お菓子作りに使うイメージが強い料理刷毛。わざわざ用意せずともスプーンや指で代用できそうですが、実は料理刷毛を使うのと使わないのとでは手際と見映えに差が生まれます。そこで、今回はおすすめの料理刷毛をランキング形式でご紹介。また、料理刷毛は毛の種類によって合う使い方が異なるため、種類や選び方についても解説します。とくに、初めて使う料理刷毛を探している方は参考にしてみてくださいね。
料理刷毛の必要性
料理刷毛を使うことで料理の味と見栄えをランクアップ
料理刷毛は、液体や粉を食材の表面に少量ずつ、均一の厚さで塗ることができます。スプーンや手を使うと、まだらになったりダマになったりしやすく、余計な力が加わって食材の形を変えてしまう場合も。調理中はわかりづらいものの、出来上がりの見た目や味の濃さにバラつきが生まれます。料理刷毛なら、力を加えずにまんべんなく塗ることができるため、味と見栄えを損なわずに調理できるのです。
料理刷毛の使い方
製菓製パンのツヤ出しや焼き料理のタレ塗りに
洋菓子作りには料理刷毛は欠かせません。焼く前に生地の表面に溶き卵を塗ると、表面にツヤが生まれ、そのまま焼くよりも格段に美味しそうな見た目に仕上げられます。また、焼きとうもろこしや焼き鳥にも料理刷毛があると便利。タレを薄く塗り重ねられるため、食材にじっくり味を染み込ませることができるのです。
生地や食材についた余分な粉を落とす
料理刷毛は卵液やタレを塗ることのほか、粉を払い落とすことにも使えます。生地を伸ばしたり成形したりする前に、台や手に生地がつかないように使う打ち粉、天ぷらやムニエルの粉。手を使うと粉を生地に押しつけてしまうため、味に影響しがちです。料理刷毛は生地を傷つけずに、粉だけを払えます。
お菓子の型や鉄板などの油引き
薄く均一に、かつ手早く作業できるのが料理刷毛の利点です。ホットプレートなどを使った鉄板料理には、幅広の平刷毛を使うと油引きを手早く終わらせることが可能。また、たこ焼き機やマドレーヌ型の油引きにも料理刷毛を使うことで、型の隅々や凹凸にも塗り残しをつくりません。
料理刷毛の種類
天然毛
動物の毛を使用しており液体から粉まで扱いやすい
天然毛の料理刷毛は、山羊や馬、豚の毛が使用されています。総じて、ほどよい柔軟性を持っており、毛先も細いため食材の表面を傷つけにくいのが特徴。動物の毛は水分をよく含むため液体を塗りやすく、お菓子やパン作りの際にあると便利です。
毛の1本が細く密度もある天然毛の料理刷毛は、粉の扱いにも長けています。粉を払い落とす際は生地や食材を傷つけず余分な粉だけを払い落とせ、粉をまぶす際はブラシ部分をぽんぽんと当てることで薄づきに。液体に限らず、粉にも使いやすいのが天然毛の料理刷毛です。
人工毛
扱いやすいため料理初心者や子供のお手伝いにも
ブラシ部分に大量生産可能なナイロンなどの化学繊維を使用しているため、天然毛に比べて安価。手入れも天然毛ほど気を使わなくていいため、料理や製菓ビギナー、子供でも使いやすいです。また、毛切れの心配が少なくメーカーによっては毛に抗菌を施しているため、衛生面が気になる方にも人工毛はおすすめですよ。
細い人工毛ではなく、シリコンを使用した料理刷毛も登場しています。抜け毛もなく液体の浸透もないため、より衛生的に使えると人気。とくに、持ち手と刷毛もシリコン製で、分割できるタイプは食洗機の使用が可能なため、後片付けも楽になりますよ。
料理刷毛の選び方
作る料理のレシピ内容で選ぶ
ツヤ出しにはやわらかい馬毛がおすすめ
お菓子やパンの仕上げに欠かせないのが溶いた卵、ドリュールを塗る作業です。作るものによってはバターが溶けたり生地が乾燥したりする可能性があるため、いかに手早く塗るかがポイント。加えて、生地の表面を傷つけないようにする必要もあります。天然の馬毛は、毛先のまとまりの良さと水分の含み具合からツヤ出しにぴったり。毛が卵を絡めて吸うため、1度ひたすだけでツヤ出しを多くこなせますよ。
シロップやジャムを塗るなら硬めの豚毛
豚毛は毛の1本1本が硬くて弾力性があり、枝毛になっていることで液体の含みと絡みが良い特徴があります。しなるためスポンジへのシロップ打ちにも最適。とくに、フルーツのツヤ出しであるナパージュやジャムなど、とろみの多いどろっとした液体を塗るのに向いています。ケーキの中でも、タルトをよく作る方に豚毛の料理刷毛はおすすめですよ。
デリケートな生地の粉を落とすなら毛が細い山羊毛
山羊の毛は、馬毛や豚毛よりも細くてやわらかいため、とくに生地が傷つきやすいものに向いています。もちろん、水分の含みも良いため洋菓子作りが多い方にもおすすめですが、とくに、使ってほしいのは和菓子作りが趣味の方です。大福や団子の成形の際についた余分な粉を払うのに山羊の料理刷毛はぴったり。山羊の毛は当たり具合がとてもソフトなので繊細な生地を傷つけず、粉を薄づきに仕上げてくれますよ。
サイズで選ぶ
丸焼きなど大きな料理には幅が5cm以上あると便利
料理刷毛の主流はブラシの横幅が4cmから5cm。手の幅サイズのものに何かを塗る際にちょうどいい大きさです。素材を丸ごと使った料理やホールケーキなど、作るものが両の手の幅より大きのであれば、ブラシの横幅が5cm以上の料理刷毛がおすすめ。大きい分だけ刷毛への液体の含みも充分かつ、広い面積を一気に塗り広げられるため、浸け足しの手間が省けますよ。
幅が3cmから4cmなら凹凸の多い小さな型にも使いやすい
手に乗るサイズの器やマフィン型への油引き、フルーツへのシロップ塗りには幅が小さめの料理刷毛がぴったりです。 型やフルーツの形にフィットしつつ小回りが利くため、塗り残しを作りません。また、平筆タイプに加えて、丸筆タイプを揃えておくのもおすすめです。 凹凸が少ないなら平筆、多いなら丸筆と使い分けることで丁寧に作業ができ、見栄えも美しくなります。
手入れのしやすさで選ぶ
人工繊維なら水洗いでも早く乾く
人工繊維の料理刷毛は、天然毛に比べて丈夫かつ手入れが簡単です。使ったあと、多少放置して毛先が固まってしまっても水に浸けておけますし、ぬるま湯で洗うことが可能。また、ポリエステルなどは多少の水分を含む特徴がありますが、天然毛よりも含み具合が低いため乾かす時間も手短です。手軽に扱える点で料理初心者におすすめですよ。
シリコン製なら食洗機に入れるだけで後片付けが終わる
シリコンそのものが耐熱性に優れており、食洗機使用可能な料理刷毛が多く出回っています。シリコンの料理刷毛は毛の1本1本が太く、ヘッドから直接生えて独立しているため、根元に汚れが詰まることもありません。持ち手と刷毛を分割できるタイプなら、継ぎ目も洗えて衛生的です。面倒な後片付けが簡単に終わる、長く衛生的に使える料理刷毛を探している方に、シリコン製はおすすめですよ。
料理刷毛のおすすめブランド・メーカー
富澤商店 cuoca(クオカ)
菓子職人も愛用する山羊毛の料理刷毛が人気
手作りのお菓子やパン作りには欠かせない食材から調理器具にいたるまで、幅広く取り扱っている専門店です。料理刷毛のラインナップは天然毛が多く、とくに、山羊毛が人気。実際に、お菓子作りが趣味の方からも使いやすいと評判ですよ。
CAKELAND(ケーキランド)
日本製の高品質な料理刷毛が揃う
製菓製パンに特化した調理器具メーカーが展開しているブランドです。料理刷毛はオーソドックスな平刷毛やケース付き、丸筆タイプとバリエーション豊富。また、日本製にこだわっているため品質と使い心地の良さは折り紙付きですよ。
MATFER(マトファー)
天然毛からシリコンの料理刷毛まで扱うフランスのメーカー
プロの中では名前を知らない人はいないと言われるほどに有名な、フランスを代表する調理器具のメーカーです。豚毛の料理刷毛が多く、サイズ展開もあるためお菓子作りには欠かせません。シリコンタイプは、分割して洗える点が好評ですよ。
無印良品
器具を同シリーズで揃えたくなるシンプルさが売り
簡素なデザインが魅力の無印良品。シリコン製の調理器具シリーズに、柄と刷毛が一体型になった料理刷毛もラインナップされています。実際に使った人からは、使いやすさと清潔さを保ちやすい点から高評価を受けていますよ。
おすすめ&人気の料理刷毛ランキング
天然毛でおすすめの料理刷毛
富澤商店 cuoca-折曲山羊刷毛 極 (1,424円)
動物の毛にありがちな抜け毛を克服した料理刷毛
天然毛に多く見られる、抜け毛が少ない料理刷毛です。毛をUの字に曲げ、柄で挟み込むことで抜けにくくなっています。さらに、刷毛と柄の固定は2段でゆるみもありません。料理刷毛は天然毛が好みであるものの、抜け毛がネックだという方におすすめですよ。
山羊の毛は細くて繊細なため、当たり加減はとてもソフトです。発酵させたパンの生地のツヤ出しに使用しても表面を傷つけず、形を崩すこともありません。粉を払う際も同様に優しく使えるため、使い勝手に優れていますよ。
MATFER-テリ刷毛 (396円)
お菓子作りのプロも愛用するフランス製の豚毛刷毛
高品質な豚の毛を使用しており、お菓子作りに最適です。枝毛状の毛は流れやすい液体を絡めとるため、刷毛に水分をたっぷりと含ませることが可能。4cmの長い毛足も相まって、1度刷毛を湿らせれば長いストロークで塗ることができますよ。
プロのパティシエから支持されるブランドなだけあって、全体の作りに抜かりはありません。毛と柄の接合部分は鉄で留められており、毛が抜け落ちないための工夫が見られます。プロと同じ道具を家で使えるのでおすすめですよ。
CAKELAND-ケーキ用塗り筆 (1,320円)
珍しい丸筆の料理刷毛は1本あると便利
木製の持ち手に豚の毛を接合した、筆タイプの料理刷毛です。刷毛部分は平筆タイプよりも厚みがあるため、液体をたっぷり吸い絡めてくれます。切りっぱなしの先端が食材の凹凸にほどよくフィット。とくに、フルーツのツヤ出しにおすすめですよ。
持ち手にある2か所のくびれは、作業によって使い分けが可能です。真ん中のくびれを持つと適度に力を込められるため、液体を塗り広げるのに最適。上部のくびれを指でつまむように持てば、力が入らず穂先のみが動くため、粉落としとしても使えます。
ふじたクッキング-江戸前寿司刷毛 (730円)
ひと塗りすれば和食の料理人気分を楽しめる
プロのお寿司屋さんなども愛用している料理刷毛です。刷毛には馬の毛を使用。短い毛足はタレなど、とろみのある液体を一定量で塗り広げることに長けています。焼きおにぎり、焼きとうもろこしなど、タレを塗りながら焼く料理におすすめです。
全長は23cmで柄は持ちやすさを考え、長めに作られています。直火や炭火の上で焼きながらタレを塗っていても極端な熱さを感じません。また、刷毛部分の横幅は3cmなので、焼き鳥など一口大の食材にぴったりです。
人工繊維でおすすめの料理刷毛
木曽駒印-ナイロンハケ (960円)
天然毛と変わらない使い心地を再現
刷毛部分にはナイロンを使用しています。芯がありつつ、しなやかな弾力は天然毛と同じ感覚で使うことが可能。多少の硬さがあるおかげで劣化しにくく、使っている最中の毛切れを最小限に抑えてくれます。
刷毛の幅は6cmで長さは4.4cmです。人工毛は天然毛に比べ、やや液体を含みにくいものの、毛量の多さと毛足の長さでカバーしているため気になりません。また、木柄にはサイズが印されており、一目で大きさがわかって便利ですよ。
貝印-カイハウスセレクト 塗り刷毛 (265円)
家庭での使いやすさを追求
アクリル繊維を使用しており当たり具合は比較的やわらかく、製菓から料理まで万能的に使えます。ソフトな毛先が生地や食材にフィットするため、繊細な作業にもばっちり。また、人工繊維でシミにもなりにくため、お好み焼きのソース塗りにも向いていますよ。
柄と刷毛の継ぎ目にはタレやソースの液垂れを防止するガードがついています。塗る作業が終わったあとに、容器の縁に料理刷毛を引っかけてもベタベタになることがありません。さらに、クリップもついており、容器の縁にひっかけておけるため使い勝手は抜群ですよ。
一高-NEO料理刷毛雪の舞 (604円)
衛生面と塗りやすさの工夫が人気の理由
木柄に切り込みを入れて間に毛束を挟み込む、埋め込み式の料理刷毛です。3段で持ち手と刷毛を締め上げているため、密着度も高め。隙間が小さく、汚れ詰まりは最小限に抑えられます。加えて、毛のナイロンには抗菌剤を使用しているため衛生的に使えますよ。
毛には波型の加工が施されています。ランダムなうねりが生まれることで、直毛よりもやわらかくなり、タレやシロップの絡まり具合も格段にアップ。刷毛を1度浸すだけで、多くの量を塗り広げることができますよ。
ENDO-スーパークリーン刷毛 (924円)
お菓子にも調理にも使えるオーソドックスな料理刷毛
家庭用に、まずは何にでも使える料理刷毛を探している方におすすめです。毛のやわらかさは、硬すぎず繊細すぎずといった中間タイプ。やわらかくてコシもあるため、とくに、繊細な生地のツヤ出しにぴったりですよ。
サイズは全長が26cmで末広がりの刷毛幅は4.5cm。毛の長さも4.5cmです。ナイロンの毛は丈夫で、多少ほぐして洗っても毛並みが乱れず、しっかり洗えます。さらに、持ち手には抗菌剤を配合しているため衛生的ですよ。
シリコン製でおすすめの料理刷毛
CAKELAND-シリコンクック刷毛 ペストリーブラシ (768円)
従来の料理刷毛から乗り換える人もいるほど人気
お菓子作りの道具を作っているメーカーの料理刷毛です。使いやすさから評判も上々。とくに、刷毛に汚れが詰まらない点と持ち手と刷毛部分を分割して洗える点が評価されています。従来の毛を使用した料理刷毛は、衛生面が気がかりだという方におすすめですよ。
料理刷毛の、洗ってすぐに片付けられない点をネックに感じている方にもおすすめです。繊維タイプと異なり、柄もブラシも水が染み込まないため風を通す必要はありません。いつも使っている調理器具同様、洗って拭きあげれば仕舞えるため、手入れも簡単ですよ。
MATFER-シリコンブラシ (887円)
プロが愛用するメーカー生まれのシリコンタイプ料理刷毛
シリコンにはプラチナを配合しているためゴム臭さがなく、快適な使い心地です。また、鮮やかなブルカラーはブラシに付着した液体や粉がはっきり見えるため、洗い残しなどのチェックも簡単。柄とブラシは分割して洗浄できるため、衛生的に、長く愛用できますよ。
毛の本数は17本が4列の、合計68本です。本数が多いため、比較的とろみの少ない液体でも垂れ落ちず、スムーズに塗り広げられます。シリコンの刷毛のしなやかな弾力と、持ち手のゆるやかなカーブが手にフィットして使いやすいですよ。
無印良品-シリコーンはけ (490円)
調理器具はシンプルかつ統一したい人に
黒1色のシンプルな、シリコンタイプの料理刷毛です。同シリーズのキッチン道具と揃えることで、雑多になりがちな調理器具もインテリア雑貨のようにお洒落にまとまります。また、黒は汚れが目立つため、すすぎ残しの有無などをチェックしやすい利点もあるのですよ。
刷毛部分の列の数は、5列と多めです。毛の本数が多いため、シリコンの料理刷毛にありがちな、刷毛を液体の中から出した途端にすぐ垂れ落ちてしまう弱点を克服しています。鉄板料理のタレ塗りからお菓子のツヤ出しにまで、万能的に使えますよ。
LE CREUSET-パストリーブラシ (1,650円)
ナチュラルテイストの見た目で調理中の気分もアップ
フランス生まれのキッチンウェアブランドから登場した料理刷毛です。木柄の色味と刷毛の色の組み合わせは、カントリー調でお洒落な印象。シリコンの料理刷毛は、色が派手すぎると感じている方におすすめですよ。
柄と刷毛を含めた長さは17.3cmで横幅は3cm、毛の長さは2.5cmです。シリコン部分には高品質かつ最高級なものを使用。使い勝手と衛生面ともに優れています。耐熱温度が250度と高くて熱湯消毒が可能なため、清潔に使い続けられますよ。
料理刷毛のお手入れ方法
汚れの詰まりやすい毛束の根元を重点的に洗う
刷毛の部分に天然毛や化学繊維を使用したものは、毛を束ねてヘッドで挟んだものが多く、根元に汚れがこびりつきやすいです。 中性洗剤を泡立てたら毛束の根元を軽く押して洗うと、固まった汚れが溶け出します。 ぬるま湯を張ったボウルの中での振り洗いも効果的。 水で洗い流したあとは、汚れや洗剤が残っていないか目と手で確認するのがポイントです。
カビ予防のためには風を通して完全乾燥させる
刷毛部分が天然毛、持ち手が木製の料理刷毛を仕舞う際は、乾ききってからにしましょう。水分が残ったままだと痛みやカビの原因になります。洗ったあとは清潔な布巾の上で塗るように動かして水分を拭き取り、風通しのいい場所に吊るしておきます。持ち手を下にして洗いかごに入れておくのは、刷毛の根元に水分が溜まってしまうため避けておきましょう。
まとめ
用途によって料理刷毛を使い分けるのがおすすめ
料理刷毛は刷毛部分の素材によって、塗りやすさや食材の傷つけにくさが異なります。まずは、万能的で手入れが簡単なシリコンや人工繊維の料理刷毛がおすすめ。その後は補うように別の素材の料理刷毛を揃え、粉と液体、油で使い分けるとそれぞれの使いやすさが際立ちますよ。今回は、おすすめの料理刷毛をランキング形式でご紹介しました。料理刷毛は1本あるだけで、料理中の手際や見栄えが変わります。ぜひ、料理刷毛を使って、いつもの料理やスイーツを簡単にランクアップさせてみてくださいね。