ズボンをベルトで留めていると、お腹周りがきゅうくつに感じることがありますよね。そんな時に便利なのがサスペンダーです。サスペンダーは肩からズボンを吊るすことができるため、動きやすいだけでなく、身体のラインを綺麗に見せてくれる優れものの道具。今回はフォーマルやビジネスに使用できる実用的なタイプから、リラックスしたカジュアルスタイルに映えるタイプ、レディース用など、バラエティーに富んだサスペンダーを紹介します。ぜひお気に入りの一本を見つける参考にして、サスペンダーの魅力を楽しんでみてくださいね。
サスペンダーの特徴
ベルトがなくてもズボンがずれない
サスペンダーは日本でズボン吊りとも呼ばれるように、ズボンに2箇所から8箇所の留め具をつけ、肩から吊るす小物です。現在主流となっているベルトとは違う形で、18世紀の西欧で、ズボンをずれないようにする目的で考案されました。サスペンダーという言葉はアメリカ英語で、英国ではブレイシズもしくはブレイシーズというのが正式名称です。
スラックスを美しく見せ正装に使われる
サスペンダーはウエストを締め付けず、上半身でズボンの長さを調節できるため、スラックスのラインを美しく見せる効果があります。腰の位置を高く、足を長く見せてくれるのがうれしいですよね。正式な洋装ではベルトではなくサスペンダーを身に着ける習慣があり、弔事やタキシードは黒、燕尾服には白い無地などルールも決まっています。
サスペンダーの種類
H型
ノスタルジックな雰囲気の元祖サスペンダー
H型はサスペンダーの元祖。18世紀にはサスペンダーといえばこの形でした。背中の部分がHの形になっていて、中央部に横に縫い付けられた横布で強度を保ちます。当時のズボンは股上が胸の下くらいまであり、サスペンダーはズボンを吊るすための必需品。ジャケットの下だけでなく屋外作業など、あらゆるズボンにサスペンダーが使われていました。
H型は丈夫で、両側のバンドの広がりも固定してくれます。ただ、寸法が決まっているので、体型にぴったり合ったサイズを選ぶ必要がありました。現在では横布を縫い付けず、両サイドのバンドを接合パーツで寄せるサスペンダーを、H型と呼ぶこともあります。ノスタルジックな雰囲気が魅力ですが、今ではあまり流通しておらず、希少価値のあるサスペンダーです。
X型
体型を選ばない改良型サスペンダー
18世紀終わりごろになると、X型のサスペンダーが主流になります。H型と違い、バンドを背中で交差させることによって、体型を問わずフィットしやすいよう改良された点がポイント。バンドが交わる部分は縫い付けられていないので、交差点の高さを変えられるのも、体格を問わずに使えるポイントです。
現在流通している主なサスペンダーの中では、留める場所が最も多く4点留め方式なのがX型。ズボンをしっかり固定したい人におすすめです。背中にもサスペンダーらしい存在感を発揮してくれるので、伝統的なサスペンダーの雰囲気を楽しみたい人、おしゃれな小物として活用したい人にもおすすめですよ。
Y型
着脱性に優れた現代型サスペンダー
Y型は19世紀中頃から流通し始めたと言われています。文字通り背中の部分はYの字の形に縫い付けられているので、横幅は決まっており、長さは身体の前面で調節するタイプ。調節できる範囲が限られているぶん、ズボンを安定して吊り下げたい人や肩へのフィット感が欲しい人は、幅広のバンドを選ぶのがコツです。
Y型の良いところは、X型に比べて軽快な装着感です。アクセサリーとしてサスペンダーを楽しむ人に、多く使われているのもこの形。ズボンを吊る目的だけでなく、上半身のラインをを綺麗に見せるため、あえて細身のバンドを選ぶという選択肢もあります。3点留め方式なので留め具が少なく、トイレが楽というメリットも。
ホルスター型
背中にフィットする行動型サスペンダー
もとは拳銃を吊るすことも兼ねたホルスター型。動きやすくて男らしいタイプのサスペンダーです。留め具はサイドの2点だけで、バンドは背中に背負うような形で肩周りにフィットするので、ショルダーサスペンダーとも呼ばれています。他の形のサスペンダーとはまた違う、背中で語る男の魅力を漂わせてくれるのがホルスター型です。
ホルスター型は、留め具が最も少ない2点方式。着脱は最も楽ですが、ズボンを固定する機能が優先の人には向きません。スーツの下に着用したい人、留め具に慣れていない人に初めての人におすすめです。スーツスタイルならジャケットの外から見えづらいので、サスペンダーをさりげなく使いたい人にもおすすめですよ。
サスペンダーの選び方
留め具で選ぶ
ボタン式なら留め具が見えず布地を傷めない
サスペンダーをボタンで留めるには、あらかじめズボンにボタンを縫い付けておく必要があります。ダブルボタン方式がほとんどなので、4点留めならボタンを8個。手間がかかるのと、ボタンが付いていない服には使えないというという難点がありますが、頑丈に留めることができます。ズボンを挟むクリップ式と違い、布地を傷める心配もありません。正装ではボタンを内側につけて、留め具が見えないようスマートに着こなしてみてくださいね。
クリップ式なら付け外しが簡単でどんなズボンにも使える
クリップ式の最大のメリットは、どんな服にも使えることです。毎日使いたい人、パンツにもスカートにも使いたいという女性には心強い味方です。衣服を挟むことにはなりますが、布地を傷めにくいよう内側にゴムなどの加工がされているタイプのクリップもありますよ。付け外しが簡単なので、忙しい朝の着替えやトイレの際に楽なのも、うれしいところです。
素材で選ぶ
ズボンを固定するなら幅広のゴムタイプ
ズボンを吊って固定するには、幅広のゴムバンドタイプがおすすめです。ズボンのずれをしっかりサポートしてくれるだけでなく、肩にフィットして、安心して使うことができます。フォーマルにはスタンダードなこの素材がおすすめですよ。サスペンダーは身体の縦のラインを強調してくれますが、幅広タイプならさらに着瘦せ効果が期待できるのもうれしいですよね。
プラスアルファのおしゃれならシルクや革製のタイプ
ファッションツールとして使うなら、思い切って変わった素材のサスペンダーを選ぶのもおすすめ。クラシカルな小物であるサスペンダーは、どれも存在感があって魅力的ですが、パーティーならネクタイとコーディネートできる華やかなシルクもおすすめです。革製なら長く愛用でき、おしゃれな小物にもなります。上級のコーディネートを楽しみたい人にもおすすめですよ。
セキュリティチェックなら金属不使用のタイプ
飛行機での移動が多い人におすすめなのがこのタイプです。空港のセキュリティチェックで、気になってしまうのがベルト。ベルトと同じくサスペンダーにも、サイズ調節の金具やクリップなど、金属が使われているものがほとんどです。金属不使用のタイプなら、いちいち外さずに通過できるので便利ですよね。ウインタースポーツや釣りなどで、金具がさびるのが心配という人にもおすすめです。
サスペンダーのおすすめブランド・メーカー
ALBERT THURSTON(アルバートサーストン)
英国の老舗メーカーが作る高品質で美しいサスペンダー
アルバートサーストンは、イギリスで1820年に創業したサスペンダーのトップブランド。英国の紳士に愛され、世界のセレブも使っている高品質なサスペンダーです。丁寧な作りもさることながら、伝統を感じさせる上品で洗練されたデザインが魅力です。
フィリップ
毎日使えるほどシンプルでコスパに優れている
機能的でシンプルなサスペンダーです。ベルトをしたくないのでサスペンダーを探しているという、初めての人にもおすすめ。コスパがよいので普段使いはもちろん、カラーバリエーションには白や黒の無地もあるので、冠婚葬祭にも使える万能タイプのサスペンダーです。
ORGUEI(オルゲイユ)
使うほどに愛着が増す少量生産のサスペンダー
オルゲイユはさりげないおしゃれを好む人に愛される、アメリカ発のブランドです。コンセプトは、町の小さな仕立屋さん。着る人の生活をイメージしながら、世界中から厳選した素材を、職人が丁寧に加工しています。日々を共にする自分だけのサスペンダーが欲しい人に、おすすめですよ。
タケオキクチ
ビジネスシーンで活躍するさりげない存在感
大ヒットドラマ相棒シリーズで、主演の水谷豊さんが着用しているのがこちら。どんなスーツにも合わせられるスタンダードタイプなのに、どこか存在感があるのは人気デザイナーズブランドならではですよね。使い勝手の良さと計算されたスマートなデザインが魅力の、サスペンダーです。
おすすめ&人気のサスペンダーランキング
フォーマルやパーティーにおすすめのサスペンダー
タニワタリ-タニワタリ フォーマル用 サスペンダー (9,900円)
老舗メーカーが作るお祝いの席にふさわしいサスペンダー
タニワタリは日本で初めてのサスペンダーメーカー。洋装が日本に普及し始めた明治時代から受け継がれた、日本の職人の誇りと情熱を生かして制作しています。徹底した品質管理で信頼できるサスペンダーです。
伝統的なデザインの白のサスペンダーは、お祝いの席にぴったり。3.5センチの幅広のゴムでY型と、しっかりした使い易い作りに加えて、ボタンとクリップの2wayが選べるのも嬉しいですよね。白のサスペンダーはシャツの色に馴染んでくれるので、さりげなく本物を使いこなしたい人にもおすすめです。
フィリップ-ホルスターサスペンダー30ミリ (5,980円)
7色のバリエーションから選べるマルチに使えるサスペンダー
カラーバリエーションが7色ある、実用的なホルスター型サスペンダー。サイズはMとLから選べ、スーツの下に毎日着用したい人におすすめです。無地のバンドには織り柄が入っており、素材はすべて日本製と細部にもこだわって作られています。
ホルスター型は留め具がサイドに2箇所だけと少ないので、サスペンダーの留め具に慣れていない初めての人にもおすすめ。着脱しやすくトイレの楽な、クリップ式なのもおすすめポイントです。カラーには白と黒もあるので、冠婚葬祭に使えるのもうれしいところ。
オルゲイユ-クラシックサスペンダー (12,650円)
丁寧なものづくりが活きたクラシカルモダンなサスペンダー
クラシカルなデザインの、色味がとても美しいY型サスペンダーです。数量限定で丁寧に作られているため、長く愛用できるサスペンダーを探している人におすすめ。シンプルな中に華やかさもあるので、パーティーでも自分らしい個性を演出することができます。
スーツだけでなく、デニムやワークパンツにも着回しできるのがおすすめポイント。留め具は2wayタイプなので、スーツにはボタン式、休日にはクリップ式と使い分けることもできます。温かみのあるオールドスタイルが好みの人にもおすすめですよ。
アルバートサーストン-サスペンダー Y型2WAY (13,200円)
深い色合いにゴールドの刺繡が映える品格のあるサスペンダー
世界的に評価の高い、アルバートサーストンのサスペンダー。格式の高いセレモニーでは、どんなサスペンダーを選んだらよいか迷うことがありますよね。基本的にフォーマルには白か黒ですが、ファッションセンスを問われる大人のパーティーでは、サスペンダーを知り尽くしたアルバートサーストンのブランド力が頼りになります。
バンドは3.5センチと標準的な太さの、Y型です。留め具はボタンとクリップの2way。丈夫で着け心地のよさにも定評のある高級サスペンダーですが、伝統を感じさせる英国製ならではの、刺しゅう入りのデザインもおすすめポイント。胸を張ってスーツを着こなせる、品格のあるサスペンダーです。
礼装俱楽部-2WAYシルクサスペンダーY型 (8,800円)
パーティーを存分に楽しめる個性的で華やかなサスペンダー
サスペンダーは下着に準じる小物なので、正式な席で上着を脱ぐのはNGです。でも、せっかくなら人に見せたいくらいの、お気に入りのサスペンダーを身に着けてみたいものですよね。セレモニーが終わったら上着を脱いで、くつろいで過ごすのもお祝いの席の醍醐味です。
思いっきり楽しく過ごしたい人におすすめなのが、ネクタイやポケットチーフともコーディネートできる、シルクのサスペンダー。Y型の2wayで使い易いタイプです。いちど揃えておけば、お祝いや交流のパーティーなど色々な席で活躍してくれるので便利です。シルク素材はデニムとも相性が良いので、ちょっと外した大人のカジュアルを楽しみたい人にも。
ビジネスや普段使いにおすすめのサスペンダー
タケオキクチ-サスペンダー メンズ 日本製 (8,800円)
大人の色気を醸し出すシンプルで実用的なサスペンダー
日本のデザイナーズブランド、タケオキクチのホルスター型サスペンダーです。ビジネス用として、年齢や体型を問わずに使える、スタンダードなタイプ。バンド幅は3センチで太すぎず細すぎず、最短60センチから100センチまで調節できるフリーサイズです。
単色で織り柄が入ったものと柄があるもの、9種類のバリエーションの中から選べます。派手さはないけれどスタイリッシュな、飽きの来ないサスペンダーを探している人におすすめ。シンプルなのに、どこのサスペンダーと聞かれそうな存在感も魅力です。
シュガーケーン-サスペンダークラッシック (12,980円)
デニムやダボパンに合わせやすいこだわりカジュアルのサスペンダー
ヴィンテージのアメリカンカジュアルを意識した、デニムやワークパンツに映えるY型サスペンダー。カントリースタイルのサスペンダーを楽しみたい人におすすめです。コーディネートしやすい色合いとさりげないストライプが、リラックスしたカジュアルスタイルにマッチしてくれます。
留め具はダブルボタンとクリップの2way。ファッションのアクセサリーとしてだけでなく、丈夫な作りなので、ズボンを吊る実用性に優れているのもポイントです。きれい目のチノパンなどにも合わせられるので、スーツを着ないで仕事をする人にもおすすめですよ。
WAIPER-イギリス軍復刻RAF ラバーサスペンダー (2,640円)
ソフトな色合いが魅力のボトムスを選ばないサスペンダー
イギリス軍でユニフォームの一部として使用されていたサスペンダーを、忠実に再現した復刻版サスペンダーです。バンド幅は3.5センチのY型で、フリーサイズ。留め具はダブルボタンのオールドスタイルです。軍隊では準正装としても使われていました。
カラーバリエーションはブラウンとグレーの2種類。ソフトでアーシーな色味なので、ボトムスを選ばず使えるのがおすすめポイントです。バンドの内側には軍用品らしさを醸し出す刻印も入っているので、アーミースタイルが好きな人にもおすすめ。
ベルトラボ- GEVAERTサスペンダー (1,980円)
スーツにもカジュアルにも使える アーガイルプリントのサスペンダー
ハイセンスなデザインで人気の、ベルギーのゲバルト社のファブリックを使用。日本のベルトメーカーが加工した、男女兼用サスペンダーです。最大サイズは成人男性のSからMサイズなので、比較的小柄な方向け。Y型のクリップ式で、長さは42センチから84センチのフリーサイズです。
女性や成長期の子供でも無理なく兼用できるサイズになっています。はっきりとした柄がコーディネートのポイントになり、色も3種類から選べるのがうれしいところ。きちんとした印象のあるアーガイル模様なので、カジュアルだけでなく仕事や制服に使えるのもおすすめポイントですよ。
KASAJIMA- 40mm幅 PC クイックサスペンダー (2,090円)
カラバリも7種類ある金属不使用のサスペンダー
4センチの広いゴム幅でしっかりホールドしてくれる、X型のサスペンダー。成人男性のLサイズに相当する、最長120センチの大きさです。ズボンを安定して固定したい人におすすめですよ。クリップ部分は丈夫で水に強いポリカーボネート製で、ウインタースポーツやアウトドアにも最適です。
金属不使用タイプです。そのため、セキュリティチェックの際に外したくないという人にも、便利に使えます。カラーバリエーションは7色あり、目立たない色から蛍光色やビビッドな色まで、選択肢があるのもうれしいですよね。
レディースでおすすめのサスペンダー
STYLE-M・Lから選べる15mmX型サスペンダー (660円)
20色から選べるコーデを楽しめるスタンダードタイプ
男女兼用のX型サスペンダーです。バンド幅は1.5センチと細身で、女性のバストラインや背中のラインを綺麗に見せてくれる効果があります。軽量で付け外しの楽なクリップ式なので、気軽にサスペンダーを楽しむことができるのがおすすめポイント。
スカートにもパンツにも合わせやすい、おしゃれでコスパのよいサスペンダーで、素材はすべて日本製。製造も国内の職人によるものと、品質にもこだわって作られています。20色のカラーバリエーションがあるので、初めての人にも、大人買いしてコーデを楽しみたい人にもおすすめ。お揃いや兼用にしたい人にもおすすめです。
BELMANI-栃木レザーのナローサスペンダー (3,850円)
上級コーデに欠かせない細身の本格レザータイプ
国内最高峰の品質を誇る、栃木レザーで作られたY型のサスペンダー。手間をかけて作られた上質ななめし革を使い、ハンドメイドで丁寧に加工されています。革製品の良さである、使い込むほどに身体に馴染む感触と、深みを増す味わいを楽しむことができるのがおすすめポイントです。
トレンドにかかわらず、時代を超えて使い続けられるので、マイペースで長く使えるサスペンダーを探している人におすすめですよ。珍しい素材なので、自分流のこだわりをもっておしゃれを楽しみたい人にも。カラーは3色から選べ、男女で兼用することもできます。
HARVESTY(ハーベスティー)-サスペンダー プミラ pumila (5,500円)
スカートにもパンツにも合わせやすい太目のナチュラルタイプ
大人のための上質な日常着を提案する国内ブランド、ハーベスティーの女性用サスペンダーです。Y型のクリップ式で、ゴム幅が4センチと太いのが特徴。動くことの多い場面でも、ボトムスをしっかりホールドすることができます。幅が広いので、ワイドパンツやボリュームのあるスカートにもぴったり。
カラーはベージュ、ブラウン、ミリタリーグリーンで、どんなファッションにもしっくり馴染んで使うことができます。ナチュラルな色味ですがサスペンダーとしての存在感は抜群。サイズ調節の金具にブランド名が入っているなど細かいこだわりも、自然派のおしゃれさんへのおすすめポイントです。
まとめ
使うシーンに最適なサスペンダーがおすすめ
サスペンダーは、お腹の窮屈さやズボンのずれを気にすることなく過ごすための、便利な衣料小物。伝統を感じられる格式のあるタイプ、実用的でシンプルなタイプ、どれも魅力的ですよね。サスペンダーはズボンを吊るだけでなく、ワンランク上のおしゃれを楽しめるファッションツールでもあります。ぜひお気に入りの一本を選んで、サスペンダーの魅力を楽しんでみてくださいね。