製本機は、カタログや同人誌などといったさまざまな本を、業者に発注する必要なく自分で作ることができる便利なアイテムです。しかしひとくちに製本機といっても、製本の方法はいろいろあり、それぞれに特徴も異なります。この記事では、そんな製本の種類や製本機の違い、おすすめの製本機について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
製本機の特徴
業者に発注しなくても個人で自作の製本ができる
マンガや小説、雑誌など、巷にあふれ誰もが触れるアイテムである本。身近なものですが、本を自分で作ろうと思ったら、業者に製本作業を頼む必要があると思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、市販の製本機を使えば、誰でも簡単に製本作業を行うことができます。
製本機の種類
背のり製本タイプ
くるみ製本により本格的な仕上がりで業務用にも使える
背のり製本は別名くるみ製本とも呼ばれ、多くの本で用いられている製本方法。書店に並ぶ市販の本もほとんどこのつくりとなっており、本と聞いて最もイメージするであろう形の製本をすることが可能になっています。背中カバーに、表紙を含む原稿を熱を加えてのり付けすることで本としての形に仕上がります。
そのため、消耗品として背中カバーが必要となります。また、背のり製本タイプのもっとも大きな特徴は、市販書籍でも使われていることから分かるように、仕上がりが美しいこと。そのため、本格的な製本に取り組んでみたい方におすすめです。
中綴じ製本タイプ
低コストで小冊子や資料を製作できる
さまざまなお店に置かれている価格フリーの雑誌などに使用されることが多いのが、中綴じタイプです。中綴じタイプは、本の折り返しになる部分をホッチキスなどで綴じることで製本します。そのため、原稿を一度真ん中で折りたたむ必要がありますが、この折りたたみも行ってくれるタイプの製本機も多く出ています。
その構成上、分厚い本だと中央部分で綴じることが困難となることがデメリット。そのため、30ページ以内程度の薄い本を作るときに、中綴じタイプの製本機を選ぶとよいでしょう。また、他の製本方法に比べるとランニングコストが安価なのが特徴です。
リング式製本タイプ
シンプル構造で厚い本作りにも対応
リングタイプは、用紙の端部分に穴をあけ、リングを通すことで本としての形に整えるタイプになります。ステーショナリーとしてよく見る、ルーズリーフをイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。そのため製本機もシンプルなものが多く、中には電源を必要としない手動のものもあります。
リングタイプは、リング部分がかさばるため、大量生産したりするのにはあまり向いていません。しかしその分見開きがしやすいので、勉強用ノートや仕事の資料などを製本するのに向いています。また、他の製本機では対応しづらいような分厚い本でも作ることができます。
製本機の選び方
作る本のサイズに合ったものを選ぶ
大きいサイズが作れても必ずしもより小さいサイズに対応しているわけではない点に注意
製本機を選ぶ際に注意すべきこととして、大きいサイズに対応している製本機がより小さいサイズに必ず対応しているとは限らないという点があります。例えば、A4サイズに対応している製本機であっても、より小さいA5サイズやはがきサイズなどの製本ができない可能性があります。自分がどんなサイズの本を作りたいのか事前にイメージして、対応したサイズの製本機を選ぶとよいでしょう。
作ることができるサイズが多いと幅広く利用できて便利
どんな本を作るか分からない場合や、いろいろなサイズの本を作る場合は、対応サイズの多い製本機を選ぶとよいでしょう。今までと異なるサイズの本を作ろうと思ったときに、製本機が対応していなかったなどという事態を防ぐことができます。また、対応サイズが多い製本機は、高性能のものが多くなっているため使い勝手のよい製本ができるでしょう。
作る本のページ数が多いときは対応できる製本機を選ぶ
対応できる厚さが大きいといろいろな本を作ることができておすすめ
製本機には、それぞれ最大でどの程度の厚さの本が作ることができるかが設定されています。そのため、製本機が作る予定の本に対応できているかもチェックしましょう。特に厚い本を作りたい場合は、リングタイプの製本機がおすすめです。リングタイプはその作り上、より厚いサイズの本の作製であっても対応しやすくなっています。
作る本が決まっているときはそれに合ったサイズのものを
例えばA4サイズの同人誌を作りたいなど、作製するものが決まっている場合は、サイズや厚みなどそれに適した製本機を選んだほうがよいでしょう。さまざまなサイズに対応したものや分厚い本でも作れる製本機は、そのぶん製本に時間がかかったりお値段も高めになったりということがあります。コストパフォーマンスも考えて、自分に適した製本機を探しましょう。
併用する消耗品で選ぶ
本体価格だけでなく消耗品のランニングコストも考慮して
製本には、消耗品が必要となる製本機も多くあります。たとえば、背のり製本タイプであれば背中カバー、リングタイプ製本であればリープリングなど、本を1冊作るごとに必要となります。製本機を選ぶ際は、そういった消耗品などのランニングコストが必要となることも頭に入れておきましょう。特に大量の本を作製するつもりなら、重点的にチェックした方がよいでしょう。
消耗品の入手しやすさもチェック
それぞれの消耗品が容易に手に入りやすいかどうかもチェックのポイントです。中には、その製本機のみに対応した消耗品が必要となるものもあります。そういう場合は、あらかじめ多めに消耗品を購入しておくとよいでしょう。また、コクヨなど大手メーカーであれば消耗品も多く取り扱われているため、大量生産する人にはおすすめです。
製本機のおすすめブランド・メーカー
アスカ
ブランドASMIXにて電子文具を数多く手がける
株式会社アスカは、愛知県に本社を置く国内メーカーです。シュレッダーやラミネーターなどの電子文具を中心に生産販売しています。社内ブランドとしてASMIXを展開しており、ブランドロゴを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ジャパンインターナショナルコマース
製本機の定番を手がけるメーカー
本社を東京に置く国内メーカーで、家電から生活用品など幅広いアイテムを手がけています。また、製本機の定番である、とじ太くんシリーズを手がけるメーカーです。エントリーモデルと高性能モデルを取り扱っており、個人から企業、官公庁まで幅広く利用されています。
アコ・ブランズ
世界100カ国以上で展開するアメリカ発メーカー
アコ・ブランズはアメリカのメーカーで、世界100カ国以上を拠点に展開しているブランドです。日本においては、株式会社アコ・ブランズ・ジャパンが設立されており、国内向けのアイテムも多数販売されています。製本機においては、デザインや機能性に優れたものを多く販売しています。
コクヨ
誰もが手に取ったことがある大手メーカー
国内の大手文具メーカーであるコクヨ。代表的であるキャンパスノートなど、誰もが一度は手にとったことがあるでしょう。大手メーカーであるため、製本機においても消耗品が入手しやすいというメリットがあります。
おすすめ&人気の製本機ランキング
背のり製本タイプでおすすめの製本機
ジャパンインターナショナルコマース-卓上製本機とじ太くん (10,687円)
7種類のサイズに対応できる製本機
さまざまなサイズの製本に対応できるのが魅力の製本機です。大きなサイズであればA5タテやB5タテヨコにA4タテヨコ、小さめのサイズであればB4ヨコとA3ヨコの計7種類のサイズの製本ができます。どんなサイズの本を作るか未定の人や、さまざまなサイズの製本を行う場合におすすめの製本機です。
また、プラスチック素材のため、重量は約1580gと軽量で、持ち運びが容易なのも便利ですね。製本カバーには、国際特許取得のメッシュ状コットンクロスホットメルトという技法で、落丁などを防ぐ強靭な接着となっています。また独自の折り目加工を採用し、完成後の本が開きやすいように工夫されています。
アスカ-パーソナル製本機 (6,078円)
本をばらす機能もついており自炊と呼ばれる作業もできる
A4サイズとB5サイズに対応した、背のりタイプの製本機。1分半の予熱と、1分の加熱で製本が完了し、製本の終了を音で知らせるブザー機能がついています。製本終了後は自動パワーオフ機能により省電力対策にもなるなど、便利な機能が搭載された製本機となっています。
また、製本以外にも、糊づけされた本をばらす機能もついているのが特徴。本をバラバラにしてデータ化する、いわゆる自炊といわれる作業もこの製本機で行うことができます。マンガや雑誌などを、データとしてパソコンやスマホなどに落とし込みたいという人にもおすすめです。
アコ・ブランズ-糊付け製本機 (4,540円)
エントリーモデルとしてもおすすめのリーズナブルな製本機
世界的に事務機器を提供しているアコ・ブランズの内のブランドである、GBCによる製本機です。コンパクトなサイズが特徴的で、製本方法は背のりタイプとなっています。小型サイズに加え、重量は約900gと軽量設計になっており、持ち運びが便利なためいろいろな場所で使うことができます。
また、この製本機は、リーズナブル価格であることも特徴。そのため、エントリーモデルの製本機として導入するのもおすすめです。自分で製本をしたことがない方などが、製本機を試すのによいでしょう。
コクヨ-パーソナル製本機 (9,277円)
流線型でおしゃれなフォルムのコクヨ製本機
大手文具メーカーである、コクヨが手がける製本機。製本カバーがセットになっているタイプのものも販売されています。40秒で製本可能であり、サーマタイプの糊づけで強力に接着します。
また、デザインはシンプルながらも流線型でスタイリッシュなフォルムとなっています。お部屋の中に置いても、インテリアの中によくなじみそうですね。見た目にもこだわった製本機をお探しの人におすすめです。
アコ・ブランズ-製本機 (42,777円)
簡単操作で頑丈な製本が可能
熱による接着を行う、サーマバインドを用いた製本機です。また、合わせて振動の力を使うことで、強力な糊づけを実現しています。耐久度の高いしっかりした製本をしたい人におすすめの製本機となっていますよ。
本体向かって右端に、製本の手順が表記されているため、その場で使い方を確認しながら使用できるのことも特徴です。説明書片手に使い方を確認しながら、といった必要がないため、製本機を使ったことがない方でも安心して使えそうですね。基本的な使い方は、電源を入れてヒートアップ後原稿を置いて待つだけと、誰にでも使いやすい製本機です。
ライオン事務器-製本機 (10,400円)
国内有数の歴史を持つライオン事務機の製本機
国内有数の長い歴史を持つ企業として知られるライオン事務機が手がける、背のりタイプの製本機です。そのため、信頼を持って安心して使えるでしょう。また、シンプルなデザインで、どんな場所に置いてもなじみそうです。
製本能力は、1mmから最大で24mmまで対応。幅広い厚さの本を作る人におすすめの製本機となっています。ホットメルト加工の表紙に用紙をセットするだけで簡単に製本することができ、製本時間は約1分でしっかりと接着されます。
リング式製本タイプでおすすめの製本機
Rayson-リング製本機 (15,948円)
電力を必要としない手動式でどこでも使える
A4やB5など、4種類のサイズに対応した、リング式の製本機です。電源供給不要の手動式であるため、場所を選ばず使用することができます。機器を持ち出して、出先などで製本作業を行いたい人などにおすすめの製本機となっています。
穴をあけるときは、用紙をセットしリングの位置を設定してレバーを下ろすだけ。製本時もリングと用紙をセットしレバーを下ろすだけと、製本作業も簡単です。そのため、慣れていない方でも安心して使うことができます。
カール事務器-トジックル (13,750円)
レターサイズの用紙にも対応した製本機
創立から60年を超える国内老舗メーカー、カール事務機の手がける製本機。使用できる用紙はA4サイズA5サイズに加え、レターサイズにも対応しています。そのため、小さいサイズの冊子を作りたいという人にもおすすめです。
製本時に使用するリングはプラスチック製の素材となっています。そのため、差し替えも可能で繰り返し使うことができますね。また、本体には取っ手がついており、持ち運びが便利なこともポイントです。
Rayson-コームリング綴じ機 (18,540円)
分厚い本でも製本可能
穴あけと製本を同時に行える、リングタイプの製本機です。サイズはコンパクトですが、重量感があり安定感の高い作りとなっています。また、リングにはやわらかい材質のものを使用しているため、後でページの抜き差しといったこともできるようになっています。
使用できる用紙サイズは、大きなものでA4やB5、小さなものでA5やB6まで4種類に対応。製本のみであれば400枚までの厚さに対応しており、分厚い本でも製本可能となっています。大型の本を作りたいときのもおすすめの製本機です。
NEWTRY-コームリング製本機 (33,210円)
1度に22枚の穴あけが可能
高品質金属構造で、耐久性が高く損傷しにくい製本機です。そのため本体に重量がありますが、そのぶん製本時にずれたりすることも少なく、最大400枚までの製本が可能。安定して作業ができ、長く使える製本機をお探しの人におすすめです。
ナイフ部分の素材には炭素鋼が使われており、穴あけ可能枚数は22枚までとなっています。リングタイプ製本機の中でも、1度に穴あけ可能な枚数が特に多くなっているのが特徴ですね。また、ポジショナーにより穴あけ位置を調整して、パンチ穴が対称できれいになるようになっています。
高性能タイプでおすすめの製本機
アコ・ブランズ-シュアバインド製本機 (300,300円)
特殊な製本により偽造や改ざんが困難
世界100カ国以上で事務機器を提供している、アコ・ブランズが手がける製本機です。製本に対応できる用紙はA4サイズ。製本できる最大の厚さは50mmで、コピー用紙でいうと約450枚程度になります。
留め具を書類の端の部分に串刺しにし、余った部分をヒートカット処理することで製本化する特殊な機能となっています。しっかりと固定され、特殊な製法であるため、偽造や改ざんといった行為を困難にします。社外秘の資料や重要書類を製本化するのに適した製本機ですよ。
インターコスモス-ファーストバック9 (356,400円)
複数の方法でスピーディーな製本ができる
複数の方法で製本が可能な、官公庁や自治体でも多く使われている製本機です。一般的なくるみ製本の他に、テープ製本や契約書製本、ハードカバー製本といった特殊な製本方式を1台でこなすことができます。特にビジネス用途では、よく使われる契約書製本ができるのは便利ですね。
最大250枚、500ページまでの製本ができ、厚めの本でも製作することができます。電源をオンにするとすぐに作動でき、製本機のウォームアップの時間がないのもポイント。さらに製本にかかる時間は30秒と、スピーディーな製本が可能です。
マックス-電子製本機 (159,500円)
1冊につき約10秒のスピーディーさで製本ができる
あらかじめホッチキスで綴じたものを、製本テープで貼りつけるタイプの製本機です。通常の背のりタイプの製本機の場合1冊製本するのに1分程度の所要時間を要しますが、この製本機は1冊約10秒で製本が可能となっています。そのため、企業や官公庁での使用や、同人誌製作など、大量に製本をしたいというシーンにおすすめの製本機です。
用紙サイズはA3からA5までの5種類に対応。背貼りの厚みは、7.5mmまで製作できます。製本作業は、ガイドに合わせて原稿を本体にセットしスタートボタンを押すだけと、誰でも簡単に扱うことができます。
ジャパンインターナショナルコマース-とじ太くん 45000-flex (101,000円)
多様な仕上がりにスピーディーな製本でオフィスに最適
特殊樹脂を熱で溶かし接着させる、ホットメルト方式の背のりタイプ製本機です。製本可能な用紙サイズは、A3からB5までと幅広く対応。さらに最大背幅は54mmで、背幅の厚みは15段階もの調整が可能となっています。
さまざまなタイプの製本に対応できるため、オフィスなどでの利用に適した製本機です。背幅1.5mmの製本であれば14冊もの製本を同時にこなし、1時間当たり約800冊の製本が可能と、製本スピードも非常に高性能。一般的な製本機よりもはるかに短時間で製本を完了させることができるため、大量製本にも向いています。
まとめ
美しい仕上がりができる背のりタイプの製本機がおすすめ
せっかく自分で本を作るなら、まるで書店で売っているような美しい仕上がりの本にしたいもの。その点で、くるみ製本ができる背のりタイプの製本機は綺麗な仕上がりとなるのでおすすめです。みなさんも、自分にあった製本機を探してみてください。