オリンピック競技の一つでもある女子新体操は、女の子の習い事として人気のスポーツです。手具と呼ばれるボールやリボンを自由に使いこなして、飛んだり跳ねたり回ったりと見る人を感動させてくれますよね。身体の動作に合わせて動く手具は、まるで生きているかのよう。今回は、そんな新体操の手具の一つである新体操ボールについてご紹介します。大きさや色や柄によってさまざまな表現や演出ができる新体操ボールの適切な選び方とともに、おすすめランキングもありますよ。
新体操ボールとは?
女子体操競技の種目に使われる道具
バレエとアクロバットの要素を掛け合わせた新しい体操のことを「新体操」として日本でも広まったのは、1968年開催の全日本新体操学生選手権が始まりです。新体操は、手具と呼ばれる道具を駆使して、柔軟性のある演技力や流れるような動作の美しさを演出するもの。この手具には、リボンやフープ、クラブ、ロープ、そしてボールがあります。ボールの場合は、投げ技やバランスを取って転がすなど、新体操ボールを身体の一部として演技の中に上手く取り入れ、その難易度や芸術センスで評価が決まるという重要な役目があります。
新体操ボールの必要性
審査対象となる公式基準がある
新体操ボールは、普通のビニールボールとあまり見た目が変わらないように思えます。しかし、転がった時の安定性や手に吸い付くような吸着性があるのが新体操ボールの特徴です。また、国際体操連盟や日本の体操協会で定められたルールがあり、大会に出場するには公式の新体操ボールを使用することが決まっているのです。
自分の演技力の評価につながる
新体操の演技は、体操競技のようにアクロバットな技で床から足が離れるのはルール違反。ジャンプの高さや捻り回転数など身体的能力や技術力で評価されるのではなく、柔軟性とバランスの芸術性要素が新体操には必要です。ボールやリボンなどの手具を使いこなすことでレベルが問われる競技なので、自分に合った手具選びは評価につながる大切なことなのです。
新体操ボールの種類
競技用
大会や検定で使用が認められている公式サイズ
新体操の競技は、国内から海外まで年間通してさまざまな大会が開かれています。これらの大会に出場するには自身のレベルだけでなく、手具であるボールも公式のものを使うことがルールとして決まっています。日本で取り扱いのある新体操ボールには、公式として認められたものは認定マークが付いています。
公式の新体操ボールとしての基準は、重さ400g以上で直径が18.5cm以上です。各メーカーや販売元では、公式の新体操ボールであることを表示しているため、購入時に確認するようにしましょう。練習用とは明らかに重さや大きさが異なるため、選手を目指すのであれば早めに自分に合った公式サイズのボールに慣れておくのもレベルアップのためのポイントです。
練習用
初心者のボール慣れや繰り返し行うトレーニングとして
新体操は幼児から参加できるスポーツなので、ボールを初めて選ぶ時はジュニア用や練習用のものから使うのが一般的。練習用は主にボールの重さに慣れて、上手くバランスを取るためのものと認識するといいでしょう。プロや選手クラスにもなれば、必然的に公式サイズのボールで練習することにもなります。スクールによっては、公式サイズのボールを指定しているところもあるようなので確認するようにしましょう。
公式用のものと練習用の間には、大きさや重さ以外にも材質やデザインにも違いがあります。練習用のボールはよりシンプルなデザインで値段も手頃なものが多いようです。ボールは突いたり投げたりするため、何度も練習していると色落ちしたり表面がひび割れたりしてしまいます。定期的なメンテナンスで長持ちすることもありますが、練習用のボールと競技用とは区別する方がいいでしょう。いずれにしても、大会直前には公式サイズへの交換が必要になるので、自宅トレーニング用と分けるなどして使うのがおすすめですよ。
新体操ボールの選び方
大きさで選ぶ
小柄なキッズは13cm
新体操ボールを選ぶ際には、まず、片手で持ってしっかりとホールドできるかどうかで判断します。幼児の場合は、まだ手が小さいため、メーカーで取り扱っている中でも一番小さな13cmサイズがおすすめ。幼稚園や保育園で使われるビニールボールとほぼ同じ大きさなので、子供達が一番扱いやすくて持ちやすいサイズですよ。
小学生からは身体の大きさによって15cmから17cm
小学校に入ると身長や体格に個人差が出てくるため、手の大きさや腕力によってボールを選ぶこともあります。小学校低学年の間は15cmぐらい、身長が伸びる4年生頃には17cmに変えるなど様子を見ながら大きさを徐々に大きくしていきます。同じ年齢でも手の平が大きければ、ボールのサイズ感よりも重さに支えられるか腕の力で選ぶのもポイントです。
15歳以上は公式サイズの18.5cmが必須
中学生に入ると選手を目指す子も出てくるため、公式サイズで練習するといいでしょう。国際大会へ出場できる条件として、15歳以上の場合は公式サイズを使うことがルールとなっています。いきなり本番当日に公式サイズを使うと失敗の恐れがあるため、日頃の練習から公式のものに慣れておくことで本番に実力を発揮できますよ。
重さで選ぶ
幼児は片手で持てるぐらいのものを
ポージングしながらボールを操る新体操には、ボールが常に持ち続けられるかどうかでも判断することもあります。公式サイズは400g以上と、大人でも長時間片手で持ち続けるのが難しいほど、ボールによる身体への負荷は思った以上にあります。バランスを保つにも、ボールの重さに耐えられなければ満足のいく演技ができないため、重さ選びは大切ですね。
本格的な選手コースは公式の400gにも挑戦
中学3年生以上や小学生でも、選手として各大会へ出場するには公式サイズのボールを使用することになります。普段から公式サイズの大きさや重さに慣れておいて、しっかりとバランスが取れるまで練習します。基準とされる400gとは、おおよそ豆腐一丁分の重さがあるので、小柄な体格だと持ち続けるのが難しいもの。そのため、選手を輩出している有名なスクールでは、最初から公式ボールを使って訓練するところもありますよ。
素材で選ぶ
ビニール製はキッズのステップアップ用として
軽量の塩化ビニール製の新体操ボールは、手頃な価格で手に入れやすくて幼児の練習用として使うのにピッタリ。ボールは投げたり突いたりするため、どんなに品質の良いボールを使っていても徐々に色が剥げたりひび割れたりと劣化してしまいます。何度も練習して初心者や幼児がボールに慣れるには、まず軽くて扱いやすいビニール製を選ぶのがおすすめですよ。
耐性のあるゴム製でバランスのとれた演技を
選手を目指して本格的に練習を始めるのであれば、公式用として使われているラバー素材のボールがおすすめ。4ピース構造など汚れや傷に強い素材で、きちんとメンテナンスして保管すれば長期間使用することも。また、空気漏れがおきにくく安定性がありバランスもしっかりとれます。大会出場時の素材の指定はありませんが、メーカーで公式サイズとして取り扱っているものはこのラバー素材のものが主流です。
新体操ボールのおすすめブランド・メーカー
SASAKI(ササキ)
国内唯一の体操用品専門メーカー
始まりは小さなスポーツ用品店ですが、今では世界でも認められる体操専門用品を開発しているメーカー。新体操ボールを含めて各手具や衣装など、国際体操連盟(FIG)の公式品として認められたものを扱っています。これまで数々のオリンピック競技や大会のスポンサーとしての実績も多数あり。高品質で手に馴染みやすい新体操ボールは、プロだけでなく初心者の練習にもおすすめです。
Chacott(チャコット)
バレエシューズに始まりあらゆるダンス用品を展開
ファッションブランドを展開するオンワード竪山グループのスポーツブランド。主力商品であるダンスやバレエ用品以外に新体操用品を販売しています。自社自らが経営するダンススタジオを全国に所有していて、バレエやジャズスクールも行っています。独自の素材を使った新体操ボールはタック感が良く、デザインもシンプルなものからハイセンスなものまで、豊富な種類を取り扱っています。
おすすめ&人気の新体操ボールランキング
ジュニアサイズでおすすめの新体操ボール
ササキ-ジュニアビニールボール(1,485円)
最小サイズでボールを初めて使う幼児におすすめ
新体操ボールの中でもっとも小さな、13cmから15cmのサイズです。柔らかな張りのあるビニール素材は、軽量で幼児が持ちやすいのが特徴。一般的なゴム素材に比べて手ごろな価格で手に入るので、初めて持つ新体操ボールとしておすすめのシリーズです。
ボール表面は、艶のある光沢感で明るい印象を与えます。カラフルな色彩が元気一杯の子供たちの伸びやかな演技にマッチして、より可愛らしさが表現できますね。新体操以外にも幼児教室や児童館などでも使えますね。
チャコット-ジュニアジムボール(2,970円)
公式品と同レベルの品質をクリアした練習用ボール
年長から小学生低学年ぐらいまでのジュニアのための新体操ボール。メーカーの公式用ボールと同じ構造で作られており、繰り返し使用しても劣化しにくいのが特徴です。空気漏れが起きにくい工夫も施されているので、スクールや自宅での練習用としておすすめ。
直径は15㎝と、身体が小さな子供も片手で十分支えられる大きさ。ジュニア世代は、ボールに慣れることがレベルアップのために必要なステップになります。まずは、楽しく練習できるお気に入りのボールを選ぶこともおすすめします。
ササキ-ジュニアボール(2,711円)
幼児や小柄な小学生のボール慣れに
ジュニア世代のボールの中でも特に人気のあるシリーズ。直径15cmと公式サイズよりも小さめのボールですが、公式品と同じレベルの素材で作られているので手に持った時の吸着性もバッチリ。ボールのぶれが少なく安定した演技ができます。
ササキボールは国際基準をクリアしているため、練習用と言っても品質に信頼性が持てますよね。こちらは、小学生から新体操を始めた子も安心して使えるボールの一つ。特に初心者やキッズクラス用におすすめ。
ミドルサイズでおすすめの新体操ボール
ササキ-ミドルボール(3,880円)
ジュニア層にピッタリな練習用
公式サイズよりもやや小さめの17cmサイズ。小学1年生から3年生の標準体型の子供におすすめです。公式サイズよりも約1.5cm小さいだけで、公式のものと同等レベルの品質があって小柄なキッズにも扱いやすいのが特徴です。
ライトトーンの全6色カラーは、キッズなら誰でも選びやすく衣装にも合わせやすいですね。厳しい練習中もお気に入りのボールで気分を盛り上げてくれますよ。ジュニアボールに慣れてきたら、次のステップとして持つボールにおすすめのシリーズです。
チャコット-プラクティスプリズムボール(7,150円)
選手を目指す小学クラスに本格的なクオリティ
直径17cm、重さが約330gと公式の新体操ボールよりもやや小さめ。公式サイズを持つのにはまだ重たく感じられるというキッズにおすすめです。公式用と同じ構造で作られた本格的なボールなので、選手として大会に出場するまでの練習用としても使えます。
ボール表面には、キラキラと照明の下で輝くプリズムパウダーが配合。7色のネーミングが花にちなんだ名前が付けられていて選ぶのも楽しくなりますね。本格的仕様のため、ミドルサイズの中でもやや値段が張りますが、プロになるなら相応しいと言えるボールです。
ササキ-ミドルヴィーナスボール(6,831円)
スターダストの輝きが本物志向のジュニアにおすすめ
マーブル模様が美しく大人っぽいデザインのボールです。ササキ独自の本格的な素材が使われているので、回転や柔軟な動きに合わせてバランスを保てます。直径17cmと公式サイズではないため大会直前の練習用としても。
特殊加工でボールの表面が光に反射して遠目でもとても目立ちます。マーブル模様は珍しいデザインなので、他人とは違うボールを持ちたい時におすすめ。練習用とは思えないほど品質も良いので、未来のステージアップ用として持って置くのもいいですね。
公式サイズでおすすめの新体操ボール
チャコット-ジムボール(3,960円)
ビビットカラーでジュニア層の本番用としておすすめ
国内検定品や国際大会などで使われる18.5cmサイズ。ビビットな単色カラーはキッズから大人世代まで幅広く使える色使いです。初めて大会に出場するジュニア世代の競技用としてや大会直前の練習用としてもおすすめの新体操ボールです。
ツーピース構造で作られていてボールが回転した時も安定感があります。また、手への吸着性もありしっかりと片手でホールドすることも可能。公式ボールの中ではコストバランスが良い方なので、失敗しても何度でもチャレンジできるシリーズですよ。
チャコット-ジュエリーボール(8,470円)
シックで落ち着いたカラー使いで大人っぽい演出に
ディープで深みのあるカラーに、シルバーやゴールドといったきらめきが加わった新デザインのボールです。公式用の中でも華やかさがあるので高学年や選手レベルにおすすめ。ジュニア世代でも落ち着いた曲や衣装に合わせて使うこともできます。
メーカー特有のタック性はしっかりと手に吸着して、凹凸のない正確に作られたボールは転がってもバランスが崩れません。また、4パネル構造により色落ちしにくく空気漏れも少ないので長く使えます。プロ選手も認める高品質な新体操ボールの一つです。
ササキ-オーロラボール(7,480円)
夜空に煌めく星砂のように反射して注目度アップ
国際体操連盟の認定基準を満たした直径18.5cm、重さ400g以上の新体操ボール。プロ選手やセミプロ選手が持つのにおすすめです。世界中で使われている安心できる品質で、演技をより魅力的に演出できますよ。
デザインも斬新で、光の印影や遠近感によってさまざまな色彩が生まれる美しいボールです。パステルカラーやダークカラーなど幅広いトーン展開であらゆる衣装に合せられます。2020年には新色も登場しています。
チャコット-プリズムボール(8,470円)
キュートな色合いで滑らかな動作にもマッチ
カラフルな色使いで女の子が思わずときめいてしまう新体操ボール。ジュエリーボールほど落ち着いた色味ではないのでジュニア世代にもおすすめ。キラキラと動きに合わせて宝石のように輝いてより存在感をアピールできます。
タック感やバランス感はまさに職人技が光るプロ仕様。つなぎ目をなくすことでボール表面がフラットに仕上がっていて、転がしてもブレにくく安定感があります。信頼できる品質のボールだからこそ、より高度な技にもチャレンジできますよ。
ササキ-メタリックボール(8,247円)
メタリックパウダー入りで回転時に輝きが増す
メーカーの独自技術によって作られた公式サイズの新体操ボール。空気弁を改良することで、より空気圧が安定して長く使えるようになりました。もし万が一空気漏れが起こっても、メーカー専用の空気入れで簡単に空気圧を調整できるので安心です。
ボール表面の凹凸を減らすために接合部を傾斜カットすることで安定感があります。バランス性に優れていて身体に沿って滑らかに転がってくれますよ。表面は大人っぽい素材で可憐な演技との合わせ使いがおすすめ。
ササキ-ミーティアボール(7,386円)
煌めくラメ入りでダイナミックなアピールに最適
メーカーの中でも一番インパクトのあるデザインの新体操ボール。鮮やかな色使いにラメの輝きが加わり迫力のある演技に合わせて存在感をアピールできます。大会出場が決まっているジュニア選手やプロ選手が使うのにおすすめ。
手への吸着性やホールド感など、品質の良さは世界でも認められるほど信頼性の高いボールです。国内大会からオリンピックのような国際レベルの大会用としての使用にも。個人競技だけでなく団体競技にも幅広く使えるシリーズですね。
ササキ-ジムスターボール(3,833円)
定番カラーで団体競技の練習にも
公式ボールの中でも高品質なのに低価格というコストバランスの良いシリーズ。定番カラーの7色はどんな世代にもマッチして使いやすいボールです。ジュニアの公式大会やレディースの団体競技の使用におすすめ。
手に馴染みやすく扱いやすい素材で初めて持つ公式ボールとしても。ジュニアやミドルサイズよりも公式用はやや重さがあるため、このシリーズでまずはサイズ感に慣れておきましょう。世界基準の安心できる品質であれば練習もたくさん取り組めますね。
新体操ボールのお手入れ方法
ボールの空気圧は専用の空気入れで調整する
投げたり突いたりする新体操ボールは、使っている間にどうしても空気が漏れてしまうもの。空気の量が減ってきたら専用の器具で空気圧を調整しましょう。メーカーごとに専用ポンプがあるのでそれらを利用して空気を出し入れします。空気の量は、あまり入れ過ぎてしまうとボールの表面のひび割れの原因となるため、少し押したときに弾力が返ってくるぐらいが目安。また、何度もポンプを使用すると空気弁がゆるんでしまうため、ゆっくりと確認しながら入れるようにしましょう。
定期的にメンテナンスをすれば長持ちしやすい
新体操は通常体操用マットの上で練習を行いますが、まれに体育館などで練習することもあります。体育館は大勢の人が使用するため、ほこりや砂などがボールに付着することも珍しくありません。使った後は綿タオルなどで水拭きして保管するようにしましょう。種類によっては直接水洗いできるものもありますよ。また、使わないときは専用のボール袋に保管しておくと、ほこりや温度変化からボールを守れます。
耐用年数を参考にして買い替えが必要なことも
新体操ボールを含め各手具には、日本体操協会が定める安全基準があります。一般的に、新体操ボールの保証期間は2カ月で耐用年数は1年です。耐用年数はあくまでも基準値で、使用回数やボールの保管具合などによっても違ってくるため目安として覚えておくといいでしょう。プロや選手クラスにもなると、使用頻度が増えるため大会の度に新しいものへの交換が必要になることもありますね。
まとめ
用途別に自分の体格やレベルに合わせた新体操ボール選びがおすすめ
練習用や大会本番用など、新体操ボールの種類は大きさや重さで使い分ける必要があります。体格や手の大きさによって扱えるボールの種類が変わるため、その都度レベルに合わせてボールもステップアップしていきましょう。小さなお子さんは、新体操そのものがまず楽しいと思えるように、色やデザインで選んであげるのもいいですね。自分の演技力もより魅力的にみせられるベストなボールを見つけてみましょう。