撮影する際の照明は、きれいな写真を撮る上で重要な要素の一つです。カメラの光量が足りないと写真全体が暗い印象になってしまいます。そんな時にストロボを使うことで、十分な光量が確保されどんな場所でも明るく鮮明な写真を撮ることができますよ。今回は、おすすめのストロボをランキング形式で紹介します。ストロボの特徴や種類、選び方についても解説しているので、参考にしてみてください。
ストロボとは?
光を放つ装置で写真撮影で使われる
ストロボとは写真撮影の時に使われる発光装置のことを指し、スピードライトとも呼ばれています。撮影スタジオや光量が少ない暗い場所での撮影に使われることが多いです。基本的にカメラにはフラッシュが内蔵されていますが、ストロボを付けることで内蔵フラッシュだけでは足りない光量を補うことが可能。光量が細くされる分シャッタースピード が速くなり手振れ防止にもなるので、屋内で使う場合もあります。メーカーや機種によって発光量や角度の調整幅が違うのが特徴です。
ストロボとフラッシュの違い
ストロボはアメリカで商標登録されているもので実際はフラッシュと同じ
ストロボとは、元々アメリカのストロボ・リサーチ社が商標登録した名前の事であり、実際カメラに内蔵されているフラッシュと同じ物です。ストロボは製品名なのでストロボ・リサーチ社以外が製造しているストロボには別の名前が付けられています。例えばCanonでは「SPEEDLITE(スピードライト)」、Niconでは「SPEEDLIGHT(スピードライト)」、SONYでは「フラッシュ」という名称で販売されています。
ストロボの特徴
暗い場所でも明るく撮影できる
カメラに内蔵されているフラッシュの光量だと、暗い場所では明るさが足りなくなってしまう場合が多いです。カメラの明るさを調整する方法にはISO感度を上げる方法がありますが、上げすぎると画質が下がってザラザラしてしまい、写真の鮮明さが失われてしまうことも。そんな時にストロボを付けることで、内蔵フラッシュだけでは足りない光量を補うことができます。内蔵フラッシュの4倍から5倍もの光量を発光することが可能なので、暗所や夜間での撮影でも明るくきれいな写真を撮ることができますよ。
写真の色が鮮やかになる
屋内で撮影する場合、家庭内の照明環境は蛍光灯がよく使われていますが、蛍光灯には青や緑の寒色系の色が含まれています。そのため、人物を撮影すると肌の色がきれいに映らず不健康な印象を与えてしまうので、蛍光灯の光は人物撮影にはあまり適していません。対してストロボの光は質が良く、バランス良く色が含まれています。ストロボを使って撮影した人物の写真はまるで自然光に当たっているかのように健康的な肌色に映り、食べ物等も鮮やかに撮影することができます。
ストロボの種類
大型タイプ
スタジオ撮影で使われることが多く光量が大きい
大型タイプのストロボは撮影スタジオや写真館のような場所で使われるプロ仕様の物です。最近では使用目的の幅が広がりを見せています。商品撮影やコスプレ撮影等といった目的で、一般ユーザーからの需要も高まってきています。
大型タイプには、ジェネレータータイプとモノブロックタイプの2種類があります。ジェネレータータイプとは、ヘッドと呼ばれる発光する部分とジェネレーターと呼ばれる電気を溜める部分が分かれているストロボのこと。ジェネレータータイプは発光量が大きく連続撮影もしやすいのが特徴で、動きのある撮影に向いています。対してモノブロックタイプは、ヘッドとジェネレーターが一体化されています。ジェネレータータイプに比べて、コンパクトで持ち運びがしやすく、操作も簡単。値段も手頃な物が多く、初めて大型ストロボの購入を考えている人にはモノブロックタイプがおすすめです。
小型タイプ
持ち運びに便利でカメラに付けて使用できる
小型タイプのストロボはクリップオンストロボと呼ばれていて、一般的にカメラ上部にあるホットシューに付けて使います。その他にもシンクロコードと呼ばれるコードに繋ぐ有線の方法やスレーブという機械でカメラとワイヤレスで繋ぐ無線の方法もありますよ。カメラから離れた位置で使うことができるのが特徴。
大型タイプに比べるとはるかにコンパクトで、持ち運びがしやすいのもメリットの一つです。外での撮影も気軽に行えます。更に難しい設定をしなくてもきれいに写真を撮ることができるため、初心者の方でも比較的扱いやすいです。
ストロボの選び方
光量で選ぶ
様々なシーンで撮影を楽しみたいならガイドナンバー40で十分
ガイドナンバーとは、ストロボの発光量を表した数値のことです。一般的にGNと表記されていることが多いです。ガイドナンバーが大きければ大きいほど光量も多くなり、被写体に光が十分届きます。趣味としてカメラでの写真撮影を楽しみたい場合は、ガイドナンバー40のストロボであれば問題なく明るくきれいな写真を撮ることができます。
広い場所や屋外で撮影するならガイドナンバー 60がおすすめ
結婚式やイベント使われる広い会場や屋外で撮影する場合だと、ガイドナンバー40では発光量が足りなくなり、写真が暗くなってしまう場合があります。このような場所で撮影する機会が多いなら、ガイドナンバー60以上のストロボを購入することをおすすめします。大光量のストロボを使って撮影すれば、光量不足で困ることは無くなりますよ。
撮影環境で選ぶ
スタジオ撮影がしたいならプロ仕様のモノブロックストロボ
大型タイプのストロボはスタジオ内での商品や人物撮影に適しています。光量が小型のクリップオンストロボに比べて大きいため、明るい写真を撮ることができます。中でもモノブロックタイプは初心者でも使い方が分かりやすく、一般の方でもプロの様な写真に仕上がりますよ。ジェネレーションタイプと比較してすると軽量なので、機材をスタジオまで持って行くのに負担が少ないです。
外でも撮影がしたいなら持ち運びに便利なクリップオンストロボ
クリップオンストロボは、大型のジェネレータータイプとモノブロックタイプに比べて重量が軽いです。カメラバッグにすんなり入るほどのコンパクトな見た目をしているので、持ち運びに便利。バックの中に数台入れておくことも可能です。色んな場所で撮影したいなら、モノブロックタイプのストロボを選ぶことをおすすめします。
チャージ時間で選ぶ
チャージ時間が短いと連続撮影がしやすい
ストロボのチャージ時間が短ければ短いほど、連続撮影がしやすくなります。チャージ時間とは、一度発光したストロボが次に光を発光するまでに必要な充電時間のこと。ストロボは一度シャッターを切った後は、充電が完了してから次の撮影が可能になります。もし充電が完了していない状態でシャッターを切ってしまうと、十分に発光することができず、写真が暗くなってしまいます。連続して撮影がしたいなら、ストロボのチャージ時間をチェックしてみてください。
乾電池式よりもリチウムイオン式の方がチャージ時間が短くなる
ストロボのチャージ時間の差が開く要因は様々ですが、その一つとして挙げられるのが電池の種類です。一般的にストロボの充電池には、アルカリ乾電池やリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン充電池の方がチャージ時間が短く発光回数も多くなるというメリット。リチウムイオン充電池は熱に弱いので、高温にならない場所に保管してくださいね。
ストロボのおすすめブランド・メーカー
CANON(キヤノン)
時代の最先端を行く国内メーカー
CANONは世界初のバウンス角度を自動で設定・記憶できるストロボを開発する等、常に最新の技術を導入し続けているメーカーです。初心者向けの物から本格的な物まで、様々なストロボが販売されています。信頼できる国内メーカーの物を買いたい人や、最新式のストロボを使ってみたい人向きです。
SONY(ソニー)
電波ワイヤレスに対応した国内メーカー
従来モデルに多種多様なアップレードを加え、進化し続けているSONY。近年発売されているストロボは、電波ワイヤレスに対応しています。カメラとストロボを数十メートル離しても発光が可能という優れ物です。価格はやや高めですが、こだわりのある撮影がしたい人におすすめです。
Nikon(ニコン)
初心者におすすめの国内メーカー
Nikonで販売されているストロボは初心者でも使いやすく人気を呼んでいます。設定は多機能で操作が分かりやすいため、本格的な撮影をすることができます。初めてストロボを買うけれど高い品質を求めたい人におすすめのメーカーです。
Godox(ゴドックス)
安価&高品質の中国メーカー
Godoxとは、中国で設立された照明機材のメーカーです。ストロボ界では注目されているブランドで、安価でありながらその性能は国内メーカーに劣らない品質を持っています。ストロボのサブ機を探している人にもおすすめできます。
Neewer(ニューワー)
コスパ最強の中国メーカー
一番安い物だと3000円という破格の値段でクリップオンストロボが買うことができるメーカーです。値段は安いものの、その品質は室内撮影では十分に撮影ができるクオリティの性能を持っています。少しでもコストを抑えたい方に向いています。
おすすめ&人気のストロボランキング
大型タイプでおすすめのストロボ
NEEWER(ニューワー)-Vision 4屋外スタジオフラッシュストロボ (13,999円)
大光量&短いリサイクル時間のストロボ
GNは60でリサイクル時間は約 0.4秒から2.5秒と、大光量とチャージ時間の短さを兼ね備えたNEEWERのストロボです。暗い場所でもはっきり明るい写真を撮影できます。連続フラッシュは3ショットから15ショットと幅広いです。
電池にはリチウム電池を使用しています。フルパワーで700回以上もフラッシュすることができるので、長時間の撮影向きです。コードレスで使うことも可能なため、広い場所や屋外で使うのにもおすすめできますよ。
Profoto(プロフォト)-B10 Plus (247,500円)
大光量のパワフルなストロボ
B10 Plusは、一般的なスピードライトの 5 倍の明るさを持つと言われているB10の倍の明るさを放つことができます。広いスタジオのような場所でも光量不足で困ることがなくなりますよ。大光量のストロボを求めている人におすすめです。
B10 Plusはパワフルな機能を兼ね備えているだけではなく、セッティングのしやすさが考慮されています。そのため、他の撮影スタジオ向きのストロボに比べてコンパクトで軽量です。操作もシンプルなため、決定的な瞬間を逃しません。
Godox(ゴドックス)-AD300Pro 300W屋外ストロボ (61,600円)
多様な撮影に適したストロボ
ストロボ機能に加えて、ビデオライト機能が付いたマルチな活躍を見せてくれるストロボです。輝度が最大10段階まで調節できる等、様々なバリエーションを持った機能が搭載されています。撮影の幅を広げたい人に向いています。
コンパクトで丸形のデザインが特徴です。バッグの中に入れても邪魔にならず、簡単にカメラバッグに入れることができるため収納が楽になりますよ。重量も約1.4kgと他のストロボに比べて軽量なので、持ち運びに便利です。
小型タイプでおすすめのストロボ
Canon(キャノン)-スピードライト EL-100 (15,000円)
持ち運びに便利なストロボ
サイズは縦約9cm横6.5奥cm行7.1cmと他のストロボに比べてかなり小さいです。幅を取らないスマートな見た目が特徴で、小さいカメラバッグでも簡単に入ります。気軽に持ち出すことができる、携行性に優れているストロボです。
可動域の広さも魅力の一つです。上方向約90度可動できることに加えて、左方向は約150度、右方向は約180度まで向けられるので、思い通りの撮影ができますね。壁や天井にバウンスさせて写真が撮りたい人におすすめです。
Nikon(ニコン)-スピードライト SB-700 (33,640円)
初心者向きの扱いやすいストロボ
初心者でも分かりやすいパネルと、使いやすい操作システムが特徴です。簡単な操作で美しくきれいな写真が撮れるため、初めてストロボを買う人におすすめできるストロボです。既にストロボを持っている人のサブ機としても活躍してくれます。
小型でありながら、機能性は豊富です。配光タイプはスタンダード配光や中央部重点配光、均質配光の3つに分かれています。状況に合わせて使い分けることができるので、適切な配光でより良い写真を撮ることができます。
NEEWER(ニューワー)-TT560ストロボ (4,000円)
コストパフォーマンスに優れたストロボ
4,000円という他のストロボでは見かけない価格の安さが魅力的のストロボで、コストパフォーマンスに優れたストロボと注目を集めています。少しでもコストを抑えてストロボを購入したい人におすすめできます。
あまりの値段の安さに品質が気になるところではありますが、趣味での撮影なら問題なく撮影できます。GNは38と一般的なストロボとあまり変わりません。リサイクルタイムは約0.1-5sなので、設定によって連続した撮影も可能です。
SONY(ソニー)-フラッシュ HVL-F32M (28,455円)
SONYのα7シリーズに最適なストロボ
α7シリーズに最も適したストロボです。コンパクトな見た目が特徴のα7シリーズに合わせて設計されているため、スリムで軽量です。マルチインターフェースシュー対応なので、α7シリーズ以外の同メーカーのカメラでも使用することができます。
コンパクトな見た目には沢山の便利な機能が搭載されています。フラッシュの発光部分は上90度に調節が可能なので、バウンス撮影をすることができます。小型なサイズで高品質なストロボを求めている人に向いています。
短いチャージ時間でおすすめのストロボ
Godox(ゴドックス)-TT600(7,200円)
値段の安さとスペックの高さが魅力のストロボ
リサイクル時間は約0.1秒から2.6秒で、フル発光回数は約230回です。10000円を切るお手頃な価格と、連続撮影ができるスペックを持ったコストパフォーマンスが高いストロボです。GNは60と高く可動域も広いので、値段以上の活躍をしてくれます。
カメラの互換性が高いことも魅力の一つです。Canon、Nikon、Pentax、Olympus等の国内メーカーにも使うことができます。標準のホットシューを備えたカメラであれば使用が可能なので、どのメーカーのカメラを持っている人にもおすすめです。
CANON(キャノン)-470EX-AI スピードライト (29,002円)
最新技術が備わったストロボ
通常発光は約0.1秒から5.5秒、クイック発光だとさらに速く約0.1秒から3.9秒のチャージ時間を誇ります。連続撮影がしたい人におすすめです。動きのある撮影でもシャッターチャンスを逃しません。GNは47で、標準を超えた数値を持っています。
世界初のAIバウンス撮影モードが搭載されている点が大きな魅力です。バウンス角と発光量を全自動で設定してくれるので、初心者にも扱いやすいです。ストロボを使った撮影に慣れていなくても、プロの様な本格的な写真が撮影できます。
GODOX TT350 TTL Miniカメラフラッシュ (10,600円)
コンパクトで軽量なストロボ
チャージ時間は0.1秒から2.2秒という速さを誇ったストロボです。同メーカーの上位機種の物よりも、充電時間を待つことなく速く撮影ができます。子供やペットのような動く被写体でも、決定的な瞬間をカメラに収めることが可能です。
持ち運びに便利なコンパクトなサイズで、重量は約200gと軽量です。カメラバッグに入れて持ち歩いても負担になりません。屋外や撮影スタジオといった様々な場所でストロボを使って撮影を楽しみたい人におすすめです。
CANON(キヤノン)-スピードライト 600EX II-RT (49,800円)
連続発光回数に優れたストロボ
旧モデルにアップグレードが加えられたストロボです。従来機と比べて、連続発光回数が約1.5倍から2倍に上がっています。連続撮影をする際のクイック発光が初期設定として設定されているため、カメラを起動させたらすぐに連続撮影に対応した発光が可能です。
電波通信によって、ケーブルに繋がなくても撮影ができることも魅力の一つです。カメラから最大約30m離れた場所での撮影に対応しています。ワイヤレスで撮影できる距離が広い分、撮れる写真の幅も広がります。
ストロボの使い方
初心者ならカメラをオート露出のPプログラムオートにする
最近のストロボには便利な機能が多数搭載されていますが、初めてストロボを使う人はどの機能を使って撮影すればいいか迷ってしまうのではないでしょうか。初心者の人は、カメラの設定をオート露出のPプログラムオートにしてみてください。ストロボで細かい設定をしなくても自動的に切々な設定で撮影ができるので、初心者でも明るくきれいな写真が撮れますよ。
慣れてきたらマニュアル調光に挑戦
ストロボを使った撮影に慣れてきたら、マニュアル調光に挑戦してみましょう。ストロボは光の当たる範囲や色温度など、様々な調整が可能です。まずは色んな設定で撮影をし、どんな設定をすればどんな写真が撮れるのか試してみてください。ストロボを使いこなすことで、プロの様な本格的な写真を撮ることができます。
ストロボの発光量を4分の1から8分の1に抑えると長持ちする
ストロボの発光量の大きさは、バッテリーの減りに比例します。毎回発光量を大きくした設定で撮影していると、バッテリーの消耗が早くなってしまいます。ストロボの発光量を4分の1から8分の1にすることでバッテリーの減りが遅くなるので、試してみてください。
ストロボの角度を変えて光を当てると違った雰囲気の写真に
最近のストロボは、上下左右に発光できるタイプが多く販売されています。内蔵フラッシュではフラッシュの位置は固定されているので、同じ光の当て方をした写真しか撮影することができません。ストロボの位置や角度を変えることで、雰囲気のある写真が撮れるようになりますよ。
ワイヤレススレーブを使えばカメラから離して発光できる
ワイヤレススレーブとはラジオスレーブとも呼ばれていて、各メーカーで販売されています。ワイヤレススレーブを使うことでカメラから離れた場所で発光ができます。ストロボ初心者でもプロが撮影したような写真を撮ることが可能なので、本格的な撮影に挑戦したい人は試してみてください。
まとめ
自分の撮影環境に合ったストロボがおすすめ
今回はストロボの特徴や種類、選び方について解説し、更におすすめのストロボを紹介しました。ストロボはGNやチャージ時間が其々で異なります。ご自身の撮影環境や撮影したい写真を考えながら、ピッタリなストロボを見つけてみてくださいね。