普段の筆記用具にはボールペンやシャープペンシルを使用しているという人も多いのではないでしょうか。しかし、場合によっては、鉛筆の方が適していることもあります。鉛筆には、他の筆記用具にはない優れた点がたくさんあります。今回は、種類や用途別に、おすすめの鉛筆をランキングでご紹介します。最近はあまり使っていなかったという人も、鉛筆の良さを見直してみるきっかけにしてみてくださいね。
鉛筆を使うメリット
耐久性とコストパフォーマンスに優れている
鉛筆は、黒鉛を練った棒状の芯を木の軸に入れ込んだ筆記用具。消しゴムを使って、一度書いた線を消すことができるという点が、シャープペンシルと共通しています。しかし、鉛筆で書いた昔のデッサンや日記がそのまま保存されていることがあるように、鉛筆の筆跡はとても耐久性に優れています。さらに、距離にしてシャープペンシルの約40倍以上もの長さを書くことができるのです。1本100円以下で購入できる鉛筆が多いことを考えると、非常にコストパフォーマンスが高いと言えますね。
鉛筆の芯の硬さ
芯の硬さによって適した用途が異なる
一般的に鉛筆の芯は、一番柔らかい6Bから最も硬い9Hまで、17種類もの段階に分かれます。この芯の硬さが線の濃淡に大きく関係しており、柔らかい芯ほど濃く太い線に、硬いほど薄く細い線になります。そのため、鉛筆を選ぶときには、何の目的でどんな線を書きたいのかが重要なポイントとなります。
鉛筆の種類
一般筆記用鉛筆
中程度から選ぶ好みに合わせた硬さ
日常生活でメモをとったり、ノートを書いたりするのに適している芯の硬さは、BからF、もしくはHB程度とされています。これらは、ちょうど中間にあたる芯の硬さです。この中から、筆圧があまり強くない人はBを、濃い筆跡になるのが嫌な人はHBを選ぶと良いでしょう。
また、芯の硬さは線の濃さだけでなく、芯の減り具合いにも関係してきます。柔らかい芯の方が早く消耗するので、長持ちさせたい場合にはBよりもHBの方が向いていると言えますね。さらに、柔らかい芯の方が、手にかかる負担が少く疲れにくいとも言えます。
学習用鉛筆
子供の筆圧に合わせた濃さと柔らかさ
授業や宿題など、子供の学習用鉛筆として適しているのは、Bから3B程度の硬度のものです。柔らかい芯なら、筆圧の弱い子供でもあまり力を入れずに濃く書くことができます。書き取りなどで長時間使用していても疲れにくいというメリットも。
しかし、芯が柔らかいと消耗が早く、鉛筆の芯を削る手間が増えてしまいます。また、力加減がまだ上手くできない子供の場合、柔らかい芯だと折れてしまうことも。Bくらいからはじめて、徐々に濃さを調節していくのが良いですね。
デッサン用鉛筆
絵画の技法に対応できる柔らかさ
デッサンに使用する鉛筆としては、4Bから6B程度が適しています。かなり芯が柔らかいため、1本の鉛筆でも力の入れ方によって濃淡を表現することができるからです。さらに、書いた上から少しこするだけで、線をぼかすことも可能。
さらに、デッサンでは、鉛筆を寝かせて書いたり、大きくストロークさせて書いたり、通常の筆記時とは違う使い方をします。様々な絵画の技法に対応するためにも、柔らかく柔軟な芯の方がおすすめ。自分の理想とするタッチに合った線を書ける硬さの芯を選びましょう。
マークシート用鉛筆
芯が折れにくく読み取りやすい
入試や資格試験などで取り入れられているマークシート方式のテストには、鉛筆が欠かせません。シャープペンシルの細い芯では、綺麗に塗り潰すのに時間がかかってしまいますよね。さらに、一点に力を加えると芯が折れやすくなってしまい、ストレスです。
そんな時には、マークシートに特化した専用の鉛筆がおすすめ。素早くマークを塗り潰せる柔らかさと折れにくさを兼ね備えています。また、書いたマークがこすれてもよれにくくなっているので、確実に機械に読み取ってもらうことができます。
鉛筆の選び方
形状で選ぶ
手にフィットしやすくスタンダードな六角形
鉛筆の持ち手には、いくつかの形状があります。最もよく目にするスタンダードな形状は、六角形のタイプ。鉛筆を握るとき、親指と人差し指と中指の3点で支えるため、3の倍数である6つの角を持つ六角形が適しているとされています。それぞれの指にしっかりと角がくるので、持ちやすいですよね。持ちやすいことは、疲れずに書く為には重要なポイントです。
また、六角形の鉛筆には、置いたときに転がりにくいというメリットもあります。丸い鉛筆だと、試験や授業の最中に転がって落ちてしまい困りますよね。日常的に使用する場合には、手に収まりやすく、置いても安定する六角形の鉛筆がおすすめです。ポピュラーな分、デザインや価格のバリエーションも豊富に展開されているので、選択の幅が広いのも魅力。
持ち方の練習に適した三角形
小さな子供が書き方の練習をする場合には、三角形の軸の鉛筆がおすすめ。まだ持ち方が定まっていないので、六角形よりも面の少ない三角形の鉛筆の方が、安定して持つことができます。また、一つの面が大きくなるので、しっかりと力を込めて持つことができます。握力の弱い子供やお年寄りには、三角形の鉛筆が持ちやすいですよ。
大人が三角形の鉛筆を持つと、指が動かしにくく窮屈に感じるかもしれません。しかし、正しい持ち方に矯正したいという人は、三角鉛筆を使ってみるのも良いでしょう。持ち方の練習に適した三角鉛筆ですが、鉛筆削りやキャップの形が対応していない場合もあります。三角鉛筆を買う場合は、しっかりと付属品の形状も確認するようにしたいですね。
握り換えやすくデッサンに適した円形
鉛筆を使っていると、紙に設置している面が削れて傾いたり、線の太さが一定でなくなったりしてきます。そのため、書いている途中で、無意識に鉛筆の向きをくるくると持ち替えているものです。三角形のように角の数が少ないと、この鉛筆の持ち換えをしにくいというデメリットが。極限に角を増やした形状である円形の鉛筆であれば、スムーズに持ち換えることができますよ。
そのため、柔軟な動きが求められるデッサンなどには、円形の鉛筆が向いています。様々な方向から力をかけたり、倒したりと、通常の筆記ではしない動きにも、円形の鉛筆なら対応しやすくなるのです。色鉛筆に円形が多いのもこの理由から。また、芯からの距離がすべて均等に厚くとれるので、他の形状の鉛筆に比べて頑丈なつくりであるとも言えます。
付加価値で選ぶ
一本で完結できる消しゴム付き鉛筆
鉛筆には、魅力的な付加価値が付いたタイプのものもあります。その一つが、消しゴム付き鉛筆。書き間違えた時に、わざわざ消しゴムを探す手間が省け、持ちあわせがない時にも重宝しますよね。鉛筆の先に付いている小さなサイズなので、広範囲の間違いを修正するのには向いていませんが、会議やアンケート調査など、少しあるだけでいい、という時に活躍します。
定番なのは、白や赤茶色のタイプですが、最近ではレインボーなどカラフルな消しゴムが付いている鉛筆もあります。また、キャップのように取り外しができるものも。キャラクターや動物をかたどったものもあるで、子供の勉強意欲を掻き立てるのに役立ちそうですね。鉛筆と必ずセットで持っておきたい消しゴムだからこそ、付いていると嬉しい付加価値です。
カートリッジ式で芯の交換ができるロケット鉛筆
鉛筆のデメリットに、芯が丸くなってきたら削らなければならないという手間があります。それを解消しているのがシャープペンシルですが、ロケット鉛筆という、削らなくて良い鉛筆もありますよ。芯の中にカートリッジ式の替え芯が入っており、先端に付け換えるだけで、尖った芯が復活。シャープペンシルのように、替え芯を持ち歩く必要がないのが大きなメリットです。
ロケット鉛筆というと、子供向けのものをイメージする人も多いかもしれません。しかし、便利な筆記具として、大人も使えるシンプルなデザインも数多く展開されていますよ。また、鉛筆同様、芯の硬さを選ぶこともできるので安心です。芯の色が一色ずつ異なり、一本で多色の色鉛筆として使えるものも。カートリッジの数に応じて長さなども様々なので、自分に合ったものを選びましょう。
鉛筆のおすすめブランド・メーカー
三菱鉛筆
uniに代表される歴史深いペンブランド
1958年に、国内初の高級ブランド鉛筆として誕生したuni。50年以上たった現在でも、鉛筆のスタンダードとして愛され続けています。他にもあらゆる筆記用具を展開する、日本のトップメーカーです。
トンボ鉛筆
環境への配慮も進める創業100年を超える文具メーカー
消しゴムやのりなど、身の周りになくてはならない文具用品を数多く手掛けています。鉛筆のバリエーションも、もちろん豊富。子供向けの使いやすいグッズも充実していますよ。また、最近では、環境に配慮した商品開発も積極的に行っています。
サクラクレパス
オフィス用品から絵画用品まで幅広い品揃えの老舗ブランド
日常使いのボールペンやシャープペンシルをはじめ、学用品からオフィス用品まで幅広く取り扱っています。子供から大人まで、楽しんで使えるアイディアが詰まった筆記具が揃っています。おしゃれなデザインにも注目。
ステッドラー
洗練されたデザインのドイツブランド
文房具全般から、製図用品や画材まで手掛ける、ドイツ生まれの文具メーカーです。子供の書き方鉛筆から本格的な製図用鉛筆まで、多様なラインナップが揃っています。シンプルで、大人でも使いやすいデザインが魅力的。
おすすめ&人気の鉛筆
一般筆記用でおすすめの鉛筆
トンボ鉛筆-モノ100 (1,980円)
一度は味わいたいマイルドな書き心地
トンボのモノと言えば消しゴムのイメージがあるかも知れませんが、本来は鉛筆のブランドです。その中でも最高級の品質を誇るのが、このモノ100。引っ掛かりの無いスムーズな書き心地が、何と言っても大きな魅力です。
超微細な高密度の粒子から出来上がった芯は、柔らかい硬度を選んでも消耗が少ないのが特徴。滑らかな書き心地を長く持続することができます。シンプルで高級感のある装飾は、日常使いに愛着がわきますね。
三菱鉛筆-事務用鉛筆9800 (450円)
愛され続ける定番品
三菱鉛筆を代表する鉛筆。発売以来、世代を超えて愛され続けている理由は、圧倒的な書き心地の良さにあります。六角形の軸は手なじみが良く、シンプルさと機能性を追求した使いやすさが、一度使うと病み付きになりますよ。
落ち着いた深緑色の本体に金色の文字が刻印されたデザインは、どこかノスタルジックな雰囲気。鉛筆らしさを存分に感じられる佇まいも魅力的です。1本当り30円程と、リーズナブルな値段も、普段使いには嬉しいですね。
トンボ鉛筆-トンボ鉛筆8900 (396円)
レトロなパッケージも 可愛らしい
大人から子供まで、幅広い世代に親しまれるロングセラー鉛筆。2Hから2Bまで、日常で使用頻度の高い硬度がラインナップされています。芯が柔らかすぎず、癖のない書き味が特徴です。鉛筆ならではの、かりかりとした書き味が楽しめますよ。
モスグリーンの軸に白文字の刻印がされた素朴なビジュアルは、誰からも好まれます。また、大きなトンボがプリントされた箱のデザインも印象的です。懐かしい雰囲気がありつつも、今見るとどこか新鮮なモダンさも感じられますね。
学習用でおすすめの鉛筆
三菱鉛筆-硬筆書写用鉛筆 (896円)
子供の書き取り学習に最適
学校での硬筆書写専用に作られた鉛筆。通常のユニの鉛筆に比べて、芯の直径が1ミリほど太くなっています。さらに、芯に含まれる粘土の油分も特別に配合されているため、より少ない力で軽く書けるようになっています。
軽く滑らかに書けるので、長時間の書き取りにも疲れにくいですよ。また、軸は三角形。鉛筆の握り方に慣れていなくても、正しい握り方が身につきやすくなっています。子供が強い筆圧で書いても折れにくくなっているので、鉛筆削りの手間が省けますよ。
サクラクレパス-かきかたえんぴつ三角 (594円)
子供の使いやすさを重視した設計
子供の使いやすさはもちろん、学校の先生や母親の目線からも、使わせたいと思えるよう、様々な工夫が凝らされた学童文具シリーズの鉛筆。正しい持ち方が身につく三角軸で、低学年から使用できます。持ち手の発色も綺麗で、見た目にも楽しい鉛筆です。
滑り止め加工が施されているので、筆圧が強かったり手汗をかいたりしても持ちやすくなっています。また、名前を記入できる欄があるので、紛失防止にも便利ですよ。硬度は、子供の筆圧に丁度良いBと2Bの展開がされています。
くもん出版-こどもえんぴつ6B (445円)
はじめての鉛筆にもおすすめ
くもんがオリジナルで開発した、小さな子供向けの鉛筆。通常の鉛筆よりも太く、丸みのある三角形の軸になっています。まだ握力の弱い幼児でも握りやすく、正しい握り方が身につくように設計されていますよ。
また、正しい位置で持てるように、長さが12センチと通常の鉛筆に比べてかなり短めになっています。6Bの他、4Bと2B の展開も。柔らかな芯で、子供の力でもしっかりと濃く書けます。子供の成長に合わせて、硬度を調節すると良いですね。
三菱鉛筆-かきかた鉛筆 ユニパレット (534円)
子供が喜ぶ明るいカラーリング
書くことを通じて想像力や考える力を高めてほしいと、三菱が展開する学習文具シリーズの鉛筆です。子供が見て楽しくなる、色鉛筆のような色彩豊かなカラーリングの鉛筆がセットになっています。赤やピンクなど女の子におすすめのバリエーションや、カーキやグレーなどの、少し大人っぽいカラーパターンなど様々。
デザイン自体はシンプルで、飽きが来ずに長く使い続けられます。キャラクターものが禁止されている学校でも、重宝しますね。また、芯の硬度も、学年に応じて選べるように展開されています。六角形の軸で、正しい握り方が身につくのも嬉しいポイント。
トンボ鉛筆-かきかた鉛筆 ハローネイチャー (433円)
可愛らしい動物のイラスト入り
愛らしい動物の姿を写真で紹介してくれる、ハローネイチャーシリーズ。パッケージの動物写真に加え、鉛筆の軸にも可愛らしい動物のイラストがプリントされています。皇帝ペンギンの他に、レッサーパンダやバンドウイルカなど、子供が喜びそうな全6種類のバリエーションがあります。
木肌を活かした自然なデザインで、子供に木の温もりを感じて貰うのにも最適。また、環境に配慮し、適切に管理されていると認定を受けた森林の木材を使用しています。六角形の軸で持ちやすく、もちろん書き心地も安定のなめらかさです。
デッサン用でおすすめの鉛筆
三菱鉛筆-ハイユニ アートセット (2,899円)
22種類の硬度がひとつになったセット
日本を代表する高級鉛筆とも言えるハイユニ。折れにくい芯で、どんな紙でも、滑らかな書き心地が最後まで続きます。不純物の少ない黒鉛と粘土を均一に混ぜているため、濃く柔らかな芯でも減りが少ないのも魅力的です。
このセットには、全22種類の硬度のハイユニがすべて入っています。これ一つで、あらゆる濃淡を描くことができますよ。趣味のデッサンにはもちろん、プロのデザイナーやイラストレータまで愛用する本格派です。
ステッドラー-マルスルモグラフ ブラック 描画用 (2,400円)
世界のアーティストが愛用
芯に黒鉛を使った通常の鉛筆だと、黒く塗った表面が金属光沢でてかてかしてしまいます。しかし、この鉛筆はカーボン鉛筆。塗りつぶしても光が反射せず、木炭で書いたような深い黒を表現することができるのです。
また、紙への定着性が良く、芯の粉が出にくいのも特徴。意図せずこすれてしまった部分が、汚れになりません。一本で幅広い濃淡を表現することができ、黒を強調することで、同時に紙の白さも引き立てることができますよ。
北星鉛筆-アートセット (880円)
国内老舗ブランドのスターターセット
創業60年を超える老舗メーカー、北星鉛筆が手掛けるアートセット。様々な濃淡に対応できる、12種類の硬度のデッサン鉛筆が入っています。何から揃えればよいか分からないという初心者にも、おすすめです。
軸の木目が味わい深く、使い込むほどに愛着がわくシンプルなデザインも魅力。色鉛筆のような缶ケースに入っており、持ち運びにも便利です。最初から先端が削られた状態になっているので、購入したらすぐにデッサンを始められますよ。
マークシート用でおすすめの鉛筆
三菱鉛筆-マークシート用鉛筆HB (818円)
均一な硬度の芯で細かいマークにも最適
三菱鉛筆の芯の独自配合技術によって生まれた、マークシート専用の鉛筆。芯の硬度が均一なので、マークをしっかりと濃く塗りつぶすことができます。滑らかな書き味で、大事な試験時間でも、ストレスなくスムーズに使用することができますよ。
また、定着性に優れており、こすれて消えてしまったり滲んでしまったりするようなことがありません。なおかつ、消しゴムでは綺麗に消えやすくなっている優れもの。鉛筆本体もパッケージも、グレーのシックな色合いで、大人が使うのにも重宝します。
ステッドラー-ホワイト試験用鉛筆HB (1,039円)
滑らかな書き味で芯の消耗が少ない
製図用の高級鉛筆と同じ芯を使用しています。筆圧が強くても折れにくいよう特殊な加工がされており、消耗が少ないのが特徴です。芯の減りが少ないのは、試験中にはとてもありがたいですよね。書き味も滑らかです。
白地に青のポイントが入った爽やかなカラーリング。ロゴと硬度しか記載されていないシンプルなデザインで、試験会場でも問題なく使用することができます。細かな字が書きやすいので、マークシートだけでなく、一般筆記の試験にも重宝しますよ。
まとめ
目的に合わせた硬度の鉛筆がおすすめ
一般筆記用であればHBからB、子供の学習用にはBから3B、デッサン用には4Bから6B程度の硬度の鉛筆がおすすめです。マークシートや製図には、専用の鉛筆を使うのが良いでしょう。目的に合った硬度の鉛筆を選ぶことが大切ですが、書き味やデザインなど、他の要素も長く愛用していくためには欠かせません。実際に書いてみて、自分にしっくりくる鉛筆を探してみましょう。是非、鉛筆ならではの良さを体感し、日常筆記具の選択肢の一つとして加えてみてくださいね。