ホイールを取り付けるために無くてはならないのが、ホイールナットです。車のメンテナンスを普段しない方でも、タイヤ交換で必要となるので、扱う機会も多いでしょう。ホイールナットには盗難防止付きのものや、足回りをおしゃれにドレスアップできるものなど、さまざまな種類があります。そこで今回はホイールナットの選び方やおすすめの商品を紹介します。
ホイールナットの特徴
適正トルクと形状でホイールを留める
ホイールナットは、ハブとホイールを固定することで、車体にタイヤを留める役割があります。それぞれの車ごとに締め付ける際のトルクが定められていて、適正なトルクであればホイールをしっかりと留めてくれます。またホイールとナットの間に隙間ができないように形状にも種類があります。
足回りをおしゃれにドレスアップできる
ホイールナットは、車体にタイヤを留める役割だけではありません。各メーカーからレッドやブルー、ブラックなど、カラーバリエーション豊富なホイールナットが販売されており、車をおしゃれにドレスアップできます。アルミホイールだけでは満足できない方は、ホイールナットにもこだわるといいでしょう。
ホイールナットの種類
袋ナット
最も使用されているスタンダード
袋ナットとは、ナットの頭頂部がふさがれているもので、ボルトを隠すように取り付けます。各自動車メーカーの純正品として使われているホイールナットに多いのが袋ナット。袋ナットはナットの長さ分しかボルトを締められないので、交換するときにはサイズをよく確認する必要があります。
袋ナットのメリットは、ボルトをサビから守ってくれることです。冬季に雪が降るような地域では凍結防止のために塩カルを道路に撒きますが、ボルトが剥き出しのままではサビや腐食の原因となります。そのため袋ナットでボルト保護します。
貫通ナット
ボルトが長くてもしっかりと締められる
袋ナットとは反対に、貫通ナットはその名の通りナットが貫通しているものを指します。袋ナットの場合はボルトとナットの長さが合うか確認する必要がありますが、貫通ナットはその手間がいりません。ボルトの長さに関わらず、奥までしっかりと締め付けることができます。
ナットが貫通しているために、そのままでボルトをサビから保護することができません。ボルトを保護したい場合には、貫通ナット専用のキャップを取り付ければ対処できます。また、貫通ナットと同時にホイールにセンターキャップが付いているものもあります。
ホイールナットの交換方法
ホイールナットのサイズを確認する
まず乗っている車のネジサイズを確認します。国産車で多いサイズがM12×P1.5。この場合、直径が12㎜、ネジの山と山の間、つまりネジ山のピッチが1.5㎜のネジを指します。各メーカーごとに適応するネジサイズがありますが、車種ごとに異なることもあるので、必ず現車のサイズを確認してください。
取り付け座の形状を確認する
取り付け座とは、ホイールナットとホイールが接する面のことを言います。ホイールナットの形状にはテーパー座と球面座、平面座と三種類が存在し、それぞれ取り付け座に合わせなければいけません。ホイールとナットがきちんと固定されていないと、走行中に思わぬ事故につながる恐れもあるので、ネジサイズとともにナットの形状も確認して交換しましょう。
ホイールナットの選び方
素材で選ぶ
コストパフォーマンスを求めるならスチール
国内メーカーの純正品として最もよく使用されているのがスチールナット。重量があり、錆びやすいのがデメリットですが、その分強度があります。また、加工がしやすいのが特徴で品質的に安定していますよ。安価で手に入るのでコストパフォーマンスに優れています。ホームセンターなどでもよく売られているので手に入りやすいです。
愛車のドレスアップをしたいならジュラルミン
ジュラルミンとはアルミに銅やマグネシウムを混ぜたものです。強度はあまりなく、熱膨張をしやすいのでサーキット走行などの高負荷な使い方には向きませんが、軽量で美観がいいのが特徴。カラーアルマイトという、表面の孔に塗料を閉じ込める加工によりカラーバリエーションが豊富なので、愛車のドレスアップにおすすめです。
耐熱性と強度の高さが魅力のクロモリ
クロモリとはクロムモリブデン鋼のことで、クロム鋼にモリブデンを混ぜたものです。強度と硬度が高いのが特徴の金属で、引張強度に優れています。耐熱性もあるのでレースなどの熱を発しやすいスポーツ走行に適していますよ。価格はスチールと比べて高価ではありますが、実用的という観点からは優れたホイールナットです。
ホイールナットにこだわりたいならチタン
チタンナットの特徴は軽くて強いという点です。強度はクロモリと同等以上で、高負荷な環境でも耐えられる強さを持っていますよ。しかも耐食性にも優れているので、錆びにくいのも利点と言えます。モータースポーツの世界ではよく使用されているチタンナットは、コンマ1秒を争うようなF1の舞台でも高品質ゆえに重宝されています。
形状で選ぶ
国産車の多くはテーパー座
ホイールの取り付け座の形状によって、選ぶホイールナットが変わります。国内メーカーでよく使用されている形状がテーパー座で、テーパー角度は60°が一般的ですよ。ちなみにテーパーとは先細りになっていることを言います。トヨタとホンダ以外のナットはテーパー座が基本ですが、OEM車だと稀に異なるケースもあるので現車をよく確認しましょう。
車種に合わせて平面座や球面座を
トヨタ車は平面座と呼ばれる、ナットとホイールの接する面が平面になっているホイールナットを使用します。対してホンダは、ナットが曲面を描くように丸くなっている球面座を使用します。球面座は接する面積が広いため、緩みにくくなっていますよ。ただ、車種ごとに異なる場合や社外ホイールを取り付ける場合には、形状を確認する必要があります。
長さで選ぶ
普通自動車なら30mmのロングタイプ
貫通ナットは長さを気にする必要はありませんが、袋ナットは長さが合わないとうまくホイールを固定することができません。例えば、ボルトより短い場合には、ホイールと密着しなくなります。普通自動車は30㎜前後のロングタイプが多いですよ。また、40~50㎜の長さになってくると存在感が増すのでホイールナットにこだわりたいならおすすめです。
軽自動車なら25mmのショートタイプ
軽自動車は普通自動車に比べて、構造的にフロントフェンダーが飛び出ていないタイプが多いのでハブボルトも短くなります。一般的には25㎜前後のショートタイプが適合する長さとなり、僅かですが、軽量化にもつながります。長すぎてホイールナットがはみ出てしまうと、危ないのはもちろんですが、車検に通らなくなってしまいますので注意してください。
付加価値で選ぶ
ロックナットなら愛車ホイールの盗難防止ができる
ホイールが高価なものであればあるほど、盗難が心配ですよね。通常のナットは六角形でクロスレンチを使って外すことができます。一方、ロックナットというものは、特殊な形状をしているので専用のソケットでなければ外れない仕組みになっています。4本もしくは5本あるホイールナットの一つでも、ロックナットを使うと盗難防止になります。
カラフルなホイールナットなら見た目もおしゃれ
アルミ製のホイールナットの中には、見た目にも鮮やかなカラフルな色合いをしています。さらに長めのナットを選ぶと、遠目にも存在感が増してきますよ。車のカスタムというのは、金額がどうしてもかかってしまうものです。しかし、ホイールナットなら比較的低価格でドレスアップが可能なパーツなので、他と差別化が図れるのが魅力。
ホイールナットのおすすめブランド・メーカー
協永産業
圧倒的なラインナップを誇る国内メーカー
レーシング用から普通自動車まで、さまざまな種類のホイールナットをラインアップしている国内メーカー。ISOを取得して厳しい品質管理システムのもと、安全な製品を作っています。ホイールナットに迷ったらまず協永産業の製品をチェックしてください。
マックガード
高い防犯性能があるホイールナットが魅力
アメリカに本社を持つ、自動車用のセキュリティ製品のメーカーです。マックガード独自の花柄のキーパターンがあるロックナットは、革新的な盗難防止品。デザイン性をはじめ、高い防犯性能から自動車メーカーの純正品としても使用されています。
RAYS(レイズ)
レーシング用に特化したカラフルなナット
RAYSは、独自の技術力で品質の高いホイールを数多く製造しています。ホイールナットにもこだわりを持っていて、レーシング用からロックナットまで展開されています。ホイールと同じメーカーのナットを使いたい方にはおすすめ。
Durax (デュラックス)
さまざまなレーシングナットを展開するメーカー
Duraxは、レーシング用のホイールナットやロックナットを販売しています。アルミ製のホイールナットは、値段もリーズナブルでコストパフォーマンスに優れています。カラフルなナットもラインナップされているので、ドレスアップにも適しています。
おすすめ&人気のホイールナットランキング
ドレスアップでおすすめのホイールナット
RAYS-ジュラルミンナットセット (10,780円)
カラーバリエーションは5色で華やか
オレンジアルマイトやガンメタアルマイトなど、カラーは5色あり愛車の足回りをおしゃれにしたい方にはおすすめです。本体にはロゴも刻まれているので、カッコよさも倍増。ロックナット付なので、ホイールの盗難防止もできます。
ジュラルミン製のホイールナットは、1個あたりの重量が約27gと軽量さも魅力。下回りの軽量化は運動性能を飛躍的に向上してくれます。アルミ製のホイールにしたら、ホイールナットも軽量化すると効果的です。
46Z8-貫通スチールナット (4,514円)
手締めのしやすいローレット加工
ナットの頭部分にギザギザとしたデザインを施すローレット加工をしており、手締めがしやすいのが魅力。タイヤ交換で意外に苦労するのが、タイヤを手で支えたままナットを仮締めすることなので、手締めしやすいのは嬉しいですよね。摩擦係数が上がるため、抜け止めや回り止めの効果もあります。
カラーバリエーションは、レッドやパープルなど5色です。48mmの貫通タイプなので機能性とともに、足元をおしゃれにドレスアップできます。スチール素材ですので、アルミ製よりも硬く耐熱性もあるのが特徴となっています。
DURAX-ジュラルミン製ホイールナット (3,030円)
アルマイト処理で硬度もアップ
アルマイト処理とは、アルミニウムに耐食性や耐摩耗性を付ける役割のある表面加工のことです。これにより表面の硬度は、チタン合金と同等程度の硬さとなっています。ショートの貫通タイプなので、熱を逃がす放熱性にも優れています。
ナットの素材はジュラルミン製ですから、軽量化を実現しています。そのため運動性能の向上はもちろん、低燃費という面にも貢献。カラーはレッドやゴールドなど6色と豊富なので、リーズナブルにドレスアップしたい方にはおすすめです。
PLEINE-スパイクナット (3,900円)
スパイクヘッド付でアレンジ可能
通常のナットとは異なる趣のあるスパイクヘッドが付いています。取り外し可能なので、愛車をいつもと違った雰囲気にドレスアップできます。ただ、スパイクヘッドを付けると非常に長くなるため、フェンダーから突出すると危険ですから注意して扱う必要があります。
素材は超々ジュラルミンと呼ばれるもので、アルミニウム合金のなかで最も強度があります。加えてジュラルミンの特徴である軽量さも兼ね備えています。レーシング用として、軽量化を図りたい方にはおすすめのホイールナットです。
ロックナットでおすすめのホイールナット
マックガード-インストレーションキット (22,209円)
マックガード独自の花柄ロックナット
マックガードのロック原理は、ナットの頭頂部に花柄を刻み、その花柄に合ったキーでなければ外れない仕組み。コンピューターで作図される花柄パターンは無限に近いバリエーションがあります。形状が複雑であるため専用のキー以外で外すことは困難なので、高い防犯性能を誇ります。
さらに専用の工具がないと開錠できない、ラグナットも付いています。これによりさらなるセキュリティ対策に寄与。ラグナットは、形状から重量に至るまで最大限ロックナットと近い作りになっています。見た目はもちろん、重量差も少ないため振動を軽減できる効果があります。
NISMO -ホイールナットセット (11,220円)
NISMO のロゴで足元をよりスポーティーに
モータースポーツで実績を挙げている、NISMOのロゴが入ったホイールナットです。ナットホールの小さいアルミホイールでもサイズが合う小径タイプとなっていて、足元をスポーティーにしてくれます。シックなデザインも高ポイント。
ロングタイプは50㎜なので、装着がしやすくなっています。素材は強度があり、スポーツ走行をしていても緩みにくくなっているため信頼感があります。ナットは7角形のため、簡易的な盗難防止に効果があり、専用のアダプターで取り外し可能。
DURAX-レーシングナット (2,230円)
軽量化も可能なロックナット
アルミ製ホイールナットのため、一個当たりの重量が22gと軽量化を実現。同タイプのスチールナットに比べて、5つ穴の車種だと680gも軽くなり、低燃費につながります。サーキットなどのスポーツ走行でも、高い運動性能を発揮します。
カラーバリエーションは13色もあり、ドレスアップも楽しむことができます。サイドに溝が入っている7角形のロックナットなので、通常のレンチでは取り外しができません。リーズナブルに盗難防止機能を付けたい方にはおすすめです。
マックガード-ウルトラハイセキュリティロック (14,200円)
マックガード製品で、トップクラスのセキュリティ性能を持つ
セキュリティ製品の専門メーカーであるマックガードの中でも、高い防犯性能を誇るホイールナット。独自の花柄パターンに加えて、ナット頭部には回転するカラーがある二重構造になっています。そのためプライヤーなどで無理に外そうとしても回転して開錠不可能な仕組みになっています。
自社工場で作られるナットは、メッキ処理によって高い防錆効果があります。CASSテストと呼ばれる、防錆性を検証する実験ではマックガードの製品は他社より錆びにくいことが立証されています。盗難防止に加えて高品質を求める方におすすめ。
協永産業-へプタゴン キャリバー24 (10,144円)
メタリックブルーが目を引く7角形ナット
スチールナットの中では最高の表面処理である、チタンコーティングを施しています。イオンプレーティングと呼ばれる金属を蒸着させる技術の進化により、輝かしいブルー色を実現。メタリックブルーが愛車のドレスアップに効果があります。
素材はクロムモリブデン鋼を使用しているので、硬度は高く耐熱性もあるのでレーシング用に向いています。へプタゴンナットなので、専用のアダプターで脱着をします。メイドインジャパンなので、品質も高く安心感があります。
クロモリでおすすめのホイールナット
協永産業-極限 へプタゴンナット (6,820円)
シックなデザインの盗難防止付きナット
素材はクロムモリブデン鋼ですから、耐久性には優れています。ナット1個当たりの重量が、50㎜のロングタイプで50gと比較的軽量であり、スポーツ走行に向いています。7角形のロックナットですから愛車のホイール盗難防止にも役立ちます。
袋ナットですから、サビを防ぐことはもちろん、雨水やごみの侵入防止にも効果があります。全長は長めに作られているので、ナットホールが深くても着けやすいのも特徴。シックなデザインで高品質素材という点が魅力のホイールナットです。
CLS-クロモリ鍛造 レーシングナット (3,080円)
クロモリなのにリーズナブル
クロムモリブデン鋼で作られたナットは、一般的なスチールナットの約9倍の強度を誇ると言われています。そのため、レース走行などで負荷がかかっても耐えられます。貫通タイプですから熱を放出してくれるので、耐熱性にも優れています。
ブラックカラーにCLSのロゴが刻まれ、デザイン性に富んでいます。また、規定のトルクがありますので、強く締めすぎないようにトルクレンチを使うのがいいでしょう。4本入りなので高価格ですが、レーシング用とあって品質は高いです。
グリッドタイヤ楽天市場店-クロモリ レーシング ナット (5,130円)
安心の国内産クロモリホイールナット
素材はクロムモリブデン鋼で、冷間鍛造により加工精度を上げて強度を高めています。冷間鍛造とは、金属が冷えた状態のまま変形させることで、細かい精度で加工することができる技術。しかも国内産ですから品質も高いです。
17HEXなので、小径のホイールナットになっています。HEXは二面幅を表すもので、ナットの辺と辺の間の距離のことを言います。通常の二面幅は19、21㎜ですが、それよりも小さいので軽量化に貢献し、レーシング用に使いやすいです。
まとめ
高品質素材のホイールナットがおすすめ
ホイールナットは小さい部品ですが、モータースポーツでは走りに影響を及ぼすものです。スタンダードなスチール製もいいですが、どうせこだわるなら、軽量なジュラルミンや強度のあるクロモリなどを試してみてください。また、カラフルなナットを取り付ければ、足元からおしゃれを楽しめます。