーマテック土鍋1-2人用 さくら(4,576 円)
吹きこぼれにくく可愛いデザインの土鍋
吹きこぼれがしにくくなるように、深めのフチと独自のカーブを持った土鍋です。ブラックとホワイトのシンプルなカラーの土鍋ですが、フタにはさくらの花が散りばめられていて華やかさがあります。女性におすすめのデザインです。
ガスコンロ、IHクッキングヒーターはもちろんのこと、電子レンジでの使用も可能です。一人暮らしの方などには扱いやすく、調理がしやすい土鍋でしょう。本体の素材は高耐熱セラミックなのでお手入れも簡単です。
長谷園-IH対応キャセロール クロ(22,000円)
伝統ある伊賀焼の土鍋料理が楽しめる
なべ底に伊賀土鍋と同じ熱膨張率をもっている肉厚なカーボン製の発熱体を組み込んでいます。そのため、熱伝導がしやすく食材の芯までほっくり熱を通してくれます。IHだけではなく、ガスコンロの直火にもそのまま使用することが可能です。
IH 対応のものとはいえ、伊賀焼土鍋の雰囲気がそのまま残されているデザインです。天保3年から伊賀焼の伝統を受け継いできた長谷園の土鍋で作る鍋料理は、一味違う食事の時間を楽しめるでしょう。ツヤがある伊賀焼の土鍋は高級感があり、日本料理とぴったり合います。
サーマクラフト-コーナー グレー M(6,050円 )
アヒージョや煮込み料理もできる土鍋
シンプルでおしゃれなデザインの土鍋なので、アヒージョや煮込み料理などにもぴったりです。和洋どちらのレシピも楽しむことができます。白や黒など色が多い土鍋の中では珍しい、綺麗なグレーカラーも魅力的ですね。
吸水率が低く、カビの発生や料理の匂いが付くことが低いのも特徴です。カレーを作った翌日に水炊きの鍋を作っても匂い移りがありません。セラミック製の素材はお手入れが簡単なので、家事を手短に済ませたい単身者の方に向いているでしょう。
3人以上で使うおすすめのIH対応土鍋
MIYAWO- IH サーマテック土鍋 ブラック 8号(4,450円)
吸水率が低くカビや匂いの洗浄時間が短い
一般的な土鍋より施釉面積が広く、大幅に吸水率が低くなっています。そのため、ひび割れの発生率も少なくなっており、カビや匂いもつきにくいので、土鍋の中でも扱いやすいタイプでしょう。メンテナンスの時間短縮ができるのは嬉しいですよね。
IH対応はもちろん、ガスコンロやハロゲンヒーターでの使用も可能です。シンプルな土鍋の形であり、ブラックという使いやすいカラーのデザインなので男女問わず使用しやすいでしょう。収納しやすいスタッキング式の土鍋です。
ノルディック-IH対応土鍋 8号(1,980円)
ポトフなどの汁気が多い料理にも対応
満水容量が2600mlあり、さらに吹きこぼれしにくくなる高いフチの土鍋です。そのため、汁気が多いおでんやポトフなどの料理にも対応ができます。具がたっぷり入る深型なので、大人数でも鍋を楽しむことができるでしょう。
なべ底に特殊な銀被膜のマグネットを転写して焼き上げた土鍋です。IHクッキングヒーターからの熱が直接土鍋へ伝わるので、効率よく食材を温めることができます。中敷きのプレートタイプではないのでお手入れが簡単です。
ミヤオ-サーマテック IH土鍋 (5,500円)
IHクッキングヒーターを傷つけない土鍋
土鍋本体に焼き付けられている発熱体は、ガラス質で守られている多重構造になっています。そのため、熱が伝わりやすく土鍋全体が温められて、中に入れた食材の芯までしっかりと熱を通すことができる土鍋です。
一般的なIHクッキングヒーターと土鍋は底面が接していないと食材を温めにくいとされています。しかし、幅射熱によるIHへのダメージを軽減するために、こちらの土鍋は数ミリ隙間を開けても発熱が可能です。独自に開発された発熱体を使用しているので、クッキングヒーターに優しい作りになっています。
銀峯手作り工房 夕立窯-アルファベット土鍋 9号(12,760円)
美しいデザインと手入れのしやすい土鍋
瑠璃色の釉薬を使用して作られた、美しい菊の花がモチーフになっている蓋が特徴的な土鍋です。銀峰陶器の商品は日本で一貫生産されているので品質も良く、洗練されたデザインが国内にとどまらず海外でも愛されています。
原料もオリジナルに特別配合されたものを使用し、釉薬も独自に工場内で調合しています。この独自開発した土と釉薬で作られた土鍋はにおいや汚れがつきにくく、お手入れもしやすいです。耐熱性や蓄熱性も高いので、使用者の満足度も高い萬古焼の土鍋でしょう。
トウジキトンヤ-9号IH土鍋(10,120円)
IHはもちろん、ガスやオーブンでも使える土鍋
取り外しができる金属プレートをなべ底に敷くタイプの土鍋なので、IHクッキングヒーターはもちろん、ガスやオーブン、電子レンジでも使用が可能です。熱源に左右されないのでさまざまな料理を楽しむことができるでしょう。
淡いグレーのカラーで少し角ばった形の土鍋は、トマト鍋などの洋風な料理にもぴったりなデザインです。トウジキトンヤの土鍋は土の特性や質感を活かしたシンプルな商品が多いので、落ち着いた色味の土鍋は食卓にもしっくり馴染むでしょう。
おしゃれなデザインでおすすめのIH対応土鍋
クッチーナ-サークル L(11,000円)
料理のレパートリーが広がるシックな土鍋
ブラックカラーにサークル模様が入ったシックなデザインの土鍋は、日本料理だけではなくワインなどに合う洋風料理にも使えます。また、土鍋ごとオーブンへ入れることができるので、ローストチキンも手間なく簡単に作れるでしょう。自然と料理のレパートリーが広がる土鍋です。
吸水率が0.5%以下なので出汁がほとんど鍋に染み込みません。料理のにおいも残りにくいので、カレーやチゲ鍋など毎日さまざまな料理を楽しむことができます。多重構造の発熱体を持っているので、熱の通りのムラを減らしてくれるのも特徴です。
ambai-土鍋 9号(14,300円)
おひつにも変身する万能土鍋
一般的な鍋料理はもちろん、お米を炊くこともできて、お米を炊いた後はおひつとしても使える多機能な土鍋です。インテリアとしても設置できるようなデザインですが、萬古焼の土鍋なので蓄熱性や保温性もあり性能もしっかりしています。
付属品に木蓋が付いてくるので、おひつにする場合は鍋の蓋を替えましょう。深型の土鍋なので煮込み料理にもぴったりです。また、ご飯は3号まで炊くことができます。小さ目の土鍋ですが、電子レンジやオーブン、食器洗浄機は使用できないので注意してください。
ミヤオ-ブルーミー L(11,000円)
アンティークテイストの可愛い土鍋
野に咲いた草花をモチーフにしているアンティーク調の可愛い土鍋です。2700ml入る深型タイプなので、ポトフやボルシチなどの汁気が多い料理にも対応ができるでしょう。蓋は硬質陶器で、本体は高熱性セラミックの素材で作られています。
ガスコンロ、電子レンジ、オーブンやハロゲンヒーターでの使用も可能です。水張り吸水が0.5%以下なので、カビの心配や料理の匂いもつきにくいです。洗浄は手洗いを推奨していますが、洗いやすい材質なのでお手入れが簡単なのも嬉しい特徴でしょう。
HARIO (ハリオ) -フタがガラスのIH土鍋 ブラック(18,400円)
料理が見やすいガラスのフタの土鍋
洗練されたシンプルでスタイリッシュなデザインが多いハリオの土鍋です。フタが透明なガラスなので、煮込み中でも中の様子がきちんと確認できます。和洋どちらの料理にも合うデザインの土鍋は、テーブルに置いても大皿感覚で使用することができるでしょう。
鍋本体は耐熱温度差が350度以上の耐熱陶器を使用しています。IHクッキングヒーターはもちろん、ガスコンロの直火でも料理を作ることができます。また、笛付きの土鍋なので、お米を炊く場合などに笛でお知らせしてくれる機能はとても便利です。
セラミックジャパン-IH対応土鍋 ホワイト S(8,250円)
フラットなデザインですっきりとした収納ができる
グッドデザイン賞を数多く受賞しているプロダクトデザイナーの秋田道夫とセラミックジャパンが作った、機能的でシンプルなデザインの土鍋です。底が平らで、なおかつ持ちてが内側にあるので収納時のスタッキングも可能。
直火用素材を使用しているので、オーブンや電子レンジにも対応しています。IHで使用する場合は付属の内底用プレートを敷いて調理をしましょう。現代的なデザインの土鍋なので、扉がない棚に置いてあってもインテリアの邪魔になりません。
まとめ
IH対応土鍋はサイズと使用したい料理で決めよう
IH 対応土鍋を選ぶときには使用する人数に合ったサイズと、作りたい料理メニューに合った形状のものを選ぶことが大切です。また、浅型タイプは吹きこぼしがしやすいので、吹きこぼし対応しているものを選ぶと扱いやすくなります。土鍋は一般的な鍋料理以外にも、さまざまなレシピに使える万能鍋です。是非、自分にぴったりな土鍋を見つけて活用してみましょう。