釣りに慣れたから新しいリールが欲しい。タイラバに挑戦したい。そんなときはランキング形式で紹介している、レバーブレーキリールを手にしてみるのがおすすめです。初心者が挑戦しやすい根魚や、スズキの仲間を釣るのに便利。また、少しレベルアップしてタイを釣るときも役立ち、幅広い層が楽しく使えるリールです。少し専門的な要素があるため、今回はレバーブレーキリールを掘り下げて詳しく解説します。参考にしながら自分に合ったモデルで、タイラバなどの釣りを楽しんで下さい。
レバーブレーキリールとは?
トリガー操作するブレーキが付いたリール
リールは、ラインと呼ばれる釣糸を巻き取る釣具です。スプールというドラム状の回転パーツにラインを巻いて、釣り竿に接続します。リールの中にはブレーキ機構を持つ種類が存在。レバーブレーキリールも接続部の下に付いたトリガーで操作する、専用ブレーキを搭載しています。
スピニングリールとの違い
普通のスピニングリールはドラグが付いている
リールはスピニングとベイトの2つに分かれています。スピニングリールは、スプールに横向きでラインを巻いている種類です。スプールの周囲にベールを装備。金属棒を曲げたU字のパーツです。ラインが自由に出て行くのを防ぐストッパーで、投げるときはベールをオープンにして解除。巻くときはベールを閉じて機能させ、ラインを引っかけます。
普通のリールはドラグというライン制御システムを持ちます。ドラグを排除してブレーキだけ使う仕組み、またはドラグとブレーキを併用する仕組みがレバーブレーキリールです。レバーブレーキリールはスピニングリールから派生した兄弟。投げ方やライン回収のシステムが同じで、基礎的な要素は共通しています。ブレーキを使わなければスピニングリールと同じ。一方、ブレーキのおかげでスピニングリールより広い釣りに対応できます。
レバーブレーキリールの必要性
設定を変えず咄嗟にラインの送り出しができる
ドラグは設定以上の負荷が加わった際、リールが逆回転して勝手にジリジリとラインを送り出す仕組みです。想定より大きい魚がかかったとき、強い負荷が起こったときにラインの破断を防いでくれます。スピニング系のリールはスプール正面に調整ツマミがあり、慣れるとバトル中の操作も可能。ラインを必要に応じて送り出すことができます。
一方、ドラグはラインの強度や自分の好み、魚に合わせ、釣り前に微調整しておく事前システムです。突然、または自力の正確な調整が高難度。設定を無視してトリガーで咄嗟に操作できるところが、レバーブレーキ最大のメリットになっていますよ。想定外の負荷が起こりやすい釣りで、竿の破損やライン破断を緊急回避するために必要とされます。
レバーブレーキリールのメリット
アングラーのタイミングでラインを送り出せる
ブレーキトリガーは車のブレーキと似ていて、親指で引き上げた状態はリールの逆回転を許さないオンです。何もしていないが状態が自由に逆回転させるオフ。オンからオフに切り替える瞬間もリールが逆回転して、釣る人のタイミングで少しずつラインを出せます。ちなみに釣る人のことをアングラーと呼びます。
ラインの送り出しで釣り竿の角度を立て直しやすい
釣り竿は弾力があります。角度を付けた際の曲がりを利用して、ラインにかかる負荷を緩和するのが特徴です。一方、竿は魚の引きでラインが張りつめると、徐々に下がって持ち上がりません。水平以下で曲がりを上手く利用できない、のされた状態になります。
のされた状態はラインを切断から守りにくい状態です。緊急時にアングラーの判断で少しずつラインを送り出せると、張りが徐々に緩んで角度を付けやすくなります。なお、ロッドの立て直しが間に合わないときは、ベールを解除すると一気にラインが伸びますよ。
スピニングリールよりルアー操作が柔軟
スピニングリールはベールをオープンにして投げます。投げた後はルアーや仕掛けを水中に自由落下させる、フリーフォールの釣り方が基礎的です。ベールを閉じると落下が停止。オンとオフが基本アクションになります。
一方、任意でラインを送り出せるレバーブレーキリールはオフがありません。ベールを機能させたままでも細かなライン操作が可能です。ラインを張ったまま落下させるテンションフォールが選べ、スピニングリールより幅広いルアー操作に対応できます。
タイラバを含むコントロール重視の釣りに使える
タイラバはタイが釣れる方法や、タイ用の釣具全般を指します。タイはフォール速度を的確に操作できると、釣果が上がりやすい魚です。タイなどの大物をルアーで狙うときは、パワー重視でルアー操作に長けているベイトリールが選ばれる傾向。同サイズなら飛距離や扱いやすさを重視したスピニング系のリールより、強い力があります。また、細かくフォール速度を調整できる性能も、獲物に対してメリットになるからです。
フォール速度の調整と言えば、テンションフォールが選べるレバーブレーキリールにとっても十八番です。タイラバで釣果を上げるため、磯や船上で使われています。他にもブリなどの大型青物を狙う、細かなコントロールが必要な釣りに使われていますよ。
飛び跳ねるシーバスなども得意なターゲット
いきなり水中から飛び出すエラ洗いが好きな魚もいます。シーバスやボラが典型例です。魚が急に浮上すると針が外れるかもしれません。また、想定外の負荷も起こりやすくなります。エラ洗いに対処できるのがレバーブレーキリール。動きに合わせてラインを送り出し、魚のジャンプを抑制できます。サッカーや格闘技に例えるとカウンターアタックが得意。シーバスのように激しく泳ぐ魚も狙い目です。
レバーブレーキリールのデメリット
ブレーキ操作の慣れに反復練習が必要
スピニングリールの操作はベールを解除して投げるだけです。いきなりでも操作に困らない程度は使えます。一方、レバーブレーキリールはトリガーも操作しますよね。細かい作業を行うための慣れが必要です。釣りに出かけて反復練習することが、テクニックを養う一番の解決策になります。
スピニングリールより複雑で部品が故障しやすい
ブレーキ機構を追加しているレバーブレーキリールは、スピニングリールより構造が複雑です。故障する部品、タイミングなども多くなります。シンプルさ、扱いやすさを得ているのはスピニングリールの方。メンテナンスやドラグ調整を実践できるとリスクが減らせます。
ハイエンド化する傾向で安いモデルがない
複雑なレバーブレーキリールは、ハイエンド化して高級になることが多々あります。トリガーが増えて大型化しやすいのも特徴です。また、同じサイズだと重さに耐える性能は、ドラグだけを追求できるスピニングリールが有利。シンプルで扱いやすいこともあり、手軽さはスピニングリールが上です。一方、リールは複数を使い分けるのが一般的な考え方。それぞれが便利なメリットを保有ため、片方を避けるより併用するのがマストです。
レバーブレーキリールの種類
LBリール
大型魚以外に使われるドラグがない種類
ドラグがないレバーブレーキのみのモデルは、アルファベットの頭文字を取ってLBリールと呼ばれています。中型魚以下に向けて開発していた、ドラグ付きが現れる前のシステムです。平均が30cmから40cmくらいのチヌ、メジナなど、根魚を釣るためのリール。同じスズキの仲間だと出世魚のシーバスも候補です。30cmくらいのセイゴや、少し成長したフッコがターゲットになります。
大物狙いしづらい仕組みが主流を外れた主な原因です。しかし、通常サイズの根魚を対象にした、LBリールが使いやすい釣法で活躍しています。チヌなどを誘うフカセ釣りが例。堤防や磯の近くに仕掛けを落とし、自分で海に生のエサを撒きます。メインメーカーの新型がないため、一部しか選ばないタイプ。ドラグを使わず釣り上げることで、自力感や操作性を楽しむアングラーがいます。技術を磨くために選ぶこともあり、やや嗜好的と言えるリールです。
LBDリール
タイラバにも選ばれる主流のレバーブレーキリール
数kgクラスの大物が不意にかかった際、想定外の力を竿やラインに加えます。魚がハイスピードで縦横無尽に動き、抵抗するときも同じです。アングラーが能動的に動かすブレーキだけでは、瞬時の負荷緩和が間に合いません。LBリールでは大型魚の動作に追いつけない、というのが現実です。一方、一般リールと同じドラグが付いていれば、ライン放出で想定外の負荷を受動的にかわすことができます。
ドラグ付きレバーブレーキリールは、大物に対処しづらいLBリールのネックを解消する意味で登場しました。LBDリール、ドラグ付きレバーブレーキと呼ばれている今日の主流です。大物狙いができるため、タイラバなどにも使われているタイプ。能動的なブレーキと受動的なドラグを合わせている進化版です。特別な楽しみを求めない場合は、ドラグも使えるLBDリールがおすすめですよ。
レバーブレーキリールの選び方
使用ラインに合う番数で選ぶ
対象魚に合う0.6号から1.6号のラインを巻くことが多い
レバーブレーキリールは対象魚に合わせ、0.6号から1.6号のラインを巻くことが多くなります。タイラバは0.8号から1.6号くらいがベーシックです。シーバスは0.8号から1.2号がセオリー。チヌ、ソイなどの岩陰に潜む根魚も0.6号から0.8号が初心者向けの太さです。ラインは号数が上がるほど、耐荷重に優れていたり摩擦に強かったりします。素材による違いはあるものの、基本的な強度が上がると考えて問題ありません。
大物を想定して150mの3号ラインも見越すのがマスト
タイやシーバス、チヌが釣れる場所で、大物に出会うケースは少なくありません。タイを船釣していて特大の青物が当たったり、60cm越えで3kgを上回るような破格サイズの根魚に出くわしたりします。たくさん大きな魚が住む場所では、ラインキャパシティーを広げるのがマスト。3号ラインまでが不意の遭遇に対処する目安で、150m以上巻けると便利です。
2,000番手台から3,000番手台が一番スタンダード
番手は上がるほどリールが大きくなり、太いラインを巻けると考えても大きな問題がありません。レバーブレーキリールの対象魚や釣り方に合うライン号数から読み解くと、メーカーは2,000番手台から3,000番手台を設計することが多くなります。レバーブレーキリールの一番スタンダードなサイズ。0.6号から3号のラインを巻くと、タイラバなどのポピュラーな組み合わせになります。
一方、大物を狙う場合は太いラインを巻ける3,500、4,000などの3,000番手以上も選択肢です。また、中型魚以下が目的なら2,500番手以下もおすすめと言えます。魚に合った1号未満のラインを付けるのが得意。加えて非常に軽いため、疲労が和らぐ大きなメリットもあります。
同じ番手でも巻くラインが違いチェックは必要
おおよそのリールは型番で番手が解ります。3000LBDであれば3,000番手です。番手はメーカーが独自に設定。同じ番手でも巻くラインに差があります。号数と長さを必ずチェックして、巻きたいラインに合わせて下さい。糸巻き量という記載があり、1.5の165なら1.5号ラインを165m巻けます。なお、複数のラインに対応しているのが普通です。
ドラグ力の違いで選ぶ
ドラグ力は4kg以上がおすすめの境界線
最大ドラグ力(実用ドラグ力)の単位はkgです。リールの性能表に記されます。ドラグ力が弱いと軽い引っ張りでラインを放出。強ければパワフルな魚の引きに耐えることができます。なお、魚に対しての限界値ではありません。ドラグ力が4kgなら、テクニックや竿、ライン性能の対応で理論的に4kg以上の魚も釣れます。大型と言えるタイは平均60cmから65cmで、重さが3kgくらい。シーバス、チヌなどの中型はドラグ力が4kgあれば十分です。おすすめの境界線は4kg以上になります。
8kgのドラグ力が実質の目安になる
性能表のドラグ力はあくまで理論上の最大値です。ギリギリの重さはラインが切れたりルアーの結び目が解けたりします。リール自体に悪影響が及ぶ可能性もゼロではありません。好みやラインにもよりますが、最大ドラグ力は3分の1や4分の1を基準に、ツマミを緩めて調整するのが一般的。大物が不意に来るレバーブレーキリールは、タイの平均サイズに対処できる7kg以上がおすすめです。ラインナップ豊富なドラグ力8kg以上のモデルが、実質的な目安になります。
船釣りには実質の目安を見越すと便利
弱いドラグ力で重い魚と長いあいだ押し引きすれば、リールは壊れないまでもグリスなどの潤滑油が熱で気化します。車に例えると熱でタイヤが溶けたり、ブレーキが効かなくなったりする状態です。頑丈なリールでも弱体化しやすく、魚と戦う時間が長くなりますよ。
貸し切りは別として、他人と乗り合わせるのが船釣りです。魚や時間に合わせて手を止め、移動してくことが暗黙のマナーになっています。自分だけ長引くのはマナー面でどうかという問題があり、仕方なくラインを切ることになるかもしれません。船釣りは余裕をもって、実質的な目安である8kg以上のドラグ力を選ぶと便利です。
ギア比の違いで選ぶ
特別な意図がなければハイギアを選ぶことが多い
リールは自転車の構造と似ています。レバーブレーキリールもギア(歯車)で動く仕組みです。それぞれのモデルにメーカーがギア比を設定。ギア比4ならハンドル1回転につき、ラインを4回巻けるスピードがあります。リール全般における現在のスタンダードは、5.8から6.1のハイギアと呼ばれる比率。バランスがいい性能で、特別な意図がなければレバーブレーキリールにも選びやすい数値です。また、ギア比5.0から5.7のノーマルギアも、少し軽い操作感に人気があります。
大物狙いにはノーマルギア以下を選ぶこともある
ギア比が高いハンドルは重くなります。巻取りに使うパワーを増やすのがネックです。反面、1回の巻取り量も増えて回収スピードがアップ。逆に低いギア比はハンドルが軽くなり、大型魚と戦うときの疲労を軽減できます。大物を専門にしているケースではノーマルギアや、ギア比5未満のローギアも選択肢に。一方、ギア比は釣り方の思想やテクニックが好みを左右する、かなり感覚的な条件です。解らない場合は主流に習って、万人ウケしているハイギアを選ぶのがベストと言えます。
シマノ製とダイワ製レバーブレーキリールの違い
ダイワ製
糸巻き量の多さとシンプルなトリガーを求めて選ぶ
レバーブレーキリールはダイワ製とシマノ製が大半を占めます。大きな違いはサイズです。同じ番手だとダイワ製が少し大きい傾向。スプールも大きいので純粋に糸巻き量が増えます。例えばシマノが2号150mなのに対し、ダイワが2.5号150mのようなイメージ。また、トリガーも違っていて、分かれていないタイプを採用しているのがダイワです。シンプルなトリガーが好きな場合は、ダイワを選ぶことが多くなります。
シマノ製
ダイワと違うコンパクトさやかぎ状トリガーが人気
シマノはダイワより小型なので、手元のコンパクト感が人気です。また、途中で二股に分かれた、かぎ状のトリガーを主軸展開しています。一方、分かれていないトリガーも1つ存在。両方選べるところが特徴です。なお、ブレーキの思想や設計も違いますが、優劣はつきません。どちらも優秀で、逆回転によるハンドルの振動を抑えています。竿の姿勢コントロールが楽、魚が感じるエサの違和感を緩和して食べやすくするなど、体感の恩恵も似ていますよ。
おすすめ&人気のレバーブレーキリールランキング
2,500番手未満でおすすめのレバーブレーキリール
シマノ- BB-X ハイパーフォース コンパクトモデル1700D XG (35,255円)
タイにも通用する最小クラスのレバーブレーキリール
複雑なレバーブレーキリールは大型化しやすい傾向です。現状では1,000番台のコンパクトなボディに、レバーブレーキを持つモデルが一部しかありません。ハイパーフォースシリーズの本機が最小クラスになっていて、レア物という概念でもアングラーの支持を得ています。
レバーブレーキリールとしては非常に軽量な190gが大きな魅力です。また、1.7号ラインを150g巻けるので、コンパクトですがタイラバにも十分に通用する性能があります。なお、ハンドル操作の感触、ボディ形状などがシマノの過去作を踏襲している傾向。スピニングリールのエクスセンスなどを使ったことがある場合は、自ずと手に馴染むでしょう。
シマノ-BB-X HYPER FORCE コンパクトモデル C2000DXG (44,964円)
貴重なコンパクトリールで大型魚への対策も可能
以前、レバーブレーキリールには2,500番手より下がありませんでした。現状ではシマノがリリースしている1,700番手や2,000番手の本機が、コンパクトさを求める場合に選択肢となります。2号ラインを150m巻けて、いざというときは2.5号も使用可能。大型魚への対応にも期待できます。
2番目のクラスに位置しており、リール全般で考えても性能は優秀です。一方、レバーブレーキリール自体が少しニッチで、メディアへの露出は最小限に留まっています。いい意味で主流から外れているのが特徴。存在を知らなければ選べない類で、他人と差をつける意味でも選べる釣具の1つです。
2500番手から3,000番手でおすすめのレバーブレーキリール
ダイワ-20 インパルト 2500H-LBD (51,040円)
性能がスタンダードで入門用におすすめ
最大ドラグ力が8kgのレバーブレーキリールです。3号ラインを150m巻けるので、大型魚とも十分に戦える性能があります。2,500番手には2つのギア比が存在。型番にSHがあるモデルは、ハイギアより1回の巻取り量が9cm多い6.8のギア比を採用しています。
型番がHのモデルは6.2。ハイギアに指定されているモデルです。巻くラインのキャパシティー、番手、ギア比を総合すると、レバーブレーキリールの中でもスタンダードに位置するモデルです。現状の流行に合っている扱いやすい性能で、入門用のモデルとして申し分ありません。
ダイワ-トーナメントISO 2500SH-LBD (74,975円)
競技用の最高峰シリーズだが一般層にも歩み寄っている
最大ドラグ力が8kgのレバーブレーキリールで、ラインは3号150mを標準にしています。また、4号ラインを100m巻くことも可能です。競技でアングラーに勝利をもたらすことがシリーズ共通のコンセプト。実際に超ハイスペックの競技LBDがあり、一般層も選ぶ汎用ポジションとして2,500番手が存在しています。
ドラグ力や使用ラインからも推察できますが、主に大物とのバトルを想定したリールです。レバーブレーキ専用のアルミが生み出す優れた剛性や、魚に自由な泳ぎを許さない強力な巻取りパワーがあります。ハイエンドクラスで少し尖った性能になっていることから、ターゲットを絞っているアングラーにおすすめ。経験者の方が扱いやすいタイプです。
ダイワ-銀狼 LBQD (52,976円)
シリーズの竿に付けるとチヌ釣りの定番形になる
ドラグ力8kgのレバーブレーキリールです。主なターゲットがチヌなので、フカセ釣りに適した設計を採用しています。0.8号を200m巻けるなど、チヌ釣りのセオリーに添っているところが魅力。初心者も迷わずに釣り方を体現できます。
銀狼は昔からチヌ釣りに人気がある釣具のシリーズです。同じ名前の釣り竿も存在しています。もちろん、レバーブレーキリールと同じでチヌに合った設計。磯に出かけるとき、よく選ばれる定番的な組み合わせです。釣り竿を持っていないときはセット購入が便利でしょう。
ダイワ-スイッチヒッター SH-LBD (29,645円)
シーバス用リールの主力に含まれるモデル
最大ドラグ力が6kgです。1号ラインなら200m、1.5号ラインなら150m巻けます。スイッチヒッターに番手はありませんが、シマノ製と比較することで見切ることが可能です。自重260gの2,500番手に似た設定が存在。15g重いですがダイワ製は大型化する傾向があるので、同クラスに入れて差支えないでしょう。
2パターンのギア比を用意しています。SHは6.2で、ダイワがハイギアに含んでいる比率です。LBDのみの型番は5.3でノーマルギアを採用。大型魚も軽快なタッチで引き寄せる性能があり、対シーバスにおける主力リールに含まれています。
シマノ-BB-Xデスピナ 2500DXG (30,030円)
2,500番手は特にスタンダードで入門用におすすめ
2,500番手と3,000番手に分かれている機種です。両者とも大型魚に対応しやすくて十分なパワーがあります。シマノ製の主軸になっているパーツ形状やギアを組み合わせており、システムや性能は非常にスタンダード。特に2,500番手は入門用として便利です。大型魚を積極的に狙う場合は3,000番手に巻くラインが便利でしょう。
型番がHGモデルはハイギアを採用しており、シリーズの中で一番スタンダードと言えます。XGモデルはギア比が6.6です。巻取り量を増やしたパワー重視のモデル。また、3,000番手には大物との格闘を前提としたローギア仕様もあります。マダイやスズキの仲間でオナガと呼ばれるクロメジナなど、60cmを超えるような大物も狙うリール。磯エリアの主役機種に入ります。
シマノ-エクスセンスLB C3000MXG (70,125円)
対シーバス用の最高峰スペシャリスト
かっこいい黒一色のデザインに人気があり、ハイギアより少し重いエキストラハイギアを採用しています。ギア比は6.6です。型番がMPGのモデルは4.6を採用していて、ゴリ巻きと呼ばれるスピード重視の巻き方を想定したモデルです。アングラーの手数を増やす設計。少し尖った性能になっている理由は対象魚を絞っているからです。
エクスセンスは対シーバス用のスペシャリストです。シーバスに使われるリールの中でも最高峰に位置しています。特化仕様として成立させるため、6kgのドラグ力やラインの設定、ブレーキなどのパーツ類を計算して組み合わせたモデル。エラ洗いや激しい逃走をスムーズに鎮圧。アングラーがシーバスと有利に戦える性能を備えています。
3,000番手より上でおすすめのレバーブレーキリール
ダイワ-尾長モンスターLBD (59,840円)
60cm超えのクロメジナやマダイを想定している
堅牢さとメンテンナス性の評価が高いレバーブレーキリールです。海水に強い構造を採用しています。また、比較的シンプルな構造でスプール交換もワンタッチ。シャワー洗浄が可能なので、定期的なメンテンナスがしやすいリールに含まれています。
尾長モンスターは本機しかないため、番手の設定がありません。一方、ダイワの過去作を踏襲していて、現状の4,000番手に相当する大型リールです。名は体を表し、メインターゲットは最大70cmに達するオナガ。また、マダイなども想定していて、60cm超えの大型魚を釣りやすい設計です。
シマノ-BB-X テクニウム C4000D (75,606円)
性能が非常に強力で大物狙の選択肢に入る
4,000番手のレバーブレーキリールは現状、3機種が選択肢になります。1つがダイワの尾長モンスターです。シマノ製はレバーブレーキリールの最上位に君臨する本機と、ハイパーフォースに4,000番手が存在。ハイパーフォースよりも強靭な10kgのドラグ力と、高いブレーキ力が生かせる非常に強力なシステムを備えています。
磯釣りで大物を積極的に狙う場合は選択肢に入るため、高価ですが検討する価値があります。一方、ハイパーフォースもスタンダードで優秀と言えるリールです。2,000番手以下も選べ、初心者が扱いやすいシリーズ。性能を取るならテクニウム、出費を控えるならハイパーフォース、もしくは同位の尾長モンスターが候補となります。
レバーブレーキリールの使い方
スピニングロッドに取り付ける
釣り竿は大きく2つに分かれていて、スピニングロッドとベイトロッドがあります。スピニングロッドは下向きにスピニングリールを付ける釣り竿。ベイトロッドは上向きにベイトリールを取り付ける釣り竿です。レバーブレーキリールはスピニングロッドに付けます。
ブレーキは魚がヒットしたタイミングで操作するのが基本
レバーブレーキリールとスピニングリールの操作は、ブレーキだけが違います。基本的な部分は同じです。ベールをオープンにして投げ、閉じて巻き戻すのが一定のパターン。魚がヒットしたタイミングでトリガーに指をかけ、ブレーキ操作するのが基本です。場所やターゲットの状況でフォール速度を変えたいときは、着水直後からトリガーを操作します。
レバーブレーキリールのドラグ調整方法
ドラグ調整はドラグチェッカーの使用がおすすめ
ドラグは地面に重い物を置き、釣り竿で引き上げて調整する方法が一般的です。3つのパターンがあり、慣れた人は感覚だけで微調整します。バケツやペットボトルに設定するドラグ力と同じ重さの水を入れ、引き上げて均衡を見る方法もスタンダード。もっとも確実なおすすめの方法は、バネ秤やドラグチェッカーをラインに繋ぎ、重い物を引っかけて数字を見ながら調整する方法です。
ドラグはラインの強度をベースに調整する
ドラグ力はラインの強度をベースに調整します。1号ラインを例にすると、おおよそ9kgの重さまで耐える性能です。ドラグ力は4分の1である約2.3kgに設定するのがベーシック。ルアーとラインを結束する技術に自信があれば、3分の1の約3kgに設定します。なお、ラインはlb(ポンド)表記がメジャー。最大lb値が記されている場合、1ポンド約0.453kgで換算します。3号48lbなら約21.7kgが切れないギリギリの重さです。
替えのスプールがあると巻き直しがない
リールはスプールを単独で取り外せるよう設計しています。交換用スプールや、シリーズ共有のスプールも少なくありません。また、スピニングリールなどには初めから付属するケースもあります。替えのスプールがあると、予めラインを巻いておけるので便利。ドラグ調整のときにラインの巻き直しを省くことができます。
レバーブレーキリールのメンテナンス方法
スプレーオイル差しがメンテナンスの基本
レバーブレーキリールはオイルで可動を維持します。市販のスプレーオイルを差す方法が一般的です。注入する場所は動きが多い3つの関節。外に露出しているのはベールの付け根とハンドルです。ハンドルはプラスチック部分が回転するので、金属との境目に注入します。残りはスプール。リール正面のドラグ調整ツマミなどにボタンが付いていて、押しながら引き抜くと外れます。露出した軸の根元にオイルを差して完了です。
パーツごとに分解してギアにグリスを差す
リールは見えているネジをドライバーで全て外すと、ギアを守るカバーやハンドルが取れてパーツごとに分離できます。完全分解ではありませんが、中身の主だったギアにグリスを差すことは可能です。オイルとグリスは違うので、間違えないようにして下さい。リール用のスプレーグリスなどが市販されています。
特殊工具や技術が要るメンテはメーカーに頼むのも手
リールは完全に分解すると、細かい部品を多く組み合わせているので元に戻すのが大変です。展開図から元に戻せる場合は問題ありませんが、時間がかかるし自分で戻せなくなるケースもあります。また、ブレーキ分解に特殊工具が必要だったり、部分的に分解できなかったりすることも。普段は基本的なメンテナンスに留め、年に1回くらいメーカーのオーバーホールを受けるのも立派で確実なメンテです。
まとめ
狙う魚とラインに合うレバーブレーキリールがおすすめ
釣具選びには一定の流れがあります。狙う魚に対して有効、もしくは専門の釣り竿を選ぶのが基本の第一歩です。次にリールを選択。また、ラインありきでリールを選ぶこともあります。レバーブレーキリールも第二、第三段階で選択するケースが豊富。タイラバなら最大ドラグ力10kgで3号ラインを巻けるタイプにするなど、狙う魚とラインに合わせて選ぶのがおすすめです。リール自体の使用感が解らない場合は、ハイギアのLBDリールにしてスタンダードな性能を求めると間違いがありません。