自宅で音楽を楽しむ方にとって欠かせないのがヘッドホンですね。音楽が好きな人ほどより自分に合ったヘッドホンが欲しいのではないでしょうか。音楽をなるべく原音に近い状態で、楽しみたいという方におすすめしたいのが、モニターヘッドホンです。今回はそんなモニターヘッドホンの選び方、人気の商品について解説します。どのモニターヘッドホンが自分に最適なのか迷っている方や原音に近い音を楽しみたいという方は是非参考にしてください。
モニターヘッドホンの特徴
音楽を本来の音で楽しめる
モニターヘッドホンは元来、プロのミュージシャンが録音をする時やテレビ収録で使われているヘッドホンです。一般的なヘッドホンをリスニングヘッドホンと呼びます。リスニングヘッドホンは余計な雑音を削り、長時間音楽を聴いても聴き疲れしにくいように調整されています。一方モニターヘッドホンは、雑音などが修正されておらず聴き疲れはしやすいですが、ミュージシャンの声や楽器の音を原音のまま楽しむことが可能で、音楽好きにおすすめですよ。
楽器の練習用ヘッドホンとして最適
ギターやドラムなど楽器を練習する際に、リスニングヘッドホンを利用すると、音が調整された状態で聴こえてしまいます。楽器の音を正確に聴くことができないので、リスニングヘッドホンでは、なかなか上達しにくいでしょう。モニターヘッドホンならば、楽器が出した音をより正確に聴くことができるので、実際に演奏した時に意図した音を出すことができます。
耐久性が高く長期的に利用できる
モニターヘッドホンはプロのエンジニアなどが使う業務用ヘッドホンなので、壊れにくく、ヘッドホンは長年愛用したいという方におすすめ。ミュージシャンが録音する際、音の聴こえ方が変わらぬように、あえて十年以上マイナーチェンジをしないモニターヘッドホンもあります。長年同じモデルを販売しているということは、もし故障しても修理用の部品の在庫があるので安心ですね。
モニターヘッドホンの種類
密閉型
音漏れがしにくく重低音に強くて迫力がある
音が内側からしか出ずにもう片方は密閉されているので、音が外に漏れにくく、室内室外問わず使用できるタイプ。耳を覆うような形状をしていて、低音が漏れることなく聴けるのが特徴です。バンドの楽曲、特にベースやドラムなどの重低音が好きな方におすすめです。
音を外に漏らさないように、耳を覆っている分重量があり、首や肩に負担がかかりやすくなっています。開放型よりも販売されている種類が多いので、自身の体によりフィットしたヘッドホンを選べば長時間使用しても疲労感は抑えられるでしょう。種類が多いので性能だけでなくデザインにこだわってヘッドホンを選ぶことができます。
開放型
音の抜けが良くて高音に強い
イヤーカップと呼ばれる耳を覆う部分が網目状になっていて、内側だけでなく、外側にも音が出る仕組みのヘッドホンです。音が内側にこもらず、外に抜けるため閉塞感がなく、長時間音楽を聞いても耳が疲れにくいです。高音の再現度が高くて、オーケストラの音楽を好む方におすすめ。
使用時に外の騒音が聴こえてしまいますし、音が外に漏れるため室外での使用には向いていません。室内で集中して音楽を楽しみたいときにおすすめ。密閉型に比べて軽量で、肩や首が疲れにくいので、首回りが疲れやすいという方にもおすすめです。
モニターヘッドホンの選び方
接続方法で選ぶ
充電を気にしなくていい有線タイプ
再生機器とヘッドホンをケーブルで接続するタイプです。無線タイプと違い充電の必要がなく、時間を気にせず使えるので、長時間使用したい方におすすめ。楽器の練習のために、モニターヘッドホンを購入される方は、有線タイプでないと音の出力に遅延が発生してしまうので有線タイプがおすすめですよ。有線タイプですと、長期的に利用する中で、コードが断線してしまう可能性もあります。断線が不安な方は、ケーブル交換可能なモデルがおすすめです。
コードを気にしないでいい無線タイプ
外出時に音楽を聴く場合、無線タイプなら服などにケーブルが絡まる心配がありません。また断線してヘッドホン自体が使えなくなる、という心配もいりませんね。無線タイプなら仕事や勉強をしながら音楽を聴く場合でも、コードを煩わしく感じることがありません。Bluetooth接続は、再生機器の音源データを圧縮してヘッドホンに伝送するので、有線タイプより多少音質が劣ります。高音質にこだわりたい場合は、少々高価なモデルがおすすめです。
周波数帯域で選ぶ
好みの音域に合わせて数値を確認する
周波数帯域とは、ヘッドホンで再生できる音域を数値で表したものです。下の数値が小さいほど低音に強く、上の数値が大きいほど高音に強いです。バンドのベースやドラムなど、重低音が好きな方は、表記されている周波数がより小さいモデルがおすすめですよ。金管楽器や高音の声が特徴のアーティストが好きな方は周波数がより大きいモデルがおすすめです。
最低でも20~20000Hzに対応するものがおすすめ
一般的に人間が聞き分けられる音域は、20〜20000Hz(ヘルツ)と言われています。ただし20Hz以下または20000Hz以上の音が、全く聞き取れないわけではなく、周波数帯域が広ければ広いほど、原音に近い音を聴くことが出来ます。なので最低限のスペックとして20〜20000Hzと表記されているモニターヘッドホンがおすすめですよ。
つけ心地によって選ぶ
耳がすっぽり入る大きめのサイズなら没入感が増す
耳を完全に覆うタイプのヘッドホンを、オーバーイヤー型ヘッドホンと呼びます。密閉型ヘッドホンの場合、外側への音漏れが少なく外出時でも、十分に音楽を楽しむことができます。ただし遮音性が高い分、外部の音に対して反応が遅れるので、車や自転車などにはより注意して利用しましょう。オーバーイヤー型は、耳を覆う必要があるためサイズが大きくなっています。そのため持ち運ぶ際に、かさばることが気になる方は、折りたたみ可能なモデルがおすすめですよ。
イヤーパットが小さめの耳に当てるタイプは疲れにくく長時間の使用に最適
イヤーカップと呼ばれる、耳に接触する部分がオーバーイヤー型と比べて小さめで、イヤーカップを耳に乗っけるタイプをオンイヤー型ヘッドホンと呼びます。オーバーイヤー型に比べて軽量なので、長時間使用しても肩や首が疲れにくいというメリットがありますよ。オーバーイヤー型と比べてサイズが小さめなので持ち運びに適しています。
モニターヘッドホンのおすすめブランド・メーカー
SONY(ソニー)
プロのミュージシャンも扱うクオリティ
日本を代表するオーディオ機器メーカーで世界的にも高い評価を評価得ています。プロのミュージシャンが使う録音スタジオでも、SONY製のモニターヘッドホンが採用されています。プロと同じレベルで音楽を楽しみたい方におすすめ。
AKG ( アーカーゲー )
原音の再現度が高くて見た目がスタイリッシュ
音楽を原音に近い音で、出力するヘッドホンが多くて、世界中のミュージシャンも重宝しています。原音の再現度が高いので、パソコンで音楽制作をしたい方におすすめですよ。メタリックな外装がおしゃれなのでデザインにこだわりたい方に適しています。
beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)
肌触りがよくて低音の出力が強い
性能や完成度へのこだわりが強く、ミドルクラス以上のヘッドホンはハンドメイドで製作されています。丈夫な作りのヘッドホンでないと安心できないという方に最適です。シルバーとブラックのシックなデザインが特徴的でごちゃごちゃしていないデザインが好きな方におすすめ。
Audio-Technica(オーディオテクニカ)
シンプルなデザインで幅広いラインナップが魅力
余分な装飾がなくて、シンプルなデザインが人気のオーディオテクニカ。価格帯が広くて安いものなら1,800円程度のヘッドホン、高品質モデルですと40,000円前後のヘッドホンまで、と幅広いラインナップが売りです。高音の出力がきれいなので、クラシックや高音を得意とするアーティストが好きな方に、おすすめですよ。
Sennheiser(ゼンハイザー)
レトロなデザインで高音域に強い
音楽をクリアに出すことができて、重低音から高音まで周波数帯域が広いのでジャンルを問わず、様々な音楽に対応しています。クラシックなど、様々な楽器が使われている曲を聞いても、楽器それぞれの音を楽しめます。普段幅広く音楽を聴いている方におすすめ。
おすすめ&人気のモニターヘッドホンランキング
密閉型でおすすめのモニターヘッドホン
SONY-MDR-CD900ST (19,500円)
プロが信頼するクオリティ
音楽収録に適していて、複数の楽器の音が重なっても聞き分けることが可能で、余計な雑音を取り逃がしません。元々は業務用に開発されて、一般発売はされておらず、プロが使う多くのレコーディングスタジオなどで使われていました。一般ユーザーの要望を受けて1995年に一般販売が開始されました。
本体の重量は200gと軽量で、長時間使用しても疲れにくく、本格的な音楽制作作業に適しています。趣味として音楽づくりをしたいという方におすすめ。専門店に行けば部品の交換が可能で、長期的に使用したい方にとってありがたいですね。
audio-technica-ATH-M60x (24,068円)
軽量モデルでも精密な再現性
耳に当てるオンイヤー型のヘッドホンなのですが、しっかりとしたフィット感があり、遮音性が高いです。耳に接触するイヤーカップと呼ばれる部分に厚みがあり、長時間使用しても疲労がたまりにくくなっています。課題や作業の時に使うヘッドホンが欲しい方におすすめ。
ヘッドホンと再生機器を繋ぐコードが変換可能で、300cmのコードが二つ、120cmのコードが一つ付属しています。長期間の使用で断線が不安という方も安心ですね。耳に当てるオンイヤー型なので、高音質で瞬時に着脱が可能なヘッドホンが好みの方におすすめです。
Roland-RH-300 (19,067円)
デジタルサウンドに最適
シンセサイザーなどの電子楽曲の音を出力するのが得意で、クリアに再生されますよ。再生周波数帯域は10〜25000Hz、とやや重低音にこだわりがあります。家でドラムの練習をする際使用する電子ドラムの音が聴きやすく練習用ヘッドホンに適しています。
ハイレゾオーディオと呼ばれる、音源をより鮮明に再現する機能に対応していて、高音質にこだわりたい方におすすめ。外観はアルミプレートを使用していて、耳を覆うオーバーイヤー型にしては比較的軽量で、長時間使用に適しています。またメタリックなデザインが好きな方におすすめです。
YAMAHA-HPH-MT8 (24,560円)
つけ心地がよくて遮音性が高い
3万円以下のミドルクラスながら、低音から高音まで幅広い音域を、カバーしています。耳を覆うイヤーカップと呼ばれる部分は、肌触りにこだわったレザーを使用していて、クッション部分は余分な振動を吸収してくれます。遮音性が高いので周りの音に敏感な方におすすめ。
イヤーカップの可動域が広いので、顔の大きさや形に合わせて使用できます。ヘッドホンのつけ心地が心配な方におすすめ。楽器の音を精密に再現できるため、ギターやベースなど楽器の練習をしたい方に適しています。
FOSTEX-T50RPmk3g (19,008円)
プロ仕様の構造で鮮やかなデザイン
FOSTEXが独自に開発した動電型全面駆動方式を使用していて、音の歪みを極力取り除いて音が再生されます。耳に当たるイヤーカップは、低反発ウレタンを使用した上質な素材を採用しています。低反発でソフトなつけ心地のため長時間使用をしたい方も安心ですね。
周波数帯域が15〜35000Hzと、幅広い音域をカバーしています。特に高音が得意なヘッドホンです。ボーカルの声がクリアに聴こえるため、音楽を聴く際はボーカルの声を、集中して聴きたい方におすすめ。
SENNHEISER-HD 25 (15,891円)
シンプルなデザインで迫力あるサウンド
低音と高音に特化したドンシャリと呼ばれる音の出力が得意で、バンドやEDMなどの音楽を中心に楽しむことができます。耳に当たる部分は圧迫感を感じやすくなっています。耳が圧迫されるのが気になる方は、クッション性の高いイヤーカップを取り付けましょう。
イヤーカップの長さを調節できるのはもちろん、イヤーカップの上部に回転する軸があるため、前後180度可動する仕組みになっています。音楽の収録作業で、逐一ヘッドホンを外すのが億劫な方におすすめ。またターンテーブルを使用する方に適しています。
開放型でおすすめのモニターヘッドホン
AKG-K240 STUDIO-Y3 (6,280円)
初めて購入する開放型ヘッドホンにおすすめ
周波数帯域が15〜25000Hzで突出して音域が広いわけではないですが、低音から高音までクリアに出力出来て、弱点がありません。デザインは黒と金の重厚感のある配色ですが、重量は230gと比較的軽量です。ヘッドホンの重量が気になる方にはおすすめ。
ケーブルの交換が可能です。長期的に使用していて、もし断線しても安心ですね。価格が1万円以下なので、開放型ヘッドホンを購入したいけど、最初から高価なモデルを購入して失敗したくない、という方におすすめ。
beyerdynamic-DT1990PRO (64,200円)
技術の粋を集めたハイエンドモデル
beyerdynamicの開放型ヘッドホンの中では、上位モデルで正確かつパワフルな音を楽しめます。バンド音楽ではバスドラムの低音からシンバルの高音まで、くっきりと聞き分けることができます。楽器それぞれの音を楽しみたいという方におすすめ。
周波数帯域は5〜40000Hzと驚異的な数値を誇っていて、幅広いジャンルの音楽を楽しめます。ドイツで一つ一つハンドメイドで作られているので、安心して長期的に使用することができます。本格的な音楽制作を行いたい方におすすめ。
audio-technica-ATH-R70X (38,390円)
自分好みにカスタマイズが可能
高磁力マグネットと純鉄製磁気回路を搭載した、出力装置により幅広い音域をカバーして、原音の再現度が高いです。高音質ながら210gと軽量で長時間使用しても疲労が貯まりにくく、音楽制作にも適しています。音質にこだわりたいけど、ヘッドホンの重量は抑えたい方におすすめ。
頭を押さえる部分が広がるので閉塞感がなく使用できます。デュアルサイド着脱式コードと呼ばれる仕様があり、LとRの区別がなくて、両側のイヤーカップが着脱可能。ヘッドホンを自由に作り替えていきたい方におすすめです。
SENNHEISER-HD 600 S (55,000円)
様々な接続方法に対応
1997年に発売されたモデルの後続機で、長年音楽好きに愛されていた仕様を受け継いでいます。イヤーカップにアルミニウブボイスコイルを使用しているので、高音の出力では原音の再現度が高いです。ハイレゾの音楽を再生することが可能で、臨場感のある音楽を楽しむことができます。
オーディオ機器の接続方法は一般的なイヤホンジャックでも複数種類がありますが、多くの種類に対応可能です。高性能なオーディオプレイヤーには、バランス接続という方法があるのですが、HD 600 Sはバランス接続も可能です。オーディオプレイヤーの種類にもこだわりたい方におすすめ。
SHURE-SRH1840 (54,782円)
人間工学に基づいたデザイン
ダイナミック型ネオジム磁石を搭載。左右の出力装置により伸びのある高音と、正確な低音を出力します。スチール製のフレームが内側の共鳴を抑えることで、どんなジャンルの音楽も十分に楽しむことができます。
金メッキを含んだケーブルは着脱可能で、安全に保管できます。もし断線しても交換が可能なので、長期的に使用したい方におすすめ。ヘッドバンドと呼ばれる頭に当たる部分は、人間工学に基づいた設計なため、長時間使用しても疲れにくいです。
低価格でおすすめのモニターヘッドホン
YAMAHA-HPH-50B (2,670円)
持ち運びやすくつけ心地抜群
耳に当たるイヤーカップが90度回転するので、耳の角度に合わせて装着できます。頭に当たる部分のヘッドバンドは、長さの調節が可能なので頭を圧迫せずに、装着可能。長時間音楽を楽しみたい方も満足のヘッドホンです。
コンパクトなサイズなので、持ち運びやすく、外出先で音楽を楽しみたい方におすすめです。低コストながら高音、低音共にバランスよく再生することが可能。初めてモニターヘッドホンを購入する、という方に適しています。
audio-technica-ATH-M20X (5,830円)
低コストながら安心のサイズ感
本体のサイズに関しては、ミドルクラスのヘッドホンと相違なく、安っぽい感じはありません。耳に当たるイヤーカップは、耳を覆うオーバーイヤー型です。遮音性は申し分なく、音漏れを心配せずに使用できますし、外部の音を気にせずに音楽に集中できます。
低音域から高音域まで、低コストながら様々な音を出力することができます。楽器を始めてみたいという方にとっては、練習用のヘッドホンとして、申し分ない再現度があるのでおすすめ。長期間使用しても壊れにくいので、長く愛用できます。
Superlux-HD681 (2,886円)
低音に強いセミオープン型
耳を覆うイヤーカップの外側が部分的に開放されています。部分的に音が外に抜けるセミオープン型という種類です。音が漏れるので、外出時の使用は控えるべきですが、音が内部にこもらず広がりを感じる音楽を楽しめますよ。
周波数帯域が10〜30000Hzと低音の再現度が高いです。バンド系の音楽をよく聞く方におすすめ。イヤーカップ部分は、人間工学に基づいた設計で、長時間使用しても疲れにくく、音楽制作など長い時間作業をする方に適しています。
OneOdio-A71 (3,980円)
低コストと感じさせないデザイン
イヤーカップ部分を、内側に折りたたむことができるので、スペースをとらずに持ち運びやすいです。左右の二箇所にジャックを差し込めて、異なる再生機器から音を出力することができます。楽曲作成など様々な作業に使うことが出来て便利ですよ。
本イヤーカップ部分の可動域が広くて、横軸に50度回転します。縦軸には90度回転するので、頭や耳の形にフィットさせて使用できます。ヘッドホンを使用していると、疲労を感じるという方も安心して使用できます。
まとめ
原音の再現度が高くて好みの音楽に合うモニターヘッドホンがおすすめ
モニターヘッドホンを購入する際大切なポイントを二つあげると、どんな用途で使うのか、どんな音楽が好みかということです。数あるモニターヘッドホンはそれぞれ得意なことが違うので、用途や好みに合わないモニターヘッドホンですと、思ったような音を聴けずに後悔してしまうかもしれません。今回は種類や価格帯ごとにクオリティの高いモニターヘッドホンを紹介しました。ぜひ皆さんも自分に合うモニターヘッドホンを見つけてみてください。