パーコレーターという、コーヒー器具をご存知ですか?パーコレーターで淹れたコーヒーは野趣あふれる独特な風味と味わいで、特にアウトドア愛好家から根強い人気があります。実はコーヒーを淹れる以外にも、調理器具として使うこともできますよ。今回はアウトドアで便利に使えるパーコレーターについて、詳しくご紹介します。
パーコレーターとは?
毛細管現象を利用してコーヒーを抽出する仕組みの器具
パーコレーターとは、粗挽きのコーヒー豆と水をポットに入れ、毛細管現象で抽出する循環式コーヒー器具のことです。パーコレーターで淹れたコーヒーは野趣あふれる独特な風味で、野外で飲むにはぴったりの味わい。さらにパーコレーターはコーヒー粉を入れるバスケットを外せば、湯沸かしポットや調理鍋としても使うことが可能。様々な用途で使うことができるので、特にアウトドア愛好家に人気の高い品物です。
パーコレーターとよく似た構造のコーヒー器具として、マキネッタがあります。マキネッタとは、直火式エスプレッソマシンの総称。細挽きの豆を使用し、沸騰した水の蒸気圧を利用してコーヒーを抽出します。マキネッタの特徴は、火にかけっぱなしでも簡単に味も風味も均整のとれた、美味しいコーヒーを淹れることができること。パーコレーターに比べると、初心者向きのアウトドアコーヒーメーカーといえるでしょう。
パーコレーターの使い方
コーヒーを淹れる
ポットの中でコーヒー豆に何度もお湯をくぐらせてドリップする
パーコレーターのポットに水を入れ、コーヒー粉を入れたバスケットをセットします。そのまま蓋をして直火にかけると、バスケットの下からパイプを伝ってお湯が上がり、コーヒーを抽出します。抽出されたコーヒーは下に落ちてポット内のお湯と混ざり、再びパイプを通りコーヒー粉に注がれます。時間をおくほどコーヒーが濃く抽出されていくので、フタに付いた透明ノブからお湯の色の変化を確認しながら、火加減や時間を調節していきましょう。
濃度の調節がポイント
パーコレーターを使っている間は、常につきっきりでコーヒーが抽出される様子を確認しながら淹れなければなりません。コーヒーを煮立たせながら何度も循環し抽出していくので、香りが飛びやすく濃度の調節が難しいのが特徴です。そのため出来上がったコーヒーの味わいは、かなり強くワイルド。アウトドアならではの解放感や大雑把感と相まって、一度飲めば病みつきになりますよ。
麺類などの料理にも使える
湯沸かしポットや調理鍋として
パーコレーターはコーヒー粉を入れるバスケットを取り外せば、湯沸かしポットや調理鍋として使うことも可能。特に登山などで荷物を少しでも軽くしたい場合には、多機能で使える調理器具が重宝します。シチュエーションに合わせて様々な使い方ができるパーコレーターは、アウトドアにうってつけの品物といえるでしょう。
麺類の湯切りにとても便利
また、多くのパーコレーターの注ぎ口には穴が開いたフィルターが付いており、コーヒー粉がカップに混入するのを防ぐ役割を果たしています。このフィルターは、アウトドア料理を行う際の麺類の湯切りにも大変便利。ポット内で作った料理は蓋を開けてそのまま食べることができるので、皿に盛りつけることができない状況でも安心です。
パーコレーターの種類
ステンレス製
耐久性に優れお手入れも簡単
ステンレスは非常に錆に強く、強度が高いのが特徴。多少手荒に扱っても、変形したり破損したりする心配がありません。水に触れる機会が多く、過酷な状況に置かれがちなアウトドア用品にぴったりの素材です。
ステンレスの短所として熱伝導率が低いことがあげられますが、逆に保温性が高いともいえます。本体や各パーツがしっかり作られているものが多いので、その分値段が高く、重量も重くなる傾向があります。長く使うことを前提として、しっかりリサーチを重ねたうえで購入しましょう。
ホーロー製
インテリア性に優れ自宅での利用に最適
ホーローとは鉄やアルミなどの金属の上から、ガラス質の釉薬を焼き付けコーティングしたものです。強度があって熱伝導に優れた金属の特性と、耐食性があって美しい光沢のガラスの長所を組み合わせた、使い勝手の良い素材ですよ。臭い移りが少なく耐薬品性にも優れているので、キッチン用品に多く使われています。
ホーローは表面がガラスで覆われているため、落としたり衝撃を加えたりすると破損してしまいます。また、金属とガラスの2重構造でできているため、どうしても重量が重くなりがち。携行するには不向きな分、カラフルでデザイン性に優れた製品が多いのが特徴です。写真映えする素敵な見た目のものが多いので、おしゃれなキャンプの演出や自宅での利用に最適です。
パーコレーターの選び方
使用用途に合わせた容量のものを選ぶ
贅沢な一杯を楽しむなら500ml以下の小型タイプ
パーコレーターを使って香り高く美味しいコーヒーを楽しみたいなら、少量ずつ淹れられる500ml以下の小型タイプがおすすめ。小型タイプはカップ約2~3杯程度の容量なので、コーヒーが抽出されていく様子をじっくり確認しながら淹れることができます。贅沢な一杯を楽しみたいときに、最適のサイズです。
湯沸かしポットや調理鍋としても使うなら700ml以上の大容量タイプ
コーヒーを淹れるだけでなく、一度にたくさんのお湯を沸かしたり調理鍋として使うなら、700ml以上の大容量タイプがおすすめ。大人数でコーヒーを飲む際も一気に淹れることができるので、待ち時間なく楽しむことができます。容量が大きくなる分、パーコレーター自体の重量も重くなってしまうので、携行する際は注意が必要です。軽量素材のものを選んだり、重量に注意して選ぶと良いでしょう。
抽出方式で選ぶ
軽量で持ち運びに便利なのは直火式
アウトドアでパーコレーターを使うなら、焚火やガス火にかけてコーヒーを淹れることができる直火式が便利です。直火式パーコレーターは種類豊富で、使うシチュエーションや好みに合わせて選ぶことができますよ。直火式パーコレーターで淹れたコーヒーは風味や味を一定に作るのが難しいため、作るたびに異なる味わいが楽しめるのも魅力の一つです。
安全性を求めるなら電気式
自宅でパーコレーターを使うなら、使い勝手が良く安全性に優れた電気式のものがおすすめです。電気式パーコレーターは、コーヒーができるまで常に見張る必要がなく、比較的安定したコーヒーの味や風味を楽しめるのが特徴です。より利便性を求めるなら、コードレスタイプのものを選ぶと良いでしょう。
重量の違いで選ぶ
登山などに携行するなら500g以下だと負担にならない
登山やトレッキングにパーコレーターを携行するなら、なるべく軽量でかさばらないものに越したことはありません。単独状況下で使うなら、500g以下の軽量タイプで、700mlの容量があれば充分でしょう。なおかつ取っ手が折りたためるものだとバッグの中でかさばることなく、スマートに持ち運ぶことができますよ。
キャンプやバーベキューで使うなら700g以上だと安定しやすい
携行することを前提としないなら、パーコレーター自体の重量が700g以上あるものの方が安定感が増し、安全に使うことができます。 強風下でもぐらつきにくく、一度にたくさんのコーヒーを淹れることができるので、大人数でも安心。ホーロー製や厚みのあるステンレス製など、素材からこだわって製造されているものが多いのも特徴の一つ。高価格帯の製品が多いですが、その分長く使うことができます。
パーコレーターのおすすめブランド・メーカー
コールマン
アメリカで設立された老舗総合アウトドアブランド
おしゃれでリーズナブルなアウトドア用品から本格的なギアまで揃う、豊富なラインナップが魅力。価格と機能性のバランスの良い、アウトドア用品を多く生産しています。アウトドア初心者から上級者まで、幅広く親しまれています。
スノーピーク
新潟県燕三条市で生まれた国産ブランド
古くから鍛冶職人の街として栄えてきた、新潟県燕三条市。鍛冶のノウハウを生かした、ハイスペックでおしゃれな商品が特徴です。ユーザー本位の高品質なモノづくりを追求し、常に革新的な製品を生み出し続けています。
GSI
使い勝手よくデザイン性に優れたアウトドアキッチン用品
アウトドア用調理器具を販売する、アメリカサンディエゴ生まれのアウトドアブランド。使い勝手の良さはもちろん、アウトドアクッキングが楽しくなるようなカラフルでユニークなデザインの製品を数多く生産しています。ひねりのある、個性的なキッチングッズを探している方にもおすすめ。
キャプテンスタッグ
アウトドア用品の幅広いラインナップと抜群のコストパフォーマンス
パール金属株式会社が運営する、総合アウトドアブランド。手の出しやすい価格設定や、使いやすさを第一に考えた商品展開を行い、高品質低価格商品を数多く取り扱っています。小物から大きなテントまで幅広いラインナップが特徴で、アウトドア用品をそろえる上で欠かせないブランドです。
おすすめ&人気のパーコレーターランキング
ステンレス製でおすすめのパーコレーター
スノーピーク‐ステンレスパーコレーター6カップ PR-006 (10,340円)
ハンドルをたたんでコンパクトに収納できる
アウトドア先でも熱々の美味しいコーヒーが飲みたいという、ユーザーの要望を叶えたパーコレーターです。出来立てのカタカタ音と、淹れたての香りが最上の時間を演出。耐久性に優れたステンレス製で、焚火の炎でワイルドな味わいのコーヒーを楽しめます。
握りやすい設計のハンドルで、使い心地抜群。また、ハンドル部分は折りたたむことができ、かさばらずコンパクトに収納できます。専用のナイロンケースも付属されていて、携帯性にも優れています。
チヌーク-ティンバーライン ステンレスコーヒーパーコレーター6カップ (10,038円)
継ぎ目のない丈夫な仕様
容量は約710ml、重量370gの軽量パーコレーター。単独登山やソロキャンプにぴったりのサイズ感です。専用収納袋も付属されているので、別に用意する必要がなく携帯に便利。
パーコレーターの特徴である、コーヒーの濃さを確認する透明ノブは、持ち運び時に破損しないようプラスチックで作られています。熱が伝わりにくいウッドハンドルが採用され、加熱しても熱を持ちにくくなっていますよ。 携行することを前提に作られた、使い勝手の良い製品です。
ウエストベンド-パーコレーター (25,990円)
電気で稼働する自宅用パーコレーター
電気で稼働する、ステンレス製のパーコレーター。電源を確保する必要があり、さらにコードを外すことができない仕様なので、自宅での使用がおすすめです。すっきりとしたスマートな見た目とデザイン性の高さで、おしゃれなキッチンを演出してくれます。
12カップ分のコーヒーを一度に淹れることができます。コーヒーが出来上がると、ライトでお知らせ。保温機能が付いていますが、本体とハンドルは熱くならない設計なので不意に触れてしまっても安心です。
キャプテンスタッグ-18‐8ステンレス製パーコレーター M-1225 (3,042円)
コストパフォーマンスに優れた人気の品
リーズナブル、軽量、コンパクトと三拍子そろった人気のパーコレーター。コストパフォーマンスに優れているので、初めてパーコレーターを使う方にもおすすめ。 重さ390gの軽量タイプながら容量900mlで、ソロキャンプからグループキャンプまで大活躍してくれます。
本体はもちろんコーヒー粉を入れるバスケットまで、オールステンレスで作られています。金属製品にありがちな金属臭に悩まされることなく、美味しいコーヒーを楽しめますよ。 耐久性に優れ、長く愛用できる逸品です。
直火式でおすすめのパーコレーター
キャプテンスタッグ-パーコレーターM-1223 (2,945円)
アルミニウム製で軽量
1.2Lの容量で、約5カップ分のコーヒーが作れるパーコレーターです。持ち手はフェノール樹脂で耐熱性に優れ、持ちやすい形状。コーヒーを淹れるほか、調理器具としても充分なサイズ感です。
アルミニウムでできているため、重量260gと軽くて丈夫。アルミは熱伝導性に優れているため、加熱冷却を短時間で行うことができます。ステンレス製に比べて保温性は劣りますが、軽量さと携行しやすさを重視するならアルミ製がおすすめ。ステンレス製は重すぎると感じている方や、荷物を少しでも軽くしたい登山時にはぴったりの素材です。
GSI-デラックスエナメルパーコレーター (7,260円)
レトロな雰囲気のかわいいフォルム
クリーム色の本体にくすんだ緑がアクセントになった、レトロで雰囲気のあるパーコレーターです。容量は1.2L、約8カップ分のコーヒーを作ることができます。蓋が取っ手とつながっているので、うっかり落としてしまう心配がありません。
厚い鉄板に施されたホーローは、700度以上の熱処理を2回かけ、強固で美しい仕上り。重量は604gと、ホーロー製の中では比較的軽量です。同じシリーズでカップやプレートも展開されているので、セットで揃えればおしゃれなアウトドアクッキングを楽しめますよ。
ロゴス‐ステンレスパーコレーター 81210300 (7,220円)
メープルリーフの刻印がポイント
ブランドを象徴するメープルリーフの刻印がポイント。容量は約1.3L、約6カップ分のコーヒーを淹れることができます。木製の取っ手で熱くなりにくく、経年変化を楽しむこともできます。
本体重量は600gで、使い勝手の良いサイズ感。蓋と本体がつながっているので、片手で蓋を開閉することができます。外側にメモリが付いているため、計量に便利です。
ペトロマックス-マックスニューパーコマックス (6,512円)
シックなモノトーンでコーディネートしやすい
容量1.5Lと大きめの作りになっているので、大人数でのキャンプやアウトドアに最適。蓋部分に内部が見える透明ガラスがセッティングされていないので、パーコレーターを使い慣れていない場合は注意が必要です。本体はエナメルスチールのホーロー製、コーヒー粉を入れるバスケットはステンレス製で、耐久性も抜群。
黒と白の2色展開で、自宅でも野外でも使いやすい洗練されたデザイン。キャンプサイトを格好よくまとめたい方に、ぴったりのパーコレーターです。同じデザインのカップやプレートも展開されているので、統一感のあるハイセンスなアウトドアコーディネートを楽しめますよ。
大容量でおすすめのパーコレーター
コールマン-ステンレスパーコレーターⅢ 170-8028 (5,380円)
アウトドアでも家庭でも使いやすい
1.3Lの大容量で、約6カップ分のコーヒーを淹れることができます。本体は錆びにくく、頑丈なステンレス製。持ち手部分には熱伝導率の低い天然木が使われ、使い勝手の良さにこだわって作られています。
重量630gの安定感のあるフォルムで、キャンプに欠かせないシングルバーナーの五徳や、家庭用コンロにもフィットします。アウトドアだけでなく、自宅でも違和感なく使用できるのも嬉しいポイント。お手頃価格で手に入るので、初めて使う方にもおすすめです。
コールマン-エナメルコーヒー14カップパーコレーター (10,999円)
ダブルコーティングされたエナメルで強く見た目も良い
一度に14カップ分のコーヒーを淹れることができるので、グループキャンプにも最適。本体には二重のエナメルコーティングが施され、上部のフチ部分にはステンレススチールを採用。欠けたり擦れて塗装が剥がれるリスクを軽減してくれます。
青いボディの珍しいポットとして、アウトドアシーンをおしゃれに演出してくれます。 熱伝導率に優れ、傷付きにくく、破損にも強い仕様です。デザイン性に優れているので、自宅での利用にもおすすめ。
仔犬印-エルムパーコレーター 8人用 (7,227円)
日本製のパーコレーター
約1.2Lの大容量で、直火にかけるだけで一度にたくさんコーヒーを淹れることが可能。重量が890gあるので、どっしりと安定感があります。厚みのある本体で保温性に優れ、熱々のコーヒーを長時間楽しめますよ。
鋳物の街新潟県燕三条市で作られた、安心の日本製。IH電磁調理器では使用することができないので、注意が必要です。しっかりとした作りで、丈夫で故障も少ないため、アウトドアでの利用に最適。
GSI-ステンレスコニカルパーコレーター 28カップ (21,780円)
最大28カップ分入れられる大容量
ステンレスコニカルパーコレーターシリーズは、1200ml、2000ml、4100mlの3サイズ展開。特に4100mlは、他にはないかなりの大容量サイズです。一つ持っておけば、大人数でのアウトドアでも困ることはないでしょう。持ちやすいハンドル形状と、しずくが垂れないデザインの注ぎ口で、重量がありながら安定してコーヒーを注ぐことができます。
蓋のつまみ以外はオールステンレスで作られているので、錆や劣化の心配なく長く使うことが可能。レトロな見た目のかわいらしさにも定評があります。吊り下げ用の金具が付いているので、焚火に吊るしてフォトジェニックなアウトドアを楽しめるのも嬉しいポイント。
テックススポーツ-アルミニュームパーコレーター20カップ (8,999円)
大容量で熱伝導率の良いアルミ製
20カップ分の大容量サイズながら、約520gの軽量さが魅力。アルミでできた大容量サイズのパーコレーターは珍しく、使い込むほどに味わいが増していきますよ。アルミは軽量かつ熱伝導率が良く、防錆性や耐久性にも優れ、アウトドアにぴったりの素材です。
吊り下げもできるハンギングポットタイプなので、焚火をしながら雰囲気良く使用することができます。取っ手が付いていないので、カップに注ぐ際は吊り下げ金具と本体についたつまみを一緒に持って傾ける必要がありますよ。便利さだけを追求していない、アナログな使い方を楽しめるデザインが魅力です。
まとめ
コーヒーを淹れる以外にも様々な使い方を楽しめるパーコレーターがおすすめ
アウトドアという環境でコーヒーを淹れる楽しみを、より特別な時間に演出してくれるパーコレーター。使いこなすのにコツが必要で、難易度が高いコーヒー器具ですが、パーコレーターでしか出せない味わいのコーヒーを楽しむことができます。コーヒー器具としてだけではなく、湯沸かしポットや調理鍋としても使える優れものでもあります。ぜひお気に入りのパーコレーターで、充実したアウトドアライフを過ごしてくださいね。