PCは自分で組み立てた方が、好みや要望に合ったものになりますよね。最初に必要になるのがPCケースです。そこで今回は人気のPCケースをランキング形式でご紹介します。PCケースの選び方次第で思い通りのPCになるかどうかが決まると言っても過言ではありません。種類や選ぶ基準なども解説しますので、PCケース選びにぜひ役立ててください。
PCケースの特徴
冷却や静音の役割を果たして精密機器を守る
PCケースはマザーボードをはじめとする精密機器を、外からの衝撃や埃などから保護してくれます。さらに、冷却性を高める構造や、静音性を追求した素材を採用することで、PCを快適に使えるようにしてくれます。単にPCパーツを収納するためだけにあるわけではないのですね。
拡張性が高いのでPCパーツをカスタマイズしながら長く使える
PCを組み立ててから時間が経てば、どうしてもパーツが劣化してしまいます。けれど、使えなくなったパーツを新しいものに入れ替えれば大丈夫。PCケースは拡張性が高く、PCスペックのバージョンアップが可能です。そのため、カスタマイズすれば一度組み立てたPCを長く使えるというメリットがあります。
PCケースの種類
大型
拡張性抜群でPCをヘビーに使っても熱がこもりにくい
フルタワーと呼ばれる大型のPCケースは、高さと奥行きが55cmを超えるものがほとんどです。その分ケース内部の空間が広くなっています。それによるメリットは2つ。熱のこもりにくさと、PCパーツをたくさん取り付けられる拡張性の高さです。十分なスペースが確保されており、大型の冷却ファンを取り付けることもできます。
エアフローに優れていて熱暴走を防ぎます。よって、4K高解像度など、負荷のかかるゲームプレイをしたい人に最適です。また、動画編集をする人にも向いています。8K動画の編集を視野に入れているなら、大型のPCケースを選んでおくといいでしょう。
中型
大きすぎず拡張性も高い豊富な選択肢を持つPCケース
中型のPCケースはミドルタワーと呼ばれます。高さと奥行きが40cmから50cmが大きさの目安です。ケース内のスペースは十分にあり、SSDなどを複数搭載できます。ゲームプレイや動画編集に必要なハイスペックPCの組み立てが可能。それでいてフルタワーに比べて省スペースなので、バランスがいいPCケースと言えるでしょう。
ミドルタワーは人気が高いので、種類が豊富なのも特徴です。拡張性を重視したもの、冷却を優先したもの、様々な選択肢があります。性能だけでなくデザインの面でも気に入るPCケースを見つけやすいです。初めてPCを自作する人にもおすすめできます。
小型
省スペースで持ち運びもできる多彩なデザインが魅力
小型のPCケースはミニタワーやキューブ型、スリムケースなどバラエティーが豊富です。どのタイプも高さと奥行きが40cm未満、幅20cm未満のものがほとんどで、置く場所に困りません。ハンドル付きの持ち運びができるPCケースも中にはあります。気軽に移動させてPCを使いたい人にはうってつけですね。
動作させるのはOfficeぐらいというようなビジネス使いには、小型のPCケースがおすすめです。また、動画視聴やネットサーフィンができれば十分という場合も、小型のPCケースで事足ります。ストレージやメモリを複数搭載できるタイプを選べば、SSDを1つ増設するなど、ある程度のカスタマイズは可能です。
PCケースの選び方
マザーボードの種類で選ぶ
小型PCで拡張性も確保したいならMicroATX対応のケースを
MicroATXは24cm×24cmの正方形。コンパクトなマザーボードです。小型のPCケースに収まります。さらに、MicroATXは拡張性も高いのが特徴です。具体的には、メモリスロットが2から4本、グラフィックボードなどを搭載する拡張スロットが最大4本あります。MicroATXを使って組み立てれば、小型PCでも性能を向上させられるというわけです。小型PCケースにはMicroATXに対応していないものもあるので、しっかりチェックしましょう。
PCをフル活用するなら拡張性の高いATXが収まるミドルタワー以上
ATXは拡張性の高いマザーボードで、ハイスペックなPCではよく使われています。拡張性が高い分サイズが大きくなり、小型のPCケースには収まりません。ミドルタワー以上のケースが必要です。ATXは、グラフィックボード及びUSBなどの拡張カードを搭載する拡張スロットが最大で7本、メモリスロット数も4から8本となっています。
性能で選ぶ
冷却性能を重視するならメッシュパネルを使用したケース
PCの冷却性能を高めたいなら、ケースがメッシュ状になっているものがおすすめです。内部に大量の空気が取り込めて風通しもよく、ケースの外へ熱を逃がしてくれます。PCを動作させると熱はどうしても発生するものです。ケース内の温度が高すぎればパフォーマンスに影響する上、PCパーツを破損させかねません。特に高いスペックのPCを組み立てたい場合は確かな冷却性能が必要です。
静音性能にこだわるなら密閉性の高いケースがおすすめ
PCを使っていると、意外とその動作音が気になるものです。集中してPCを使いたいなら、密閉性の高いケースを選びましょう。密封性の高いケースなら、嫌なノイズをしっかり閉じ込めてくれます。ケースに遮音材や吸音材が付いているタイプですと、さらに静音性が高まります。PCを仕事で使う場合や、静かな環境で作業をしたい場合は、静音性は大事なポイントです。
PCを使う時の利便性で選ぶ
USBやヘッドフォンを多用するなら端子がフロントパネルに付いているケースを
USBやヘッドフォンの端子はフロントパネルに多くあると便利です。裏面だとUSBなどを抜き差ししにくく、トップにあってもPCを置く場所によっては不便な場合があります。USBで接続する光学ドライブやプリンターなどをよく使うなら、フロントパネルに必要な数の端子があるか確認しましょう。意外と見落としがちなので注意してください。
頻繁にカスタマイズするなら組み立てに工具不要のPCケースが便利
PCケースの中には、工具を使わずにPCパーツを組み込めるタイプもあります。度々PCパーツを増設したり入れ替えたりするなら、とても便利ですよね。また、手で簡単にケースを開けることができるため、掃除やメンテナンスもしやすくなります。工具が必要ないとなると、自作PC初心者にもとっつきやすいのではないでしょうか。
PCケースのおすすめブランド・メーカー
Cooler Master(クーラーマスター)
小型から大型までレイアウトの自由度が高いPCケースを多く扱う
台湾に本社を構えるCooler Masterは、PCケースをはじめ様々なPC機器を販売しています。PCケースに関しては、大型から小型まで取り扱っていてそれぞれ種類も豊富です。構成パーツを好きに付け外しできて見た目もカスタマイズできる、自由度の高いPCケースを販売しています。
Thermaltake(サーマルテイク)
ドレスアップされたPCパーツを眺めたいマニア向けのPCケースが豊富
年間販売台数1位を讃えるBNCアワード。そのPCケース部門で最優秀賞に輝いているメーカーです。品質の良さとデザイン性が高く評価されています。特にカスタム性の高いオープンフレーム型PCケースは、PC内部を美しく見せたい人に最適です。
CORSAIR(コルセア)
性能のバランスが取れたコアゲーマーも納得するPCケース
CORSAIRはゲーマーから高く支持されているメーカーです。そのため、PCケースもミドルタワー以上が充実しています。拡張性、冷却性、静音性、それぞれに特化したケースを取りそろえているので、用途に合ったものが見つかるでしょう。シンプルでシックなデザインが特徴です。
MSI(エムエスアイ)
光りを好きにコントロールできるRGBLEDファン搭載のPCケースがそろう
台湾に本社を置くMSIはグラフィックボードで有名ですが、PCケースも優れています。特徴的なのは、RGBLEDファンが搭載されたケースです。RGBLEDファンは光りの色を制御できるので、PCの見た目にこだわる人に特に向いています。
おすすめ&人気のPCケースランキング
中型でおすすめのPCケース
CORSAIR-110R TG (6,860円)
ケース内を自由にレイアウトできてエアフローもしっかり確保されている
こちらは冷却性能に優れたタイプのミドルタワーです。120mmの冷却ファンを最大5基取り付けるスペースが確保されています。また、好みによって大型のラジエーターを搭載することも可能です。さらに、取り付けの難しいCPUクーラーもマザーボードを外さず装着できます。冷却に重要なパーツなので、簡単に取り付けられるのは助かりますね。
裏配線スペースがあり、ケーブルホールも備わっているので、邪魔なケーブルを整理できます。その点でもエアフロー効果は高いです。光学ドライブなどを搭載するための5.25インチベイと、2本の3.5インチ対応リムーバブルシャドウベイは取り外せます。ケース内を自由にレイアウトしたい人におすすめです。
MSI–MAG VAMPIRIC 010 (7,812円)
ファンの色をコントロールできる冷却性能の高いPCケース
こちらのミドルタワーは最大6基の冷却ファンを搭載できます。また、360mmの大型ラジエーターを取り付けられるスペースが確保されていて、エアフロー効果が高いです。PCをハイスペックに構成して使いたい人に向いています。
注目は、LEDの明るさや色をコントロールできるアドレサブルRGBファンが装備されている点です。強化ガラスパネルが明るいグレーカラーなのでLEDがぎらつかず、PC内部を美しく見せてくれます。ケース上部に磁石固定型フィルターが取り付けられているのも特徴です。掃除が楽しくなりますよ。
Cooler Master–MasterBox MB311L ARGB (8,799円)
独自のメッシュと多数の冷却ファンスペースで通気性抜群
こちらは通気性を重視したPCケースです。フロントパネルが一面メッシュ状になっている他、トップパネルにもメッシュが採用されています。さらに、フロントの両サイドにもメッシュを使用。自然にエアフローが最適化されています。
フロント部分のメッシュは独自の加工がなされており、通気性がありながら埃も侵入しにくい作りです。また、冷却ファンを最大6基取り付けられます。冷却にとことんこだわりたい人にうってつけのPCケースと言えるでしょう。
Thermaltake-Versa H26 (4,158円)
冷却性能が高くコスパもいい白のPCケース
高コスパのPCケースをお探しならこちらがおすすめです。冷却性能については、ファンが最大7基搭載可能で、パネルにも通気性が考慮されています。フロントパネルの下半分がメッシュ状、トップパネルはほぼ一面が蜂の巣状の通気孔仕様です。防塵フィルターが装備されているため、埃の侵入も防ぎます。
電源カバーにケーブル類をまとめることができる他、ケーブルホールも多数備わっています。配線しやすい構造になっているのも、こちらのPCケースの特徴です。PCケースは黒が主流で白は珍しいので、白いケースを探している人にもおすすめします。
Cooler Master-MasterBox Q500L (11,404円)
横置きも可能でコンパクトさが魅力のミドルタワー
ミドルタワーでありながら、幅23cmで奥行きも40cm未満とコンパクト。さらに横置きすることもできます。ミドルタワーが欲しいけれど置き場所が限られている、という場合におすすめです。電源ユニットの位置を変更でき、冷却ファンも好きなところにレイアウトできます。つまり、自分の使いやすいように構成可能なのです。
幾何学模様がデザインされているのはダストフィルターで、簡単に取り外せるようになっています。掃除をするのが楽ですね。裏配線のためのスペースが確保されているので、PC内部を美しく見せたい人にもおすすめします。
小型でおすすめのPCケース
Cooler Master-MasterCase H100 (7,267円)
ハンドル付きで持ち運びができるMini‒ITX対応のキューブ型ケース
PCを持ち運びできると便利ですよね。こちらのPCケースなら、その要望も叶えてくれます。高さ奥行きともに30cm程度と超コンパクトなキューブ型。しかも、持ち運びしやすいハンドル付きです。SSDを搭載する2.5インチドライブベイは4本あり、冷却ファンやラジエーターを搭載するスペースも確保されています。
さらに、大口径のRGBファンが備わっていて、エアフロー効果も問題ありません。ファンのRGBライトは付属のコントローラーで制御できます。コンパクトなのに見た目でも楽しめる仕様になっているのですね。対応のマザーボードはMini‒ITXです。
Thermaltake-Versa H18 (3,108円)
MicroATX対応で拡張性能に優れたミニタワーケース
奥行き高さともに40cm未満、幅は約20cmのミニタワーケースです。前面がメッシュパネルになっていて、冷却ファンも最大で5基搭載可能です。余計なケーブルをまとめられる電源カバーが搭載されていて、エアフロー効果に優れています。
コンパクトながら拡張性も高く、ドライブベイは3.5と2.5が2本、拡張スロットは4本備わっています。HDDやSSDの増設も問題なくできますね。また、MicroATXとMini-ITXに対応しているので必要に応じてメモリなどを増設可能です。コスパのいいミニタワーをお探しの人におすすめします。
SAMA-舞黒透 MK-01W (4,107円)
アクリル仕様のサイドパネルとLEDファンが搭載された高コスパなミニタワーケース
Mini‒ITXと拡張性の高いMicroATXに対応しているミニタワーPCケースです。サイズは幅186mm×高さ360mm×奥行き377mmとなっています。5.25インチベイも備わっているので、Blu-rayドライブなどを搭載可能です。
サイドパネルは全面アクリル仕様です。LEDファンが装備されているので、LEDに照らされたPC内部を見て楽しむことができます。置き場所は限られているものの、性能と見た目にこだわったPCを自作したい人におすすめです。
SHARKOON-SHA-S1000-W (7,440円)
コンパクトながらエアフローも拡張性も文句なしのミニタワーケース
小型のPCケースで気になることといえば、エアフローの効率です。こちらのPCケースは、フロントに装備されたファンが空気を取り込み、そのまま背面へ流すトンネル構造をしています。よって、小型でもエアフローに関して心配がいりません。
なおかつ、MicroATXに対応しているので拡張性も問題なしです。マイクとヘッドフォンの端子と2つのUSB 3.0ポートはフロントパネル上部にあります。楽に接続できるので、周辺機器をよく使う人には便利です。
静音重視でおすすめのPCケース
FRACTAL DESIGN-Define R6 FD-CA-DEF-R6 (15,280円)
遮音パネルでノイズを吸収する静音性能に長けたミドルタワーケース
Silentと名付けられている通り、静音性にこだわったミドルタワーPCケースです。フロントドアがノイズを遮断する仕様になっています。それだけではなく、二層構造の遮音パネルがPCから発生するノイズを吸収するため静かなのです。
本体にサイドスリットを設け、通気性も確保しています。また、計4基のファンが標準搭載されているので、エアフローの心配は不要です。ファンは回転数を制御することでノイズを軽減しています。静かな環境で集中して作業したい人には最適のPCケースです。
ANTEC-P100 (8,868円)
密封型のフロントドアと遮音パネルで優れた静音性を保つ
ANTECは静音PCケースの元祖と言われています。こちらのミドルタワーPCケースの特徴は、270度開閉する密閉型フロントドアです。それに加えて、サイドパネルに3mm厚のスポンジを貼り合わせた二層構造パネルが採用されています。
ケースのトップ部分の一部も遮音パネルで塞がれていますが、冷却が必要ならファンを取り付けることも可能です。静音と冷却、自分の好みのバランスで構成したい人に向いています。また、USBポートやマイク、ヘッドフォンの端子がフロント部分に設置されているので接続に便利です。
Cooler Master-Silencio S600 (12,780円)
複数の遮音材でノイズをカットするコンパクトなミドルタワーケース
設計段階からサウンド測定機器を使用してデータを集め、作られたPCケースです。その結果、複雑なシステムノイズが最小限に抑えられています。さらに防音材を丁寧に配置。それも1種類ではありません。ソフトで厚みのあるフォーム材、高密度ビニールなど、場所によって使い分けられています。
ノイズを抑えるラバーパッドを備えたファンが2基標準搭載。また、トップの遮音パネルカバーを付属のダストフィルターに交換可能で、通気性を高めることができます。奥行き高さが50cmを下回るコンパクト設計が魅力です。省スペースの静音PCを組み立てたい人におすすめします。
サイズ-SCY-DFR5 (7,485円)
各所に高密度遮音素材を採用した手頃な価格の静音PCケース
両サイドパネルとフロントドア、及びトップパネルに高密度遮音材を使用した静音タイプのミドルタワーです。トップのパネルは、静音パネルと冷却メッシュの2種類から選べます。電源搭載部と3.5インチシャドウベイをサイレントカバーで覆い、より静音性能を高めているのが特徴です。
工具不要の3.5インチベイが2本、それ以外にも2.5インチベイが3本あり、HDDやSSDを複数搭載可能です。ファンは3基搭載されていますが、さらに増設もできます。拡張性は十分と言えるでしょう。高性能で価格は手頃。高コスパの静音PCケースを探している人におすすめです。
be quiet!-SILENT BASE 801 (31,680円)
エアフロー効率を高めながらも静音性に優れたゲーミングPCケース
最大の特徴は、マザーボードを上下反転してレイアウトできる点です。これにより、PC内部で最も負荷がかかって発熱するグラフィックボードとCPUを最適なエアフローの位置に配置できます。ゲームや動画編集でへビーにPCを使う人におすすめです。
独自に設計された通気孔が、エアフローを確保しながらも騒音を抑えます。フロントとトップ、加えてサイドにそれぞれ10mmの非常に厚いダンピングマットが標準装備。ノイズや振動を最小限にしてくれます。静音性を追求しながらも冷却性でも妥協しない、優れたミドルタワーPCケースです。
まとめ
レイアウトのしやすいPCケースがおすすめ
大前提として、PCケースは好みのPCを組み立てるために使うものです。よって、PCパーツを好きにレイアウトできるかどうかは重要になります。そのために、拡張性をしっかりチェックしましょう。置き場所と相談しながら、適度なサイズで、SSDやメモリを必要な分だけ搭載できるPCケースを探してみてください。