アンプなどのオーディオ機器とスピーカーを接続するスピーカーケーブル。素材、構造、ケーブルの太さの違いなどにより、多くの製品が販売されています。スピーカー購入時に付属していたものをそのまま使用するのも良いですが、好みのケーブルに交換して音質をグレードアップしてみませんか。今回は、スピーカーケーブルの種類や選び方、おすすめの製品などを紹介します。
スピーカーケーブルの特徴
アンプとスピーカーを接続し音質に影響を与える
スピーカーケーブルはアンプとスピーカーを繋ぐ重要な役割を担っています。アンプから出力された信号は、スピーカーケーブルを介してスピーカーへと伝わるまでに、どうしてもある程度のロスが発生してしまいます。このロスが少なければ少ないほど、信号が劣化せずに伝わり、高音質になると考えられます。
素材や構造などの違いにより音質が変わる
どのようにすれば、アンプから出力された信号をロスを少なくしてスピーカーへと伝えることが出来るのでしょうか。例えば、同じ銅素材のケーブルであっても純度の高いもの、あるいはノイズ発生を軽減する構造であるものなど、音質を決定するのにはいくつかの要素があります。これらの組み合わせによって、スピーカーケーブルの品質が決まるのです。
スピーカーケーブルの種類
平行型
扱いやすいシンプルな構造でコストもリーズナブル
平行型ケーブルは、2本の撚り線が平行に並べられたシンプルな構造をしています。被膜もむきやすいため扱いやすく、かつリーズナブルですので、初心者の方におすすめのタイプと言えるでしょう。初心者向けといっても音質が悪いわけではなく、採用されている素材によって、様々な音の変化を楽しむことができます。
平行型ケーブルを選ぶポイントとしては、素線の材質や太さ、被膜の材質などです。何しろ平行型ケーブルはリーズナブルですから、気軽に色々な種類のケーブルを試してみるのもおすすめです。自分好みの音質を追求してみましょう。
ツイスト型
2本のケーブルを撚り合わせた構造でノイズを抑える効果がある
ツイスト型ケーブルは2本のケーブルを撚り合わせる構造となっています。このことにより、プラスとマイナスが互いに影響しあう作用を中和します。その結果ノイズを低減し、同時に外部からのノイズの影響も軽減されます。
ツイスト型ケーブルによる音質は、高音域に優れています。また、平行型ケーブルに比べ落ち着いた傾向となっており、バランスの良さが特徴です。高級オーディオに採用されることが多く、音質アップを図りたい方にはおすすめと言えるでしょう。
スターガット型
4本の導体により構成されており重厚感のあるサウンドを生み出す
スターガット型ケーブルには、4本の導体が使用されています。対角線方向の一対をそれぞれプラスとマイナスの導体で構成。そのため、プラス・マイナスが影響しあう力を中和する作用がツイスト型に比べ、より強くなります。
プラスマイナスの強い中和作用により、無駄なノイズが低減され高音質を生み出すことが出来るスターガット型ケーブル。音の傾向としては、重厚感のある豊かな低音域が魅力です。ただし、その複雑な構造のため、他のケーブルと比較するとコストが高くなるため、上級者向けと言えるでしょう。
スピーカーケーブルの選び方
材質で選ぶ
低音を重視するなら銅素材
銅はスピーカーケーブルの素材としてポピュラーな素材ですが、いくつかの種類があります。TPC(タフピッチ銅)は銅の純度が低く、そのため音質もあまり良いとは言えませんが、低音域には強く、安価であるというメリットもあります。OFC(無酸素銅)はTPCに含まれている不純物(酸素等)を除去した素材で銅の純度が高く、豊かな低音と解像度の高いキレのある音質傾向です。
低音よりもクリアな高音を求めるなら銀素材
銀は金属の中で導体抵抗が最も低く、そのためスピーカーケーブルにも適しています。しかし、銅に比べると高価格であることがデメリットと言えるでしょう。音の傾向としては高音域が優れており、低音よりも高音を重視する方におすすめです。最近はさらに質の高い銀素材の、ハイグレードケーブルも開発されています。
銅と銀の両方の良いところを取るなら複合型
銅と銀の素材を組み合わせた複合型ケーブル。銅と銀それぞれの素材の長所を活かし、豊かな低音域とクリアな高音域がバランス良く配合された音質傾向が期待できます。高価な製品も多く、上級者向けケーブルと言えるでしょう。
端子の種類で選ぶ
複数のスピーカーに使用するなら抜き差ししやすいバナナプラグ型端子
形状がバナナに似ていることから名づけられたバナナプラグ。簡単に抜き挿しすることが出来るため、複数のスピーカーを使用する場合などに便利です。また、しっかり接続され抜けにくいため、振動に強く音質も安定します。オーディオ機器側の端子がバナナプラグ対応型であることが必要です。
配線の酸化を防ぐにはY字プラグ型端子
Y字プラグ型端子は、その名のとおりY字型をした金属製プラグ。スピーカーなどのオーディオ機器側の端子がネジ式の場合に使用できます。導体がむきだしにならないため、配線の酸化を防ぐというメリットがあります。
徹底的にノイズを防ぎたいならフォーンプラグ
フォーンプラグはバナナプラグ同様、抜き挿しがしやすいため、頻繁に抜き挿しする場合などに便利です。また、ノイズの影響を受けにくいため、音質が安定します。フォーンプラグのスピーカーケーブルは、プラグ形状がラインケーブルと同じなため、ラインケーブルと間違わないようによく確認するようにしましょう。
コスト重視で選ぶなら端子なしケーブル
端子なしケーブルは、被膜を剥いでオーディオ機器に接続するシンプルなケーブルです。エントリークラスの安価なスピーカーに、このタイプのケーブルがよく使用されます。端子なしケーブルは導体の素材、構造などにより多くの種類の製品が販売されており、価格もリーズナブルなものが多いので、選択肢が豊富な点がメリットでしょう。
ケーブルの太さで選ぶ
高音域を重視するなら16AWG以上
スピーカーケーブルの太さも音質に影響を及ぼす大切な要素です。太さはAWG(ゲージ)という単位で表されます。間違いやすいのですが、数字が大きくなるほど細くなり、数字が小さくなるほど太くなります。細いケーブルは相対的に高音が得意ですので、高音域を重視する場合は16AWG以上のものを選ぶとよいでしょう。
音域のバランスが良くノイズが比較的少ないのは12~16AWG
上記のように、スピーカーケーブルの太さは音質に影響を与えます。しかしその差は明確というわけではなく個人の好みレベルとも言えます。よくわからない、という方は、一般的な太さである12~16AWGの太さのケーブルを選んでおけば良いでしょう。
雑音を減らしたいなら太めの12AWG以下
一般的に太いケーブルになればなるほど流せる電流の量が増えます。その分余裕ができて雑音の影響も受けにくくなります。ただ、高音域が減退する傾向がありますので、雑音を減らし低音重視の方は12AWG以下のケーブルを選ぶと良いでしょう。
スピーカーケーブルのおすすめブランド・メーカー
オーディオテクニカ
豊富な品揃えで初級者から上級者まで幅広く対応
オーディオテクニカは、日本の音響・映像機器の有名メーカー。AVアクセサリー製品も数多く取り扱っています。スピーカーケーブルにおいても低価格のものから高級オーディオ用まで、幅広く高品位の製品を提供しています。
Belden(ベルデン)
業務用から個人用まで低価格で高品質なケーブルを提供する世界的メーカー
BELDEN(ベルデン)は1902年にシカゴで設立された世界的なオーディオケーブルメーカーです。低価格で高品質のケーブルで知られており、世界のオーディオファンの間で信頼されています。また、オーディオ用ケーブルだけでなくギター用のシールドでも有名です。
カナレ
低価格でコストパフォーマンスの高い製品を取り扱う日本メーカー
カナレは正式名称カナレ電気株式会社という日本メーカーです。低価格で品質の良い製品を製造しており、定番のスピーカーケーブルとしてプロの現場でも多く採用されています。また、長距離伝送にも強く、ホームシアター用ケーブルにもカナレ製ケーブルはおすすめと言えるでしょう。
Zonotone(ゾノトーン)
ハイエンドユーザー向けの高品質ケーブルを提供するメーカー
ゾノトーンは2007年創業の、オーディオケーブル・アクセサリーの製造販売を手掛ける日本メーカーです。ゾノトーンのケーブルは、多様な異種素材を組み合わせたハイブリッド多芯導体であることが特徴。高価格帯の製品も多く、主にオーディオ上級者からの支持を得ています。
おすすめ&人気のスピーカーケーブルランキング
平行型でおすすめのスピーカーケーブル
オーディオテクニカ-スピーカーケーブル(ホームシアター用) AT6135/30 (3,750円)
気軽に使用できるホームシアター用ケーブル
ホームシアター用の、臨場感を演出するための高音質設計のスピーカーケーブル。メインスピーカーからリアスピーカーまで、ホームシアター用の全てのスピーカーに対応します。太さ、柔らかさも適当で取り回しの良さも魅力です。
価格もリーズナブルなので、長さを必要とするホームシアター用ケーブルにも最適。気軽にホームシアターを楽しみたい初心者の方におすすめできるスピーカーケーブルとなっています。もちろん、オーディオケーブル用としても使用できます。
オーディオテクニカ-AT567S/3.0 ゴールドリンクスピーカーケーブルファイン 3m (973円)
シンプルで扱いやすいオーディオ用平型ケーブル
純度の高いOFC(無酸素銅)線と、チタンを配合したシースを採用。ノイズを徹底的に軽減することにより雑味の少ない高音質を実現しています。被膜も剥きやすく、初心者でも扱いやすくなっています。
シース(被膜)は室内インテリアにマッチする落ち着いた白色。また、適度な太さにより扱いやすくなっています。価格もリーズナブルで、幅広いユーザーに気軽におすすめできる製品です。
フジパーツ-スピーカーケーブル10m FVCSP337 (998円)
リーズナブルなOFC(無酸素銅)スピーカーケーブル
ケーブル・コネクター・変換プラグなどの販売実績が40年の富士パーツ商会が販売するOFCスピーカーケーブル。錫でケーブル全体をメッキしているため、錆に強く、経年劣化しにくくなっています。また、導体の先端部をハンダ加工しており、よじる必要がなく扱いやすいのも特徴です。
銅の純度も高いので高音質、また細いため取り回しも良く、初心者にもおすすめできるスピーカーケーブルです。リーズナブルながら高品質で、安心して使用することが出来るケーブルとなっています。ホームシアター用としてもおすすめ。
JVC-CN-403A スピーカーコード 先バラ−先バラ(3m)2本1組 (1,350円)
高純度OFC(無酸素銅)採用のハイクオリティケーブル
CN-403AはJVCブランドのシンプルな平型スピーカーケーブルです。導体には高純度の無酸素銅を採用しているため、劣化の少ない高音質を実現します。また、購入しやすい価格であることもうれしいポイントです。
導体に採用されている線形結晶無酸素銅は、OFC(無酸素銅)と比較して信号伝送に有害な結晶間容量を大幅に低減し、ワンランク上のクリアな音質を実現。また、ケーブルがやわらかく、取り回しも容易であることも高評価のようです。扱いやすさと高音質を同時に求めたいユーザーにおすすめのスピーカーケーブルです。
スターガット型でおすすめのスピーカーケーブル
CANARE-カナレ 4S6 バナナプラグ付 スピーカーケーブル 2本セット 1.5m (3,740円)
音響関係の現場でも使われている定番のスピーカーケーブル
カナレ4S6は、カナレ製スピーカケーブルの中でも最もコンパクトで取り回しの良い定番ケーブルです。ケーブルの外径は6.4mmですが、十分な導体ボリュームを確保。材質は無酸素銅を使用しており、劣化の少ないピュアサウンドを実現します。
また、4芯構造を採用しており、ノイズにも強くなっています。高音域と低音域を分けて接続するバイワイヤリングにも対応しており、音質にこだわる上級者向けのケーブルと言えるでしょう。また、外径が細く柔軟性があるため、取り回しの良さも人気の理由です。
CANARE-4S8 カナレスピーカーケーブル 1m切り売り (198円)
カナレ4S6と並ぶ超定番のスピーカーケーブル
音楽スタジオでも採用されることが多いカナレのケーブル。その中でも定番なのが、CANARE-4S8です。外径は8.3mmと4S6に比べて少し太く、その分余裕のある音質となっています。
幅広いジャンルの音楽再生に対応しており、音質評価用のケーブルとしても使われるほど。国内で最も生産数の多いスピーカーケーブルのひとつです。価格もリーズナブルですので、誰にでもおすすめできる製品と言えるでしょう。
ZONOTONE-6NSP Granster 2200α (8,147円)
4素材ハイブリッドによるゾノトーンのエントリークラスモデル
導体が4種の素材で構成されたスターガット型のハイブリッドケーブル。それぞれの素材を絶妙な割合で使用することにより、ノイズを排した高品位な音質を実現します。また、導体だけでなく、絶縁体にもこだわり、高純度ポリエチレンを採用しています。
ゾノトーンのエントリークラスでありながらも、完成度の高いクオリティを実現。豊かな低域から、ふくよかな中域、クリアな高域まで、バランスの良いサウンドを聴かせてくれます。初心者から上級者まで、幅広いオーディオファンにおすすめのスピーカーケーブルです。
CANARE-カナレスピーカーケーブル 4S11 10m (3,672円)
放射ノイズを低減する4芯構造のスピーカーケーブル
CANARE-4S11は、カナレの定番スピーカーケーブル。4心構造により、発生するノイズを軽減します。また、シース(保護外被覆)にはポリエチレンを採用することで、優れた周波数特性を確保しています。
外径は、10.7mmと太いため、余裕のある伝送を実現。低音が豊かで解像度の高いサウンドを生み出します。低音重視のサウンドが好みの方におすすめのスピーカーケーブルです。
ツイスト型でおすすめのスピーカーケーブル
BELDEN-ベルデン 9497 スピーカーケーブル SS 1m (1,815円)
「うみへび」の愛称を持つベルデンの定番スピーカーケーブル
レコーディングスタジオや放送局でも使われている定番のスピーカーケーブル。ツイスト型のため、外部からのノイズの影響も軽減。原音に忠実なサウンドを確保しています。
ツイスト型である割に、ケーブルが細めで扱いやすく、解像度の高い音質にオーディオファンも納得のようです。カーオーディオやギターアンプ用にも最適。価格もリーズナブルですので、入門者にもおすすめできるスピーカーケーブルです。
Belden-ベルデン 8460 3m スピーカーケーブル (1,774円)
バランスの良いフラットな音質を生み出すツイスト型スピーカーケーブル
米国BELDEN(ベルデン)社の100年もの間愛され続けている定番のプロ用スピーカーケーブル。音の特徴は、圧倒的にフラットであること。低域から高域まで原音に忠実なサウンドをスピーカーへと伝えます。
ツイスト型ケーブルの特徴は外部から受けるノイズの発生を軽減することで、安定したバランスの良い音質を実現します。また、ベルデン8460はリーズナブルな価格も特徴。初心者でも音質にこだわりたいという方におすすめのスピーカーケーブルです。
オーディオテクニカ-車載用スピーカーケーブル AT-CA20 1m (187円)
車載用高純度OFC素材のスピーカーケーブル
車載用高耐熱性シース(保護外被覆)を採用したツイスト型スピーカーケーブルです。高純度OFC素材を採用することによりノイズを軽減。20ゲージ相当と程よい細さで取り扱いも容易なケーブルです。
ツイスト型ケーブルはノイズに強く、快適にカーオーディオを楽しむことができます。また、最大90℃までの耐熱仕様となっており、温度が上昇しやすい車内に対応。カーオーディオでもサウンドにこだわりたいユーザーにおすすめのスピーカーケーブルです。
BELDEN-ベルデン 8470 ギターアンプ用スピーカーケーブル 50cm (2,000円)
最強のギターアンプ用スピーカーケーブル
ベルデンのツイスト型スピーカーケーブル8470とノイトリック社の金メッキプラグの組み合わせによるギターアンプ用スピーカーケーブル。細目のケーブルですが、信頼の品質でプロの現場でも採用されています。8470のフラットな音質と金メッキの高品位プラグにより、ギターの音を劣化なくアンプへと伝えます。
ギターとギターアンプを繋ぐケーブルでは、ケーブル自体の素材や構造に加え、プラグ品質も重要になってきます。いかに変化なく素直にアンプへとギターから出力される信号を伝えるか。高品位なケーブルとプラグで最高峰のギターサウンドを実現します。
まとめ
自分好みのサウンドに合ったスピーカーケーブルがおすすめ
アンプからスピーカーへと音を伝えるスピーカーケーブルがとても重要なアイテムであるという事をおわかり頂けたでしょうか。ケーブルの素材、構造、プラグなどの組み合わせにより、様々な個性があり、自分好みのサウンドに合ったスピーカーケーブルを選ぶことが大切です。今回はスピーカーケーブルの種類や選び方についてまとめましたが、実際に音を聞いてみて試行錯誤してみて下さいね。