ベッド上や車椅子に乗って生活する時間が長い方にとって、床に落としてしまった眼鏡やテレビのリモコンなどを拾うのは難しい時があります。そんな時、自分の手がもう少し長ければ、と考えたことはないでしょうか。今回は、自分の手の代わりにものを取ったり、引き寄せたりすることができる介護用マジックハンドを紹介していきます。介護用マジックハンドの種類や選び方のポイントも一緒に紹介していくので、介護用マジックハンド選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
介護用マジックハンドの特徴
その場から動かずにモノを取れる
介護用マジックハンドは、ハサミや磁石、フックを使って、物を掴んだり引き寄せたりすることができます。さらに長さもあることで、その場からほとんど動かずにティッシュやリモコンなどを取ることができます。足が不自由だったり、ベッド上で過ごす時間が多かったりする方にも便利ですね。
要介護者の生活の範囲が広がる
介護用マジックハンドは、介護が必要な方の生活の範囲を広げてくれる、ということにも期待することができます。例えば、移動に車椅子を使っている方にとって、ハンガーにかかった衣類を物干し竿などにかけるのはとても大変なことです。ですが、介護用マジックハンドがあれば、車椅子に座ったまま干すことも可能です。介護用マジックハンドで、できることの幅が広がれば、自然と生活の範囲も広くなるでしょう。
介護用マジックハンドの種類
固定式
可動部が少なく耐久性が高い
固定式の介護用マジックハンドのメリットは耐久性が高いことです。アームの部分に可動するところがないので、そのぶん強度を確保することができます。そのため、ペットボトルなどの重さがあるものを引き寄せたり、掴んだりしやすいでしょう。
また、耐久性が高いことで、長く使うことができます。介護用マジックハンド以外のものにも言えることですが、使い慣れたものを長く使えるに越したことはないでしょう。また、耐久性を求めるなら、アームはステンレスなどの金属製がおすすめです。プラスチック製に比べると重さがありますが、耐久性がより高まりますよ。
伸縮式
長さが調整できて取り回しやすい
伸縮式の特徴は、アームの長さを調整できることです。近くの物や遠くの物のどちらでも、距離に合わせて長さを変えられるので取り回しもしやすくなります。調整方法は、ボタンを押すタイプや、ねじるタイプがあります。耐久性に優れるのはボタン調整タイプで、ねじるタイプはより細かい長さ調整ができるというメリットがあります。
また、伸縮性の介護用マジックハンドは持ち運びにも便利です。短くすることで収納性に優れるため、車椅子用のポケットなどに入れてもいいでしょう。車椅子を操作する時も邪魔になりにくく、使いたい時はすぐに取り出せます。そういった使い方が出来るのは伸縮式の介護用マジックハンドならではと言えます。
介護用マジックハンドの選び方
長さで選ぶ
50cm前後なら小回りが利く
ベッド上で過ごす時間が長い方なら小回りの利く50cmの長さがちょうどいいでしょう。寝たきりに近いような方の中には、ベッド上に設置するサイドテーブルを、食事以外の時間は膝下のあたりに寄せているという方も多いのではないでしょうか。人の手は、気を付けをした姿勢の時、お尻の下あたりまで届きます。そこから足首までの長さの平均は約45cmです。そのため、50cm前後の長さがある介護用マジックハンドなら、小回りが利く上に、足元のサイドテーブルにも届きやすいと言えます。
70cm前後なら棚の上にも届きやすい
日本人の腕の長さの平均は、女性が約67cm、男性が約74cmです。そして、車椅子に乗った時、頭は地面から約130cmの位置にきます。つまり、70cmの介護用マジックハンドを使えば200cm以上の高さもカバーできることになります。ですので、洗濯物を干したり、棚の上の物を取りたいなら70cm前後の介護用マジックハンドがおすすめですよ。
使いやすさで選ぶ
アームが回転すれば手首への負担が減る
リウマチによる手首の痛みや、筋力の低下などによって手首を回すことが難しい方なら、アームが回転する介護用マジックハンドがおすすめです。指先の操作でアームが回転するため、手首への負担が少なく済みます。また、アームが回転するタイプを選ぶ際は、回転する角度が大きい介護用マジックハンドを選ぶといいでしょう。回転できる範囲が広いほうが、より使いやすいですよ。
重さが150g以下なら握力が弱くても使いやすい
介護用マジックハンドを選ぶ時は、重さもチェックするといいでしょう。握力が弱ってきている方は特にですが、重ければ扱いにくくなってしまうことがあるためです。軽いと感じる重さの目安は150gで、これは単一乾電池1本分程度の重さです。それくらいの重さであれば握力が弱くなっていても使いやすいでしょう。また、軽量タイプなら100g程度の介護マジックハンドもあります。握力に合わせて選んでみてください。
ハサミで選ぶ
ゴム付きならプラスチック製品も取りやすい
介護用マジックハンドのハサミの部分にゴムがついていれば、滑りやすいプラスチックも掴みやすいでしょう。ボールペンなどの細かいものを掴む時にも便利ですね。また、ゴムが取り付けられている範囲が広ければ、マジックハンドの角度を気にせず使うことができるため、ゴムの面積が広いほうがおすすめです。ゴムの面積が大きくなることで、使い方の幅がさらに広がりますよ。
磁石付きなら金属製品が取りやすい
介護用マジックハンドに、磁石がついているとさらに便利です。スチール缶などをハサミで掴むのは握力が弱い方には難しいこともあります。ですが、磁石があれば、マジックハンドに缶がくっついて握力の弱さをカバーしてくれるでしょう。ただ、メーカーによっては、グリップに磁石がついている場合もあります。磁石の有無と合わせて、磁石の場所もチェックするといいでしょう。
フックが付いていれば衣類を取りやすい
衣類、特にシャツのようなちょっと大きいものは、マジックハンドでは掴みにくいことがあります。そんな時に便利なのがフック付きの介護マジックハンドです。フックが付いていれば、わざわざ掴む必要はありません。フックに引っ掛けて手繰り寄せることができるからです。また、フックは洗濯物を取りこむ時などにも便利です。マジックハンドで掴みにくい細いハンガーにかかっている服も、フックがあればひっかけて取ることができますよ。
介護用マジックハンドのおすすめブランド・メーカー
トイボックス
おもちゃの総合メーカー
トイボックスは、子ども向けのおもちゃを販売しているメーカーです。販売しているマジックハンドはもちろんおもちゃ。ですが、子ども向けに設計されたマジックハンドは軽くて、握力が弱くてもしっかり掴めると人気を博しています。また、そのデザインもカラフルでポップなことで人気ですね。
アンツ
快適生活グッズを幅広く販売
アンツは、心身共に健康な生活を送ることができるような日常生活快適用品をコンセプトに、様々なグッズを販売しています。お風呂上がりにサッと着るだけの便利なタオルなど、痒い所に手が届くような製品を幅広くラインナップ。介護マジックハンドは軽量かつ頑丈で、ユーザーから一定の評価を得ています。
山陽トランスポート
家電グッズを幅広く販売
山陽トランスポートは、シュレッダーのような小型家電からパソコンの周辺機器を幅広く取り扱っています。マジックハンドは、360度回転するアームや、磁石がついたハサミが使いやすいと人気です。機能性が高い介護マジックハンドは、幅広いシーンでの活躍に期待できますね。
インタージェット
福祉機器の総合メーカー
インタージェットは、歩行補助具を中心とした福祉機器の総合メーカーです。使う方への思いやりや気配りに溢れる素敵な製品の製造を心がけており、使う方の気持ちに寄り添うモノづくりにこだわっています。マジックハンドにもその精神が活かされており、まるで自分の手のように扱うことができます。
おすすめ＆人気の介護用マジックハンドランキング
固定式でおすすめの介護用マジックハンド
トイボックス-カラフルアイアンハンド （989円）
子どもの握力でも動かせるマジックハンド
マジックハンドを見て、ただのおもちゃだと思うかも知れません。実際に玩具メーカーが製造していますからね。ですが、その実力はおもちゃ以上と言えます。なぜなら、子ども用のおもちゃということは、力の弱い子どもでも扱えると言いかえることができるからです。実際に、介護マジックハンドとしてもロングセラーになっています。
ハサミの先端にはゴムがついていることや、615mmの全長もポイントです。取り回しやすい長さがある上に、掴んだ物を落としにくくなっています。ベッドや車椅子など幅広いシーンで活躍してくれるでしょう。リーズナブルで使いやすい介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
アンツ-お助けハンド ロング （2,200円）
軽量で頑丈な介護用マジックハンド
こちらは、シャフトにアルミを使った、本体重量が約137gの介護用マジックハンドです。シャフトにアルミを使うことで頑丈さと軽さを両立しています。70cmという長さもポイントですね。身長170cmの方なら立っている状態でも、腰や膝を軽く曲げる程度で床に落ちた物を取ることができます。
ハサミは内側の部分がゴムになっており、360度の回転機能付きです。取りたい物に合わせて腕を捻る必要がなく、手首などが痛い方の負担になりにくいでしょう。さらに、先端にいくにつれて薄くなっているため、細かい物の掴みやすさもあります。膝や腰、手首などの痛みで悩んでいる方におすすめですよ。
トイボックス-らくらくハンド （1,119円）
シンプルなデザインのカラフルマジックハンド
こちらはプラスチック製のマジックハンドです。子ども用のおもちゃなので、握力が弱い方でも操作しやすいでしょう。また、デザインがシンプルなので、ベッドなどの雰囲気にも馴染みやすいと言えますね。
重量は200gと軽量で、61.5cmという長さは使わない時も邪魔になりにくいでしょう。ハサミは先端まで厚みがあるため、ペットボトルやリモコンなどもしっかりと掴むことができます。ちょっと大きめな物を掴める介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
全家協-つかみ棒 （324円）
棚の物も掴みやすい長めの介護用マジックハンド
こちらは長さが83cmの介護用マジックハンドです。長めなことで、床に落ちた物だけでなく、高いところにあるカーテンの開閉、棚の物を掴みたい時も便利ですね。長いことで心配なのは重さですが、135gと軽量なので安心ですよ。
ハサミの先端はゴムがついており、紙などもしっかりキャッチ。さらに、ハサミは最大9.9cmまで広がるのもおすすめのポイントです。ハサミの広がり幅が大きいことで、ティッシュの箱やペットボトルなどもキャッチしやすいでしょう。長さがあって幅広いシーンで使える介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
プロト・ワン-エコノミーロングクリーチャー （3,080円）
物をすくって掴める介護用マジックハンド
介護用マジックハンドを使っている時、下からすくうようにして物を拾いたいと思ったことはないでしょうか。下からすくうように物をつかむことができれば、細かい物ならまとめてキャッチすることも可能ですからね。こちらの介護用マジックハンドは、すくうようにして拾い上げられるのが特徴です。
ハサミの上段部分には凹凸があり、キャッチした物を落としにくいように工夫されており、先端にはマグネットも取り付けられています。シャフトがアルミ製なので、耐久性も十分にあるでしょう。衣類などをまとめて拾い上げたいという方におすすめです。
トイボックス-らくらくハンドmini （880円）
ミニサイズだから持ち運びやすくて取り回しやすい
こちらは全長40cm、ミニサイズの介護用マジックハンドです。全長が短いことで、シルバーカーにも収納しやすいでしょう。また、ミニサイズのため、100gと軽量なのも収納のしやすさに貢献していますね。
全長が短いメリットは、収納のしやすさだけではありません。短いことで、取り回しがしやすくなるということも大きなメリットです。特にベッド上などの物を置く範囲が限られている場合は、マジックハンドが長すぎると使いにくくなることもありますからね。ミニサイズの介護用マジックハンドなら、ベッド上で使う時もちょうどいい長さなのでおすすめですよ。
kikkerland-ハックルベリー グラブスティック （3,190円）
木を使用したナチュラルでおしゃれな介護マジックハンド
こちらは、シャフト部分がビーチ材の介護用マジックハンドです。木材は握った時の感触も良く、見た目もとてもおしゃれですね。見た目や触感で木の温もりを感じられるのは、こちらのマジックハンドの大きな魅力と言えます。
また、こちらのマジックハンドはハサミが大きく開くということも魅力です。350mlの空き缶を縦に掴むこともできるので、大きめのペットボトルを掴むことも可能でしょう。木材特有の温もりがある介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
伸縮式でおすすめの介護用マジックハンド
土牛産業-ドギュウ伸縮リーチャー （4,840円）
収納しやすいシンプルな伸縮式介護用マジックハンド
こちらは27cmから95cmまでの長さを調整できる、伸縮式の介護用マジックハンドです。本体にはアルミやステンレスが使用され、本体重量は106gと、耐久性と軽さを兼ね備えています。また、27cmまで縮めることで、高い収納性もあると言えるでしょう。
このマジックハンドはハサミの代わりにフックがついているのも特徴的です。物を掴むことはできないものの、洗濯物を干す時や取り込む時に本領を発揮するでしょう。なぜなら、フックがしっかりとしていて軽いからです。洗濯物を干したり取り込んだりする時は、腕を上に持ち上げる必要があります。そのため、マジックハンドの軽さが大きなポイントになります。こちらのマジックハンドは、フックも深めで、ハンガーなどをしっかりとひっかけやすいというメリットもあるのでおすすめですね。
ファイン-クネール・アイ （2,750円）
金属製品を取ることに特化したマグネット式マジックハンド
こちらは、先端とグリップにマグネットが取り付けられている介護用マジックハンドです。伸縮式で、長さは最大56.5cmまで伸ばすことができ、先端は自在に曲げることができます。ベッドの下に落としてしまった鍵を拾うなどの場面でとても便利ですね。
また、先端にLEDライトがついているのもポイントです。ベッドの下や、テレビボードの裏などは照明が届きにくく、落とした物を見つけるのも一苦労です。ですが、LEDライトが先端についていれば簡単に見つけられますね。すき間に落ちた金属製品を拾うのに適したマジックハンドを探している方におすすめです。
多機能でおすすめの介護用マジックハンド
インタージェット-楽らくハンド ショート （2,805円）
グリップが柔らかくしっかり楽らく掴める
こちらは、ハサミの回転機能、マグネット、ストラップが付いている介護用マジックハンドです。ハサミは90度ごとに360度回転させることができるため、手や腕に痛みがある方や、マヒなどで動きが不自由な方でも使いやすいでしょう。またマグネットがあることでクリップなども簡単に拾えます。
長さは55cmと、使わない時も邪魔になりにくいサイズなのも特徴です。枕元に置いていてもいいですし、ストラップを使ってベッド周囲にひっかけておくこともできます。収納性にも優れる機能的な介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
山陽トランスポート-マジックハンド ロング （1,980円）
補助レバー付きで握力が弱い方も掴みやすい
こちらのマジックハンドの最大の特徴は補助レバーが付いていることです。マジックハンドの操作は、基本的にグリップについているハンドルを使いますが、グリップ上部についている補助レバーでも操作ができる仕組みです。そのため、片手はハンドル、残った手で補助レバーを操作することで、握力が弱い方でもしっかりと物を掴むことができます。
ハサミは回転機能があり、先端には磁石やフック付き。長さが75cmということも考慮すると、とても幅広いシーンで活躍できるのではないでしょうか。握力が弱く、片手でマジックハンドを使うのが難しくなってきた方におすすめです。
アンツ-お助けハンドB ショート （3,157円）
先端がフック形状だから活躍するシーンの幅が広い
こちらの介護用マジックハンドのハサミはゴム張り仕様になっています。さらに先端をフック形状にすることで、物を掴みやすく引き寄せやすくなっていることが特徴です。ハサミの形状とゴム張りによって、ハサミを横にして使っても先端が物にひっかかりやすいですね。
また、こちらの介護用マジックハンドにのグリップには磁石が付いています。そのため、磁石を使いたい時はハサミの部分を握ることになります。ハサミ部分はゴム張りなので、滑りにくく、マジックハンドを落とす心配も少なく済みますね。掴む、引っかける、引き寄せるなど幅広いシーンで活躍する介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
Housolution-万能ロングハンド （1,680円）
人間工学に基づいたグリップが使いやすい
こちらは人間工学に基づいて設計されたグリップが特徴の介護用マジックハンドです。握りやすいことで、力を入れやすいため、モノを掴みやすくなります。さらに、少しの力でも掴めるため、握力が弱い方でも安心です。
また、こちらのマジックハンドは折りたたむこともできます。全長が約83cmと長めですが、折りたたむことでおよそ半分程度の長さになります。そのため、持ち運びがしやすく、車椅子の操作の邪魔にもなりにくいでしょう。持ち運びやすくて握りやすい介護用マジックハンドは、操作しやすく幅広いシーンで活躍してくれますよ。
ふくよく-折りたためるマジックハンド （3,331円）
コンパクトに折りたためて持ち運びや収納が簡単
こちらは杖と同じ方法で折りたたむことができる介護用マジックハンドです。シャフトの中央部分を左右に引っ張ることで簡単に折りたたむことができます。サイズはSとLがあり、折りたたんだ時の長さは、Sなら29cm、Lなら40cmとコンパクトサイズです。
機能面も充実しており、ハサミ部分にはフックや磁石があり、両手で操作するためのアシストグリップもついています。ゴムも人の指に似た感覚の肉厚ゴムを使用。十分な機能性と、持ち運びや収納のしやすさを兼ね備えた介護用マジックハンドを探している方におすすめです。
まとめ
軽くて使いやすい介護用マジックハンドがおすすめ
介護用マジックハンドは、やはり軽いに越したことはないでしょう。マジックハンドそのものが軽ければ、物を持ち上げやすくなるからです。どんなマジックハンドが使いやすいと感じるのかは人それぞれなので一概には言えませんが、自分が使うシーンに見合った機能があるマジックハンドがいいのではないでしょうか。軽くて使いやすい介護用マジックハンドで、より快適な生活を手に入れましょう。
