包丁は料理をする上で基本となる調理器具です。しかし切れ味の悪い包丁では調理時間が長くなり、料理の見栄えも悪くなってしまいます。そんな時におすすめしたいのがダマスカス包丁です。ダマスカス包丁があれば食材の切れ味がアップしますよ。そこで今回はダマスカス包丁の選び方などを詳しく解説します。また人気のダマカスカス包丁を紹介するので、切れ味の良い包丁を探している人は、是非参考にしてみてくださいね。
ダマスカス包丁のメリット
普通の包丁にはない独特の縞模様がある
異なる種類の鋼材を重ねて鍛錬することで刃にミルフィーユのような縞模様ができ、独特な見た目が人の興味を引き付けます。ちなみにダマスカスとは中東シリアの地名が由来。その昔ダマスカスでは美しい縞模様の「ダマスカス鋼」を用いた製造を得意としていました。現在では製造方法が異なるものの見た目が似ていることから、縞模様がある包丁をダマスカス包丁と呼ぶのが一般的です。
錆びにくく切れ味も良い
ステンレスやチタン、セラミック製など、包丁の刃の素材は様々です。しかし最近はダマスカス包丁が錆びにくいと高評価。日本で販売されているダマスカス包丁の多くに使われている「モリブデン鋼」という素材が錆に強いため包丁の刃が長持ちします。また切れ味も良いので、調理も快適になりますよ。
ダマスカス包丁のデメリット
同じスペックの一般的な包丁に比べて値段が高い
ダマスカス包丁には美しい加工が施されているぶん、値段は高価です。素材や切れ味、形や大きさなどスペックが全く同じで、模様のない一般的な包丁に比べると、ダマスカス包丁は割高に感じるでしょう。ただし、1本でも模様のある包丁があると、キッチンが華やかな印象になりますよ。
ダマスカス包丁の種類
一体型
持ち手と刃に繋ぎ目がない
これまでの包丁は持ち手が刃を挟み込む、もしくは持ち手に刃を差し込むような構造でした。そのため刃と持ち手に繋ぎ目生じ、溝に汚れが溜まることも。一方、一体型は完全に連結されており、繋ぎ目がありません。そのため汚れが溜まることもなく衛生的です。
デメリットは品数の少なさです。分離型の方が選択の幅が広いのは否めません。しかし徐々に種類も増えてきています。これまでは一体型の品揃えがなかったブランドやショップでも取り扱いを始めるケースもあるので、こまめにラインナップをチェックしてみてくださいね。
分離型
繋ぎ目があり刃と持ち手部分が別々の素材なのが一般的
以前から使われ続けているのが分離型。黒色をした木製の持ち手に刃がついているのが最もポピュラーなスタイルです。しかし現在は持ち手のバリエーションが増えており、中には明るい色味でインテリアに映えるものもあります。
デメリットは繋ぎ目に汚れが溜まりやすい点。汚れをそのままにし、手入れをおざなりにすると持ち手部分が劣化してしまいます。そこで分離型の包丁を洗う時は、繋ぎ目に汚れが残っていないかしっかり確認しておきましょう。
ダマスカス包丁の選び方
扱う食材で選ぶ
オールマイティーに使えるのは三徳包丁
通常の調理に一番おすすめなのが三徳包丁で、長さは14~18cm程度です。また刃先にかけ緩やかに沿っており、肉・魚だけでなく野菜も難なく切ることができます。そのため通常の料理なら三徳包丁1本あれば十分。料理初心者はもちろん、毎日台所に立つ主婦にとっても1本は持っておきたい包丁です。また品ぞろえも多く選択の幅が広いので、きっと自分好みの包丁を見つけることができるでしょう。
牛刀包丁は刃が長く肉専用
包丁は食材に応じて切りやすい種類が用意されており、中でも牛刀包丁は肉の塊を細かく切る目的で作られました。三徳包丁よりは少し長めで18cm以上のものが一般的。刃先が細長くなっているので、硬い肉のスジ切りが得意です。尚、西洋では三徳包丁の位置づけで、扱う食材を限定しているわけではありません。そのため海外生活が長い人にとっては、日本の三徳包丁よりも牛刀包丁の方が、普段使いには適している可能性もあります。
出刃包丁は魚をきれいに捌くことができる
オーソドックスな三徳包丁に比べて刃先が鋭く、全体的に厚みのある出刃包丁は魚を捌くことに特化しています。魚を捌くことに苦手意識がある方も少なくありませんが、出刃包丁があれば三枚おろしから骨の切り落としまで簡単にできます。刃渡り10センチ程度の包丁であれば一般家庭で使う分には十分な長さで、取り扱いがしやすいですよ。
菜切り包丁は野菜の下処理に重宝する
菜切り包丁は長方形の様な刃が特徴。刃に反りがなく、刃元から刃先までまな板に対して平行です。そのため三徳包丁などの一般的な包丁とは加減が違います。しかし慣れてしまえば野菜の千切りをスピーディーに行うことが可能。刃の形が真っすぐなので、大根のかつら向きも得意です。野菜の下ごしらえの精度を今以上に上げたい人は、是非菜切り包丁をチェックしておきましょう。
中華包丁なら様々な切り方が可能で肉にも魚にも使える
中華包丁は1本あれば様々な用途に使えるよう作られており、肉や魚、野菜などどんな料理を作る場面でも活躍します。また、ただ単に具材を切るだけでなく、骨をたたき割ったり繊細な細工を施すことも可能。包丁を1本だけに絞りたい方や、幅広いジャンルの料理を作る方におすすめです。
細かな作業がメインならペティナイフ
ペティナイフは牛刀包丁と同様に西洋包丁の一種で、サイズは8~14cm程度です。刃幅が狭く、刃先が尖っているのが特徴。牛刀包丁をそのまま小さくしたような包丁です。細かい作業に適しており、果物や野菜の皮むきが楽にできます。またサイズが小さいというだけで切れ味に関しては問題ありません。そのため鶏モモ肉の調理程度ならペティナイフでも十分調理可能です。
パン切りナイフは食卓がおしゃれな印象に
パンを切ることに特化したパン切り専用のナイフ。パンは一般的な包丁だと潰れてしまいますが、パン切りナイフがあればきれいに切ることができます。普通の包丁は食事中のテーブルに出すことはありませんが、パンは必要に応じてテーブル上でも切ることがあるでしょう。ダマスカス模様が施されたパン切りナイフがあれば、食卓が華やかな印象になりますよ。
持ち手で選ぶ
木製は手に馴染みやすい
木製ハンドルの包丁は使用する機会が何かと多いので、持った時の感触がしっくりきやすいのがメリット。手の体温も伝わりやすく、冷たく感じません。但し、刃とハンドルの繋ぎ目に水が入り込むとハンドル部の劣化のスピードを早めてしまうことも。そこでおすすめなのが繋ぎ目にツバのあるもの。ツバがあれば持ち手に水分が入り込むのを防いでくれます。
ステンレス製なら殺菌の繁殖を抑制可能
ステンレス素材は有害な菌がつきにくいので、他の素材よりも衛生的に保つことが可能。耐久性も高いので、長く使い続けることができます。中には持ち手の中を空洞にして、重さを軽くしている軽量モデルも。包丁を長時間使用することで手首が疲れてしまうことが多い人におすすめです。またステンレス製の包丁は見た目がシャープでスタイリッシュなので、男性が使っても様になりますよ。
カーブがあればしっかりグリップできる
持ち手部分にカーブがあれば指のひっかかりになるので、包丁が握った手から抜け落ちにくくなります。特に水分を多く含む食材を扱う時は包丁が滑りやすいので、カーブつきのものがおすすめです。中でも指のグリップの形に合った凹凸があるものは、よりしっかり握ることができます。但し、子供や大柄な人など、カーブの位置が自分の手にフィットしない場合は持ち手にカーブがないものを選んでくださいね。
ダマスカス包丁のおすすめブランド・メーカー
関孫六
手に馴染む木製ハンドル
古くから受け継がれている信念の基、よく切れる包丁を製造。昔ながらの黒色の木製ハンドルを採用しているものが多く、見た目も落ち着いているので使う人を選びません。中にはハンドル部が逆三角形になっているものなど、握りやすい設計になっているモデルもあります。
JIKKO
食材が包丁にくっつきにくい
高価な包丁は使いこなせるかが心配という声にこたえて作られた包丁。切れ味の良さはもちろんのこと、使い勝手が良いのが特徴です。たとえば食材が刃につきにくいなど、調理をする上でイライラしがちなポイントを解決しています。
issiki
ずっしりと重厚感がある
適度な重みがあるのが特徴。子供には不向きかもしれません。しかし包丁の重みが力となり、硬い食材も切りやすくなります。特に三徳包丁は扱う食材の硬さも様々なので、重みがあるものを使うのがおすすめです。
柳宗理
持ち手がステンレスで衛生的
使いやすさと見た目の美しさが融合しているのが最大の特徴。ステンレスを素材とした一体型構造を採用しています。特に持ち手の曲線は美しく、かつ握りやすさも兼ね備えており、機能美という言葉がぴったり当てはまりますよ。
おすすめ&人気のダマスカス包丁ランキング
三徳包丁でおすすめのダマスカス包丁
ISSIKI-ダマスカス三徳包丁(9,480円)
適度な重さがあるので食材が切りやすい
230gもの重さで自然と食材を切ることが可能。人参やゴボウなど、硬い食材も少ない力でカットできます。また右・左の両利きに対応しており、使う人を選びません。そのため利き手が違う人と同じ包丁共有することが可能です。
ステンレスを67層まで積層・鍛錬した素材を使用。単層構造の素材よりも固く強度がアップしています。また持ち手には滑りにくくなる特殊加工が施されており、その上ガラス繊維素材なので耐水性・衛生面も安心です。
柳宗理-キッチンナイフ(11,550円)
重量バランスが考えられているから疲れにくい
形と重さのバランスをサイズごとに熟考。長時間の調理でも疲れにくいように、包丁の重量バランスを考えています。特に三徳包丁は普段から使う頻度が高いので、疲れにくい設計は毎日調理をする人にとって大助かりです。
持ち手には18-8ステンレスを使用。木製のものより殺菌の繁殖を防ぐことができます。また食洗器にも対応しているので、跡片付けも簡単です。尚サイズは18cmと三徳包丁の中ではやや大きめ。そのためある程度包丁の扱いに慣れた人におすすめです。
ほんまもん-三徳包丁(19,148円)
ブレードは輝きが強く強度もある
中心の切刃にステンレス刃物鋼を使用していることで、錆びにくく切れ味も良好です。ブレードは軟ステンレスとニッケルを交互に積層しており、片面31層の多層鋼。切れ刃も合わせると合計63層にもなり、見た目が非常に美しいのが特徴です。
持ち手に使われている18-8ステンレスモナカハンドルは腐食しないので衛生的。高圧・高温殺菌洗浄にも耐えられるので、食洗器で手入れすることもできます。また一体型構造をしており、隙間に汚れが溜まりません。
MOKA-オールステンレス包丁(13,200円)
女性が使うことを想定したデザイン
持ち手は女性の手のひらのサイズや指の関節の位置などを考えて作られています。中央にかけ少し山なりになっており、握りやすい形状です。毎日料理をする主婦や、通常の包丁は手にしっくりしないと感じている女性におすすめです。
V金10号という素材を使っており、鋼のような切れ味とステンレスの錆びにくさを兼ね備えています。また構造は一体型。刃と持ち手の間に繋ぎ目がなく、汚れが溜まらないので衛生的に保つことができますよ。
牛刀包丁でおすすめのダマスカス包丁
流-牛刀包丁(18,800円)
岐阜県関市の職人による手作業で作り上げられている
刃物の町である岐阜県関市の職人によって、一本一本手作業で作られました。一番の特徴は綿密に薄く仕上がられた刃。切断する時の抵抗を最小限に抑えることができるので、どんな食材もスパスパ切ることができます。
人間工学の知見が詰まったD型ハンドルを採用。表面は数ミリ単位で削られており、手馴染みが良く握りやすいのが特徴です。一見分離型ではありますが刃と持ち手の繋ぎ目がしっかり研磨されているので、汚れが溜まりにくくなっています。
菜切り包丁でおすすめのダマスカス包丁
藤次郎-牛刀包丁(9,900円)
ハマグリ刃が食材に食い込みやすい
普通の刃は横から見た時に角張った部分があります。一方ハマグリ刃は角がなく、なだらかな形状。食材を切った時に突っかかる部分がありません。そのため包丁の刃が食材にすっと入っていき、調理時がノンストレスです。
刃の部分だけが硬く側材は比較的柔らかい素材を使用。研ぎやすい構造になっています。研ぎやすければプロでなくても自分でお手入れすることがでるので、わざわざ専門家に頼む必要がありません。また包丁を持った時に軽く感じるように重心が設計されています。
JIKKO-牛刀包丁(15,400円)
刃に食材がつきにくいので作業がはかどる
刃の表面に凸凹加工が施されており、食材が刃にくっつくのを抑止。食材が刃につかないので、都度手を止めることもありません。特にキュウリなど、水分が多く刃にくっつきやすい食材の調理時に重宝します。
ハンドル部は高級家具などにも使われるマホガニー木材を使用。見た目に高級感があり、やや丸みを帯びた形をしているので手に馴染みやすくもなっています。また刃にはVG10素材をつかっており、切れ味が長持ちし頻繁に研ぎ直しする必要もありません。
菜切り包丁でおすすめのダマスカス包丁
関孫六-菜切り包丁(9,460円)
逆三角の形をしているから持ちやすい
関孫六27代目兼元の刀匠である金子孫六氏による包丁です。古くから受け継がれる匠の技がしっかり施されており、日本刀のような鋭い切れ味を実現。V金10号を使用しているので、鋭い切れ味も長続きします。
包丁の刃を下に向けた時、ハンドル部が逆三角の形に。逆三角になっていると手にフィットするので、調理中に包丁が手から抜け落ちることも少なくなります。尚ハンドルの素材は強化木とステンレスパーツを組み合せているので、耐久力が増していますよ。
翁流-菜切り包丁(11,000円)
ツバがあるからハンドルが長持ちする
ハンドル部は黒合板素材を使用。分離型ですが、刃と持ち手の間にツバがあります。ツバは繋ぎ目にできる隙間に、水分が侵入してしまうことを防ぐ役割になってくれます。水分が入らなければ劣化のスピードを抑えることもできるので、木製ハンドルでも長く使い続けることが可能です。
刃の表面には鍛造によってできた槌目模様があります。槌目模様がある包丁は包丁離れが良いので、食材を切った時に食材が包丁にくっつきにくくなるといった長所が。刃にくっついた食材をはがす工程が少なくなるので、調理スピードもアップしますよ。
重宏別作-菜切り包丁(10,900円)
日本刀のように強度がある
鍛造火造りの手法を採用。職人の手によって炉で加熱した素材をハンマーで薄く延ばしていきます。鍛造火造りにより鍛錬された素材は組織が細分化され強度と耐摩耗性が増すので、包丁の刃としては最適です。
刃には高級刃物でも多く使われるV金10号を使用。錆びにくい、研ぎやすい、長持ちするといった包丁の理想に近づいています。また持ち手には強化木を使っているので耐久性が高く、木製ならではの持ち馴染みの良さもありますよ。
ペティナイフでおすすめのダマスカス包丁
hana-ペティナイフ(5,800円)
ホワイトオークの持ち手が明るい印象
硬さがあり強度が高いホワイトオークを使用。耐久性に優れています。また水分を通しにくいので、劣化しにくいのもポイントです。またホワイトオークは木目が美しく、明るい色が特徴なので無機質なキッチンも華やかになります。
持ち手はミリ単位で調整されており、絶妙なバランスに整えられています。そのため手馴染みが良く、調理時も疲れません。また刃に使われているVG10の切れ味と硬度はトップクラス。切れ味は長持ちするので、手入れの頻度も少なくすみます。
MOKA-ペティナイフ(9,900円)
軽いから野菜の皮むきが楽
国際的に活躍する工業デザイナー川上元美と関の刃物メーカーサンクラフトがコラボした包丁です。オールステンレスで繋ぎ目のないデザインは非常に洗練。職人による技術で刃付けをしているので、切れ味も確かです。
ハンドルの中は空洞上になっているので、重さはわずか73g。日本人の手に馴染むように適度な膨らみがあるので、手馴染みが良く手首に負担がかかりません。また刃渡りは13cm、全長にしても237mmとコンパクト設計なので、小回りが利きますよ。
藤次郎-ペティナイフ(9,900円)
見た目が美しく人前で使える
魅せることに重きをおいた包丁です。シンプルかつスマートな見た目で、全体的に流れるようなデザインをしています。特に持ち手は人前で包丁を使う人のことを考えて開発。サーヴィスマン独特の握り方研究し、縦横立体的に作られています。
製品重量は約75gと軽量なので、リンゴの皮むきなど、食材を手に持ちながらの調理におすすめ。刃は全体的に細身なので、細かい作業にも最適です。尚、ペティナイフではありますが刃渡りは約15cmもあるので、通常の料理のようなちょっとした調理をする分には問題ないでしょう。
ダマスカス包丁のお手入れ方法
普段の手入れは普通の包丁と同じ洗い方で十分
ダマスカス包丁の洗い方は基本的に普通の包丁と同じです。食器用洗剤で丁寧に洗い、水気はしっかり切りましょう。中には食洗器に対応したものもあり、手入れの時間を短縮できます。但し、食洗器を使う時はメーカーの指示に従い、刃で食洗器の庫内を傷つけないように注意してください。
研ぐ際には柄が消えないよう角度に注意
洗い方と同様、研ぎ方も普通の包丁とほぼ同じです。研ぎ石を使用するなら、刃と研ぎ石が接する角度を一定に保つのが重要。峰側を5mmほど浮かせるのが目安です。但し、ダマスカス包丁独特の縞模様が傷つかない程度の力加減で行ってください。
まとめ
一体型のダマスカス包丁がおすすめ
一体型なら繋ぎ目がないので溝に汚れが溜まりにくいので衛生的。もし木製ハンドルの方が好みの場合は、繋ぎ目が研磨され刃と持ち手が一体化しているものを選ぶと良いでしょう。今回はダマスカス包丁について詳しく解説してきました。是非自分好みの包丁をみつけて、調理の時間をより一層快適なものにしてくださいね。