最近人気が高まっている一眼レフやミラーレスカメラは、レンズ交換でいろいろな写真を撮れるのが魅力ですよね。しかし、交換用のレンズはたくさんの種類があり、専門用語だらけで選ぶのは大変。そこで今回は、入手しやすくて、キレイな写真が撮れる単焦点レンズを詳しく解説します。スマホやコンパクトデジカメでは撮れない、印象的な写真を撮ることができるのが単焦点レンズの魅力。特徴、選び方、実際のおすすめ商品を紹介しますので、欲しいレンズが見つかりますよ。
単焦点レンズとは?
ズーム機能が付いていないレンズ
最近のデジタルカメラは、ほとんどの場合ズーム機能の付いたレンズがセットになっています。単焦点レンズとは、このズーム機能が付いてないレンズのことを言います。手元で画角を変えることができないため、使い勝手が悪いと思うかもしれませんが、メリットもたくさんあります。
単焦点レンズの特徴
レンズが明るく写真がキレイに写る
カメラに詳しい方がよく、「明るいレンズ」と言うことがあります。明るいレンズとは、絞り値(F値)が小さいレンズのこと。F値が小さいと、光をたくさん取り込めるため写真が明るくなるのです。単焦点レンズは、ズーム機能がなくシンプルな構造のため、明るいレンズが作りやすいのがメリットです。
ボケを活かした写真が撮れる
明るいレンズのもう一つのメリットは、背景をぼかしやすいという点です。背景がキレイにボケた、一眼ならではの写真を一度は撮ってみたいですよね?詳しいことは専門的になってしまうため省きますが、F値を小さく設定できるレンズは、大きくボケた写真を簡単に撮ることができます。
単焦点レンズの種類
広角レンズ(人間の視覚より広い範囲が写る)
焦点距離が35mmより小さいレンズを、一般的に広角レンズと呼びます。私たちが普段見ている視界よりも広い範囲を移すことができます。プロのカメラマンが撮影した室内写真は、実際より広々と見えることがありますよね。これも広角レンズの効果です。
風景写真など、広々とした自然を表現するのにも向いています。しかし、いろいろなものが一度に移りこむため、画作りは少し難しく初心者の方は最初戸惑かもしれません。最初は35㎜前後のやや広角レンズで、画作りを練習するとよいでしょう。
標準レンズ(人間の視覚と同じ範囲が写る)
焦点距離50mm前後のレンズを、標準レンズと呼びます。私たちが普段見ている視界とほぼ同じ範囲が写ります。普段見慣れている画角のため画作りがしやすいと言えます。ほかの人が見てもどこか安心する写真が撮れますね。
初心者はまず標準レンズで練習を、とよく言われるほど、スタンダードで使いやすいレンズです。ズームが出来ない単焦点レンズでは、足を使って画作りをすることになります。標準レンズで画作りできるようになると、ほかの画角でも活かすことができますよ。
望遠レンズ(人間の視覚より狭い範囲が写る)
85mm以上の焦点距離を持つレンズは、望遠レンズと呼ばれます。人間の視界より狭く、遠くのものを大きく写す特性を持ちます。動物の写真を撮るときも、遠くから音を立てずに撮影できるためシャッターチャンスを逃しません。運動会でお子さんを大きく撮るのにも最適。
焦点距離が400mm以上の超望遠レンズなどもありますが、手ブレが発生しやすいなど初心者には扱いにくいです。最初は85mm~150mm前後の中望遠レンズで練習を積みましょう。焦点距離が長いとボケやすいのも特徴で、一眼レフらしい写真を撮ることができます。
単焦点レンズの選び方
焦点距離で選ぶ
風景をたくさん撮るなら10mm~35mmの広角レンズ
雄大な大自然や、美しい街並みなどの風景写真をたくさん撮る方は、広角レンズを一本持っておきたいですね。1枚の写真にたくさんの物が写り、広々とした印象的な写真が撮れます。また手前の物はより大きく、遠くのものはより小さく写る特徴があり、遠近感がはっきりした写真になります。広がりと奥行き感が出るため、実際に目で見る風景とは違った写真を撮ることができますよ。
ポートレート撮影なら50mm~85mmの標準レンズ
実際に目で見る範囲が写る標準レンズは、人物撮影に適しています。広角レンズで人物を撮るためには、被写体に近づく必要があります。あまりカメラが近いと、撮られる方は緊張しますよね?逆に望遠レンズでは、被写体が遠すぎますし、手持ち撮影では手ブレしやすいため向きません。標準レンズは被写体との距離感がちょうどよく、自然な表情を捉えるのに向いています。
スペックを重視して選ぶ
星空や夜景を撮影したいならF値が小さいレンズ
星空や夜景の撮影では、レンズにたくさんの光を取り込める明るいレンズを選びましょう。F値が小さいレンズは、センサーに光をたくさん送れるため、ノイズが少ないキレイな写真が撮れます。また明るいレンズは、暗い場所でもシャッタースピードを速くできるため、手ブレしにくいのがメリット。三脚を使いづらい夜の街角撮影などでも、キレイな写真が撮れますよ。
暗い場所での撮影が多いなら手ブレ機能がおすすめ
暗い場所で手ブレを防ぐ方法は、明るいレンズを使うほかに、手ブレ補正機能があります。シャッターを切る瞬間に、カメラが動いた方向と逆にレンズが動くことで画像を補正します。この機能があると、手持ち撮影でも、シャッタースピードを遅くすることができ、暗い場所でも明るい写真が撮れますよ。薄暗い屋内や、夜間の撮影が多い方は、手ブレ補正機能付きのレンズを選びましょう。
単焦点レンズのおすすめブランド・メーカー
ニコン
豊富なラインナップから選びやすい
入門用のお手軽単焦点レンズから、F1.4とカメラ好きも納得の高性能モデルまで幅広いラインナップが魅力。焦点距離も18㎜の広角レンズから600mmといった超望遠まで細かく設定があるので、お気に入りの一本を見つけやすいですね。
キャノン
ポートレート撮影に定評
初心者向け単焦点レンズが1万円台で入手可能と、最初の一本を購入しやすいのがメリット。好みがあるため一概には言えませんが、人物撮影に適していると評判です。写真スタジオや結婚式場のカメラマンはキャノンを選ぶ傾向があります。
オリンパス
コンパクトなレンズは持ち運びやすい
オリンパスはコンパクトなカメラのラインナップが多く、単焦点レンズも小さく軽いものが多いです。交換用に何本か持ち歩いても、カバンが重くならないのは大きなメリットですよね。レンズを交換しながら、いろいろな写真を撮りたい方に向いています。
ソニー
よくボケる一眼レフならではのレンズ
初心者でも手に入れやすい、リーズナブルな価格のレンズが多いです。お手軽にいろいろなレンズを試しやすいですね。背景をぼかしやすいレンズが多く、キレイなボケ味を活かした印象的な写真が撮りやすいのが特徴です。
おすすめ&人気の単焦点レンズランキング
ニコンでおすすめの単焦点レンズ
ニコン-AF-S DX NIKKOR 35mm F1.8G(20,580円)
まずは手に入れたい万能の1本
ニコンの単焦点レンズで最も人気の高いモデルです。APS-Cセンサーで使うと35㎜の広角レンズ、フルサイズセンサーで使うと52.5㎜の標準レンズとなります。どちらで使っても定番の使いやすい焦点距離ですね。
最小F値1.8の明るいレンズが2万円台で手に入るのは、単焦点レンズの大きな魅力です。さらに、200gと軽量ボディのおかげで、バッグに入れっぱなしにしておいても苦になりません。ニコンのカメラを買ったら、まず手に入れたいレンズですね。
ニコン-AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(25,360円)
いつでも持ち歩きたい標準レンズ
フルサイズセンサー用レンズです。APS-Cセンサーに装着すると75㎜相当の中望遠レンズになります。標準画角の50㎜は使いやすく、最初の一本で腕を磨くのにピッタリ。185gの超軽量ボディなので、いつでも持ち歩きたいレンズですね
サイズも長さが52.5㎜と小型で、カメラに付けたときのバランスがよいため、手ブレしにくくなります。最小F値も1.8と明るいので、暗い場所での手持ち撮影にも適していますね。価格、性能、サイズのバランスがよい万能選手といえます。
ニコン-AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G(49,800円)
標準レンズに慣れたらレベルアップ
フルサイズセンサー用の標準レンズで、上でご紹介したレンズの兄貴分的なモデルです。最大の違いは、最小F値が1.4と1段階明るいレンズだということです。この明るさは、ズームレンズではほとんどお目にかかれません。
単焦点レンズはボケやすいレンズが多いのですが、その中でも1ランク上のきれいなボケ味を楽しめます。絞りを大きくすれば、高画質でシャープな写真も撮ることができます。性能の分少し値が張りますが、余裕があれば手に入れてみたい1本。
ニコン-AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G (33,580円)
人気のマクロ単焦点レンズ
APS-Cセンサー対応のマクロ単焦点レンズです。フルサイズセンサー換算では60㎜の標準画角になります。このレンズの特徴であるマクロレンズとは、被写体の近くに寄って大きく撮ることができるレンズをいいます。
花や昆虫の撮影でよく使われ、細かい毛の一本一本までしっかりと描写することができます。食べ物や、小物の撮影など、小さいものを大きく写したいときにもよく使われます。普通のレンズでは撮れない、印象的な写真を撮ることができますよ。
キャノンでおすすめの単焦点レンズ
キャノン-EF50mm F1.8 STM(14,480円)
軽量でうれしい定番単焦点レンズ
キャノンの単焦点といえばこれ、というほど超定番のレンズです。フルサイズ対応で標準の50㎜レンズ、APS-Cセンサーに付けると75㎜の画角です。2万円を切る価格で、最小F値1.8のきれいなボケを出せるのが人気のポイント。
重量はなんと160gで、かなりの軽量級レンズです。性能はバッチリ、軽くてコンパクトとなれば、カメラにつけっぱなしで持ち歩きたいですね。きれいな写真を撮りたいけど、どれを選べばわからない、という方におすすめの一本。
キャノン-EF-S24mm F2.8 STM(16,870円)
見た目がおしゃれなパンケーキレンズ
パンケーキレンズと呼ばれる薄型が特徴のレンズです。フルサイズセンサーで24㎜の広角レンズ、APS-Cセンサーで使うと38㎜の広角レンズになります。このレンズは最短撮影距離が16㎝と非常に短く、被写体の近くに寄って鮮明に写すことが可能です。
全長22㎜と非常にコンパクトで、重量は125g。携帯性は抜群なため、常にバッグに忍ばせておきたい一本ですね。画角が広めで、風景なども広々写せますから、標準レンズとセットで持ち歩くのがよいでしょう。
キャノン-EF50mm F1.4 USM(51,296円)
暗い場所でもキレイに撮れる
フルサイズ対応の標準レンズ1番目に紹介したEF50mm F1.8 STMの上位モデルです。価格は上がりますが、最小F値1.4が最大の魅力です。F値1.8よりも、60%増の光を取り込めるため、暗所での撮影に強いのが特徴。
オートフォーカスの機構がSTMの高性能バージョンUSMになっており、オートフォーカス機能が向上しています。撮りたい瞬間にすぐピントが合うため、お祭りの撮影など、夜の街でのポートレート撮影したい方におすすめです。
キャノン-EF 35mm F2 IS USM(61,310円)
手ブレ機能で夜間に強い
フルサイズセンサーでは35㎜のやや広角、APS-Cセンサーでは52.5㎜の標準レンズになります。このレンズには手ブレ機能が付いているのが特徴です。暗い場所の撮影でも、4段分シャッタースピードを遅くしてもブレません。
35㎜の画角はスマホの画角とほぼ同じなため、スマホで写真を撮っていた方のステップアップにおすすめ。普段撮り慣れた画角なので、画作りに集中できるでしょう。風景写真がメインの方は、手に入れたい一本と言えます。
キヤノン- EF-M22mm F2 STM(24,318円)
さまざまな用途で活躍するパンケーキレンズ
EOS Mシリーズ向けの単焦点レンズです。電源オフ時の厚さはわずか23.7mmで、重さは約105g。かさばらないので、持ち歩きやすいのがメリットです。スナップ写真などに向いているので、カメラをいつも持ち歩いて日常風景などを撮影したい方にもぴったりでしょう。
フローティングフォーカスが採用され、至近距離の画質向上を実現しています。最短撮影距離は0.15mで、最大撮影倍率は0.21倍。マクロのような撮影を楽しみたい方にもおすすめです。また、7枚の羽の円形絞りによって、美しいボケが楽しめる点も魅力でしょう。
ソニーでおすすめの単焦点レンズ
ソニー-DT35mm F1.8(17,804円)
どこでも活躍する格安万能レンズ
フルサイズ対応の広角レンズで、APS-Cセンサーでは50㎜の標準レンズになります。大口径のレンズで最小F値は1.8と明るめ、どんな場面でも活躍する万能レンズとして人気です。2万円を切る価格もうれしいですよね。
最短撮影距離が23㎝とこの焦点距離にしては短めで、被写体に寄りやすいためグルメ写真などに適しています。ソニーの単焦点入門レンズとして、初心者の方の最初の1本として、腕を磨くのに適していますね。
ソニー-FE 85mm F1.8(53,820円)
使いやすいカスタマイズが可能
フルサイズセンサーで85の中望遠レンズ、APS-Cセンサーでは127.5㎜の望遠レンズとなります。望遠レンズは背景をぼかしやすいのが特徴で、最小F値も1.8と明るいためボケやすいレンズです。上級者の方でも納得のボケ味が出せると好評です。
本体についたフォーカスホールドボタンは、カメラのメニューからソニー独自の瞳AFなど割り当てることが可能。自分好みに使いやすくカスタマイズできますよ。少し値段は張りますが、基本のレンズに慣れたらランクアップで手に入れたいレンズですね。
ソニー-E 35mm F1.8(38,480円)
夜間撮影も手ブレ補正で安心
APS-Cセンサー対応レンズで、フルサイズセンサーに換算すると52.5mmの標準レンズになります。このレンズは154gと軽量なのに、手ブレ補正が付いているから驚きです。どんな場面でも安定した撮影が可能なのはうれしいですね。
手ブレ補正が付いている分少し高価ですが、暗い場所での撮影で大きな効果を発揮します。結婚式の撮影など、照明が目まぐるしく変わるような撮影環境でも、ブレない写真を撮ることが可能です。室内でもフラッシュをたかずにきれいな写真が撮りたい方におすすめ。
オリンパスでおすすめの単焦点レンズ
オリンパス-M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 (32,892円)
ラクラク持ち運びの超軽量レンズ
オリンパスの単焦点レンズで超定番のモデルです。フルサイズ換算で50㎜の標準レンズとなり、どんなシーンでも使いやすいため最初の一本向きでしょう。137gと超軽量なのも、疲れづらく初心者さんにおすすめできるポイントですね。
最小F値1.8は非常にボケるレンズで、最初についてくるズームレンズとくらべると上手くなった気がしてしまうほど。単焦点として使いやすい性能にまとまっていますので、このレンズで腕を磨くのが上達の近道になりそうですね。
オリンパス- M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8(39,800円)
ちょうどよい初心者向けの広角レンズ
フルサイズ換算で35㎜の広角レンズです。広角レンズはいろいろなものが写りこむため画作りが難しい傾向があります。このレンズは画角が広すぎないため、初心者の方が広角レンズに慣れるのにちょうどよいでしょう。
最短撮影距離が25㎝と短めなため、小さなものに寄る撮影に向いています。おしゃれな小物などをキレイに撮れますよ。120gの軽さなので、標準画角のレンズとセットでいつも持ち歩いて、風景を撮るときに使いたい1本ですね。
オリンパス-M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(27,000円)
使いやすい入門望遠レンズ
フルサイズ換算で90㎜と中望遠レンズになります。画角がやや狭いため、被写体以外の余計なものが写りこみにくく、画作りしやすいのが特徴です。ポートレート撮影などで、人物を活かした写真を撮りやすいですね。
焦点距離が長いため、ほかのレンズよりもボケを強く出すことができます。背景ボケ、前ボケとボケをコントロールしやすいので、人物を強調する写真が撮りやすくなりますよ。記念撮影など、思い出に残したい印象的な写真を撮りたいときに向いています。
まとめ
撮影目的にあわせた単焦点レンズを手に入れよう
ここまでご紹介しましたように、単焦点レンズは目的にあわせて様々なタイプがあります。夜空や花火などをきれいに撮りたいならF値が小さいレンズ、風景を広々撮りたいなら焦点距離が短いレンズと、使い分けが必要です。最初の一本は、自分が撮りたい写真にあった性能のレンズを手に入れましょう。