お店で食べるような香り高い手打ちそばや、つるつるしこしこの手打ちうどんを、自分で作れるようになったら嬉しいですよね。みんなに食べてもらいたいと頑張ってみても、いざ切るときに失敗してしまうのは、腕のせいではなく包丁のせいかもしれません。そこで今回は、人気ランキングの中でも特に選りすぐった、おすすめの麺切り包丁をご紹介します。扱いが難しそうに見える麺切り包丁について、使い方や選び方のコツ、手入れ方法や研ぎ方まで詳しく解説します。これから麺作りをはじめたい方も、そば打ちがうまくなりたいという方も、ぜひ自分に合った麺切り包丁を見つけて美味しい麺を作ってくださいね。
麺切り包丁の特徴
幅広で真っ直ぐな刃が柄の下まで伸びる
麺切り包丁は、江戸にそばが普及するのと同時に普及しました。幅の広い長方形のような形をしており、刃先は直角。刃は端から端まで一直線で、柄の下まで真っ直ぐ伸びています。短い方の辺も一見切れそうに見えますが、刃はついていません。
本体の重みを利用して麺を切り落とす
全体的にずっしりと重いものが多く、江戸流では1キロが標準とされています。本体の重みを利用して、リズミカルに麺を切り落としていきます。そばの実の産地などでは、料理の1つとして日常的にそばを作るため、菜切り包丁などで代用する人も。しかし、普通の包丁は刃がカーブしているため、長い麺を切るのは非常に難しく、専用の麺切り包丁の方が適しています。
麺切り包丁の使い方
駒板とセットで使用する場合が多い
麺類を切るときは、指の跡がつかないように生地の上に駒板というものを乗せる場合が多く、駒板の上を指で押さえながら切ります。駒板の幅は麺切り包丁の刃渡りよりも短くなり、標準サイズは幅24センチ。駒板を定規に見立て、麺切り包丁をぴったりつけながらスライドさせることで、麺を真っ直ぐきれいに切り落とせます。
刃の真ん中を意識して切るのがポイント
麺切り包丁は柄の奥をしっかり握り、人差し指を伸ばしてバランスをとります。親指と人差し指にはあまり力を入れ過ぎず、包丁の重みを利用しながら、手前から奥に向かって切ります。その時、刃の真ん中を意識しながらまな板と平行にスライドさせることで、刃の端から端まで同時に着地できますよ。
麺切り包丁の種類
片刃型
刃のついている側によって右利き用と左利き用がある
和包丁の多くは片刃となっており、麺切り包丁も基本的には片刃になります。片側のみに刃がついているという形状により、切り落とした側にだけ角度がつくため、食材の切り離れがよくなるのが特徴。右側に刃がついているのが右利き用で、左側に刃がついているのが左利き用です。
特に、そば切りには片刃が向いています。江戸流のそばの切り方は、切りべら23本と言われており、一寸を23で割った1.3ミリ幅に切るのが標準。それに対し、生地の厚さは1.5ミリが標準になります。生地の厚みより細く切り落とすためには、両刃よりも鋭利で切り離れのよい、片刃の麺切り包丁が必要になります。
両刃型
両側に刃があるので右利きでも左利きでも使える
両刃型は包丁の両側に刃がついており、その分刃先に厚みが出てきます。両刃型でそばを切ると角がつぶれやすくなるため、そば切りにはあまり向いていません。手打ちうどんや手打ちラーメンなど、駒板を使わず切る場合に両刃の麺切り包丁が多く使われます。
片刃と比べて切れ味は劣りますが、刃は長持ちします。使う人を選ばず、右利きでも左利きでも初心者でも扱いやすいのが特徴です。家族で気軽に麺づくりを楽しみたいという場合には、そばうどん兼用や右利き左利き兼用として両刃型を使用してもよいでしょう。ただ、両刃は両面とも均等に研ぐ必要がありますので、手入れが簡単なステンレス製がおすすめです。
麺切り包丁の選び方
大きさで選ぶ
そば切りなら刃渡り30cm以上の大きめサイズが切りやすい
麺棒でそば生地を伸ばして折りたたむと、だいたい幅20センチ以上になります。幅20センチ以上あるものを手前から奥にスライドさせて切るので、刃渡りは30センチくらいあった方が、刃の前後に余裕ができて切りやすくなりますよ。江戸流では幅11センチで長さ33センチの麺切り包丁が最適とされていますが、一度にどの位の量を打つかによっても目安が変わってきます。生そば一人前の重さは約120グラムです。一度に四人前くらいまでなら500グラムで足りるので、刃渡り27センチくらいでも可能。八人前くらいなら1キロとなり、刃渡り30センチくらいが丁度よくなります。1.5キロ以上だと折り重ねた分だけ幅も厚みも出てくるため、刃渡り33センチ以上ないと、手前から奥まで一気に切るのが難しくなります。
うどんを切るなら刃渡り27cm以下の小さめサイズでもよい
うどんとそばでは生地のたたみ方が違い、うどんは屏風のように折り重ねていきます。うどんの生地には弾力があり、そばと違って切るときに折り目部分でちぎれてしまう心配がありません。そのため、そばよりも短い幅で自由に折り重ねることができ、刃渡り27センチ以下の小さい麺切り包丁でも切れます。また、うどんはそばほど切り方に制限がないため、人によって片刃を使ったり両刃を使ったりまちまちになります。
刃の材質で選ぶ
切れ味を求めるなら鋼製
鋼製は錆びやすいですが、ステンレス製よりも切れ味がよくて重さもあり、そば切り包丁にぴったりの材質。和包丁に使われる鋼の多くは、島根県安来市で造られる安来鋼を使用しています。安来鋼には白紙や青紙と呼ばれる種類があり、それぞれに一号と二号がありますが、一般的なものは白二と青二になります。白二は切れ味がよく、比較的研ぎやすいのが特徴。青二は白二よりも高級で、普段からきちんと手入れをすることで、研がなくても数年に渡って切れ味が持続するのが特徴です。また、麺切り包丁は職人さんが手作りしているものが多く、素材だけでなく作る職人さんによっても出来上がりが変わってきますよ。
ステンレス製なら錆びにくいので手入れが簡単
ステンレスは、鉄にクロムという元素を加えて錆びにくくした素材です。モリブデン鋼やモリブデンバナジウム、銀紙何号などと表記されているものもステンレス製になります。鋼と比べて刃こぼれしにくいですが、切れ味は鋼ほどよくありません。また、まったく錆びないわけではありませんので、汚れや水気などは落としておくことが必要です。
持ち手のタイプで選ぶ
鮫皮巻タイプやロープ巻タイプは滑りにくい
持ち手に鮫皮やロープを巻いたものは、滑り止めの効果があります。粉のついた手で握っても滑りにくく、無駄な力が入らないため、手が疲れにくくなります。鮫皮巻きは、実際にはエイの皮を使用しており、日本刀の柄にも使用されているもの。細かい突起が滑り止めになります。ロープ巻きは鮫皮よりも一般的で、使い込んで汚れてきたら、市販の包丁用ロープで巻き直しもできます。また、アウトドアで使われるパラコードや手芸用の江戸打ち紐なども、滑り止めとして代用できますよ。
ハンドル一体型タイプは洗いやすくて衛生的
同じステンレス素材を使用した麺切り包丁でも、鋼の割込みタイプや、ステンレスの一枚刃、オールステンレスなどといった種類があります。その中でも最もお手入れが簡単なのは、持ち手も刃もオールステンレス製の、ハンドル一体型タイプ。汚れたら簡単に洗えて衛生的です。特に食器洗浄機対応タイプなら、洗う手間も軽減できますので、忙しい主婦の方にもおすすめですよ。
麺切り包丁のおすすめブランド・メーカー
豊稔企販
家庭向けの麺切り包丁や麺打ちセットが人気
豊稔企販は金物の街といわれる兵庫県三木市にあり、農業用刃物や麺道具などを企画から製造まで行う企業。そば打ち道具に関しては、主に趣味で行う家庭向けのものを取り扱っています。単品ものから麺打ちセットまで取り揃え、麺切り包丁の切れ者シリーズが人気です。
藤次郎
両刃も片刃も取り揃えた有名刃物メーカー
藤次郎は洋食器で有名な新潟燕三条にあり、海外でもTOJIROとして親しまれているブランド。2種類以上の鋼材で作る複合材の包丁では、世界一の生産量を誇り、職人からも信頼を得ています。麺切り包丁では、小型の両刃からプロ仕様の片刃まで取り扱い、目的に合わせた包丁選びがしやすいブランドです。
つば屋
使いやすいステンレス製の麺切り包丁が人気
つば屋は調理器具で有名な浅草合羽橋にある、包丁の専門メーカーです。素材や形や焼き方の異なる麺切り包丁を、常に20種から30種製造。特に、ステンレス製で大きめサイズのそば切り包丁が人気で、NHKのそば切り教室でも採用されています。
マルキン
充実したショップページからじっくり探せる
マルキンは兵庫県にある刃物や園芸用品のメーカーで、ほんまもんブランドでインターネット販売を多く手掛けています。ショップページも充実しており、麺切り包丁は一般用からプロ仕様の高級品まで勢ぞろい。特に、手ごろな価格で購入できる、初心者向けの麺切り包丁が人気です。
おすすめ&人気の麺切り包丁ランキング
片刃でおすすめの麺切り包丁
マルキン-全鋼 麺切り包丁(7,944円)
切れ味のよい鋼製で初心者向けのお手頃価格
鋼の一枚刃で造られた、片刃の麺切り包丁です。鍛冶屋さんが手造りした鋼の麺切り包丁を、初心者の入門用としてリーズナブルに提供しています。刃渡りは30センチで重さは約730グラム、そば切りの初心者向けとしてちょうど使いやすいサイズ。柄は真っ直ぐな木製で、適度に重さがあります。
全鋼ですのでステンレス製より切れ味がよく、錆びやすいですがきちんとお手入れすることで長持ちします。新そばや年越しそばの時期にしか使用しない場合には、椿油などを塗って保管すると錆びを防げますよ。鋼製で本格的に練習したい、という初心者の方におすすめです。
マルキン-蕎麦切り包丁 江戸普及型 白紙鋼(33,600円)
江戸に伝わる正統派タイプに包丁巻と刃当てもセット
そばを切るために江戸で開発された麺切り包丁と同じタイプの、オーソドックスな麺切り包丁です。刃の素材として白紙二号を使用し、錆びにくくて趣のある黒打ち仕上げをしています。白紙とは和包丁に多く使われている安来鋼の種類名で、白紙二号はそば職人の一番人気。切れ味に優れていて研ぎやすく、鋼の中では比較的扱いやすいのが特徴です。
刃渡りは33センチで重さは約800グラムあり、包丁の重みを利用しながらそばを切るのに最適サイズ。帆布でできた専用の包丁巻と、木製の刃当てもセットになっており、保管や携帯にも便利です。そば切り上級者の方におすすめです。
貝印-関孫六 そば切り包丁 AK5059(9,900円)
サイズも値段も手ごろなステンレス製
カミソリで有名な貝印が出しているブランド、関孫六シリーズのそば切り包丁。原料となるステンレス鋼の製造からすべて自社工場で行っています。関孫六に使われているステンレスはモリブデンバナジウムで、折れたり曲がったりすることなく切れ味が持続します。
刃渡りは30センチで重さ715グラム、柄は清潔感のあるホワイト系の天然木を使用しています。ステンレス製なのでお手入れは簡単ですが、使う頻度が高いときは月に2回程度研ぐことでより切れ味が持続しますよ。自宅で手軽にそば切りを楽しみたい、という方におすすめです。
つば屋-蕎麦きり包丁(33,000円)
ステンレス製だけど重量感がある
NHK文化センターのそば打ち講座でも採用されている、ステンレス製の麺切り包丁です。普通のステンレスよりも強度があり切れ味も持続する、モリブデン鋼を使用。鋼よりも錆びにくく、お手入れが簡単です。
刃渡りは33センチあり、柄をあえて長めにして重くすることで、ステンレスの軽さをカバー。そのため、全体の重さ約850グラムと、ステンレス製でありながらしっかりした重量感で麺を切れます。手入れの簡単さと本格的な使用感の両方が欲しい、という方におすすめです。
藤次郎-白紙鋼 黒打そば切 紐巻き(37,400円)
研ぎ直しがしやすい白紙鋼のロープ巻きタイプ
持ち手部分にひもを巻いてある、プロ仕様のそば切り包丁です。職人さんが手作業できっちりと巻いたひもは滑り止めになり、手にそば粉がついても安定して切り進められますよ。使い込んでひもが汚れてきても、同等のロープで代用できます。
刃渡りは30センチで重さは約850グラムと、しっかりした重量感があります。切れ味に優れた白紙鋼と軟鉄の複合材になっているため、研ぎ直しもしやすいですよ。黒打ち仕上げで見た目にも味があり、扱いやすくて本格的な麺切り包丁が欲しい、という方におすすめです。
澤数馬-越前数馬作 そば切り包丁 磨き 鮫皮巻き柄(61,600円)
滑りにくく疲れにくい鮫皮巻きのドロップハンドル
柄の持ちやすさにこだわった、黒鮫皮巻きタイプの麺切り包丁です。鮫皮巻きは大変グリップがよく、そば粉がついてしまってもすべりにくいのが特徴。また、ゆるやかにカーブした形状のドロップハンドルというものを採用しており、手首が疲れにくい仕様になっています。
刃渡りは33センチで重さは約875グラム、しっかりしたサイズ感でありながら手が疲れにくいのはうれしいですね。刃の部分には安来鋼の白紙二号を使用しており、まめに研ぐ必要がないほど切れ味が持続します。一度にたくさんの麺を打つ方や、長時間使用する方におすすめです。
伍煌-仙助 青二鋼 そば切り包丁(73,800円)
切れ味が持続する青二鋼の鏡面仕上げ
安来鋼の青紙二鋼を使用した、高級そば切り包丁です。青紙は白紙と呼ばれる安来鋼よりもさらに硬度が高い鋼で、耐摩耗性に優れているため、使い込んでもすり減りにくいのが特徴。錆びないように手入れをしておけば、研ぎ直しをしなくても数年間切れ味が持続するほどです。
刃の側面は美しく輝く鏡面仕上げで、柄には重くて高級感のある黒檀を使用。刃渡り33センチで重さ820グラムと、たくさんのそば切りにも適した使いやすいサイズです。あまり研がずに長く使えて、切れ味のよい麺切り包丁が欲しい、という方におすすめです。
両刃でおすすめの麺切り包丁
藤次郎-麺次郎作 麺切庖丁(2,665円)
普通の包丁のように使える柄の長い麺切り包丁
両刃型で柄の長いタイプの麺切り包丁です。刃の材質はステンレス製になっており、錆びにくくお手入れが簡単。また、柄の部分には軽い朴木を使用しているため、重さ305グラムと全体的に軽い仕上がりになっています。
全長34センチに対して、刃渡りは21.5センチと、刃はかなり短め。柄の下には刃がないため、包丁の重さを利用して切るタイプではありません。普通の包丁と同じような使い方で手軽に麺切りをしたい、という方におすすめです。
下村工業-ヴェルダン 麺切庖丁(2,408円)
オールステンレスで食洗器もOK
持ち手部分と本体に継ぎ目のない、ハンドル一体型タイプの麺切り包丁です。刃には切れ味が持続するモリブデン鋼を使用。柄にはステンレスの中でも特に錆びにくい18-8ステンレス鋼を使用した、オールステンレス仕様です。
全長23センチ刃渡り21.5センチで、重さ305グラムと軽くてコンパクト。柄の部分は滑らないよう、波打った形になっており、握りやすく手にぴったりフィットします。食器洗浄機も使えてお手入れ簡単ですので、自宅で日常的に麺料理を作る女性の方におすすめです。
三木刃物製作所-竹弘作 麺切包丁 両刃(11,200円)
外側は錆びにくく真ん中は切れ味がよい
2枚の軟ステンレスの間に特殊な刃物鋼を挟んである、割り込みタイプの両刃麺切り包丁です。ステンレスと鋼の両方の良さを生かし、外側は強くて錆びにくく、刃は切れ味がよく仕上がっています。濡れたままにしておくと鋼の先の部分から錆びる可能性がありますので、使用後のお手入れは重要ですよ。
全長34.5センチで刃渡りは27センチと両刃にしては大きめですが、重さは420グラムと軽めです。駒板を使わないうどん切りにぴったりなサイズ。また、家族が左利きなので兼用で使いたい、という方にもおすすめですよ。
左利き用でおすすめの麺切り包丁
マルキン-鍛造 黒打ち麺切包丁 白紙二号左利き用(27,000円)
包丁巻と刃当てもセットで大事に使える
左利き用に作られた、片刃の麺切り包丁です。刃が左についていますので、右側に駒板を置いて切り進められますよ。安来鋼の白紙二号を使った複合材で、鋳造から刃付けまで熟練の職人さんが手作業で行っています。
刃渡りは30センチで、重さは約770グラムと、そば切りに充分な重量感。柄には和包丁にぴったりな白い天然木を使用し、握りやすく疲れにくい仕上がりになっています。青い布製の包丁巻と木製刃当てがセットになっており、しばらく使わないときでも大事に保管できますよ。趣味のそば打ちを極めたいという左利きの方や、切れ味のよい左利き用の麺切り包丁を探している方におすすめです。
豊稔企販-切れ者ステン金II号鋼麺切庖丁 左(13,000円)
扱いやすいステンレス製の左利き用
左利き用に左側にだけ刃がつけられた、高級ステンレス製の麺切り包丁です。強靭さを高めるモリブデンという元素と、耐摩耗性を高めるバナジウムという元素を配合した、金2号ステンレス鋼を採用。それにより、錆びにくくて切れ味が持続する麺切り包丁に仕上がっています。
刃渡りは30センチで重さは600グラムと、鋼製よりは軽いですが、バランスがよく持ちやすい形状です。初心者ので方も女性の方でも、扱いやすいですよ。ステンレス製の麺切り包丁を使いたい、という左利きの方におすすめです。
麺切り包丁の手入れ方法
使用後はすぐにそば粉などを落とす
麺切り包丁を使った後は、まず、付着したそば粉やうどん粉をきれいに落とします。無理に汚れをはがそうとすると刃が傷ついてしまいますので、熱いおしぼりなどで蒸らしながらゆっくりぬぐいましょう。この時、刃と平行に動かしてしまうと指を切る危険性がありますので、刃の外側に向かってぬぐいとるのがコツです。また、うどんにはそばの4倍ほど多く塩を入れるため、刃が腐食しやすくなります。うどんを切った後は特に、速やかに手入れを行いましょう。
鋼製は錆びないように新聞紙で包んで保管
表面の汚れを落としたら、台所用の中性洗剤で洗います。通常、食器洗浄機は洗剤が強すぎたり柄に亀裂が入りやすくなるため、使えません。早く乾かしたいときは、熱湯消毒や台所用のアルコールスプレーがおすすめですよ。洗ったら、ステンレス製はからぶきをし、他の金属などと触れないように保管します。鋼製はよく拭いて完全に水気を飛ばしてから、椿油などの刃物専用油を塗って新聞紙にくるんで保管します。専用油がないときはオリーブオイルなどでも大丈夫ですし、新聞紙にくるむだけでもインクで錆びを防げますよ。長期間保管する場合は、新聞紙の上からさらにラップでくるむと湿気を防げます。
麺切り包丁の研ぎ方
端から端まで真っ直ぐ均一に研ぐのがコツ
麺切り包丁の基本的な研ぎ方は、普通の包丁と同じです。麺切り包丁は刃が一直線ですので、まな板との間に隙間ができてしまうと切り残しが発生してしまいます。切り残しを防ぐために、端から端まで真っ直ぐになるよう、均一に研いでいくのがポイントですよ。使う砥石は、大きめの中砥と仕上砥です。青鋼など固めの刃の場合は、セラミック製の砥石を併用すると研ぎやすくなります。また、砥石を平らにするための面直し砥石を用意し、砥石のメンテナンスも行いましょう。
片刃と両刃では研ぎ方が違う
片刃の場合は、刃のついた表面を20回ほど研ぎ、裏側を2回ほど研いでめくれを直す感じになります。裏側を研ぐときに意外と刃こぼれしやすいですので、刃を立て過ぎずにゆっくり研ぎましょう。両刃の場合は、両面の刃を端から端まで均一に研ぐ必要があります。両面を数回ずつ交互に研いでいき、片側へのめくれがなくなるまで研ぎましょう。麺切り包丁を研いだ後は、中性洗剤で洗い水気を拭き取ります。また、使う前に半日ほど寝かすことで、麺に金属臭が移るのを防げますよ。
まとめ
片刃の大きめな麺切り包丁がおすすめ
永く使える麺切り包丁を探すなら、片刃で刃渡り30センチ程度の大きめの麺切り包丁がおすすめです。特に、鋼製で大きめの麺切り包丁は重いため、本体の重みを利用して切れます。慣れてくるとその方が楽に感じますし、一度にたくさんの量を打てますよ。今回は、自宅で麺づくりが楽しめる麺切り包丁をご紹介しました。新そばの時期や年越しそばの時期、あったかいうどんが食べたい時期など、ぜひ活用してみて下さいね。